流星のロックマン×ロックマンエグゼ ~願いが希望に変わる時~ 作:フレイムナイト
最初、ロードオブカオスの中に入った熱斗とスバルは、自分の姿さえ見る事の出来ない暗い闇の中に居た。
右も左も、宙に浮いているのか、あるいは闇の中を落ちているのかも分からない。
それでも構わず、奥へと進もうと足を前へと動かす。
そうしていると、不意に、闇の中に光が見えた。
熱斗達はその光に向かって足を動かす。
光の先、ロードオブカオスの中で初めて視界が開けた。
「ここは・・・」
そこは、電脳世界ともノイズウェーブとも言える世界・・・真っ黒な空には、ノイズの結晶・クリムゾンが漂い、熱斗とスバルが立つ足場は、ガラスケースの様に中身が透け、その中には人間の脳みそをイメージしたデータが詰められている。
『おぇ・・・元々ヒドかったメテオGの中が、ネビュラグレイと融合してますますヒドくなってやがる』
「うん、以前とは比べものにならないよ・・・」
ウォーロックに相槌を打ちながら、スバルは口を押える。
「この電脳のどこかに、ロックマンがいるんだ」
そう言うと熱斗は辺りを見渡す。 しかし、薄暗い電脳世界にはクリムゾンが漂っているだけで、人影は一つも無い。
「いるとしたら、この奥・・・この電脳世界の中心だと思うよ」
『だろうな。 奥の方から、ここ以上に気持ち悪いノイズを感じるぜ』
スバルの言葉にウォーロックが頷く。
スバルは自分の前に立つ熱斗の隣に来ると、熱斗の肩に手を置く。
「熱斗君、この先に何が起こるか分からない。 ボクとウォーロックから絶対離れないで!」
「あぁ、分かったぜ!」
スバルと熱斗は、電脳世界の中心を目指して走っていった。
___サーバールーム___
「アイツら次第? 星河 スバルと光 熱斗がロードオブカオスを破壊する可能性があると思っているのか?」
「可能性があるって言うより、絶対帰って来ると思っているぜ。 オレ達全員な!」
Dr.ガルナの言葉に、アシッド・エースが胸を張って言い返す。
「お前達はネビュラグレイの恐ろしさを知らない・・・」
Dr.リーガルが静かに、だがはっきりと言う。
「ネビュラグレイって、メテオGと融合した"アレ"ね。 アレは一体何なの?」
クイーン・ヴァルゴがリーガルに問い掛ける。
「五年前の事だ・・・私は人間の心の闇をデータ化する事に成功した。 そしてそのデータを増幅し、様々な形のプログラムに変換するシステムを作った。 それがネビュラグレイだ。 そして、ネビュラグレイにより増幅された人間の心の闇をチップデータに植え付け、ダークチップを作り上げたのだ」
「ダークチップの持つ闇の力は元々人間のモノだったというのか!?」
炎山の頭の中で、第四層部に居た時の事が思い出される。
ドス黒い紫色の液体の入ったカプセル群・・・ダークチップの材料となっていたこれらが、元々は人間の産み出したモノだったなんて・・・!
「その通り! この世に人間がいる限り、闇の力が絶える事はない。 闇の力が絶える事が無い限り、ネビュラグレイは永遠に消える事はないのだ!」
「それは、当たり前の事だよ」
不穏な空気が漂う中、ジェミニ・スパークWが静かに、淡々と言った。
予想だにしない言葉が出てきて、その場に居た全員が口を閉ざす。
「人間なんだ。 悪い心を持っているのは当然の事だよ」
そう言うと、ジェミニ・スパークWはジェミニ・スパークBを見る。
視線に気づき、ジェミニ・スパークBはガシガシと頭を掻く。
「自分の闇と戦うのか、受け入れるのか、或いは、その闇に染まるのか・・・そうやって、自分の心の闇とどう向き合うのかが、一番大切な事なんだ!」
「闇と・・・向き合う」
ジェミニ・スパークWの言葉に、その場に居た全員が、自分の知っている、心の闇と向き合った者達の記憶が蘇る。
小惑星衝突事件の時、熱斗達は自分の闇と戦った。
人と関わる事から目を背けていたスバルだが、最後には強い絆を取り戻した。
心の闇を受け入れ、ジェミニ・スパークBと共にいるジェミニ・スパークW
大切な人を守る為に、ロックマンは自身の心の闇に染まった。
心の闇と向き合った者達、彼らの共通点。 それは・・・
仲間だということ!!!
「貴方達の言う通り、人間がいる限り闇の力が消える事は無いわ。 だけど! だからこそ! その闇と向き合って、貴方達の前に立ちはだかる者達が今、目の前にいる!」
銀色がリーガルとガルナに言い放つ。
グオオオォォォ・・・!!
直後、リーガルとガルナの後ろのロードオブカオスの中から、獣の雄叫びのような声が聞こえてきた。
さっきよりも重力が増したかのような威圧感が全員にかかる。
「な、何だ!?」
「始まったか!
ロードオブカオスとのバトルが・・・!!」
この時、ロードオブカオスの中のスバル達は・・・?