流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~ 作:フレイムナイト
スバルの赤き翼から紅蓮の炎がこぼれ出る。
「スバル?」
熱斗はスバル意図が分からず、思わずその名を呼ぶ。
「クッ・・・何をしようとも、私に貴様の攻撃は届かん! さっきのように私の幻覚を破れると思うなよ!!」
ファントム・ブラックがスバルに向かって叫ぶ。
(確かに今の状況、あまり良いとは思えないな・・・)
炎山は心の中で今の状況を整理する。
現在、旧秋原エリアにはスバルとブルース、ファントム・ブラック、ダークロックマンの四人がいる。
ダークロックマンは戦いに参加する気はなく、ただ傍観するのみ。 ブルースは先程の戦闘でボロボロ、もう戦う力は残っていない。
実質、敵も味方も闘える要員は一人ずつ、スバルとファントム・ブラックの二人だけだ。
さらに、ファントム・ブラックは気流と気圧を制御・変化させる能力によって、遠距離からの攻撃を気流に乗せて反らし、近距離からの攻撃には気圧の変化によって敵に幻覚を見せる。
正にファントム―――何者も寄せ付けない亡霊のようだ。
正直、どう戦えばいいのか分からない相手だ。
『なんか策があるのか、スバル?』
ウォーロックもみんなと同様にスバルの意図が分からず、スバルに質問する。
だがその口調からは緊張感がまるでない。
長年のパートナーだからこそ、その行動の意図が分からなくても、信じられる策があると思っているからだろう。
「うん。 ファントム・ブラックは気流と気圧を操ってるって分かっただろう? 気流や気圧って言うのは、空気がある場所にしかなくて、空気って言うのは・・・・・・」
『分かった。 策があるならとっととやってくれ。』
ウォーロックはスバルのセリフをぶった切ることによって、スバルのマニアスイッチをOFFにする。
これも長年のパートナーだからこそ・・・。
「スバル、オレはどうすればいい?」
「熱斗君、ゴメン! ファントム・ブラックとは、ボクとウォーロックとで決着を付けたいんだ」
『今度こそ奴に引導を渡してやる!!』
それはつまり、自分達の戦いに手を出すなと言う意味だ。
「・・・スバル。 分かったぜ! あんな奴ぶっ飛ばして来いよ!!」
熱斗は笑顔でスバルを送り出す。
「コクッ! 炎の翼!!」
スバルは一頷きすると、炎を纏った羽をファントム・ブラックに向かって放つ。
「小癪な! ファントムスラッシュ!!」
ファントム・ブラックはカマイタチによる風で炎の羽を消そうとする。
羽は炎を纏ったまま、ファントム・ブラックの周りの地面に突き刺さる。
スバルはそんなことにはお構いなく、どんどん炎の羽を打ち込む。
(一体奴は、何を考えている!?)
ファントム・ブラックはスバルの繰り出す炎の羽を弾き飛ばしながら考える。
程なく、ファントム・ブラックの周りの地面に無数の炎を帯びた羽が散らばった。
「・・・炎の槍!」
スバルの右手に、持ち手が赤色の日本槍が現れた。
「エイッ!」
スバルは槍を思いっきりファントム・ブラックに投げつける。
「無駄なことを・・・!」
ファントム・ブラックは自分の周りの気流を操って、槍の軌道を変える。
しかし、槍が反れた瞬間、スバルがファントム・ブラックの懐に飛び込んだ。
『待てスバル! ファントム・ブラックに近づいたら、また幻覚に・・・!!』
ブルースがスバルに向かって叫ぶ。
「おそ・・・!」
「炎の小太刀!!」
ファントム・ブラックが気圧を変化させてスバルに幻覚を見せようとする。
しかし、気圧は変化せず、スバルの出した小太刀によってファントム・ブラックは腹を切られる。
「なっ・・・!?」
ファントム・ブラックは痛みによって地面に膝を着く。
「もう、気流も気圧も変化できないよ」
スバルはファントム・ブラックに言った。
「ば・・・馬鹿な!! ファントムクロー!!!」
ファントム・ブラックは目の前に立つスバルに、体から出した黒い手で攻撃する。
しかし、スバルは翼で上空に飛ぶことによってそれを避ける。
「HFB、火炎乱舞!!!」
スバルの両腕から放たれた巨大な炎は大きな炎の渦となり、ファントム・ブラックを襲う。
「ぐおおおおおお!!」
ファントム・ブラックは炎の小太刀のダメージで動きが鈍くなってしまい、炎に飲み込まれてしまった・・・。
ファントム・ブラックが炎に飲み込まれたのを確認すると、スバルは地面に降り立った。
「スバル、やったな! でもどうしてファントム・ブラックは気流を操れなくなったんだ?」
熱斗がスバルに質問する。
「一番最初に、ボクが炎を纏った羽で攻撃して、ファントム・ブラックの周りの地面に羽が突き刺さったよね? それによってファントム・ブラックの周りの空気は暖められていたんだ。 暖められた空気は上昇気流を作り、そしてさらに真空状態を作る」
「真空状態?」
「空気が無い状態だよ! 空気さえなければ気流も気圧もない」
つまり、スバルは炎の翼、炎の槍によって、とにかくファントム・ブラックの周りの空気を暖めることにのみ集中する。
暖められた空気は上昇気流を作り、そしてさらに空気がない状態・真空状態を作る。
気流も気圧も空気が無ければ存在しない。 ファントム・ブラックは気流と気圧を操ることが出来なくなっていたのだ。
そこにスバルは炎の小太刀、火炎乱舞によって攻撃してトドメをさしたのだ。
「・・・・・・」
熱斗はもはや何も言わない。 何故なら・・・
『分かっていないな・・・』
ブルースが溜め息交じりに言った。
「ま、まだだ・・・・・・」
「「『『・・・!?』』」」
スバル達が声のした方を見ると、そこには炎でボロボロになりながらも、夜叉のような殺気をその身に纏う怪紳士、ファントム・ブラックが立っていた。
「クッ! まだ戦う気か!?」
『スバル! 今度こそトドメを刺しちまえ!!』
スバルとウォーロックは戦闘体勢をとる。
『そこまでだ!』
突如、スバルとファントム・ブラックの間に、ダークロックマンが割って入って来た。
「ロックマン!!」
熱斗は思わずロックマンの名を呼ぶ。
「ダークロックマン、何のつもりだ」
『ファントム・ブラック、最後のパーツは手に入れた。 ここは一旦引くんだ』
『待て! 逃げる気か、お前ら!!』
まさかの撤退宣言にウォーロックが吠える。 しかしダークロックマンはそんなことに構わず、スバルに向かって何かのチップを投げ渡した。
「これは・・・!?」
『・・・Dr.リーガルからの伝言だ。 [全てのホープ・キーのパーツが出現した。 いい加減お互いに決着をつけようじゃないか]っと・・・』
ダークロックマンは無表情に、淡々と話す。
『そのチップには、ネビュラの本拠地を記したマップデータが入っている』
「なんだって!? それじゃあ・・・!!」
『ネビュラの本拠地で、お前達と戦う!!!』
「「「「「『『・・・・・・!!!』』」」」」」
熱斗、スバル、炎山、デカオ、やいと、ブルース、ウォーロック、その場にいた全員がダークロックマンからの決着宣言に驚く。
『そこで、Dr.リーガル、ガルナ、そしてボクも待っている』
「・・・!」
熱斗はそこで少し泣きそうな顔になってこらえる。
『・・・・・・』
ダークロックマンはそれ以上何も言わなかった。 そのまま、ガウとファントム・ブラックと一緒に姿を消してしまった。
「上等だ・・・」
「えっ?」
熱斗がポツリと言った言葉に、スバルが思わず聞き返す。
「Dr.リーガル達の居場所が分かったんなら好都合だ!! 乗り込んで今度こそネビュラをぶっ潰して、ロックマンを連れ戻してやるぜ!!」
「フッ・・・お前ならそう言うと思ったぜ」
「オレ達も一緒に行くぜ、熱斗!!」
「このやいとちゃんにドーンと任せなさい!!」
炎山、デカオ、やいとが熱斗に言う。
「みんな、ありがとう!!」
「熱斗君、ボク達もいるよ!」
『今度こそ、あの脚本野郎をぶっ飛ばさないといけないしな!!』
スバル、ウォーロックも熱斗に協力すると宣言する。
「よし、行くぜ! ネビュラ基地!!!」
熱斗は高らかに宣言する。
物語はいよいよラストバトルへ・・・・・・!!
【ボツネタ】
スバル
「炎の翼!」
スバルは炎を纏った羽をファントム・ブラックに向けて放つ。
スバル
(よし、後もう一撃でファントム・ブラックの周りから空気が無くなるはずだ)
スバル
「炎の槍!」
スバルが赤色の日本槍をファントム・ブラックに放つ。
だがしかし! スバルの予想とはうやはやに、ファントム・ブラックの周りからは空気が無くなっていた。
つまり・・・
グサッ!!
ファントム・ブラック
「ぎゃぁあああぁああ!!!」
熱斗
「ヒー! スプラッタ!?」
ウォーロック
『スバル、いくらなんでもやりすぎ・・・』
スバル
「ご、誤解だーー!!!」