流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第八十八話  奪われた力

パァン!

 

乾いた音がファクトリーに響いた。 その音が響いた一瞬の出来事は、誰もが想像すらしなかった出来事だった。

 

ロックマンがバスターで熱斗を撃った。

 

「熱斗・・・く・・・」

『ウソだろ、オイ・・・!』

 スバルとウォーロックもあまりの事に熱斗の元へ駆け寄ることを忘れ、その場に棒立ちになる。

 

ドサッ! 

 

撃たれ、地面に熱斗が倒れる音が聞こえた瞬間、我に返ったスバルが熱斗の元へ駆け寄った。

 

 

「熱斗君! 熱斗君・・・!」

 スバルは熱斗を抱き起こすと、必死に名前を呼ぶが反応が無い。

 

『ロックマン! テメェ!!』

 ウォーロックが怒りのままにダークロックマンに殴りかかろうとする。

しかし、ダークロックマンはそれをあっさりとかわすと、スバル達から距離を置いた。

 

 

 

 

 

「・・・ウッ」

 熱斗が微かな声を上げるとゆっくりと眼を開けた。

 

「熱斗君!?」

『大丈夫かよ!?』

 

「スバル・・・うでナビ・・・」

 熱斗がスバルとウォーロックの名を呼ぶ。 スバルは熱斗を支えてゆっくりと立ち上がらせた。

 

『オイ、本当に大丈夫なのかよ? 撃たれたんだぞ、お前?』

 ウォーロックが熱斗の体を軽くポンポンと叩いて、怪我があるかどうか確かめる。

しかしどこを見ても熱斗の体にはキズ一つ無く、ロックパスタ―で撃たれた後がどこにも無かった。

 

「よく、分からないんだ。 ロックマンに撃たれた時、痛いっていうより、体から力が抜ける感じがして・・・?」

 熱斗も自分の身に何が起こったのか分からず、少し呆けた感じになっている。

 

 

 

 

 

『それは、これが関係しているんだ』

 不意に、ダークロックマンが声をかけてきた。

 

「えっ?」

 熱斗達がダークロックマンを見る。

ダークロックマンの右手には、熱斗が"PETに保存していたホープ・キー"が握られていた。

 

「なっ・・・!?」

「ホープ・キー! いつの間に!?」

 熱斗とスバルはダークロックマンの持つホープ・キーを見て驚く。

 

『今ボクが撃ったのは、ロックバスターじゃない。 暗黒星雲へと繋がるブラックホール、闇に繋がる扉そのもの・・・』

 ダークロックマンが静かに語る。

 

『暗黒星雲? 闇に繋がる扉? ふざけんじゃねぇ!』

 ダークロックマンにウォーロックが吠える。

 

『信じる信じないはそっちの勝手だ。 しかし、この闇の力によって、熱斗の体から"ホープ・キーの制御プログラム"を奪い取ったのは、事実だ』

 

「なっ!?」

「制御プログラムを・・・奪い取った!?」

 

『その証拠を見せるよ』

 ダークロックマンはそこまで言うと、ホープ・キーを頭上に掲げた。

ダークロックマンの体が光に包まれる。

 

「あれは・・・!?」

「まさか・・・!?」

 熱斗とスバルはその現象に顔を強張らせる。

 

眩い光が周りに満ちた瞬間、ダークロックマンを包み込んでいた光が消えた。

そこに立っていたダークロックマンは、さっきとはまったく違う姿をしていた。

 

その姿は、まるで・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『クロス・マジシャン、Ver.スノーマジシャン!!』

 スノーマジシャンの姿をしたダークロックマンが熱斗達を見据える。

 

「クロス・マジシャン!?」

『本当に、能力を奪いやがったのか!?』

 スバルとウォーロックは自分達と同じ変身をしたダークロックマンの姿に目を見開く。

だが、スバルのスノーマジシャンと違い、ダークロックマンは全体の色が紫色をしていた。

 

『それならこっちもクロス・マジシャンだ! 熱斗、こっちもスノーマジシャンに変身するぞ!』

 ウォーロックが熱斗にクロス・マジシャンを使うように促す。

 

「む、無理だ。 クロス・マジシャンはホープ・キーが無いと変身出来ない」

『あっ・・・』

 熱斗の言葉にウォーロックが声を漏らす。

 

 

『第一、ホープ・キーがあってもクロス・マジシャンはもう出来ないよ。 ホープ・キーの力を使うために必要な制御プログラムは・・・熱斗の体からボクの体へと移動したんだから!!』

 ダークロックマンが自分の体を指差して熱斗達に言い放つ。

 

「っ・・・!」

 

『終わりだ』

 ダークロックマンはそう言うと、持っていた杖を熱斗達に向ける。

 

 

『HFB(ホープ・フォース・ビックバン)、ダイヤモンドダスト!!!』

 ダークロックマンが放つ、多量の紫色の雪の結晶が熱斗達に襲い掛かる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ことは無かった。

 

 

「・・・えっ?」

 熱斗達は目の前で起こった事に目を疑った。

 

ダークロックマンの放ったHFBは、熱斗達を攻撃したのでは無く、熱斗達とダークロックマンの間を凍らせ、巨大な氷の壁を造り上げただけだった。

 

 

「なっ・・・ボク達を攻撃したんじゃあ?」

『一体何を考えてやがるんだ?』

 スバルとウォーロックはダークロックマンの意図が掴めず、困惑する。

 

 

「さ、彩斗兄さん・・・」

 

 

『これで・・・』

 ダークロックマンが口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ボクが消えれば、もうイキシアは永遠に使われることはない・・・』

 

 ダークロックマンはそういうとロックバスターを自分の頭に押し当てる。

 

『さよなら、熱斗君・・・』

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