シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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Qなんで遅くなった?

Aし、仕事の影響で……。

それ前も言ったよね?

……。

死★刑♪

アッー!!!

始まります。


第32話 冒険者レイヴン

リ・エスティーゼ王国にある都市、城塞都市エ・ランテル。

そこにある安い宿屋の中の一室。その部屋の一角に人影が3つ。

 

「こちらが冒険者用のプレートでございます。紛失した場合罰金が生じますのでご注意ください」

「わかった、ありがとう」

「ではこれから、お世話になります」

「よろしくお願いします……」

「い、いえ…」

 

黒を基調としており赤色の線が入っている武者甲冑を身に着けている。

腰には太刃を佩いており、その見た目は戦国時代の武将のようだ。

もう一人は大和撫子のようないでたちで左目には花の眼帯をしている。

髪は黒のポニーテール。

着物のような衣服に、甲冑のパーツがついている。

そして腰には黒塗りのクロスボウを装備していた。

最後の一人は中性的な顔の少年剣士、赤色の髪で後ろに無造作に縛っており、目は緑色。

背中には長大な野太刃を背負っている。

 

マシンナーとアルティマ、そしてシズがそれぞれ変装した姿だった。

 

「お、おい、誰だよあの美人」

「分かんねぇ、でも着てるもんからして相当ないいとこ出なんだろうよ……」

「黒甲冑、さしずめ漆黒の戦士か。そういやさっきも似たような奴を見たな…」

「銅のプレート付けた黒いフルプレートか、そういやさっき見たな…」

「あっちもかなりの美人連れてたからよく覚えてるぜ」

「にしてもリーダー格のあのでかいのもそうだが、横にいる小さいのもただもんじゃなさそうだ」

「え? そうか?」

「まあ俺もなんとなくだがよ、なりはガキだがありゃ多分結構な腕持ってると思うぞ?」

「わかる、ありゃ表情変えずに躊躇なく相手を殺せる目してるぞ」

 

予想はしてたがやはり周囲からは目立つらしく話し声が聞こえる。

まあ体格がよく、大柄な自分やシズは予想していたがまさかアルティマまでとは思わなかった。

どうやらこっちの世界観でもシズとアルティマは十分美少女と美少年なのだ。

更に黒甲冑の戦士、黒髪の綺麗な大和撫子、赤い髪の少年剣士という面子で銅プレートを下げているのだ。

いやでも目立つだろう。

 

(まあ俺の外見は全身鎧だから少し目立つが連れている2人の外見は美男子と美少女だからなぁ……無理もない)

 

兜の中の目を光らせながらそう考える。

そして紹介された宿屋で一悶着起きてしまった……。

 

「おいおい、銅のプレートのくせに装備だけは一丁前じゃねぇか。けど金持ちにゃ冒険稼業は厳しいんじゃねぇの? なんならコツを教えてやるぜ? そっちの姉ちゃんを一晩貸してくれたらな!」

 

チンピラのような銀のプレートを下げた冒険者が喧嘩を売ってきた、顔を見る限りそれなりに力はあるのだろう。

 

「どの場所でもこういうゴロツキはいるもんだな……」

 

「ああ?」

 

(軽く揉んでやるか…)

 

面倒くさいといいたげにやれやれと首をふるマシンナー。

当時人間だった頃もこういうチンピラに絡まれたことがある。

が、鬼のように怖かった工場の上司の気迫とチンピラの脅しを比べれば月とスッポンの差があったのと日々力仕事をしていてついた筋肉のお陰で逆にボコボコにすることもあった。

 

このトラブルもその延長線みたいなもんだと思い。

拳を握りしめ殺さない程度にボコろうと思いながら前に出るが。

 

「『レイヴン』、露払いは僕が……」

 

「ん? そうか…ならヤれ『ジナ』、殺すなよ?」

 

「…御意」

 

この程度のチンピラ如き自分の主の手を煩わす訳にはいかないと思い、前に出る。

一方のチンピラもガントレットを装着して立ち上がり『ジナイーダ(アルティマ)』を威圧するように近づいていく。

しかし当のアルティマはその威圧を内心鼻で笑う。日夜マシンナーの傍で仕事をしているアルティマにとってチンピラの威圧なんて至高の御方々の威光に比べれば塵芥にも満たない。

 

「餓鬼が何の用だよ。俺とやろうってのか?」

 

「無駄口叩いてる暇あったらとっとと攻撃したらどうです? それとも喋ってないと子供一人殴れないのですか?」

 

「てめぇ…泣いて謝っても知らねえぞ!」

 

ジナの挑発にあっさりとキレたチンピラが拳を振り下ろすがジナは最低限の動きでヒョイとかわす。

 

「は?」

 

「攻撃する隙が多すぎです、そんなんじゃ…」

 

ボグゥ!

 

「ガッ!」

 

「こうやって…」

 

カウンターでレバーブローを放ち、そのまま膝蹴りを顔に叩きこむ。

 

バキィ!

 

「カウンター取られますよ? ん? ちょっと……え? 気絶してるの? だらしないな」

 

膝蹴りを入れて倒れたチンピラを揺さぶるが気を失っていることを知り、ジナは呆れた。

そしてそのままチンピラの方の仲間に視線を向ける。

その顔は明らかに驚愕していた。

 

「あなたたちも御用ですか?」

 

「え? あ、いやないない! ボ、坊主! 連れが迷惑かけて悪かったな、はは…」

 

「お気になさらず、気にしておりませんので……」

 

明らかに愛想笑いだが、この話はこれで終わりになった。

一瞬の出来事とは言え男達の心をへし折る程度の威力はあったようだ。

 

「さすがだな」

 

「お褒めに与り光栄です」

 

レイヴンの言葉に綺麗にお辞儀するジナ、そしてレイヴンは宿屋の主人に部屋を聞き出す。

 

「すまない、部屋を借りたいんだが、出来れば3人部屋を頼む」

 

「お……おう。いいぞ。嬢ちゃんとこ、子供連れだしな…あ、連れ用の寝床も用意すっから少し待ってろ」

 

「感謝」

 

先ほどの事でビビりあがってる主人だがせっせと寝床の準備に入る。

用意が出来たことを知り、レイヴン達は部屋に向かうが最後に『マグノリア(シズ)』がくるっと後ろに振り返り。

 

「……お騒がせして申し訳ありませんでした」

 

そういい残し、宿屋の一室へと去っていった。

 

 

 

 

「周囲には誰もおらんな?」

 

「はい」

 

「この部屋に接近してくる存在……無し」

 

「うむ、んじゃ兜脱ぐか」

 

彼は漆黒の鎧兜に手をかけ、「ガチャッ」と兜を脱ぐ。

その下にはマシンナーの顔があった。

 

(にしてもここ埃っぽいな、俺が最初に借りたアパートみたいだぜ…)

 

「少し埃っぽいなここ…」

 

「全くです! こんなボロ宿、ナザリックの支配者たる御方々であるアインズ様やマシンナー様が宿泊する所ではありません!!」

 

思わずこぼした言葉に同意し、激しく憤慨するアルティマ。

 

「落ち着けアルティマ、俺達はここではまだ冒険者としては駆け出しなのだから」

 

威厳のある重低音のバリトンボイスでマシンナーが言う。

確かに若干埃っぽいが寝る場所があればどこでもいいと思っていたマシンナーは特に不満はない。

 

「でも少し埃が目立つ……」

 

シズも少し不満げに答える。

至高の御方であるマシンナーがこんなボロ部屋に宿泊することに大きな不満がある。

 

「我々は現地を調査するにあたり、偽装身分としての冒険者の中で先に冒険者になったアインズと共に冒険者としての名を上げなければならない。そのためにはこういう場所に滞在するのも必要だ。まして駆け出しだ、仕方ない」

 

「フシュ―」と煙を吐くマシンナー。

 

「なるほど……確かにそれは重要ですね、さすがマシンナー様」

 

彼は顎に手をやりなにやら考えている。

 

(ふむ、モモンガさんの言ってた通り冒険者って思ってたよりあんまり夢のない仕事だな。でもそうわがままも言ってられないしな、まあレベルが上がれば冒険者らしい仕事もできるだろう…)

 

「おっと、こっちも冒険者の登録をしたことをモモンガさんに伝えないとな」

 

彼は耳に手を当てて、<伝言>による魔法の遠距離の会話をする。

 

『モモンガさん、こっちも冒険者の登録完了しました』

 

『そうですか、実は今<漆黒の剣>っていう冒険者のグループと組んで行動しようと思っているんです』

 

『お? そうですか、こっちもとりあえず受けられそうな依頼を取ろうと考えているんです』

 

『わかりました、そういえば潜伏している<マキナ>から何か来ましたか?』

 

『いいえまだ何も、何か情報が来ましたらすぐにモモンガさんに連絡しますので』

 

『よろしくお願いします、それじゃ』

 

『はい、モモンガさんも気をつけて』

 

(さて…お仕事探しますか)

 

そして次の行動に速やかに移るマシンナーであった。




ものすごい今更ですが今年もよろしくお願いします!(本当に今更だな……)
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