ジト目の五月雨さん   作:旅猫AIくん

12 / 13
遅くなりました(今更ですが)



今回は、霞編です。
五月雨に容赦がない彼女ですが意外な1面があるようです。

因みに話は海外遠征前の話と遠征帰還後の2つのお話です。


外伝
外伝 霞編


 

「かすみっ、そっち行った! ごめん!」

カチカチ、

「大丈夫、2体だけなら問題ないわ。」

カチカチカチカチ、チャラーン。

「ふぅ、やっと終わったー。ありがと霞。」

「いいわ。私も倒せなかったから困ってたのよ。」

2人いるうち1人は寝ころがり、もう1人はソファにもたれ掛かる。

「あと1戦行くわよ。さっきのやり方なら勝てるわ。」

「だねー。でもよく見つけたね。あのタイミングで切り込めば怯むとか。」

「たまたまよ。最初は何の動作かと思ってたけどね。」

そう言いながら、二人はまた1戦クエストに向かっていった。

 

 

「終わったーー。」

「お疲れ様。」

そう言って、また同じようにだらけ始めた。

すると、扉が開けられる。

「さみだれー。クエスト手伝ってー。」

そう言うのは望月。それと、

「あのぉ、私もー。」

文月だった。

霞と五月雨は互いに顔を合わせ少し笑ったあと、了承の返事をしたのだった。

 

 

 

そう。ここ第52鎮守府の艦娘は通常個体とは何処かが違う者ばかり。

 

そして、この物語は、そんな鎮守府の霞の物語。

 

 

 

 

ーーー・ー・ーーー

 

 

 

私は霞。

 

朝潮型駆逐艦の10番艦。

 

駆逐艦ではあるけど鎮守府の秘書艦をしているわ。

そして私の鎮守府、52鎮守府所属の艦娘は異常個体しかいない。

私もその1人。何が異常かはおいおい話すわ。

まずはその前にうちの鎮守府でも問題児を紹介するわ。

何故紹介するのかですって?

決まってるじゃない。その子達を回収するからよ。

さぁ、行きましょうか。

 

 

 

 

 

ー鎮守府近辺、廃墟された家にてー

 

 

 

相変わらず、外側は汚いのに内側はすごく綺麗ね。

一度襲撃があってから廃墟されたこの家は、一部損壊しているものの、家としての機能はまだまだ十分であった。

一応確認したが、この家の主は亡くなっているそうだ。

 

とりあえず足を踏み入れ一階を探索する。

 

リビング、キッチン、書斎、トイレ、バスルーム・・・。

 

一階はいないか、じゃあ、上ね。

 

「あっ、・・・はぁっ、」

ある部屋から声が聞こえてきた。

それも女の喘ぎ声である。それも複数。

私は気にせずドアを開ける。

中には艦娘が1人、人間が複数。しかもほぼ裸だった。

目線が私に集中するが気にせず進み、艦娘の前に立つ。

「おやおや、秘書艦殿どうかされましたかな?」

ケケケ、とゲスイ笑い声を上げる。

「今日は出撃日よ。鎮守府に戻りなさい。」

「あー? そうだっけか? はぁあ、めんどくせぇなぁー。」

そう言うと抱いていた女を横に下ろし、シャワーも浴びずに着替え始めた。

「はぁ、隼鷹・・・、出撃日位は覚えておいてね。私も暇じゃないのよ。」

「はいはい、戻ってますよ。どうせあとの2人も来てないんでしょ?」

「ええ、問題児が多くて困るわ。」

それだけ言ってそのまま踵を返した。

後ろから女をなだめる声が聞こえてきたが自業自得だ。

 

 

 

・・・どうせ、()()()()()()()んだろうし。

 

 

 

ー鎮守府近辺、旧市街地にてー

 

 

「ぎゃああああああああっ!?」

近くで悲鳴が聞こえた。

ついでに何かがひしゃげる音も。

音の方へ行くと、死体がゴロゴロ至るところに転がっていた。

「摩耶。」

男性1人片手で持ち上げている女性に語りかける。大体高校生位の容姿。だが、持ち上げている男性を見れば異常だとわかる。身長170後半でかなりガタイがいい。体重は80~90位だ。

此方を振り向いた摩耶はニタァと笑顔を向けた。

「なんだ? 霞。 俺になんか用かぁ?」

「あんた、今日出撃よ。鎮守府に戻りなさい。」

すると、死んだそれを投げ捨て、

「ああ、そうだったな。今行くぜ。」

更にご機嫌なったのか満面の笑みを浮かべ此方へ歩いてきた。

だが、何故か私の横で止まる。はぁ、こりゃ逃げなきゃね。

「だがよぉ、霞。その前に俺と一回殺ろうぜ?」

瞬間、私は近くの家の上に飛び退いた。

元いた場所はクレーターができている。怖いわね。

「あと1人いるのよ。それは無理ね。」

そう言って全力でこの場を去った。

うちの摩耶は 戦 闘 狂 (バーサーカー)である。

人を殺す、いや生命を殺すことに快感を得ているのだ。

ただし、姉や妹の前では()()()()()()()()

あと、五月雨の前ではホントに優しいお姉さんでもある。何故だ。

 

 

 

ー鎮守府近辺、旧市街地大規模商店街にてー

 

 

 

「ここ、かしら・・・。」

そう、ここのはずなのだが、自信がない。

次の相手は駆逐艦だ。

誰もいない商店街をただ1人歩き続ける。

すると、上からガラスが落ちてきた。

横にスライドするように避けると、その避けた場所にもガラスが落ちてきた。

「ビンゴ。」

そのまま全力で前へ走り出す。

時折ガラス以外の物が落ちてきたが、合間を縫うように避け続ける。

そしてある大きなショッピングモールへ入った。

「雪風、いるんでしょ?」

少し大きな声で読んでみる。

すると、

リイィィィィンッ、

淡い鈴の音が響いた。

<誰ですか?>

何処からか声が響いてきた。

「霞よ。今日は何の日かしら?」

リイィィィィンッ、

<出撃ですか?>

「そうよ。あんたも行くのよ。」

リイィィィィンッ、

<編成は何時ものですか?>

「そうよ。早く戻りなさい。」

リイィィィィンッ、

<嫌です。>

すると、上から色々落ちてきた。

「駄々をこねるな、出撃なの」

Ri"Ri"Ri"Ri"Ri"Ri"Ri"Ri"Ri"!!!!!!

<行きたくないんです!!!>

鈴の音が激しく鳴り始めた。

雪風が拒絶しはじめたんだ。

「っ!? やばっ!」

堪らずショッピングモールから逃げる。

雪風は運がいい。それに自分が思い描いた事はすぐに現実になってしまう。

すると、携帯が鳴る。

相手は五月雨からだ。

『もしもし、霞? 雪風と代わって』

「何で分かるのよ。」

『後で話すから。早く!』

「わかったわ。雪風! 五月雨からよ!」

携帯をショッピングモールの方に掲げた。

 

 

『ゆきかぜー?』

すると、私の周りには物が落下して止まった。

リィンッ、

<五月雨ですか?>

『そうだよー。』

すると、目の前に雪風が出てきた。いつの間に・・・。

私より小さい為、背伸びをしながら携帯に手を伸ばし取ろうとする。

「欲しいなら欲しいって言いなさい。」

リィンッ、

<霞、貸してください!>

するとひったくるように携帯を取った。

因みに、五月雨スキーはうちの鎮守府には結構いる。

摩耶、目の前の雪風もその1人だ。

 

リィンッ、

<五月雨、一緒に出撃しましょう!>

『その前に任務こなしてからね?』

何やら、2人で話しているが、その隙に今日回収していた艦娘と残りの3人を紹介するわ。

 

今回回収した3人は隼鷹、摩耶、そして雪風の3人。

この他に、扶桑、山城、山風の3人がいる。

この6人はうちの鎮守府でも異常個体の上位に入る。

隼鷹は、色情魔(頭がピンク)だ。しかも、何処からか連れてきたのか全くわからない人間の女性を大量に連れてくる。

しかもご丁寧に薬漬けにするのだ。

飽きたら、これまた何処かに連れていく。

その為、うちの鎮守府では、最重要監視対象である。

(問題が起きないのが不思議ね。)

次に摩耶。

逆に此方は、戦闘狂(バーサーカー)。生命の殺り取りに快感を得ているらしい。戦うことこそ嗜好なのだそうだ。

全く理解したくないんだけどね。

だが、自分の姉妹や五月雨の前では通常個体と変わらない接し方をしてるわ。

あと、提督の言うことはしっかり聞いてるみたい。

次に雪風と言いたいとこだけど、扶桑、山城を先に紹介するわ。

2人は通常個体とほぼ性格や行動は変わらない。戦闘スタイルも一緒ね。

ただ、不幸なのが周りの者(物)にくるという一点だけが違う。

生活だけなら問題ないが、戦闘でも発揮するためたちが悪い。

そして2人一緒のため、不幸度も倍増する。

まぁ、迷惑極まりないんだけどね。

次に、山風はヤンデレ?で、尚且つ、ヤバいのよ・・・。

何がヤバいか・・・、それは、障気が周りに出ているんだけど、障気に触れたら、一瞬で腐る。

もしくは山風に触れられたら腐ったり劣化するのだ。

食事などは、山風専用の椅子やテーブルなどがある。

かわいそうだが、自分で制御できないのでどうしようもない。

そして最後に、雪風だ。

雪風は幸運だ。周りにまで影響する幸運の持ち主だ。

上記の3人(山風、扶桑、山城)には特にだ。山風は障気がなくなる。扶桑、山城は完全ではないが不幸が打ち消される。

それだけの幸運だが、その分通常個体より感情的で気分屋のため扱いが難しい。

あと、幸運が対象者によっては反応がない時がある。

五月雨のことだ。本気じゃなければ、私と曙も対象にはならないけど。

その為、リィンッ、

ああ、この話はここまでね。

「話は終わったかしら雪風?」

リィンッ、

<はい! とりあえず、鎮守府に帰ります!>

「そう、じゃあ、帰ろうかしら?」

そう言って私は雪風と鎮守府へ帰還した。

この間、約15分位だ。

 

 

ー鎮守府、執務室にてー

 

「では、今から出撃してくれ。頼んだぞ。」

「はい。(ほーい/へいへい)」

各々返事をしたあとだらだたと執務室を後にした。

旗艦は扶桑だ。

彼女達が出撃したあと、私はソファに座り一息ついた。

「今日も疲れたわね。」

「ご苦労だった。今回はどのくらいかかったんだ?」

向かいのソファに座った提督。

「そうね。ざっと5()()()()くらいかしら。」

「そうか。やはりその力は助かるな。」

「あのね。これでも制限があるのよ。」

少し睨む。が、あまり効果はないようだ。

実際私は色々大変なのだ。

今まで私は自分の異常性を教えてはいなかったが、

私の異常性は2つある。

1つは、幸運だ。それもうちのではないが()()()()()()()()()を持っていること。

もう1つは、時の動きを操れること。正確には時間を物凄くゆっくりにすることができるわ。その為、今回みたく5時間かかることを15分で済ませることができたってわけ。

だが、代償があるのよ。それは、

「そうそう、また艤装お釈迦になったわ」(笑)

「まじか」白目

と、反動が艤装にいくの。最大で5時間しか止めれないうえに、戦闘では全く使えず、1時間分使うだけで中破してしまうわ。

「まぁ、いい。とりあえず、ストックがあったはずだ。」

「しかし、こうも呼び出しの際に潰していては駄目だな。なんとか対策を練らんとな。」

諦めた方がいいと思うけどね。どうせ言うこと聞かないんだし。

まぁ、無駄な足掻きでも見物しとくか。

「そう言えば、ヨーロッパの件はどうなったの?」

「・・・決定事項だそうだ。」

溜め息をはきながらいつの間にか後ろにいた大淀から書類をもらい、私に手渡した。

「見てもいいの?」

「お前なら構わん。問題はその中身だ。」

ページを進めていくうちに色々と可笑しいことに気づく。

「ねぇ、もしかして、私達って追い出されるの?」(笑)

 

「だろうな。上はそうしたいんじゃないのか?」

 

”作戦実施に基づき、一時的に第52鎮守府の現拠点を閉鎖、必要最低限の戦力を残し、本隊はイタリア領サルデーニャ島を拠点としヨーロッパ解放に尽力されたい。なお・・・"

 

「あのさ、なんでイタリア領なの? ジブラルタルとかイギリス本島とかがいいんじゃないの?」

「知らん。と言いたいが、一番そこが鎮守府でも激戦区だそうだ。スエズから来る敵とジブラルタルから来る敵の挟み撃ちになるそうだ。」

「なるほどねぇ。」

よほど私達を消したいらしい。だが、その辺は問題ない。うちの鎮守府でその辺の敵に負けるような艦娘はいない。上は本当にバカしかいないようだ。

それより問題なのは、これだ。

「五月雨、目をつけられたわね。」

「ああ、だから期限は2年にしたんだ。最初は5年期間だったからね。」

苦労したもんだ。と言って頭をかく提督。

 

 

”なお、最低限に残す戦力は、

 

大和型戦艦2番艦 武蔵

金剛型戦艦3番艦 榛名

赤城型航空母艦1番艦 赤城

加賀型航空母艦1番艦 加賀

鳳翔型航空母艦1番艦 鳳翔

長良型軽巡洋艦4番艦 由良

長良型軽巡洋艦5番艦 鬼怒

陽炎型駆逐艦8番艦 雪風

白露型駆逐艦6番艦 五月雨

 

以上の艦娘を各鎮守府へ配置し出発せよ。"

 

 

「それに、1航戦と武蔵、榛名を残させるとはね。雪風はわかるけど。」

「まさか、居酒屋鳳翔を潰すとは思わなかったがな。」

「飲んべえは違うわね。」

「だが、問題なのは五月雨だ。」

いつになく真剣な提督。

「彼女の暴走は何もなければ2年は問題ないはず。」

「出発日に行うから問題ないわ。仮にあったとしても鳳翔と武蔵で押さえれるでしょ。」

そうして書類をテーブルに置いた。

「どうだかな。あの頃に比べて成長はしてるが問題は五月雨も成長してることだな。」

「問題ないわよ。武蔵と鳳翔ならね。」

「秘書艦が言うなら問題ないだろうな。とりあえず、ヨーロッパ遠征作戦の準備だな。」

「この事は、各艦代表に通達して準備させるわ。」

「了解した。頼んだぞ。」

 

ー執務室前ー

 

「はぁ、めんどくさいわね。」

「潜水艦は大丈夫でち。」

「そうじゃないわよ。」

「ハチとしおいでいいでちか?」

「編成は任せるわ。お願いね。」

そういうと、58の気配は消えた。

「2年・・・か。長いわねー。」

そう呟いた私は頭を降って気持ちを切り替え、その場を後にした。

 

 

その一週間後、私達はヨーロッパ遠征作戦を開始した。

 

 

 

 

ーヨーロッパ遠征帰還後、呉鎮守府からー

 

 

 

 

 

「待ちなさい。 今日は許さないわ。」

 

「げっ、もう追ってきた!?」

 

私は今五月雨を追いかけている。

 

理由は簡単。

仕事をサボろうとしているからだ。

ここ呉鎮守府では、新人の提督候補や初期艦候補の育成を行っている。教官は基本的に艦娘だ。

担当自体は呉鎮守府が担当するのだが、第52鎮守府が一時的にでも仮拠点として置かせてもらったという事で此方が受け持っているのだが、問題が出た。

それは、一部艦娘達のサボりである。

隼鷹や摩耶、山風、雪風、扶桑、山城は当然除外している。

だが、他は基本的に参加させているのだが、五月雨を筆頭に望月、敷波、北上、大井、そして曙。

このメンバーは何かとサボろうとする。その為、北上と大井はペアで行動する演習の教官として活躍している。

曙は単艦戦闘の教官として、そして一番の三大問題児達は勉強の面で活躍させている・・・のだけれど。

 

 

「あとはあんただけよ、五月雨。」

 

「嘘だ! あの2人がやられるとかあり得ない!」

 

「本当よ? だって、」

 

「私達は、」ガシッ

 

「霞の軍門に下ったのだー」ガシッ

 

両脇から2人が左右の腕を掴み、捕獲した。

 

「な、なんで!? 」

 

「私もね。五月雨の味方だよ?」

 

「でもさぁ、間宮さんのアイスは食べたいじゃん?」

 

「裏切ったなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

こうして問題児達を捕まえたのだ。

 

 

 

私は、今の生活は嫌いじゃない。

五月雨達がバカをやって、私がもしくは他の誰かがお仕置きする。

戦闘ではしっかりと自分の仕事をして、仲間と助け合う。

こんなに充実した生活はないんだと感じるわ。

だからこそ、私はこの生活を守りたい。

 

 

 

絶対に、守り抜いてみせる。

 

 

 

つづく




最後はやっつけ感がしますが気にしないでください。
_(^^;)ゞ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。