シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器 作:t-eureca
作者が好きなエクスバインボクサーが再び…!
「て事になりました…」
「……マジですか」
俺は先程まで行っていたジャガーノートの試運転の報告をしていた。
報告を終えた後俺はアインズさんが使っている机にディスプレイとBDレコーダーを置き、レコーダーに俺はディスクを設置する。それを見たアインズさんは疑問に思ったのか俺に問いかけてきた。
「マシンナーさん、そのディスクは?」
「あ、これですか? ジャガーノートの実際の戦闘映像ですよ、一回見てもらった方が良いなと思って」
「成程、確かに実際に見た方がいいですね」
「ありがとうございます、では再生っと」
モモンガさんの許可を貰い、俺はレコーダーの再生ボタンを押し、ディスクを再生させる。
シズが装着しているジャガーノートの武装やモンスターとの戦闘映像が次々と映し出されていく。
「……凄いですね」
「でしょ? 俺が作った装備の中でも最高傑作の一つですからね、データがある程度溜まったらバージョンアップさせる予定です」
「改良するんですか?」
「ええ、更に完成度を上げるつもりですよ」
「そうですか、あれ?」
「?……どうしました?」
「戦闘試験が終わった後も映像が続いてるんですけど?」
「………え?」
俺は映像が続いてる事に驚く、運用試験用に用意されたカメラを切り忘れたのかな?
そう考えてると俺の声が聞こえてきた。
『なんか褒美をやろう、何がいい?』
『そ、そんな……褒美なんて』
……………………………え?
『遠慮するな、なんなら俺の銃のコレクションから一つやるぞ?』
……………………………まさか。
『……あ、あの』
「アインズさん、それ消して!!?」
「え!? 急にどうしたんで……」
俺は急いでアインズさんを止めようとしたが、時すでに遅し。
『……頭を…また、撫でてくれませんか?』
『……え?』
「……え?」
「うわああああああああああああああああ!!!???」
そう俺がシズの頭を撫でた映像が記録されていたのだ!!!
しかも撮影に使ったカメラは俺の頭部に外付けされていたのでカメラの目線は俺の目線とほぼ同じなのである!!
「え?……え?」
「ちょ! アインズさん後生ですから消してください、お願いします!!?」
精神異常無効のスキルが発動しながらも俺は必死でアインズさんに映像を止めるよう言うが、アインズさんは顎が「ぱかっ」と開いて豆鉄砲を喰らったような顔をしている。
結局俺がシズの頭を撫でた一部始終はアインズさんに見られてしまったのである。
「……えっと」
「………………」
そして俺とアインズさんに微妙な雰囲気になってしまった、……映像を確認しなかった俺が悪いんだけど。
「……あの、マシンナーさん」
「……なんすか?」
「……と、取りあえず一歩前進しましたね?」
「お願いします、忘れてください。マジでお願いします」
「……すみません」
「いや、こっちこそすみません、俺の自業自得なのに…ハ、ハハハ……」
「ちょ、マシンナーさん、しっかりしてください! 装甲の色が灰色になっていますよ!?」
俺は体を灰色に変色させて項垂れていたのをアインズさんは凄く慌ててフォローしてくれた。
その後、俺の部隊の事で少し話し合い、試作している警備ロボの開発も条件付きで許可してくれた。
因みに後で気づいたのだがディスプレイのリモコンを使ってさっきの映像止めれば良かったというのを思い出し、またもや俺の装甲はフェイズシフトダウンしてしまった。
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アインズさんとの会話を終えた後俺は自分の部屋に戻っており、さっきの映像の編集に取り掛かっていた。
手違いで誰かに見られてしまっては、今度こそ俺は拳銃自殺しかねない。
「……まさかカメラがまだ動いてたとは」
はぁ…、とため息と共に頭を押さえながら、俺は問題の場面を消去しにかかる。
「……なんか勿体無い気もするけど、しょうがないよな」
俺はシズの頭を撫でた方の手を見つめる。
「……撫で心地最高だったな、後なんか良い匂いしたし……」
って何言ってんだ俺は、これじゃ変態じゃないか、お巡りさん俺です。
ガン、と机に頭を下す。
「はあ、次はちゃんと確認しねえと……」
そんなことを考えながら、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「アルティマです。マシンナー様に見てもらいたい資料があるんですが」
「んん…、アルティマか入れ」
「はい、失礼します」
がちゃりとアルティマは扉を開き、綺麗な一礼をして入ってきた。
(さて、気持ちを切り替えてお仕事お仕事っと)
そして俺は気持ちを切り替え、仕事モードに入り、アルティマに向き合った。
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「………………」
ジャガーノートの運転試験を終えたシズはマシンナーの部屋まで歩いていった。
マシンナー専属のメイドとして少しでも主の為に尽くしたい為だ。
「………………」
マシンナーの部屋の扉の前まで来た、後は何時も通り扉をノックするだけである。しかし…。
ドクン……。
(……っ、また…だ)
急に来た胸の高鳴りに、シズは胸に手を当てる。
ここ最近彼女はどういう訳か急に胸が高鳴ってしまう。
昔だったらこんな事は起こらなかった。
しかしここ最近ある時に起こってしまう。
そのある時とは。
(ただ……マシンナー様の部屋に入るだけ…なのに)
そう、そのある時とはマシンナーと会う時だった。
始まりはマシンナーがナザリックに帰還した時に初めてマシンナーと会話をした時だ。
最初は気にも留めてなかったが、次第に高鳴る時が多くなっていき、マシンナーと会う度に高鳴ってしまうまでになってしまった。
(なんだろう…これ?)
自分の頭の中の演算装置をフル稼働させても全く出てこない、こんな事は初めてだった。
(…ユリ姉に相談した方が…良いの…かな?)
そう考えている内に扉の注意が消えていたのか、「ガチャリ」と扉が開いた。
「……あ」
「ん? シズか」
扉から出てきたのはマシンナーであった。
「……っ」
ドクン…ドクン…ドクン…。
(……また)
「……シズ?」
「あ、……いえ、大丈夫…です」
「そうか?、なんか一瞬調子が悪そうに見えたんだが?」
「!……大丈夫…です」
「そうか、だが調子が悪い時はすぐに言えよ?」
「……はい」
「あ、これから試作している警備ロボの調整に行ってくるから、少し留守にする」
「警備…ロボ?」
シズがカクン、と顔を傾ける。
「(可愛いな……)ああ、ナザリックの警備用の機体だ、まあまだ試作段階なんだがな」
「……」
警備ロボの言葉にシズは興味を持った。
ナザリックの新しい戦力になるかもしれない機械種と至高の御方が作っているものという物だけでも興味がある。
「シズも来るか?」
「……え?」
「いや、まだ試作段階だから、色々と意見が欲しいんだよ、どうかな?」
もちろんシズには断る理由はない。
コクリと頷いた。
「喜んで……」
「そうか、ありがとよ」
そしてマシンナーとシズは第六階層の『機械の楽園』に向かった。
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『機械の楽園』のマシンナーの研究室に入った俺とシズ。
そして製造中の試作品2体を目にした。
一体は逆関節の足をしており、背丈も人間の成人男性より一回り大きい程度だ。
もう一体は蜘蛛のように足が八本になっておりそのうちの前脚二本は蟹のような鋏になっている。
その蜘蛛のような身体の上に人間の上半身のような物が接続されていた。
「これが……」
「二足歩行型警備用自動人形とその指揮官機だ、開発コードは『クライナーフォーゲル』と『シュピーネ』だ、まあ完成したら名前は別の名前になるが」
別の名前になるというのに疑問を持ったのか、シズは疑問をぶつける。
「何故…ですか?」
「あ~…アインズに別の名前にしてくれって頼まれてな……」
「成程……」
(本当は名前言った瞬間、アインズさんがドイツ語に反応して絶叫したんだよな、パンドラの事忘れてたよ…)
この2機の名前を言った瞬間、モモンガさんは凄まじい絶叫を上げていたのを思い出す。
なんかごめんモモンガさん…。
「完成したら……どの様な?」
「ん? そうだな…フォーゲルは装備の交換によって全距離に対応できるように作ってある、シュピーネは豊富な武装による攻撃力とホバー飛行による機動性に優れている機体にするつもりだ」
「……すごい」
シズに凄いって言われたよ、やったぜ!
俺は心の中でガッツポーズをし、シズに設計図を渡す。
「一応設計図があるから見てくれないか?」
「…いいんですか?」
「ああ、気になったところがあったら些細なことでもいいから何でも言ってくれ」
「……わかりました」
シズは設計図を手に取り、まじまじと見つめる。
「……」
至高の御方であり、全ての機械種の頂点に立つ機械神であるマシンナーが設計したものに欠陥などないと信じて疑わないシズであるが、マシンナーが少しでも気になった所があることがあったら何でも良いから言ってほしいと言うのならば必死に探す気持ちで設計図を睨むシズ。
一通り見た後、シズは顔を上げる。
「あの……」
「ん?」
「…シュピーネの下半身の大型ビーム砲が露出してる」
「あー……それか」
やっぱり気になるよな、そりゃそうだ。
ビーム砲の砲塔が露出してるとかそこ狙ってくださいって言ってるようなもんである。
普通なら格納式にするんだがこれには理由がある。
「一応それには理由があってな、素早い敵を瞬時に撃てるようにしてあるんだが、やっぱり駄目か……」
「!……い、いえ駄目と言う訳では…」
「ん?ああいや、言ってくれって言ったの俺だしシズは悪くはない、何か他にはあるか?」
「はい…後は…」
それからシズからでた気になる点をメモに取りながら、シズの話を聞いた。
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「以上…です」
「そうか、ありがとうシズ」
「……いえ」
俺が礼を言った後シズは何故か頭を俯かせていたが、まあいいや。
それにしても結構出たな、まあその分改良する点も増えたから良しとするか。
そう考えてるとアルティマからメッセージが届いていた。
『マシンナー様』
『なんだアルティマ?』
『はい、今後の計画で少しお話があるのですが…』
『わかった、すぐに向かう』
『ありがとうございます、では……』
「さて、戻るかシズ」
「……はい」
俺達は『機械の楽園』を出て、部屋に向かった。
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部屋に着き扉を開けるとアルティマが部屋で待っていた。
手元には資料を持っている。
「お越し下さりありがとうございますマシンナー様」
「良い、それで話とは?」
「はい、偵察隊の編成とその数についてです」
「うむ、どれぐらい出せる?」
「はい、特機兵団以外の兵団から索敵と諜報に秀でたものをそれぞれ10人出す事に決定しました」
特機以外からの兵団から10人か、まあ数としては丁度いいか、念の為どういうタイプを送り出すか聞いてみるか。
「それぞれの兵団からどのタイプを出すんだ?」
「はい、機人兵団からは外見は普通の人間と変わらないアンドロイド型を、機獣兵団からは、鳥獣型、小型の虫型、四足歩行型を、機動兵団からは小型のドローン型で編成させるつもりです」
うん、その編成なら心配いらないな。
なら、そろそろ隊長達を集めてディアヴォルス達の事について話すか……。
「うむ、その編成で頼む。ご苦労だった」
「勿体無い御言葉、マシンナー様達の目標である『この世界を手に入れる』事への達成の為ならこれくらい……」
え? 世界?
「アルティマ、それは……」
俺の疑問に対して、アルティマは輝く笑顔でこう言った。
「はい、あの夜のアインズ様との語らい、アルはちゃんと心に刻み込んでいます」
え?
「そしてマシンナー様が仰った『我等フェツルム・レギオーをこの世界に轟かせる』事も勿論覚えています」
(えええええええええええええええ!?)
アルティマの言葉に心の中で絶叫を上げるのであった……。