「後30分程で到着します」
そうジュンに報告したのはアプロディアだった、その声を聞きながらジュンは艦橋でアプロディアから渡されたGシステムの仕様書に目を通していた。この間アリナは別途要塞の説明を受ける為にジュンの横でジュンへ渡されたそれとは違うデータを見ている。
「これがGシステムの概要…か、兵器類の生産はかなりゲームと違いがあるな、でも確かにこれはチートって言っても良いレベルの代物だな、あ、アプロディア、少し質問いいかな?気になる点が幾つかあるんだけど」
そうアプロディアに声を掛けると艦橋モニターにアプロディアの姿が映りジュンにその視線を向けた。
「えっとさこの仕様書の説明だと物資は軍事資源、主に兵器、弾薬、燃料に限られるってあるけど生活物資、飲食物とかは生産出来ないのか?」
「はい、残念ながら生活物資等は生産出来ませんが、軍事物資として軍服等の被服は生産可能です、それと要塞内の環境維持のために空気と水が自動的に生産されていきます、尚水は飲用にも適していますので飲水として要塞内の水道に流れています」
「水と空気はあるのか、それは有難いな…」
そう呟いたジュンは仕様書のデータを見ながら自分が持てる戦力を考えていた。アプロディア曰く要塞内に今乗艦しているムサイ級後期型がもう1隻そして輸送艦が1隻居るとのことだった。
ただモビルスーツや航宙機は無く、それらを使用する場合別途Gシステムにて生産する必要があるとの事で今現在保有するキャピタルは5万だと言う。
そのキャピタルを増やすには主に
「じゃあ、スカウトなんだけど呼び出せる人物と呼び出せない人物の違いって何なんだ?」
「スカウトは違う時空の私が持っているデータを参考に呼び出しますが、この時空に既に生を受けている人物は呼び出せません」
「なるほど、じゃあ例えばだけど俺の知り合いにシャア・アズナブルって奴が居るんだけどそいつをスカウトしたいって言っても呼び出せないって事か?」
「その名前は確かにデータに存在しますが現在その人物は既にこの世界に生を受けているためにスカウト機能で呼び出す事は出来ません、もし交渉が可能であればこの世界の本人と合い直接交渉するしかありません」
「分かった、じゃあハサウェイ・ノア、ウッソ・エヴィンこの二人の人物はスカウトはどう?」
「ハサウェイ・ノア、ウッソ・エヴィン両名共にデータに存在します、ですがハサウェイ・ノアの場合生を受けるのが近い未来の為その操作の為にかなりのキャピタルを使用しますが呼び出す事は可能です、ウッソ・エヴィンに関しては通常のスカウトで呼び出し可能となります」
その後説明を受けたジュンは、ハサウェイを呼び出すには彼をこの時空に将来、生まれる人物とは違う人物だとこの世界に認識させる為にかなりのキャピタルを使用するとの事だった。
そしてウッソの場合だと、60年程将来に生まれるためにその間にこの世界に馴染ませる事が可能。との事で特殊な操作が必要無いために通常スカウトが出来ると言う、これは生まれるまでに大体50年前後の時間が経過した人物なら同じだと言う、それよりも前に生を受ける人物はそれまでの時間に比例して追加でキャピタルが増えるとの事だった。
そうして仕様書とアプロディアからの答えを擦り合わせていると、艦橋から巨大な要塞が見え始めてきた。
「でかい…小さいアクシズを二つくっつけたような外見だな…」
艦橋からジュンが見た要塞は二つの小惑星の間に幾つもの柱が出て、互いを支えあっている要塞の姿だった。
「これから要塞内に第一ゲートに入港します」
そうアプロディアが報告しジュンとアリナを乗せた巡洋艦は要塞の軍港へと入っていく。
接舷作業中にアプロディアから受けた説明によると今入港する軍港がある側の小惑星に軍港及びドッグ、それに生活区画があり、もうひとつの小惑星は未だに60%が未採掘区画で残る4割の部分は格納庫と生産エリアがあるという、今後は資源採掘により空洞化した区画へ新たな施設等を設置することも出来ると報告を受ける。
「マスター、艦から出る際にそのPDAを艦橋のメインコンソールへ接続していただけますか?」
「え、あぁ、分かった、けどそのマスターって呼び方は?」
「この世界の私の力は本来よりも非常に弱くなっています、ですので管理者としてマスターを選び、ずっと呼びかけてきました、そしてマスターはその呼びかけに答え此処までやってきた、その時点で管理者権限を委譲致しましたので、現在貴方、ジュン・アーレンベルグは私のマスターとなりました」
「うーん、分かったような、分からないような…取り敢えずアプロディアは俺のしようとする事を手伝ってくれるんだよな?」
「はい、そう考えて頂いて結構です」
「有り難う、まぁ呼び方はアプロディアに任せるよ、様って呼び方を直してくれない人も居るし…ね」
そう言って横にいるアリナを見るジュンだったが、当のアリナは「此処まで大きな施設だと私一人では……お掃除はジュン様の使うお部屋だけでいいかしら…」と一人呟いていたため、ジュンはため息をつきながらアプロディアに言われたようにPDAをコンソールへ繋いだ。
「これでいいかな?」
「はい、間もなくデータのインストールが完了します……終了しました」
そう言われコンソールからPDAを取り外し、何がインストールされたのか調べようとするとPDAの画面にアプロディアの顔が映し出された。
「簡易的なGシステムの操作機能をインストールしました」
そう一言告げるPDAのアプロディアに驚きながら、何かを言おうとするもその後に続くアプロディアの案内に口を挟めず艦から降り、そのまま要塞内移動用のエレカに乗り、隣の要塞区画にある生産エリアに行きGシステムを使用する為のコンソールを目指した。
―――――
「これがGシステムのコンソール?」
ジュンが案内された部屋にあったのは一つのコンピュータだった、部屋にはそのコンピューター以外はそれが置いてある机、そしてその手前にある椅子以外には何もなく簡素な部屋だった。
「これで生産とスカウトをすればいいんだよな?早くしないと間に合わない……後1日もない」
ジュンの持つPDAの日付は1月2日13時29分と表示されていた。
「アプロディア、今から生産、スカウトをして1月3日の7時までにサイド2宙域に間に合うかな?」
「はい、今から生産、スカウトをしたとしても余裕を持って到着することが可能です」
「分かった、じゃあ今から生産とスカウトをするよ」
そう言ってコンソールを操作するジュン、コンソールにはゲームであるような生産画面が表示されている。
そしてそこにはキャピタル50000と言う文字と生産可能兵器一覧とその必要ポイントが映し出されていた。
『ザクⅡC型が500、F型も500か…ガトルが100だけどこれは…使わなそうだな、それに軍艦の必要ポイントは軒並み20000オーバーかムサイ級初期型ですら25000ポイント、艦を生産するのはまだ先になりそうだな』
ジュンは一つ一つの必要ポイントを見ながら生産する兵器を選んで行った、そして生産する兵器をある程度選別し終えた後、スカウトの項目を調べ始める。
『んーやっぱりスカウトは高いな…最低で1000ポイントの人物とかも居るけど聞いたことすら無い名前が多いな、これはもしかしてゲームと違ってほぼ無名のキャラでも名前が出たことのある人物なら誰でも呼び出せるのか?…ん?ランダム……スカウト?何だこれ』
ジュンがスカウトの項目から呼び出す人物をピックアップしているとランダムスカウトと言う選択肢を見つけた。
そこには[ランダムスカウト:5000]と書かれていた。
「これは少ないポイントでランダムに5人呼び出す物みたいだな、有名なキャラを呼びだそうとすると軽く1万ポイント超えるから今此処でポイント消費は出来る限り抑えたい、5000ポイントだし賭けてみるか?」
そう呟いて、カーソルにポインタを合わせクリックする、その後直ぐに生産項目に戻りザクⅡC型を20機生産指定しスカウトと合わせ計1万5千ポイントを消費する事になった。
「アプロディア、聞きたいんだけど、スカウトした人達はどこに出るんだ?」
生産した兵器は生産エリアからMSなら格納庫、艦船なら軍港に自動的に送られるらしいがスカウトした人物たちがどこに来て居るのか分からなかったためアプロディアに質問するとどうやらこの部屋の直ぐ手前にあったドアの先に専用の待機室があり既に5人ともこの世界に来ていると言う。
そしてこの世界に来た時点で自分が呼び出された存在であること、違う時空の世界であると言う事を理解しているらしい。
『やっぱりGシステムはチートだな、普通に考えたら、いやどう考えても洗脳に近いじゃないか、俺の命令には基本的に従うなんて…』
アプロディアから注意されたのは呼び出された人物達は基本的に呼び出した人物、ジュンの命に従うが、彼らも人間であり嫌な任務ややりたくない事を強制させられるとその効率はかなり悪くなるばかりか、下手をすると自害する可能性もあると言う。
そして直接ジュンの命に関わる危害を加える事は出来ないが、最悪監禁や間接的な殺害は可能だという、これもアプロディアが本来の力を使えない為にこの様な条件付けしか出来なかったと説明をうける。
その説明を聞いた後Gシステムの操作室を出て直ぐ脇にあるスカウト待機室にジュンは向かった。
―――――
スカウト待機室へ入ったジュンの目の前には既に三人の男女が置かれている長椅子に座っていた。
部屋へとやってきたジュンに気付き、一人の男性は立ち上がり敬礼をするが、もうひとりの少女は座ったままで興味深そうにジュンを見つめている、もう一人の男性は壁に寄りかかり少女とは違いジュンに探るような視線を向けていた。
その視線を受けながらもジュンは『ランダムスカウトに関してかなり不安があったがもしかしたら大当たりか?』そうジュンは思っていた。そう思ったのは目の前に居る男女が見たことのある人物達だったからに他ならなかった。
ヘタをすると見たことも聞いたことも無い人物が来る可能性があった事から目の前の男女、それも三人がパイロットとと言う事自体がジュンには喜ぶ内容であったのだ、そしてまだ見ぬ二人を気にしながらも三人に挨拶を始める。
「初めまして、俺が君たちを此処に呼んだ、ジュン・アーレンベルグだ、詳しい説明は後二人やってくるはずだから全員が揃った時点で始めるが、その前に君たちの名前だけ確認したいんだが良いだろうか?」
そうジュンが発言すると敬礼していた男が最初に自分の名を口にした。
「地球連邦軍、あぁ違った、A-LAWS所属パトリック・コーラサワー中尉です!」
そう再度敬礼しながら笑顔を向けてくる青年。彼の挨拶の直ぐ後座っていた少女がそっけなく名を告げる。
「イングレッサ・ミリシャのソシエ、ソシエ・ハイムよ」
そう少女が告げた後ジュンは視線を壁にもたれ掛かるに立っていた仮面を被る男性に視線を向かると、彼は姿勢を正しジュンに二人と同様に名を告げた。
「地球圏統一連合、いやどうも君は私の事を分かる様だな、黄道帯機構、OZ所属、ゼクス・マーキス二級特佐だ」
三人の紹介が終わった直後部屋の奥にあった奥へ、スカウトされた者が最初に来る部屋へと続く扉が開き、そこから銀髪の少年がジュン達のいる待機室へと足を踏み入れた。
部屋へとやってきた少年は最初不安そうに辺りを伺っていたが、椅子に座る少女、ソシエをの姿を確認すると「ソシエお嬢様!」と声を掛け側まで駆け寄った。
『不死身のコーラサワー、ライトニングカウント、そしてソシエ・ハイムにロラン・セアックか…かなりの大当たりだな、次は誰が来るんだ?』
そう思いながらソシエにあの人は?等と此方を気にするように質問しているロランを見た後スカウト室へと続く扉を見つるジュン。
数分程して転送室の方から何か機械が作動する音が重く響く。
もう一人は誰なのだろうと、ジュンが転送室に続く扉を見つめていると、金髪の青年が現れた、だがジュンは彼が出てきのが予想外だったのか一言「シャア…」と呟いた、最後に転送装置から現れたのは作品名、ガイア・ギアの登場人物アフランシ・シャアであり、ジュンはその作品の事を忘れていたため、先の4人より驚いて呟いてしまっていた。
毎回当作を読んでいただいている皆様有難うございます、今回の話しは自分でも少々納得出来ない部分もあり、大筋は変えませんが、今後少々手が入る可能性が有ります。
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