流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~ 作:フレイムナイト
『ガッツパンチ!!!』
ガッツマンがブリザードマンに向けてガッツパンチを繰り出す。 しかし、ブリザードマンはスキーで滑るように後ろに下がることでそれを交わす。
「ちっくしょー、意外と素早いな、あの雪だるま」
デカオがブリザードマンを恨めしそうに見る。
『ムッ! ボクは雪ダルマじゃない! ボクは"アレ"の生み出す闇の力によって、更なる力を得て甦ったブリザードマンDS(ダークソウル)だ!!!』
ブリザードマンDSは踏ん反り返って見せながら、デカオとガッツマンに言い放った。
「ダークソウル!?」
『ガス? "アレ"って何でガスか?』
ガッツマンは自分が疑問に思った事をブリザードマンに聞いた。
『ヒュルルー、ボク達の目的、"究極の闇"っさ』
ブリザードマンはガッツマンの質問に卑しい笑みを浮かべながら答えた。
「究極の闇?」
デカオは、聞いた事もない単語を聞いて首を傾げる。
『ヒュルルー、それにロックマンを捕らえたのも、"究極の闇"を造る為に必要だったからさ!!』
「『何だって(でガス)!!』」
デカオとガッツマンは衝撃の事実に思わず声を張り上げてしまった。
そんな二人に構わず、ブリザードマンは両腕を上に突き上げた。
『闇の力の恐怖、思い知れ!!!』
ビュオオオォォォォ!!!
ブリザードマンが叫んだ瞬間、電脳世界全体に吹雪が吹き荒れてきた。
『ガスーーー!!?』
「ウワッ!! これって、さっきオレ達を襲った吹雪じゃないか!!?」
デカオとガッツマンは突然の吹雪に驚きを隠せない。
『ヒュルルー、以前のボクにはここまでの力はなかった。 でも! 闇の力でパワーアップしたボクにはこれ位の事は造作もないのさ!!』
ブリザードマンは自慢げにガッツマン話す。
『ガス! こんな吹雪、ガッツマンには効かないで・・・ガス?』
ガッツマンは話している途中で、違和感を感じた時の声を発した。
吹き荒れる吹雪によって、目の前が段々真っ白になってブリザードマンの姿が見えなくなってきたのだ。
「な、何だ!?」
デカオもガッツマンと同じように、PET画面が真っ白になってブリザードマンが見えなくなってしまった。
ホワイトアウト。 吹雪等によって、天地の区別や距離・方向が分からなくなる現象だ。
つまり、ガッツマンとデカオはこの猛吹雪によって、視界が見えなくなってしまったのだ。
『こ、これじゃあブリザードマンがどこにいるか分からないでガス!』
ガッツマンは辺りをキョロキョロと見渡す。 しかし、周りは真っ白で何も見えない。
『ローリングスライダー!!』
突然、ブリザードマンの声が吹雪の中から聞こえてきた。 すると、ガッツマンに二個の巨大雪玉が転がってきた。
「ガッツマン! あぶねぇ、避けろぉ!」
デカオはガッツマンに叫ぶが、ガッツマンは不意打ちを食らって避け切れず、雪玉が直撃してしまう。
『ガッ、ガス!?』
雪玉が直撃したガッツマンは後ろに仰け反ってしまう。 それに追い討ちをかけるように、次々とガッツマンに雪玉が襲い掛かる。
『グガッ! ガギッ! グオオオオォォ!!!』
何十個もの雪玉がガッツマンにぶつかって砕け散れ、辺りに幾つもの小さな雪山を造る。
ガッツマンはその周りにうつ伏せになって倒れこんでしまう。
『ガスゥ・・・。 デ、デカオ・・・』
「ガッツマン、しっかりしろ! 負けるなぁ!!」
デカオがガッツマンに必死に呼びかけるが、ガッツマンのダメージはでかく、必死に立ち上がろうと雪で埋もれた地面をもがいている。
「ちくしょう! こんな所で、オレ達は負ける訳にはいかないんだ・・・!!」
デカオは、うめく様に呟きながら、先程の熱斗との会話を思い出す。
―――「デカオ、必ず後から追って来いよ・・・!」
―――「オレを誰だと思ってんだ? 熱斗のライバル、大山 デカオとガッツマンだぞ!!」
『デ、デカオ・・・』
「ガッツマン!」
『ガッツマンは、負けないでガス! ガッツマンはデカオの最強のネットナビでガス・・・!!』
ガッツマンは傷ついた体を無理矢理動かして立ち上がる。
「ガッツマン・・・そうだな、オレ達はこんな雪ダルマダークロイドなんかには負けねぇ!絶対に勝つ!!」
デカオは覇気を取り戻すと、PETを構え直した。 その時、ふとデカオの目に、ガッツマンの周りの雪山が目に入った。
「・・・!! ガッツマン!!!」
『ヒュルルー、どうしたんだ? 急に動きが止まっちゃって?』
ブリザードマンが吹雪の中、ガッツマンを見た。
ガッツマンとデカオは吹雪によるホワイトアウトと言う現象で、周りが見えなくなってしまったが、この吹雪を引き起こしたブリザードマン自身は、吹雪の中のもの全てを見る事が出来た。
ブリザードマンはガッツマンに連続攻撃を浴びせていたのだが、ガッツマンが立ち上がって直ぐに身動き一つしなくなったので、今は攻撃を止めて様子を見ている。
『ヒュルルー、ま、いっか! 次の一撃で止めを刺してやる!!』
ブリザードマンは飛び跳ねると、ギュルギュルとその場で回り始めた。
『終わりだーー!! ローリングスライダー!!!』
ブリザードマンが雪を纏って、超高速級のスピードでガッツマンに突進してきた。
しかし・・・
『!? アイツ、どこにいったんだ!!?』
ガッツマンが突然、ブリザードマンの前から姿を消したのだ。
『ア、アレ!? おかしいな? 確かにここに居たのに!?』
ブリザードマンは口癖の『ヒュルルー』も言わずに辺りをキョロキョロと見渡し、ガッツマンを探す。
しかし、ブリザードマンの周りには雪山しかなく、ガッツマンの姿は見当たらない。
『ガス!! ガッツマンはここでガス!!!』
ボココォン!!
突然、雪山が勢いよく割れるのと同時に、その雪山の中からガッツマンが現れた。
『な、何!!?』
ブリザードマンは、ガッツマンがいきなり現れた事に怯んで隙が出来てしまう。
「居場所が分かんないならそっちから来て貰うだけだ!! ガッツマン!!!」
『ロケットガッツ・・・パーーーンチ!!!』
ガッツマンの渾身の一撃がブリザードマンを襲う。
『ま、待っ・・・うぎゃあああぁぁああーーー!!!』
至近距離からの攻撃、おまけにさっきのいきなりの登場で隙が出来てしまったブリザードマンには、ガッツマンのパンチを交わす事が出来ず、顔面にクリーンヒットしてしまった。
ガッツマンのパンチの勢いで吹っ飛んだブリザードマンはそのまま地面に体を預ける羽目になってしまった。
ブリザードマンが倒れると、電脳世界に降り注いでいた吹雪がピタリと止んだ。
『吹雪が止んだでガス!』
「ブリザードマンを倒したからだな!!」
ガッツマンとデカオは勝利を確信し、ブリザードマンから視線を逸らしてしまう。
『ヒュルルー、ゆ、許さないぞ・・・!』
それが、仇になってしまった。
『ガス!?』
ガッツマンが慌ててブリザードマンに視線を戻した時には、もう手遅れだった。
『ヒュルルーーッ!!!』
ブリザードマンの叫びを合図に、上空に禍々しい紫色の亀裂が出現した。 その亀裂は、電脳世界に現れたブラックホールのようだった。
『な、なんでガス! アレは!?』
「巨大な、ブラックホール!?」
『ヒュルルー、これは暗黒星雲に繋がるブラックホール』
「『あ、暗黒星雲!?』」
『リーガル様が創り上げた、究極の闇のゆりかご・・・。 その中でボクと一緒にさまよえ!!』
ブリザードマンはそこまで言うと力尽きたかのように倒れる。
ブリザードマンが倒れるのを待っていたかのように、上空に出現したブラックホールは全てのモノを飲み込もうと空気を吸い込み始めた。
ガッツマンはブラックホールに吸い込まれないように、地面にへばり付いて持ち堪える。
『ガ、ガス!? ブリザードマン・・・!!』
ガッツマンがブリザードマンに向かって叫ぶ。 しかし、その叫び空しく、力尽き倒れたブリザードマンはブラックホールに飲み込まれていった・・・。
だがブリザードマンを吸い込んだ後も、ブラックホールは吸い込む勢いを弱めず、むしろその勢いを強めていった。
「ガッツマン、プラグアウトだ!」
『だ、だめでガス、デカオ! 物凄い力で吸い寄せられてプラグアウトできないでガス!!』
その間もガッツマンの体は今にもブラックホールに吸い込まれようとしている。
『・・・ッ! デカオ、すまんでガス・・・』
「ガッツマーーーン!!!」
「あきらめるな!!」
「『!!?』」
突然、誰かが空調装置の電脳にプラグインしてきた。
その人物はガッツマンにも劣らない巨体の持ち主で、ブラックホールが発生している電脳世界でズッシリと地面に立っていた。
「うぉおおおお!!」
その人物の轟く叫びと共に、口から真っ赤な炎が飛び出してきた。
炎がブラックホールの中に入った瞬間、ブラックホールは吸い込むのを止め、沈黙する。
そして次の瞬間・・・
ドッカーーーン!!!
ブラックホールが爆音を響かせて、爆発した。
『す、すごいでガス・・・』
「ガッツマン、大丈夫か!?」
デカオが一番最初にガッツマンの安否を気にかける。
『大丈夫でガス! それと、ありがとうでガス!!』
ガッツマンがブラックホールを爆破した人物にお礼を言った。
「オレからもありがとうな!! でも、お前は一体誰なんだ?」
デカオもお礼を言うが、その正体に疑問を抱く。
「オレは・・・・・・」
その人物はゆっくりと口を開いた。