ランダムスカウトにて、5人のパイロットを迎えたジュンは全員に自己紹介をし、5人から同じように自己紹介を受ける。
その後彼らに話しを聞き、現状についてどの程度分かっているのかを聞くと皆一様に、同じ様な答えを返した。
曰く、ジュンによりこの世界に呼び出された事は分かる、そしてジュンに対する感情は軍の上官に対する物に似ていると軍に所属する人物らは語った、アフランシ、ロラン、ソシエ、の三人の三人は軍の上官と言うより歳上の友人や教師と言った様に三者三様の答えを返したが、ゼクスによると、どれも好意的で自分よりも上位の立場を有する人物として認識しているとの事、そして今の宇宙世紀に関しての知識は一応ある程度はある物の、一般人と同程度かそれ以下で教科書の内容を丸暗記したようなものとの事だった、そしてこの世界での生活に馴染めるか、常識的な行動、発言が出来るかは実際には分からないと言う事だった。
そして最後にMSに関しては最初から生産の選択肢にあったザクとガトルの基本的な操縦方法が何故か分かると言う事、そして艦の操作も限定的ではあるが分かる箇所もあると言う。
例外としてはロラン、ソシエの両名はザク系統のボルジャーノンと言う機体に実際乗ったことがある為操作は慣れているとの事だった。
そして彼らの記憶は登場作品の最後や死ぬ直前では無くバラバラである可能性があると言う事が分かった。
それはソシエとロランの記憶の認識が噛み合わなかった事により発覚した。
ロランの最後の記憶は月に行くためにマスドライバーがあると言うマニューピチへ向う最中であったのに対し、ソシエの記憶はギャバン・グーニーと言うパイロットからプロポーズされた直後だと言う。
この事でこれから呼ぶ人物に対しても同じ作品内で合ったとしてもその人物の性格や人間関係は大きく変わる可能性があるという事にジュンは気付いた。
『そうすると、本来は作中で仲間になるはずが敵同士のままやって来たり、その逆で敵になるはずが、仲の良いままなんてこともあるのか、最悪のパターンは何方かが裏切り、片方はそれを知らない時点の設定で来ることだな…俺に出来るのはそうならないことを祈るしか無い……か』
ジュンがそう考えているとアプロディアから生産の終了を告げられる。
そしてその報告を聞いたジュンは目の前にいる5人にたいして、自分の目的の為に力を貸して欲しいと言う事を告げ、その目的を語った。
「なるほど…地球にコロニーを落とす…ですか、貴方はこれを阻止したいと?、そしてGシステムの機能を使い、この世界での犠牲となるはずの人々を救う…と?今後の目標としてはいいでしょう、このGシステムと言うのは確かに使い方を間違わなければやれる可能性もある、ですが今回のコロニー落としですか?それをこの人数で阻止するのは些か難しいかと」
そうジュンに質問してきたゼクスのに向き直ったジュンはその通りだと頷いた。
そしてその為に現状の説明をし、アドバイスを求めた。
「相手はモビルスーツを含む大戦力、それに此方の戦力は最大で巡洋艦2に軍用の輸送艦1では取れる手は限られてきます、幸い我々の存在を敵…と言って良いですかな?敵のジオン、そして連邦に悟られては居ません、そこを上手くつければ多数の命を救う事は可能でしょうし、コロニー落としの計画を狂わせる邪魔は出来るかと思いますが、コロニーの住民を全て救い、地球への落下を阻止…この全てを達成することは非常に困難かと」
「そのとーりですよ!司令!もし仮にマネキン大佐見たいな人が居れば完璧な作戦を立ててくれると思いますが、話を聞くとここに居る連中全員軍人でもパイロットなんでしょ?そんな俺達に作戦の立案なんて出来ませんよ」
「あのー、俺軍人じゃないんですけど…それにマンマシーンじゃなくて、えーと、モビルスーツ?ですか?一応此処に来るとき頭の中に操縦方法みたいなのは入ってきたんですよ、でも乗ったこと無いんだけど…乗れるかな?」
ゼクスとコーラサワーの発言は最もな事だった、ジュンはやろうとすることが難しい事だと言うのは理解した、だがこのメンバーならやれると思ったのも事実だった。
だがアフランシの発言で自身の戦力であるパイロット候補が一人減ったと言う事が分かっりため息をつく。
「話は分かった、最良の作戦、そして一応俺も最悪の場合の作戦は考えてある、ただ作戦って言える代物かどうか怪しいが、まぁ考えはあるんだ、モビルスーツの生産が完了したみたいだし格納庫に搬送してるらしいから、格納庫への道すがら聞いてくれないか?」
そして移動中ジュンは作戦の内容を語った。
「サイド2へコロニー落としの為のコロニーを確保に来るジオン軍、そしてジオン軍から奇襲を受ける連邦軍、この二つの戦力が居るわけだが、今回はジオン軍に対して攻撃を仕掛ける、その為みんなには地球連邦軍の援護をして貰いたいと思う、その間俺ともう一人は目標となるアイランドイフッシュへのG3ガスの散布を阻止、出来ればジオン軍の持つ核パルスエンジンの破壊を目標にアイランドイフッシュ周辺にてジオン軍に奇襲を掛ける積もりだ」
そのジュンの作戦を聞いている内ゼクス以外は時折質問などをしていたがゼクスは話を聞いては居るものの、質問は一切せず格納庫に到着するまで声を発することはなかった。
―――――
格納庫に到着したジュン達は、ジュンからザクC型の説明を受ける、彼らは操縦の仕方を知識として手に入れただけで、機体性能、装備等の知識は余り無かったのだ。
その為ジュンが最低限の説明をしていく。
その間にもアプロディアにより3隻の軍艦は出撃準備を整えて行く。
「ジュン・アーレンベルグ、君に幾つか言いたいことがある、良いかな?」
「ジュンで構わないよ、みんなも出来ればジュンって呼んで欲しい、パトリックさんみたいに司令なんて呼ばずにね」
「そうか、ではジュン、君はこのような力を手に入れたからには救えるだけの人々を救おうと考えていると言ったな?これは私も同意しよう、この世界に呼ばれた、それは人を救う為に、そう考えると悪くは無いと思えてくる、だが厳しい事を言えば、君の考えは甘すぎる、そう言わざるを得ない、コロニー落としを防ぎアイランド・イフッシュの全住民を救う?この戦力では到底不可能な話だ、だが被害を最小限に食い止めるためにジュンに申請したいことがある」
「申請?何か考えがある…のか?」
「キャピタル、だったか?それは後どの位残っている?」
「ザク20機の生産に1万、皆を呼んだのに5000で1万5千使ったから3万5000キャピタル残ってるはずだ」
「ではそのポイントで手に入る輸送艦をリストアップして欲しい、それは無理なら貨物船でも旅客船でもなんでもいいのだが宇宙航行でき、大人数を輸送できる大型艦を頼みたい」
「輸送艦か、言いたい事は大体分かるけど何に使うつもりだ?」
ゼクスの発言にジュンはPDAを操作しながら生産できる艦を調べてながらもその真意を聞き出そうと問いただす。
「なに君の話だと、ジオン軍とやらは毒ガス攻撃でコロニー住民を無力化すると、そして我々はそれを阻止、若しくはそこで生じる犠牲者を出来る限り抑えたい、と言うのが君の望みなのだろう?」
「そうだ、だけど輸送艦1、2隻程度じゃ精々千人強、全てのスペースをフルに使っても2千人程度しか救えないだろ?」
「その通りだ、だが考えてみるんだ、もし毒ガス攻撃の阻止失敗、核パルスエンジンの破壊失敗した場合、その2000人の命がどれだけ意味をもたらす?我々の立場を考えてみて欲しい、いわば我々は重武装をしたテロリストなのだよ」
「それは…」
「ジオン軍からしたら我々は完全なテロリスト、地球連邦からしても謎の武装組織、しかも規模はさして大きいものでも無いと直ぐにバレるだろう、その様な相手と手を組むか?ジオン軍は言うに及ばず、連邦からしても我々はジオンの反政府組織として見られるだろう、連邦政府に完全に下るのであれば歓迎はされるだろうが、戦力、人員、拠点全てを失うことに成るだろう、私も態々このような世界に呼ばれてその様な結果は認められん」
「…………、コロンブス級が1隻2万5千、パプア級が1万、パゾク1万5千、それとヨーツンヘイム級3万になる、最後に輸送艇、これは連邦軍の小型輸送艇だがこれなら5千で生産できる」
ジュンはゼクスの言葉に釈然としない気持ちを抱きながらも、彼の言う事もまた正しいと言う事が分かる為に現在生産可能艦のデータと必要キャピタルを表示させPDAを見せる。
「なるほど、ならパゾク2隻を生産して残り5000でこの輸送艇と言うのを一隻生産して貰いたい」
「それでどれだけ助かる?」
「私か君がその救出部隊を指揮するとして1000~2000人と言う所だろう、輸送艇には湾港施設に付随するはずの集積基地から補給品、主に食料品を搬送する、これには避難民を誘導しつつ避難民にその作業に当って貰わねばならない、最早賭けだな、食料品を入手出来なかった場合、最悪避難民を輸送船に収容したら近隣の安全なコロニーに自動航行で向かわせる事も考えねばならない」
「それが副次目標で主目標がガス注入阻止と核パルスエンジンの破壊って事か…」
ゼクスの考えた作戦を聞いてジュンは自分の考えていた行動指針とソレをすり合わせていく
。
だがそれを見ていたゼクスは首を振り再度ジュンに強い口調で告げた。
「勘違いしては困る、輸送艦での救出及び補給品の確保が主目標だ、核パルスエンジンの破壊もガス注入阻止も出来る限りは妨害するが、我々の戦力ではできる事は限られていると言っただろう?何事にも限界と言う物がある、己の身の丈の合わない作戦を取れば身を滅ぼすばかりか、この要塞の価値を考えても世界に悪影響を及ぼしかねない、君の望みとは真逆の…な」
ゼクスの言葉にジュンは黙り、無言のままPDAを操作し輸送艦の生産を開始していく。
「貴方にアフランシとアリナさんを付けます、アフランシ・シャアだけど彼は実戦経験が無いと言っていたので避難誘導に使って下さい。…もしかしたらその最中に記憶が、能力が目覚めるかも知れないし…な」
最後の部分が小声だった為ゼクスに聞き取れたかは分からなかったが、ジュンはゼクスにそう告げるとアプロディアに、ゼクスに今生産したパゾク級2隻輸送艇1をヨーツンヘイム級1隻と共にゼクスの指示に従って動かす用に頼んだ。
そしてジュンは残りのパイロットに作戦を告げる。
「今の話は聞いていたと思う、今皆が見ているザクⅡC型にて出撃、連邦艦隊とジオン艦隊が交戦した直後に連邦艦隊の直掩に入る、目標は連邦艦の損害を減少させ艦砲力で勝る連邦艦隊によりジオン艦隊の出血を強いる事にある、尚残弾が少なくなった時点で、一度後方に下がり補給をする、その後は別動隊によるG3ガスによるコロニー攻撃を阻止、可能であれば書核パルスエンジンを発見これの破壊、以上だ」
そうジュンが告げるとそれぞれが頷き思い思いに搭乗するモビルスーツへと向かって行く。
―――――
自機となるザクに搭乗したジュンはモビルワーカーの操縦で覚えた操作法と若干の違い、そして機体からのレスポンスの違いに最初は戸惑い艦へ搭載するまでに苦労したが、それが終わる頃には大分機体を滑らかに動かせる用になっていた。
「宇宙暦0079年1月2日11時57分…か、後3分で、いや正確には後7時間と3分後か…戦争が始まる、ゼクスはああ言ってたけど…俺は出来る限り多くの人を救ってみせる」
機体を艦のモビルスーツデッキに固定しながら、その機体のコクピット内で呟く。
機体を降りたジュンの前には3人パイロットが待っていた。
ロラン、パトリック、ソシエの三人はジュンと共に連邦艦隊へ向うために同じ艦に乗っていた。
乗っている艦は最初にジュンがこの要塞へ来るために使った艦、アプロディアに聞いた所最初から存在する3隻の艦には名前があった。
ジュン、ロラン、パトリック、ソシエの連邦艦隊援護部隊はムサイ級後期生産型[ハーメルン]単艦で。
ゼクスアフランシのコロニー住民退避及び補給物資確保部隊は、ヨーツンヘイム級[ヴァナヘイム]を旗艦に、ムサイ級後期生産型[パーターボルン]以下パゾク級2隻宇宙輸送艇1隻、その輸送艇に曳航されるクルーザーと言う編成だった。
そしてゼクス隊、ジュン隊の順で要塞からサイド2宙域へとジュン達は向かっていく。
―――――
要塞を出発してから4時間程経った頃ジュンの元へ先行していたゼクスからの通信が入る。
「ジュン、今しがたアフランシとアリナ女史を乗せたクルーザがアイランド・イフッシュへ入港した、ジオンからの宣戦布告通知が行われ次第アリナ女史の指揮でコロニーの住民避難を行う、それと、君は今回が初の実戦だ、慣れないMSの操縦も決して優秀とは言い難いだろう、それは君の才能云々では無く、経験不足によるものだ、今回はコーラサワーとロラン君、ソシエ嬢の援護に回る事を念頭に置いて戦うのだな、そうでなければ君は死ぬ、そうなれば我々はこの時代に残された異分子となってしまう、行動目標も今まで歩んできた人生の軌跡すらこの世界には無い…、君は我々を呼び出した責任があるのだ、だから死ぬなよ、死ぬときは目標を達成した後だ。そうでなければ君のエゴで呼び出された我々は行き場を失う」
「あ、あぁ…分かった、俺は死なないよ…俺は生きてエゴを貫き通す」
「では…此方は無線封鎖に入る、次は要塞で会おう」
そう言ってゼクスからの通信は途切れた。
そしてゼクス達から遅れる事1時間、UC0079/1/3/06:22、ジュンはPDAに表示された時刻を見ながら無線封鎖をし、単艦、サイド2付近のアステロイドへと身を潜めていた。
そして待つこと30分ほど。遂にジオン公国から地球連邦政府に向け宣戦布告が行われた。
それはジュンが幾度もガンダムと言うアニメ、漫画、そしてゲームと言った作品内で見たギレン・ザビの演説がジュン達の乗るムサイの艦橋モニターに映し出されていた。
そしてアプロディアから通信が入る、ジオン艦隊到着まで約20分。
その報告を聞き、ジュン達はMSの出撃準備に入った。要塞メンバー達のこの世界での初の実戦、世界の歴史を変えようと言うエゴに塗れた戦いが始まろうとしていた。
次はやっと戦闘シーンに入れます、此処まで5000文字前後で投稿して来ましたが、話数が多くなり過ぎる気がしてきました。
今の投稿ペースを維持するために文字数そのままで進めるか、話数を今後減らすために次回から1万文字程度にして話数を減らして行く用にするか…どっちが正解なんでしょうか?文字数増やすと投稿ペースが落ちるし…。
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