機動戦士ガンダムジェネレーションズ   作:そーせーじまふぃん

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学舎

宇宙暦0074、父に自分の前世の記憶と言う秘密が露呈してから7年の月日が流れていた。

 

「よし、ジュン、荷物は纏まったか?」

 

「と、父さん!そんな急かないで下さいよ、もう少しだから」

 

「ジュン、準備ができたら荷物を持って来なさい、玄関で待ってるからな」

 

そう言って部屋を後にする父に見向きもせずに荷物を纏めるジュン、彼が荷物を纏める理由は新しい学舎へと向かうためであった。

 

ジオン公国 士官学校に通うためだ、最初は工科系に進みたいと言ったのだが父に押し切られ今こうしている最中だ、最も父に押し切られただけではなく再三友人であるガルマから手紙が届いていた。

 

ガルマ・ザビとジュンの交友は続いており、今回もガルマからジオン貴族たるもの士官学校へ進学すべきだという内容の手紙が届くていた。

 

「あいつ唯一人で行くのが嫌なだけじゃないか?俺まで巻き込みやがって…」

 

そう友人に悪態をつきながらも荷物をまとめ終えたジュンは父の待つ玄関へと向かった。

 

玄関口には父とよく知る人物が立っていた。

 

「やぁ、ジュン、僕を待たせるなんていいご身分だね」

 

「ガルマ…なんでこんな所に居るんだ?」

 

「なに、君が一人で士官学校へ行くのは寂しかろうと思ってね」

 

そう言って髪を掻き上げるガルマの顔みてため息を付いたジュンは父に向き直り準備が出来きた事を告げると、父に見送られ、ガルマの送りと思われる高級車に乗せられて士官学校へと向かった。

 

 

―――――

 

士官学校で最初の新入生へのレクリエーションがザビ家の演説会と化して終わった後、ジュンはガルマと共に割り当てられた寮の部屋へと向かった。

 

「これは…狭いな、もしこれで知らない人間と共同生活をしろと言われたらと思うとゾッとするよ、つくづく君と友人で良かったと今改めて思ったね」

 

『もしかして俺を士官学校へしきりに誘っていたのは知らん奴といるのが嫌だったからか?』

 

と考えながらもジュンは笑いながら。

 

「ははは、じゃあたっぷり感謝してくれよ、それにしてもガルマ…荷物が多すぎはしないか?」

 

「何を言う、君の荷物が少な過ぎるんだ、なんだい?変えの下着と服、それと小型コンピュータ?たったそれだけかい?」

 

「あぁこれだけあれば十分だろう、ガルマのそれはなんだ?専用の枕とかシーツとか…」

 

「僕は自分の使い慣れた寝具じゃないと上手く寝付けないんだよ、だからこれ等は外せないね」

 

「はぁ、戦場に行ったらそんな贅沢出来ないんだぞ?まぁいいか、俺はもう片付け終わったから手伝うよ、それとこの後少し辺りを散歩しよと思うんだけどガルマも来るか?」

 

「助かる、やはり持つべき物は友だね、そうだな、僕もどうせ夕食まですることは無いし付き合わせてもらうよ」

 

そう言って二人で部屋の片付け(主にガルマの荷物)をした後寮の外へと出た。

 

 

 

―――――

 

「はぁはぁ、ジュン、なんで…ジョギングなんて…ボクらしてるんだい?」

 

「え?体を動かした後シャワーを浴びて飯を食う、最高だろ?」

 

「全然、はぁはぁ、魅力が…伝わないよ」

 

そう言いながらもガルマは付いてくる、と言うよりジュンはガルマのペースに合わせて走っていた。

日頃から父親に体を鍛えろと言われ庭やズム・シティの市内にあるジムなどで体を鍛えていたジュンとガルマでは基礎体力にそもそもの違いがあった、それに今後この士官学校では一蓮托生となるであろうガルマの体力などを知る目的で、押しに弱いガルマの性格を利用しガルマに走らせていた。

 

 

「おや?君たちもその制服は新入生か?初日から走っているのが自分以外に居るとはね」

 

そう言って近づいてきた者の顔を見てジュンは驚いた。

 

「シャア…」

 

「ん?なんで僕の名前を?」

 

『しまった…声に出してた…』

 

迂闊な発言で声に出してしまったジュンは内心焦りながらもそう見えないように言い訳をした。

 

「ほら、新入生紹介があっただろ?俺、記憶力には自信があるんだ」

 

「そうか、それは羨ましいな、改めて自己紹介するよ僕の名前はシャア・アズナブル、これからよろしく頼む、それで君たちは?」

 

「え?あぁ、俺の名前はジュン・アーレンベルグだ、此方こそよろしく頼む」

 

「はぁはぁ、ボクの…名前はガルマ…ザビ…はぁはぁ、だっ、ココはジュンに免じて…はぁはぁ…よろしくしてやってもいいよ」

 

「す、少し休憩しようかガルマ」

 

そう言って足を止めるジュン、それに続いてガルマとシャアも足を止める。

 

『くそ、そう言えばシャアとガルマは同級生だったな…何で忘れてたんだ、こんな形でシャア・アズナブルと出会うなんて、不意を突かれたな、出会うならもっと後、もしくはテキサスコロニー以前のシャアと出会いたかった』

 

そう考えて出会ってしまったものはしょうがないと、シャアに向き直るジュン。

 

「えっと、確かシャア・アズナブルだったね、シャアと呼んでも?」

 

「あぁ構わないよ」

 

「じゃあ、俺の事もジュンとガルマって呼んでくれ」

 

「ちょ、ジュン、ボクはまだ「別に良いだろ?名前ぐらい」…まぁ、仕方ない、ガルマと呼んでくれ、その変わりボクもシャアと呼ぶからな」

 

「ハッハッハ、それにしても意外だな、自分がザビ家の方を呼び捨てに出来る日が来るなんて」

 

「まぁ、ザビ家とかそう言うのはなしで付き合ってくれると助かるよ、せめて在学中はね…」

 

「あぁ、済まなかった、それじゃあ、ジュンとガルマまた後で、自分はもう少し走ってから戻るよ」

 

そう言ってシャアと別れたジュン達は寮へと向かった。

 

「それにしてもシャア、だったか?馴れ馴れしいヤツだったね、それにキザっぽかったし」

 

「別に、俺以外に慣れ慣れしい奴がもう一人ぐらいいてもいいだろ?他の奴らは多分お前を呼び捨てなんて出来ないからさ」

 

「まぁ、そうだね、それに君はどうやら彼が気になるようだしね」

 

「あぁ、分かるか?」

 

「まぁ…ね、何年の付き合いだと思ってるんだい?」

 

 

そんな話をしながらジュン達は自室に戻り一度シャワーを浴びて食堂へと向かった。

 

「やぁ、ジュンとガルマ、相席いいかな?」

 

「あぁ君か、ボクは良いがジュンがどう言うか」

 

「シャアか、座ってくれ、それとガルマ、お前は俺をどう思ってるんだ?、まぁいいけどさ」

 

「ハハハ、二人は仲がいいんだな」

 

そう言ってジュンとガルマの前の席に座るシャア。

 

シャアが席について他愛もない話をしながら三人で夕食を食べていると、周りの新入生や上級生たちが此方のうわさ話をしているのが時折聞こえてくる。

 

「なぁ、あのガルマ様と一緒にいる二人は誰だ?もう上手いこと取り入った奴がいるのか?」

 

「ガルマ様の隣の奴なら見たことあるぞ、確かアーレンベルグ家の奴だよ、親父に連れられて行った軍のパーティーで一昨年位に見たことがある」

 

「マジかよアーレンベルグってマツナガ家と同じくらい有名な軍人家系じゃねーか、でももう一人の金髪は?」

 

「いや、分からないな、少なくとも俺は知らんぜ?もしかするとあいつも貴族の坊ちゃんかもな」

 

 

ジュン達を詮索するよなそんな会話が聞こえてくる、ガルマは聞こえていないのか気にしていないのかニンジンを脇に避けながらハンバーグを食べている。

 

「それにしてもガルマは知っていたが、ジュン、君の家もジオン貴族なのかい?」

 

『なに言ってやがんだ、キャスバル・レム・ダイクンがダイクン派だったウチの両親の事が分からない訳が無い、それに小さい頃で、お互い会話はしなかったが初対面じゃない、これは向も覚えてるか分からないがな』

 

ジュンはそんな事を考えながらも普段と同じように会話を続けていた。

 

「まぁそうだな、でも軍人家系とか言っても俺は最初工科学校に行こうと思ってたからね、士官学校は親父とこの隣にいる人参嫌いのせいかな」

 

「なっ、人参が嫌いで何が悪いんだいジュン!君だって昔は…あれ?君何か苦手なものあったか?」

 

「いや?出された物は多少好き嫌いがあってもきちんと食うぞ?」

 

「そうだったね…」

 

「なるほど…ね、君たちと知りあえて良かった、これから退屈せずに済みそうだ」

 

入学初日の夕食は周りからの声はあれどジュン達は新たにシャアと言う友人を加えて笑い合いながら食事を終えた。

 

 

―――――

 

ジュンとガルマがシャアと出会い数ヶ月が経った頃ジュンはシャアから初めて二人だけで話がしたいと言われ第三寮にあるシャアの部屋へと来ていた。

 

「ルームメイトは今はいないのか?」

 

「あぁ、彼には少し外してもらっているよ」

 

「それで?なんだい?お前から話がしたいなんて珍しいな、好きな女でも出来たか?」

 

「ハハハ、そんなん事ではないよ、前々から疑問があってねそれを聞きたかったんだ」

 

「疑問?一体何だ?」

 

「なぜ君は最初であった時すぐに名前が分かったんだい?今まで君たちと共に行動してきて君の記憶力が悪いとは言わないがそこまでずば抜けているとも思えなくてね、それと君の最初の頃の態度、どうして此方の名前を知っていたんだい?」

 

『やっぱり気付いてたか、さすがNTだな、この頃から洞察力はずば抜けて高いな…でもどう言うか、本当の事を話す?いや駄目だ、今のシャアはまだジオンに復讐心を抱くシャアのはず、全て計算ずくで動いているはずだ、なら……』

 

「最初君の顔を見た時から気付いていたさ、それに俺が記憶力がいいのは興味がある人物に限るんだよシャア、いやキャスバルといったほうが良かったか?」

 

「フッ、よもやこんな所で、しかも君のような士官候補生にバレるとはね、子供の頃一度あっただけなのに本当にそれで覚えていたのかい?僕の顔を」

 

「成長してもそうそう変わらないものさ、時に君は変わっていない、その目の鋭さ…とかね、後勘違いしないで欲しい事が一つだけあるんだがいいかな?」

 

「ふむ、なんだい?」

 

「君がどんな生い立ちで有ろうと何故今名を偽りここに居るのかは分からない、だけど俺はそんな事は関係なく君とは俺とガルマの友人であって欲しかった今までも、そしてこれからもね」

 

「私がキャスバルと知りながら…か?」

 

「あぁ、それに大体予想は付くからな、ザビ家への復讐…と言った所か?その為にまずジオンの懐に入った、違うかい?」

 

「ハハハハ、ソコまでお見通しなんてね、それで?どうする?私をザビ家の連中に突き出すか?」

 

「ハッ!冗談、ザビ家だろうがジオンだろうが俺には関係ないさ、それに俺は友達を売るほど薄情じゃないぜ?」

 

「君はジオン国民で貴族だろ?しかも生粋の、そんな発言していいのかい?」

 

「俺は今のジオンに何ら魅力を感じていない、いやジオンと言うよりザビ家に対してかな?デギン公王は上手くやっていると思うよ、だけど彼以外のザビ家の者は?と言われると反吐が出るね、こんなもんでいいかな?」

 

「あぁ、今は君を信用しよう、それに君が悪い人間では無い事は知っていたが僕の事を何処まで知っているのか気になってね、予想以上だったがそれ以上の収穫があったよ、流石は僕の友人だ、退屈させないでくれる」

 

「あれ?私口調はもういいのか?」

 

「ふっ、からかわないでくれ、それとソロソロ学食に行かないと夕食を食いっぱぐれるぞ?ガルマが待ってるだろうし早く行ってやろう」

 

「あぁ、そうだな」

 

そう言って二人で学食へと向かう、だがジュンの胸中にはシャアへの警戒心が強まっていた、今後どうなるのか?士官学校を卒業した後シャアは史実と同じようにザビ家への復讐に囚われていくのか?と。

 

 

 

―――――

 

その日ジュンは懐かしい夢を見ていた、誰かが呼ぶ声、早く、早くと。

 

その声の元が段々近づいて来る、ジュンが目を開くとそこは薄暗い部屋だった、窓の外には宇宙空間がここは何か小型のスペースクルーザかと思いジュンは辺りを見渡す。

 

手元に視線を移すとそこには小惑星を改造したと思われる要塞の映像、そしてその要塞の場所が書いてある地図があった。

 

「サイド2の近く…か」

 

その宇宙航法用の地図にはサイド2からいくらか離れた地点にその要塞があることが分かった。

 

「ここへ行けって?あの要塞に何が?…」

 

―――――

 

「ジュン!ジュン!早く起きるんだ!」

 

「んーガルマか…」

 

「ガルマかじゃないよ!君が寝坊するなんて!君のせいで寝坊したんだ!あぁもう朝食は間に合わない、早く君も支度をするんだ!朝食だけじゃなくて講義にも遅刻するぞ!?」

 

「あ、あぁ済まん、それと俺が寝坊したのは俺の責任だが、いつも俺に起こされないと起きないガルマも悪いんだぞ?」

 

「あぁ!今はそんな事はいいよ!早く行かないと!」

 

そう言って慌ただしい朝を迎えたジュンとガルマ。

 

「ん?待てよ?今日は休校日のはずじゃないか?」

 

「へ?」

 

「あ、いや違ったか?」

 

「…ゴホンッ、君のせいだな」

 

「何がだよ!?意味が分からねーよ!」

 

「まぁいい、だけど朝食は食べそこねたね、街に行くかい?」

 

「切り返しはえーなお前…、飯食いに行くのはいいけどその後は俺ちょっと用事があるんだが」

 

「用事?一体なんだい?」

 

「ちょっと調べ物がな、後親父かお袋に連絡を取る」

 

「は?ご両親に?ま、まぁいいさ、ならシャアも誘う、ボクはその後シャアとどこか気晴らしにでも行くさ」

 

「分かった、じゃあ、シャアの部屋に寄ってから行こう、アイツなら今頃はもう部屋に戻って本でも読んでるだろ」

 

その後シャアを交え軽く朝食を取りながら談笑した後(シャアはドリンクだけをオーダー)

二人と別れてジュンは自宅へ連絡を取った。

 

「ジュンです、父さんか母さんはいますか?」

 

そう最初に出た使用人に言うとすぐに母が変わった。

 

「あら、ジュン久しぶりね、そっちはどうです?何か変わったことはありませんか?」

 

「ええ、大丈夫です、それにコッチの生活は毎日新鮮な事ばかりですよ、手紙にも書きましたがガルマ様の他にもう一人仲のいい友人が出来まして、三人で毎日楽しくやっています、今日連絡したのは……」

 

 

10分ほど母と会話をして電話を切った、その後ジュンは図書館へと向かう、ジュンはそこで航法用の詳細な宇宙地図のデータを入手し調べていた。

 

そこで分かったことが幾つかあった。

 

『なるほど、どうやらあの要塞があると思われる場所は余り船も近寄らない様な宙域か、しかもそこへ行くとしても民生用の大型輸送船じゃない限り燃料が足りない…小型のクルーザーならウチも所有してるがどう頑張っても月までしか行けないしな、他サイドまで行けるほど大きくない、どうするかな、ん?まてよ、月からサイド5を経由すればサイド2に行ける…か、でも要塞があると思われる地点までだとウチの船だと燃料が片道文しか無いな』

 

そんな考えを纏めながらその日のジュンは一人で過ごしていた。

 

そんなジュンに母から話を聞いた父が手紙を出し、ジュンに届くのが2週間後だった。

 

 

 




ララァ「スンッ」

はい、済みませんこういうシリアス方面の話を書く経験が少なくつい発作が出てしまいました。

ご意見ご感想等お待ちしております、誤字脱字や話の整合性(これが一番心配)がとれてないなどありましたら報告頂ければ幸いです、都度出来る限り修正出来る範囲でして行きたいと思います、それでは今後も宜しくお願いします。
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