シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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オバロ第二期が来年放送決定しましたね?来年が楽しみです。


第41話 事情説明1

俺は伝言(メッセージ)でモモンガさんにアルティマの話をそのまま説明する。

説明をしたモモンガさんも驚いた様子だった。

 

『本当ですかマシンナーさん?』

 

『ええ、俺も半分驚いてます。早くナザリックに戻ってその例の品を見てみましょう』

 

『そうですね、ではまた』

 

『はい!ナザリックで会いましょう』

 

俺は伝言(メッセージ)を切り、シズとアルティマと共に宿屋を後にしナザリックに帰還した。

 

 

 

 

ナザリックに帰還した俺は円卓の間でモモンガさんと先程のアイテムについて話をする。

 

「一体なんのアイテムを回収したんでしょうか?」

 

「わかりません、ですがもしかするとですが……」

 

世界級(ワールド)アイテムの可能性もありますね」

 

「ええ、否定できません」

 

色々とぶっとんだアイテムが存在していたユグドラシルだがその中でも一際ぶっ飛んだ力を持っているのが今話している『世界級(ワールド)アイテム』だ。その性能は冗談抜きのチートアイテムでこれ一つでも持っているだけでも凄いことである。因みに俺達アインズ・ウール・ゴウンはその世界級(ワールド)アイテムを11個持っている。(今考えるとよく集めれたものである)

 

「もし本当に世界級(ワールド)アイテムだったら…」

 

「やはり現状一番恐れるのはスレイン法国になりますね……」

 

「マシンナーさん、スレイン法国に派遣している偵察隊の数は増やすことはできますか?」

 

「そうですね……王国にいる偵察隊から何名か派遣させることはできますよ?」

 

「ならお願いします」

 

「わかりました、後でアルティマに言っておきます」

 

「ありがとうございます。ではそろそろ行きましょうか?」

 

「はい」

 

話し終わった俺とモモンガさんは円卓の間を出て、皆が集う玉座の部屋に向かった。

 

 

 

 

玉座の間に入ると、アルべドを筆頭にシャルティアを除いた階層守護者とローグを除いた『マキナ』各隊長達が集結していた。マシンナーとアインズが入ってくるのを見た瞬間に全員が横に控える。

そして皆一様に黙して待っていると、玉座の間の扉が開かれた。

 

「失礼しんす。第一、第二、第三階層守護者。シャルティア・ブラッドフォールンただいま帰還しんした」

 

「『マキナ』機人兵団隊長。バレット・ローグ、配下のレッドショルダー3体、スナイプマトン2体、帰還いたしました」

 

玉座の間からシャルティアを先頭に、ローグとその配下の機械系異形種達が後に続く。全員何事もないことを知りアインズとマシンナーはほっと一息吐く。

 

(全員何事もなくて良かった…)

 

同じくアルティマや他の隊長達も胸をなで下ろす。共にマシンナーによって生み出された存在としてアルティマ達隊長格は互いを『マキナ』の同僚としてだけではなく、兄弟のようにも思っている。何よりマシンナーを哀しませるようなことにならなかったと言う事も一つだ。

 

「シャルティア、ローグ、そして『マキナ』の戦士達。皆が無事に戻ってきた事を、私もマシンナーも嬉しく思うぞ」

 

「ああ、よく戻ってきたお前達」

 

アインズの言葉ににシャルティア達は溢れる思いをこらえ、臣下の礼を取る。いつでも報告が出来ると言った様子だ。

 

「帰還早々申し訳ないが、報告を聞かせて貰おう」

 

「畏まりんした」

 

 

 

 

それはアインズとマシンナーが冒険者として出発前の時間帯。

出発前の情報整理としてアインズの執務室にアインズ、マシンナー、アルべドの3人が集まっている。マシンナーは先に出した周辺国家に潜伏している偵察隊からの情報をアインズに報告をする。尤もまだ潜入したばかりなので内部情報はまだそこまで多く集まっていない。

 

「『マキナ』偵察隊は順調に周辺国家に潜伏しているようだな」

 

「ああ、情報は些細なことも逐一報告は来るが、有力な情報は集めるのはもう少し時間がかかりそうだ」

 

「まあそこは仕方あるまい、最初から簡単にうまく行くとは思ってはいない、引き続き調査を頼む」

 

「了解した、何か情報が来たらすぐ報告をする」

 

「頼むぞ。次にアルべド」

 

「はい、アウラからの報告では現在ナザリックの周辺にはユグドラシルのプレイヤーとの接触はなく調査範囲もナザリックを囲む大森林に広げているとのことです、それから先日捕獲したニグンと言う男、スレイン法国の特殊部隊『陽光聖典』の指揮官でした」

 

「スレイン法国か…」

 

「ゴブリン、オーガ、リザードマン等の他の種族に打ち勝つために人間の団結を唱える宗教国家……とか言っていたな」

 

「今はこちらから接触するのは危険だな」

 

他の周辺国家の中で最もユグドラシルのプレイヤーが居る可能性が高い国だ。もし迂闊に手を出せばタダではすまない可能性もある。

 

「では最後にあの村はどのように?」

 

「カルネ村は唯一の足掛かりであり友好を築けた村だ。不仲になることは極力避けろ」

 

「マシンナー、防衛の任務に就くゴルドソウル達にもそう伝えておいてくれ」

 

カルネ村に防衛と人間と機械系異形種が上手く共存できるかの実験を兼ねて防衛任務に就くゴルドソウル達の部隊には特に注意を払う必要があった。

 

「承知した」

 

「かしこまりました、本日のご報告を終了させていただきます」

 

「うむ、皆御苦労だった」

 

「礼を言われるまでもない」

 

「勿体ないお言葉!至高の御身、そして愛する者の頼みであれば如何様にもこの身をお使いください……!」

 

アルベドの喜々とした言葉にアインズは少し気まずそうにしながら言葉を紡ぐ。

 

「……アルベドよ、お前の私に対する感情は私が歪めたもの」

 

(……でも元の設定を考えると大分マシだと思いますよモモンガさん?)

 

転移する前にアインズはアルベドの設定を少し変えてしまい、その事実に後ろめたさを感じながらアインズはその事を話す。しかし以前のアルベドの設定を知っていたマシンナーは逆に変えて良かったんじゃないかと考えてしまう。

 

「だから……」

 

「よろしいのではないでしょうか?」

 

アルベドの意外な言葉に間の抜けた声を出すアインズとその言葉に少し驚くマシンナー。

 

「"え?"」

 

「ん?」

 

「アインズ様、重要な事は一つだと思います…………ご 迷 惑 で し ょ う か ?」

 

(それ断りづらいよアルベドさん!)

 

言葉の中に確かなプレッシャーを感じるマシンナー。

 

「え、い、いやそんな事は……ないぞ」

 

(あ、顎落ちた)

 

アインズは思わず普段閉じている顎を「ぱかっ」と開けてしまう。

 

「なら、よろしいのではないでしょうか?」

 

「ええぇ……」

 

「よろしいのではないでしょうか?」

 

(大事な事なので2回ry)

 

アルベドの言葉の中に宿るプレッシャーの前に普段隠している素が思わず出てしまいそうになるが何とか言葉を紡ぐ。

 

「タ、タブラさんの作った設定を歪めたのだぞ?」

 

「いや、案外許してくれるかもしれんぞ?」

 

「マシンナあァー!?」

 

「マシンナー様の言う通り、タブラス・マラグディナ様なら娘が嫁に行くような気分でお許しくださると思います」

 

「そ、そうか?」

 

(……モモンガさん、やっぱり責任取った方が良いと思うっす)

 

(え、いやそれはわかってるんですけど……)

 

(仲人はやったことないんで本番ガチガチになると思いますけど白い目で見ないでくださいね?)

 

(いや何自分の中で結婚確定的な感じにしてるんですか!?)

 

伝言(メッセージ)でそんな問答を繰り広げていると執務室の扉からノックの音が聞こえた後、シャルティアが執務室に入りスカートの裾を少し上げて礼をする。

 

「アインズ様、マシンナー様。ご機嫌麗しゅう存じんす……」

 

「お前もなシャルティア」

 

「どうした、何か用か?」

 

「それは勿論、アインズ様のお美しい御姿とマシンナー様の逞しい姿を目にするためでありんすえ」

 

「ならば満足でしょう?下がりなさいシャルティア、今私とアインズ様はマシンナー様を交えて大事な話をしている途中なの」

 

「「え?」」

 

(え?何も話ししてないんだけど!)

 

(え?何故に俺まで入っちゃうの?)

 

2人が心の中でそう突っ込んでいるとアルベドの言葉にシャルティアは鼻で笑い、「嫌でありんすねぇ、おばさんは……」を皮切りに仁義なき女の戦いが開催された。

 

「殺すぞてめぇ……」

 

「誰が賞味期限切れだゴらぁ…」

 

(あ、モモンガさん俺用事思い出したんで強制退出させて頂きます!)

 

(え!?いや待ってください!こんな空間に一人にしないでください!)

 

部屋の空気に耐え切れなくなり退散しようとするマシンナーを必死で引き留めるアインズ。

 

(じゃあ早く止めてください!この状況たっち・みーさんとウルベルトの時よりある意味ヤバイですよ!)

 

(わかってますよ!じゃあマシンナーさんも合わせてください)

 

「おい、いい加減にしろ2人とも……」

 

「マシンナーの言う通りだ児戯を止めよ」

 

「「はい、アインズ様、マシンナー様」」

 

(話が通じるだけまだマシか…)

 

(あの2人だと威圧感が凄まじくて話しかけづらいですもんね)

 

2人の喧嘩を止めたアインズはシャルティアの用件を聞こうとするが再び執務室にノックする音が聞こえる。

 

「で何用だシャルティアよ?ん?」

 

「失礼します『マキナ』機人兵団バレット・ローグ、アインズ様、マシンナー様両名に出発前の挨拶に参りました」

 

扉を開けたバレット・ローグは敬礼をしながら用件を伝える。

 

「む……そう言えばお前がシャルティアのサポートに入るのであったなバレット?」

 

「は!命に代えてもシャルティア殿を護衛する覚悟です」

 

「うむ、その気概は良いがお前も何事も無く戻ってこいバレット、お前に何かあればマシンナーが悲しむのでな?そうだろうマシンナー?」

 

「ああ、必ず戻れ、良いな?」

 

「っ、はっ!」

 

「シャルティア、お前もだぞ?」

 

「はい!かしこまりんしたアインズ様!」

 

 

 

 

それからナザリックを発ったシャルティアとバレット・ローグは先に出ていたセバス、ソリュシャン組と合流し、馬車に乗り込み暗いエ・ランテルの外れを走っていた。

馬車の中にはシャルティアとシャルティアに仕える吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)、セバスとプレアデスの一人ソリュシャン・イプシロン、そしてバレット・ローグ。ちなみに馬車の上部にはLv80の機械系異形種「レッドショルダー」三体が透明化して陣取っている。

 

「そいでバレット・ローグ、今の所何か変わった事はありんすか?」

 

「いえ、今の所何も起こっていません」

 

「わかりんした、そう言えば「赤ちび」以外のマキナの隊長とこうやって会話したのは貴方で初めてでありんすねぇ?」

 

マキナの隊長達(ディアヴォルス、アンヘルの領域守護者組を除いて)は基本的に第六階層を警護をしておりアインズ、マシンナーに報告をしているのも総隊長のアルティマの為、今まで他の隊長達は階層守護者とあまり話をすることはなかった。

ちなみシャルティアが言っていた「赤ちび」とはアルティマの事である。(背丈はシャルティアと同程度なのだが)

 

「それは仕方ありませぬ、アルティマは我々のまとめ役であり最初にマシンナー様に生み出されたしもべです。それにあいつの実力と性格を考えれば我々のまとめ役に適しています」

 

「そう言えば貴方達ってマシンナー様に創造された同じしもべなのに性格が一人一人違うでありんす、後体格も」

 

「それはアウラ殿、マーレ殿は双子なのに性格がお互い真逆であるのと同じようなモノです。体格の違いについては我々隊長達の仮説ですがマシンナー様は自分が見た物語に出てくるような存在を自身のしもべでそれらの存在を再現しようとしていたのではないか?と考えております」

 

「物語?」

 

「はい、マシンナー様の書斎には我々の姿に似たような機械系異形種と思わしき存在達が英雄的活躍をする物語が多数置かれてありました」

 

「なるほど、その存在達を模した貴方達を従え、いずれはその存在達のような存在になろうと考えているかもしれないでありんすね」

 

「我々からすれば至高の御方達はすでにその存在達より遥かに偉大な存在ですが……」

 

「それはナザリックの者からすれば常識でありんす」

 

「後は「スーパー系」と「リアル系」でバランス良く分けていた方が良いとおっしゃっていました」

 

「なんでありんすかその……「スーパー系」と「リアル系」って?」

 

「私もよくは知りませんが、それぞれ攻撃と防御に特化した者と回避と命中力が高い者の事を言うらしいのです」

 

「ふーん、やはり至高の御方達の知識量はわらわ達の遥か上を行っているでありんすね」

 

完全に全てを理解したわけではないがきっと何らかの深い御考えがあるのだろうとシャルティアは思った。

実際にはバレット・ローグ達の外見はマシンナーの完全な趣味であるが。

 

「慈悲深きアインズ様とマシンナー様は、私と共に『マキナ』の貴方達を預けてくれんした。この任、絶対に失敗は許されなんし」

 

「勿論です、『マキナ』の意地にかけてもこの任必ず成功させまする」

 

「必要時は貴方がわらわに遠慮なく指示しなんし、あの御方の御命令はよく理解していんす」

 

「はっ」

 

マシンナーはシャルティアに必要に応じてバレット・ローグの指示に従うように命令されている。階級が上のシャルティアに部下としてつくバレット・ローグの指示を聞くかマシンナーは心配していたが、マシンナー直属の部隊の隊長という事で、然程抵抗は無いらしく、マシンナーの不安は杞憂に終わった。

 

「私は探知系のスキルを持ってないので頼りにしているでありんすよ?」

 

「はっ!」

 

探知系のスキルを持ってない戦闘特化のNPCであるシャルティアには戦闘をメインにその他の役目はバレット・ローグの部隊が受け持つ事になっている。

それぞれの役目を話し合っている内に馬車が大きく揺れ、窓から見える景色が動かなくなった。

 

「……停まりましたね」

 

「では行動開始と行くでありんすか」

 

「ですな」

 

「それでは御二人とも御武運を……」

 

「はいな、セバス」

 

バレット・ローグは愛用の回転式拳銃(マグナム)を手に取り、弾丸の数を確認して安全装置を解除して馬車の外へ向かう。勿論上に陣取っている自分の部下たちにも指示を出した。シャルティアもそれについていく形で馬車の外に向かう。

 

 

 

 

馬車を操作する御者を務めていた男、ザックは野盗達とグルであった。

深い森の中、月夜が照らし出す馬車の半周を野盗達が包囲している。野盗達は皆一様に下卑た笑いを浮かべており、馬車の中に居るであろう令嬢を相手に舌なめずりをする。

 

「ここまで手引きしたのは俺ですぜ。分け前は頼みますよ」

 

「分かってる。お前にも美味しい思いをさせてやるよ」

 

武器を出して威嚇していると、馬車の扉が開いた。野党たちは笑みを浮かべながら馬車の前へ半歩進み出るも、中から誰かが出てくる事は無かった。

 

「おらぁ!とっとと出てこいやぁ!」

 

野盗の一人が声を荒げる。男が一人、馬車の中に乗り込んで我儘令嬢を引きずり出そうと馬車の中に向かう。

 

……ガチャ。

 

馬車の中に入りこもうとした野盗の目の前に回転式拳銃(マグナム)が突き出される。

 

「こんばんは」

 

「は?」

 

野盗は一瞬間抜けな声を出すが、令嬢でも執事でもない冷淡に淡々と告げる声が中から聞こえた。

 

「死ね」

 

銃声が響いた後、その野盗は頭部の中に入っていた脳髄をザクロのようにまき散らしながら後ろに倒れて行った。

 

「な、なんだぁ!?」

 

「やれ」

 

中から出てきたバレット・ローグの指示に透明化しているレッドショルダー達が動き出す。

同じく外で待機していた機械系異形種「スナイプマトン」二体も透明化したまま急所以外を狙って野盗を狙撃し始めていた。

 

「ぐっ!?」

「ひぇあ!!」

「ぎゃあ!!」

「ぬわぁ!!」

「ぎぇ!?」

「あ、足がぁ!?」

 

次々と野盗達が襲われ、もしくは狙撃されて倒れ伏していく様にザックは慌てふためいた。

 

「な、なんだよこれ!どうなってんだよぉ!?」

 

シャルティア達の作戦は既に開始されてていた。

馬車の外で別行動していたスナイプマトンは野盗の群れを発見。ザックが馬車を止め、扉を開けたタイミングで、馬車内で待機していたバレット・ローグ達が襲い掛かった。透明化と気配遮断を用いての背後からの不意打ち。捕獲目的で使う麻痺効果のある武器を使い野盗を次々と行動不能にしていった。

 

「隊長、これで全員です」

 

「御苦労、狙撃班そっちは?」

 

「周囲に我々以外の反応はありません」

 

「わかった。さて、楽しい尋問と行くか。透明化を解け」

 

「了解」

 

周囲に他に人間が居ないことを確認したバレット・ローグは頭部につけている戦闘用マスクの口に当たる部分を外し懐から薬莢を取り出し、口に咥え葉巻の様に火をつける。倒れている野盗の胸倉を掴み、意識があるか確認する為軽く頬に平手打ちをする。バレット・ローグの指示で透明化していたレッドショルダー達は透明化を解く。赤と青のターレットカメラを顔に着け、左肩を血の様な真っ赤な赤で塗装されている人型の機械系異形種三体が現れた。

 

「意識はあるな?今から言う質問に素直に答えろ、嘘をついた瞬間お前の顔の右耳から順に顔に着いているものをそぎ落とす。他の奴らもだぞ?」

 

「わ、わかった。正直に言う!だから命だけは……「無駄な時間は取りたくない」は、はい何でございましょうか?」

 

「お前らの仲間で武技を使える者は居るか?」

 

「きょ、拠点の方に!用心棒がいます!?そいつが武技を使えますぅ!」

 

「そいつの名前と特徴もしくは使う武器は何だ?」

 

「はい!名前はブレインって奴で青い髪の刀を使う剣士です!」

 

「礼を言う」

 

「がっ!」

 

武技を使えるであろう人物の情報を聞き出し、その野盗に礼を言いながら首をへし折る。別の所では吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)が魅了魔法を用いて尋問をする。因みに首をへし折っての殺害は。シャルティアの『血の狂乱』対策の為である。

 

「拠点はどこにあるの?答えなさい」

 

「森の外れのあちらの方角に……」

 

「隊長、残りはどうします?」

 

「全員始末しろ、だが死体は2体持っていく」

 

「了解しました」

 

「そ、そんな!助けてくれ!」

 

「御慈悲!御慈悲を!?」

 

「黙らせろ」

 

必要な情報は聞き出し、残りの倒れている野盗を始末する指示を出し、レッドショルダー達は野盗の首に手を掛け首をへし折る。それを見た野盗たちは一斉に命乞いをするが当然聞き入れるわけも無く一人一人機械系異形種特有の馬力で首をへし折られていった。

 

「隊長、例の男を連れてきました」

 

「ヒッ、ヒイィィィイ!?」

 

「よし、ソリュシャン殿の所に連れていけ」

 

「はっ!来い」

 

「い、嫌だあぁぁぁあ!離してくれぇ!!?」

 

元々、ソリュシャンのターゲットになっていたザックは命は助けられたが、それが良い事であるかは言うまでもない。バレット・ローグに促されソリュシャンの居る場所にレッドショルダーに連行されていった。

 

「今の所腕が良さそうな男はいないでありんすねぇ、ちょっと退屈でありんす」

 

「野盗たちの言う武技を使う用心棒なら多少は楽しめるのではないかと愚考します」

 

「まあ、望み薄でありんすが少し期待するでありんすか」

 

「隊長、賊のアジトを発見しました」

 

「御苦労」

 

「それと賊の死体2体分回収し終えました」

 

「わかった、後でC4爆弾を着けておいてくれ」

 

「その死体何に使うでありんすの?アンデッドとして使うわけでもなさそうでありんすけど?」

 

「ブービートラップの一つです。まあ念のために用意するもので実際に使うかわかりませんが……」

 

「ま、使うとなればそれなりに面白そうでありんすけど」

 

拠点の捜索に出て行ったレッドショルダーが野盗達の拠点を見つけた。尋問の末大まかな場所と偵察用の変形円盤機(ディスク・トランス・ロイド)の働き、探索系スキルを所有している彼らにとっては簡単な事だった。

 

「では野盗の巣へ奇襲を仕掛けるでありんす。貴方達は吸血鬼の花嫁と協力して奇襲してくんなまし」

 

「了解」

 

「畏まりました」

 

バレット・ローグ達に続いて吸血鬼の花嫁二人も行動を開始した。

 

セバス、ソリュシャンとはここから別行動だ。シャルティアとバレット・ローグ達は森の奥へと歩を進めた。

 

「ギィィヤァァァアアアァァァ!痛い!痛いィィイイ!」

 

背後から、ソリュシャンのお愉しみタイムによるザックの悲鳴と、肉が焼けるような音が響き渡った。

 

 

 

 

「シャルティア殿。罠の位置を確認、無効化しに行きます」

 

「はいはい」

 

バレット・ローグを先頭にシャルティア達が野盗のアジトまで移動する。道中やはり罠がいくつかあったが、バレット・ローグの探索用スキルにより無効化される。

 

「シャルティア殿、そろそろです」

 

「はいはい」

 

そうこうしているうちに野盗のねぐらと思わしき洞窟に辿り着いた。

 

「引き続き我々が罠の無効化に行きますので、後ろから着いてきてください」

 

「はいはい」

 

「2番は俺と来い、3番と4番はシャルティア殿に着け」

 

「了解」

 

「了解」

 

「狙撃班は所定の位置に待機、こちらの範囲に来るものがいれば射殺、もしくは無力化しろ」

 

「了解」

 

バレット・ローグに一体のレッドショルダーが着き、残りの機械系異業種達もそれぞれの任を果たす為に行動を開始する。

 

(問題なく進むのは良いことでありんすけど少しは娯楽が欲しいでありんすね……)

 

退屈そうにするシャルティアを尻目にバレット・ローグとレッドショルダーは野盗が次々と殺されていきその度に悲鳴が上がる。

 

 

 

 

「中々現れませんね」

 

「洞窟の内部の構造から考えるとそろそろ出てきてもおかしくはない警戒しておけ」

 

「了解、……隊長前方に一人、無効化してきます」

 

「ああ」

 

中々姿を現さない例の用心棒に少々苛立ちながら先を進み、再び何者かが現れた事を察知し、レッドショルダーが無効化しに行く。

 

(……見つけた)

 

先行したレッドショルダーの目線の先には刀を持った男が一人。それを見たレッドショルダーは透明化しながらスタンロッドを取り出し、飛び出そうとした瞬間……。

 

「誰だ?」

 

(何!?)

 

透明化しているレッドショルダーに気づき刀を居合いの要領で抜刀する。

 

「シッ!」

 

(ちっ!)

 

レッドショルダーは腰から大型のナイフを取り出し、それを防ぐ。

レッドショルダーは透明化したまま距離を取る。

 

「姿は見えないが、そこにいるな。姿を見せろ」

 

《隊長、もうし訳ありません気配を悟られました》

 

《何?》

 

レッドショルダーはバレット・ローグに『伝言(メッセージ)』を飛ばす。

バレット・ローグは僅かに驚いた後、その者が例の用心棒ではないかと考えレッドショルダーに特徴を聞く。

 

《刀は持ってるか?》

 

《はい、今までの奴らの実力と尋問した奴らの情報からして例の用心棒かと。時間は少しかかりますが私一人でも倒せますが如何様に?》

 

《一度シャルティア殿に連絡する。お前は一旦下がれ》

 

《御意》

 

伝言(メッセージ)』を切ったレッドショルダーは一旦下がる。

男は僅かに感じたレッドショルダーの気配が完全に消え、刀にかけていた手の力を少し抜く。

この男こそ例の用心棒ブレイン・アングラウスだった。

 

(気配が消えた?逃げたのか?)

 

 

 

 

レッドショルダーの『伝言(メッセージ)』が切れた後バレット・ローグは後から来ているシャルティアに『伝言(メッセージ)』を送る。

 

《申し訳ありませんシャルティア殿、部下の気配に気づいた者が居ます》

 

《あら?ならそいつが例の?》

 

《……おそらくは》

 

冷静に喋るバレット・ローグだったが内心では悔しさがあった。一切の油断無く行動していたにも関わらずレッドショルダーの気配に気づく者がいた。マシンナーの直属の軍団の一部を任せられている者としてどうしても歯痒かった。バレット・ローグとしては部下の失態の責任を取るために自分がその用心棒を捕らえようと考えていた。

 

《部下の責任は隊長である私の責任、直接私がこの手で…》

 

《いいえ、そいつの相手は私が担当しんす。貴方はそいつが逃げないように退路を塞ぐのを頼むでありんす》

 

《シャルティア殿?しかし……》

 

《丁度動きたいと考えていたでありんすの。それにその用心棒が何か奥の手を隠している可能性もあるでしょう?マシンナー様のしもべである貴方と直属の者達をむざむざ死なせる目に合わせるわけにもいきませんので》

 

《……申し訳ありません》

 

礼を兼ねた謝罪をし、『伝言(メッセージ)』を切る。ナザリックを守る階層守護者の一人であるシャルティアに尻拭いをさせる事に罪悪感はあったが、シャルティアの言葉は正しい。単純な戦闘力では守護者最強のシャルティアならそこらの相手はまず心配ないだろう。そしてブレインと遭遇したレッドショルダーがバレット・ローグの元に戻ってきた。

 

「隊長、戻りました」

 

「例の用心棒の相手はシャルティア殿がすると」

 

「っ……、申し訳ありません。自分のせいで…」

 

「いい、気にするな」

 

バレット・ローグ達と合流したシャルティアは仕事に取り掛かれると喜びながらその用心棒を探しに奥に進む。洞窟の奥から現れたのは青い髪をした刀を携えた男であった。

 

(こいつでありんすか)

 

「貴方が私のお相手でありんすか」

 

「……そうなるな。あんたは余り楽しそうじゃなさそうだが」

 

「暇を持て余していたでありんすぇ。吸血鬼の花嫁に相手させようと思いんしたが、良い加減運動をしたかったの。お相手してくんなまし?」

 

「はん、言われなくとも」

 

予め武技持ちであると言う事は知っているので確実に捕らえよう。透明化したバレット・ローグが逃がさぬよう相手の退路に立ち。左手に装着してある三本の棒状の武装、プラズマ・ステークを装着する。そしてシャルティアは遊戯を開始した。

 

 

 

 

「わあぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

(これは酷い……)

 

シャルティアと刀持ちの用心棒、ブレイン・アングラウスとの遊戯は一瞬で決した。

シャルティアに即行で打ちのめされ心を真っ二つにへし折られた彼は涙目で敗走してきたのだ。バレット・ローグは若干彼を不憫に思いながらも透明化を解く。

 

「!?なんだおま…」

 

「…これも仕事でな、悪く思うな」

 

「がっ!?」

 

バレット・ローグはブレインの胸にプラズマステークを叩き込み、痺れさせた後持ち上げシャルティアの元に連れて行く。

 

「シャルティア殿、どうぞ」

 

「悪いでありんすね。礼をいいんす」

 

シャルティアは口を開け、ブレインの首筋に噛みつく。ブレインは悲鳴を上げるが体は痺れているためまともに動けない。

 

そしてシャルティアのしもべ。人から吸血鬼になったブレイン・アングラウスが誕生した。

 

 




レッドショルダーのモデルは某最低野郎ボトムズのレッドショルダー使用のスコープドッグの様な感じですね。
隊長達のNPCで口元を覆っているキャラはマスクの下に口があり、飲食をする事ができます。バレット・ローグが薬莢を口に咥える描写は実写版トランスフォーマーに出てくるハウンドが常時薬莢を葉巻代わりに咥えていたのでそこからとりました。
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