流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第八十三話  封じられる五感

『スワロードライブ!』

「ブライアーツ!」

 スワローマンとブライの攻撃がぶつかり合い、互いを後ろに弾き飛ばす。

だが二人ともすぐに次の攻撃態勢に移る。

 

『スワローカッター!』

「ラプラスソード!」

 スワローカッターとラプラスソードの衝撃波が空中でぶつかり合い相殺する。

暗闇の中、この攻撃のやり取りを二人はもう三十分近く続けている。 他者がこの戦いを見れば、暗闇の中で野獣が火花散らすバトルをしているように見えるだろう。

 

「チッ、これではラチが明かない・・・!」

 ブライが舌打ちしてスワローマンを睨む。

 

『フフフ! だったらそろそろ終わりにしようか?』

 そう言うとスワローマンが空中高くに飛び上がった。

 

(? 何をする気だ?)

 ブライはラプラスソードを構えて警戒する。

 

『エアダイブ!!』

 スワローマンが超高速でブライに突っ込んで来た。

 

「フッ、この程度で・・・オレを倒せると思うな!」

 ブライは突っ込んで来るスワローマンをラプラスソードの側面で受け止めると、そのまま縦にラプラスソードを傾けることによってスワローマンの攻撃を受け流した。

 

攻撃を受け流されたスワローマンは、そのまま再び空中に飛び上がる。

 

『・・・・・・』

「何を黙っている・・・?」

 ブライが無言のスワローマンに問い掛ける。

 

『直ぐに分かる』

 そう言うスワローマンの顔には笑みが浮かんでいる。 ブライはそれがたまらなくムカついた。

 

「ブライナックル!」

 ブライは拳を地面に向けて放ち、上空高くに飛び上がった。

そしてスワローマンよりも高い上空に飛ぶと、ラプラスソードを上段に構える。

 

「グラウンド・・・!」

 ブライは「グラウンドブレイクソード」をスワローマンに放とうとする。

相手より上の位置から降下してラプラスソードを振り下ろす、ブライの技の中で一番威力のある大技だ。 ブライは一気に勝負をつけるつもりだ。

 

しかし、ラプラスソードが振り下ろされることはなかった。

 

 

(目が・・・!?)

 

 

 

 

 

(目が見えない・・・!!?)

 

 ブライは、見えていた周りの様子やスワローマンが視界から消え、目に映るものが全て暗闇に変わってしまったことに驚き、「グラウンドブレイクソード」を放つのを止める。

 

 

『スワロードライブ!』

「ぐぁ・・・!」

 スワローマンが目が見えなくなったブライに攻撃する。

攻撃され、地面に落下するブライ。

 

 

「クッ! どうなっている!?」

 地面に落下したブライはよろめきながら立ち上がる。 だがやはり目は見えず、ブライの目には暗黒の闇のみが見えていた。

 

『フハハ! 目が見えないのはどんな気分だ?』

 上空からスワローマンの声が聞こえてくる。

 

「お前の仕業か・・・!」

『そう、エアダイブとは元々"相手の持つバトルチップを破壊する"技なのだが、闇の力によって復活したオレは、エアダイブを"相手の五感を奪う"技へと進化させることが出来たんだ!!』

 スワローマンは自慢げにブライに話す。

 

「エアダイブ・・・あの時、視覚を奪われたということか」

 ブライはスワローマンがエアダイブを繰り出してきた時のことを思い出して呟く。

 

『覚悟しろ! ムーの生き残り!!』

 スワローマンがブライに向けてスワローカッターを繰り出した。

 

「・・・ッ!」

 目の見えないブライはスワローカッターの直撃を受けてしまい、片膝を付く。

 

『スワロードライブ!!』

 スワローマンは止めを刺そうと、ブライに超高速で突っ込む。

 

ガキンッ!!

 

暗闇の中で、何かがぶつかり合う鈍い音が聞こえた。

 

 

『な、何!?』

 スワローマンが驚きながら自分の腕を抑える。

目の見えないブライがスワロードライブをかわし、突っ込んで来たスワローマンの右腕をラプラスソードで斬り付けたのだ。

 

『バカな! お前の目は見えなくなっているはずだ!!』

 スワローマンがブライに向かって叫ぶ。

 

「バカはお前だ。 視覚を封じた程度で、オレに勝てると思うな!」

 ブライはそう言うと、スワローマンのいる方向にラプラスソードの矛先を向けた。

 

『何だと! ・・・そうかお前・・・』

 スワローマンは悔しそうに歯を食いしばったが、すぐに何か分かったのかニヤリと笑った。

 

(声がしなくなった。 気付かれたか?)

 ブライの頬に一筋の汗が伝う。

 

その時、ブライの後ろから何かが突っ込んで来た。

 

「ぐああぁ!!」

 ブライは前に倒れ込むが、直ぐに立ち上がり態勢を整える。

 

 

 

 

 

『最初、視覚を封じたのに反撃を食らって驚いたが、直ぐに謎は解けた』

 空中でスワローマンが静かに語り始める。

 

『音だ。 お前はオレの声を頼りに、オレの居場所を特定していたんだ』

 今までスワローマンは攻撃する時、技名を言ってからブライに攻撃していた。

ブライは残った聴覚によって、スワローマンの声が聞こえた場所から居場所を見つけ出していたのだ。

 

『落ち着いてみれば直ぐに分かったんだ。 しかし、声を聞いただけでオレの攻撃をかわし、反撃するなんて末恐ろしい奴だ。 だが・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もう何も聞こえないし、感じないか・・・。』

 

 エアダイブで突っ込んで来たスワローマンは、ブライの"聴覚"と"触覚"を封じた。

もうブライは、見えない、聞こえない、剣を持っている感覚さえない。

 

 

『せめて苦しまずに終わらせてやる』

 スワローマンは翼を大きく広げ、ブライの心臓に狙いを定める。

 

『スワローカッター!!!』

 ツバメの形をした衝撃波が、ブライに放たれた。

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