流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~   作:フレイムナイト

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第九十七話  闇の中を駆けろ

「オレも行く・・・!」

 

 熱斗がスバルの前に一歩踏み出した。

 

「熱斗、今の話を聞いていただろう? 生身の人間のオレ達では・・・」

炎山が熱斗の隣に歩み寄って、熱斗に思い留まらせようとする。

 

「分かってる、分かってるんだ。 だけど・・・」

 熱斗は拳を強く握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロックマンに、彩斗兄さんに会いたい・・・」

 今にも消えてしまいそうな熱斗の声。

熱斗の心の中では、ロックマンを助けに行きたいという思いと、スバルに全てを任せるしかないという現実がぶつかり合って、揺らぎ合っているのだ。

 

そんな熱斗の心中を分かっている仲間達は、無意識に俯いてしまう。

 

 

 

 

 

「方法が、あるにはあるわ」

 銀色が躊躇いがちに話した。 みんなの視線が一斉に銀色に集中する。

銀色はそんな事お構いなく、熱斗の前までゆっくりと歩く。

すると、オカリナブレードを握っているのとは反対の手を熱斗に差し出した。

その手は軽く握られていて、銀色はゆっくりとその手を開く。

 

「綺麗・・・」

 メイルが思わず声を漏らす。

 

開かれたその手には、アリエル・ウォーティーの持つオカリナと同じ、澄んだ水色の結晶があった。

 

「これは私の、アリエル・ウォーティーの電波を結晶化させたものよ。 持っていれば、結晶から発する電波で、ロードオブカオスの発するノイズから、熱斗君の身を守ってくれる」

 

「本当ですか!?」

 熱斗は銀色の手から結晶を掴み取ろうとする。

しかし、メイルが熱斗の手に自分の手を重ねる事で、それを制す。

 

「待って、熱斗! これでロードオブカオスの中に入れても、中では何が起こるか分からないのよ! 危険すぎる!」

「メイルちゃん・・・」

 

 熱斗に見られ、メイルは思わず視線を反らす。 しかし、重ねた熱斗の手を握ると、絞り出すように熱斗に言う。

 

「お願い、行かないで・・・」

 

メイルは握った熱斗の手をさらに強く握る。

 

「ごめん、メイルちゃん、メイルちゃんの言っている事は正しいと思う。 でも、ここでアイツらをどうにかしないと、世界が壊れちまう・・・いや、そうじゃない」

 

 熱斗は言葉の途中で思い直すと、ロードオブカオスの方を見据える。

 

「ダークネスサーバーが完成したら、みんなの心が闇に染まってしまう。 もう、オレの知っているみんなに会えなくなるんだ」

 熱斗はロードオブカオスから仲間達に視線を変える。

 

「デカオにやいと、炎山や銀色さん、それにスバルや未来から来てくれたみんなも・・・そして、メイルちゃんとも」

「熱斗・・・」

 

「勿論、ロックマンとも、もう二度と会えなくなる。 その事を考えると、どうしても、じっと出来ないんだ!!」

 

メイルは、熱斗からもう目を反らさない。 熱斗に少し微笑むと、ゆっくりと手を離した。

 

「熱斗らしいね・・・絶対、帰ってきてよ!」

「うん、勿論だぜ!!」

 

「まったく、言い出したら止まらないんだから! 絶対帰ってきなさいよ!!」

「熱斗、信じてんからな!!」

「頼んだぞ、光」

 やいと、デカオ、炎山も熱斗に声援をかける。

 

「話しは付いたか?」

 シドウが待っていたとばかりに、話を切り出す。

 

「あの中に入ろうとすれば、間違いなくリーガルとガルナは妨害してくるでしょうね」

 クイーン・ヴァルゴがちらりとリーガルとガルナを見る。

 

「だろうな。 ダークロイド達はいなくなっちまったけど、周りはガルナが未来から連れてきた電波ウィルスの周波数でいっぱいだぜ!」

 ジャック・コーヴァスが忌々しそうに舌打ちする。

 

「ボク達がスバル君と熱斗君を援護するよ」

「その間に、お前らはとっととあの中に入っちまいな」

 ジェミニ・スパークW・Bがエレキソードをバチバチとさせ、やる気満々で言う。

 

「ウオォォォ!! 気合入れろよ、スバル!」

「頑張ってね、スバル君! 熱斗君!」

 オックス・ファイアとハープ・ノートがスバルと熱斗に声援を送る。

 

「みんな、ありがとう!」

「感謝するぜ!」

 

 

「お別れの挨拶は済んだかい?」

 ガルナが嫌味な笑みを浮かべる。

 

『んな訳ねぇだろ! スバル!』

「OK! ウォーロック!」

 そう言うとスバルは熱斗をおぶさる。

 

「熱斗君、しっかりと掴まって!」

「おう!」

 

「奴ら、まさかロードオブカオスの中に入るつもりか!?」

 リーガルが一瞬、驚きで表情が変わる。

 

「させん! ウィルス達よ!!」

 ガルナの言葉を合図に、電波ウィルス達が周波数帯を変えて、現実世界に実体化し始めた。

 

「やっぱりな! ペインヘルフレイム!!」

「ジェミニサンダー!!」

「ショックノート!!」

「ファイアブレス!!」

 ジャック・コーヴァス、ジェミニ・サンダー、ハープ・ノート、オックス・ファイアの攻撃が、電波ウィルスを薙ぎ払う。

 

「スバル、オレとティアで道を開く。 その時、ロードオブカオスに飛び込め!!」

「ハイ!」

 

「アシッドブラスター!!」

「ハイドロドラゴン!!」

 

 アシッド・エースとクイーン・ヴァルゴの攻撃が、電波ウィルスを吹き飛ばし、スバルとロードオブカオスまでの間に道が出来る。 スバルはそのチャンスを逃すことなく、一気にジャンプしてロードオブカオスの前に立つ。

 

「覚悟はいい? 熱斗君」

「当ったり前だ! 行くぜ!」

 熱斗の気持ちを再確認し、スバルはもう一度、駆ける様にジャンプして、ロードオブカオスの中に飛び込んだ。

 

 闇の中に、スバルと熱斗は見えなくなっていく。

 

 

「愚かな・・・ロードオブカオスの中に入って、帰ってこれるはずがない」

「それは、アイツら次第だ」

 リーガルの言葉に、シドウが淡々と言い返す。

 

その場に居る全員がロードオブカオスの闇を見つめる。

 

みんなの願いをのせて、流星は混沌の闇へ駆けていった。

次に混沌の中から出てくるのは、希望か? 絶望か?




熱斗
「今回の投稿はけっこー速かったな!」

ウォーロック
『やれば出来るじゃねぇか!』

スバル
「でも、今回の話を書き上げてすぐ、お祓いに行っちゃったよ。 作者・・・」

熱斗・ウォーロック
「えっ?」

フレイムナイト
「どうしたんだ、今回の私? この話を書いている時、何かに乗り移られたようにドンドン書き進めていたぞ? 厄払い、厄払い・・・」
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