「02小隊被弾!全滅判定!」
『出来るだけ急いでくれよシャア…』
その日ジュンと士官候補生同期達は卒業に向けた最終試験ともいうべき模擬戦闘訓練を行なっていた。
「稜線から出るなよ!狭かろうが横転しようが間を縫っていけ!大丈夫だシャアの別働隊かやってくれる!後はガルマの火力支援に合わせて俺達は突っ込めばいいだけだ、その間に少しでも敵陣に近づくぞ!」
ガルマやシャアの推薦もあって本隊の指揮を任されていたジュンは途中までジュンの指揮下にある
「04小隊無駄弾撃つな!まだ有効射程外だ!」
叫びながら各車に指示を飛ばしていくジュン。
「よし!稜線射撃で相手を釘付けにしろ!砲塔以外だすなよ!13小隊戦車に機銃を撃っても意味が無い!敵の陣地に撃ちこめ!え?当たらない?当てようと思うな!撃つことに意味があるんだ機銃弾をばら撒け!」
そう叫んでいるジュンに敵の後方のトーチカを歩兵で制圧したシャアからの通信が聞こえた。
『ガルマ最後の仕上げだ、後は頼んだぞ…』
そう心の中で呟いていると、すぐに自陣の後方で何かが光った、その後は敵陣へと重迫撃砲の砲弾が降り注いでいった。
「よし!シャアの部隊がやってくれたみたいだ!砲撃で混乱している間に敵陣に突っ込むぞ!ここからはスピードが勝負だ!」
―――――
模擬戦の結果だけ言えば勝利だった、ほぼ完勝と言っても良いだろう、装備も兵力も相手より劣勢であったにもかかわらず、ジュン達の部隊における被害と言う被害は初期にやられたAPC1両のみである。
ただその後が不味かった、シャアが教官に向かって挑発的な態度を取ったのだ。
簡単に纏めると、この模擬戦の劣勢状況は一体なにを想定しているのか?このような小火器で一体何と戦うのか?そして連邦とコロニーが共存し得ない状況になった場合ジオン公国の国軍は一体どうすればいいのか?と言う事だった。
ジオン公国となってから連邦との溝が決定的な物になり始めてきたこの時期に連邦軍から送られて来ている監査官に対して誰と戦うのかと言う質問をしたのだ、当然軍監の反感をかい卒業時首席で卒業すると思われていたシャアは2位となっていた。
「シャア、なんであの時あんな事言ったんだ?」
「ハハハ、若気の至りと言うことで許してくれないか?」
「許すも何も俺たちは別に良いんだがな…それにしてもあんな事しでかして2位か流石だなシャア」
「君だって3位だろ?ジュン、それとガルマ首席おめでとう」
「あぁ、ありがとう」
事の真意を聞こうとジュンとガルマはシャアの部屋を訪れていた。
「それより、君は何を見ているんだい?」
ガルマはシャアが操作しているPCの画面を覗きこんだ
「
「なっ!大丈夫なのか?ってか何処からそんな情報引っ張ってきたんだ!?」
ジュンが慌てて確認する。
「連邦の観測局にアクセツして見つけたんだ」
「簡単に言うなぁ…で?大丈夫なのか?衝突コースに入ってるんだろ?」
「ジュン、大丈夫さ、観測局の情報なんだろうそれは、なら心配ないさ向こうは専門家なんだ、任せておいて大丈夫だろう」
そのガルマの発言でジュンは一応納得シャアとガルマと共に卒業式に向かったのだった。
―――――
「三年なんてあっという間だったな…」
そう呟くジュンにガルマは笑いながら声をかけた。
「フッ、なにを年寄り見たいな事を言っているんだい、君は、ボクには長かったくらいさ」
ガルマと卒業式典の最中小声で話をしているとジュンは隣に座るシャアがしきりに時計を気にしていることに気付いた。
「ん?どうした?シャア」
「あ、あぁ、いや、少し気になることがね」
「もしかして小天体の事をまだ気にしてるのか?流石に観測局も気付いてるだろさ」
ジュン達がドズル・ザビ士官学校校長のスピーチを聞き流しながら会話をしているその時、講堂内にアラート鳴り響いた。
「まさか!?」
「最悪の予想が当たったようだな」
「シャア!あの小天体の衝突コースは何処だった?」
そうジュンがシャアに聞くと、シャアは事も無げに一言だけ。
「ズム・シティさ」
と言った、その言葉にすぐに反応したのはガルマだった
「なっ!何でそれを早く言わないんだシャア!被害は!?被害はどの位なんだい!」
「分かるけ無いじゃないか、何処に当たったのか、岩石だったのか氷塊だったのか、デブリだったのか分からないからね、そんな事より準備しなくていいのかいガルマ?」
「な、何の準備を?」
そうガルマが発言した時ジュンはある一つの事を思い出した。
小天体の衝突を発端として今まで溜まっていた連邦政府への不平不満が最高潮に達したのだ、この事件により治安出動の可能性があった連邦基地へシャアはガルマを扇動し奇襲した。
そしてそれにより連邦とジオンの亀裂は決定的となる、ジュンはその事を思い出していた。
「何を考えているんだいジュン?」
「あぁ、悪い、少しな…、なぁシャア、準備って俺達も手伝いにって事か?」
「ここガーディアン・バンチはズム・シティに近いからね、それに我々は何のために今まで訓練を受けてきたんだ?とそういう事さ」
「そうか…そうだな、それとシャア、お願いがあるんだ」
「あ、いや、いい、今度話すよ今は前の言うとおり準備しないとだな!ガルマ!行くぞ!ほら!シャアも、準備しろって言ったのは思えだろ?」
そう言って誤魔化すように言ったジュン達は未だざわめく講堂を急いで後にした、丁度ジュン達が講堂を出るのと時を同じくしてドズルにも情報が入り、慌てて講堂を出て行くのであった。
―――――
「くそっ、こうもデブリが多いとな……」
ジュン達三人が乗る作業艦は大型のデブリの爆破作業を行なっていた。
「コロニー外殻部の大型デブリは粗方終わりました、しかし残りのデブリとダストをどうにかしないと大型艦は近づけねーぞ艦長殿」
「ジュン・アーレンベルグなんだ貴官のその口調は…」
「はっ、済みません、大佐殿」
「大佐になった覚えは無いが…ジュンそろそろ辞めないか?」
「え?最初ノリノリだったのはガルマの方だろ?シャアはガン無視決め込むしさ」
「いや、無視した覚えは無いが…ッガルマ!そんな事よりあれは何だ!?」
そう言って船外を眺めていたシャアが何かを発見しガルマに問いただしていた、ジュンも先程から数機の員数外の作業チームが増援として来ていたのは眺めている電探図で確認していたが、その内2機が近くに来ていた様だ、それとジュンが先程から電探図を眺めている理由は強襲揚陸艦を含む連邦艦が数隻此方を威嚇するように接近していたためだ。
「あぁ、あれはモビルワーカーと言ってね、本来は資源採掘や今回の様な事にも使える汎用重機だよ、シャア、ジュン君たちだけに言う、これはトップシークレットなんだけどね、軍事転用もできるらしい、それでドズル兄さんは開発に御熱心なんだよ、ドズル兄さん曰くこれからの戦争では…」
電探を眺めているジュンとすぐ脇の座席で船外を眺めるシャアの間に来てそうガルマが小さい声で話始めると、すぐに前部の通信席に座っていた士官練習生が大声を上げた。
「なんだって!?何に言ってるんですか!?今はとても入港なんて出来ませんよ!」
それと同時に先程から無言だった連邦艦の内入港してこようとしてきた艦から通信が入った。
「ええぃ!つべこべ言うな!さっさと航路を開けるんだ!貴様らは誰に口を聞いてると思ってるんだ!」
その後はガルマが珍しく怒りを表し、連邦艦へ非難する内容の通信を送ると連邦艦はその場で停止し黙ってしまった。
『ま、確かに自分達の不手際でコロニーに隕石ぶつけて作業の手伝いもせずに行き成り入港させろは無いよな、流石のガルマもキレるわそりゃ、それにしてもモビルワーカーか…確か漫画版だとこの時点では足が無かったはず…なのにもう旧ザクの面影がある完全な人型か…』
その後は滞り無くと言いうと語弊があるものの、比較的順調にデブリ及びダストの除去作業は終了した。
作業が終わっりその被害がハッキリと分かり始めると事は意外と重要な問題だったのだ。
コロニー先端部外縁に衝突した小天体は農業ブロックの一角を吹き飛ばし、その影響で集約施設も停止しジオン公国の農業生産の約八十分の一に影響を与えたのだ、これはすぐに影響が出るものでは無いが今後ジリジリと国民に負担を強いる事になるのは間違いない。
この事件で連邦は双方にとって悲しい出来事であるとハッキリとした謝罪はなく、自らの落ち度で被害が出たにもかかわらずジオン公国への補償については言及しなかった、そしてそればかりか公国が連邦へ支払う税、即ち農業生産物等の納入量を引き上げたのだ。
この事によりジオンの国民と議会は反連邦が爆発的に加速していく事になった。
―――――
「なんだって?!連邦軍兵舎を奇襲する?!」
「そうだ、そして制圧して武装解除する…」
「数の上では圧倒的不利だが奴らは警戒していない、そこを付けばやれる」
「そんなこと…」
「どうした?怖いのか?ガルマ…将来はジオンのトップに立ちこの国を統括するかも知れない君がこの程度で怖気づくのか?それに君が指揮を取ればやれるさ、君はこの学校で首席卒業生で教導隊隊長、士官学校の英雄なんだ、それにだもしここの連邦軍が治安出動で動いたらどうなる?血の大弾圧が起こる!ならば!スペースノイドの守護者たる者であれば座視できない筈だ!」
「そ、そうだ、確かにそうだ…でも勝てるだろうか?」
「勝てるさ、相手は一個連隊、だが1個大隊はズム・シティにいる、残るは2個大隊で兵数二千、君が居れば勝てない数ではないさ」
「じゅ…十倍…。」
「兵力の優劣は人数じゃない、君は確か用兵学はA評価だったよな?戦う集団に為らなければいかに連邦軍と言っても烏合の衆だ、これを見てくれコレが駐屯地の見取り図だ」
「驚いたな、いつの間にこんな…」
「大事な事はまだある、一つはドッキングベイ、これは外部から連邦の援軍が来ないようにするために抑える必要がある、少なくとも1個小隊、そしてドズル校長」
「兄さん?!ドズル校長は良い人だ、話せば分かってくれる、何ならボクから話して見ようか?!」
「ガルマ!君は自分の手で歴史の歯車を回してみたくはないかい?」
「………、なぁシャア、君の言いたい事は分かった、決心したよ、ボクは協力する」
「そう言ってくれると思っていたよ」
「だけどどうしてココにジュンがいないんだい?!」
「ジュンには後で此方から伝えるさ、今はまだ駄目だ、他の教導生、候補生を取り込んで最後にジュンだ」
「な、何故?」
「彼は他の者とは違う、何処か達観したような性格だ、周りの者達をよく見てみろ、彼らは士官候補生と言えどもまだまだ子供だ、それは我々二人も同じ、だがジュンはどうだ?僕には彼が子供の様な性格には見えない、いやそればかりか、どうしても彼が同い年に思えないんだよ、だからこそ今この計画を彼に伝えても、彼が賛同してくれるヴィジョンが見えない、いやもしかしたら妨害してくるだろう」
「…そうかも…知れないね、でもジュンが欠けていると僕は…」
「フッ、君が彼に全幅の信頼を置いているのは分かってる、ココで知り合った僕よりは子供の頃からの親友である彼の意見を聞きたいのもね、だが彼は手伝ってくれるさ、確実にね…」
「な、何故そう言い切れる!?いざジュンにこのことを伝えて彼が拒否ったらどうするんだい?!何をもって彼が加担してくれると言うんだいシャア!」
「君がいるからさ…」
5000文字弱の文字数で安定して来ちゃいました、短いですよね、済みません。
キャラ「スゥン!」