シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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今日は短めです本当に申し訳ありません(;ω;)



第52話 大森林調査準備

「じゃあ行くぞシズ」

 

「……了解」

 

俺はシズを連れてトブの大森林の所に向かっている。理由は先日モモンガさんに伝えていたマキナを使ってのトブの大森林の大規模な調査、その下見である。

以前からアウラが周辺一帯は調査しており、脅威となりそうなモンスターは居ないらしいので一応大丈夫だと思うが油断はしない。

 

それにしても金属生命体のコアやらナノメタルやら、思ったよりも機械類がこっちの世界に流れ着いたのは素直に驚いた。もしかしたら俺以外の機械系のプレイヤーもいるかもしれない。

 

(会長やサークルのメンバーだったら嬉しいんだがなぁ…)

 

かつて親睦を深めていた自動人形系の種族限定のサークルがあって、そこのメンバー達とは仲が良かったのでもしこの世界に転移していたらまた仲良くしたいな。……もっとも一番転移していて欲しいのはギルドのみんなだが。

 

(っと別の事考えている場合じゃなかったな)

 

「……マシンナー様」

 

「ん?」

 

それ以上の思考を止め、俺はシズの方に振り向く。

 

「……総隊長…は?」

 

「アルティマか?あいつは他の用で外している。今日は同席しない」

 

アルティマはナザリックに潜伏しているマキナの工作隊の報告を受けている。

その後ドランザーが蜥蜴人掃討作戦に出撃するのでその前に一度隊長達の定例会議をするようだ。

 

「……やった」

 

「ん?なんだって」

 

「!……なんでも…ない」

 

「?そうか」

 

何か言った気がするが本人がなんでもないなら詮索しないでおこう。

さてと乗り物を出さないとな…。

 

「来い、トロンべ!」

 

俺は指に嵌めていた指輪から黒い馬型の自動人形を召喚する。

俺を載せるのに十分な大きさを誇り、全身で漆黒の装甲で覆われ、金と赤のラインが入っている。首には青白い鬣の様なエフェクトが出ている。

こいつは俺が作った機械獣で主に運搬が任務である、また変形能力も持っている。

俺は意気揚々とまたがろうとしたがあることを忘れていた。

 

(しまった…シズの移動手段を忘れていた)

 

うっかりシズの移動手段の事をを忘れていた。シズだけ徒歩にするわけには行かない。

だがおれはあることを思い出した。

 

「シズすまん、ちょっと待っててくれないか?」

 

「ん…?」

 

俺はトロンべをバイク形態に変形させ、アイテムボックスからサイドカー用のオプションパーツを取り出し装着させる。

 

「すまんシズ、遅くなってしまった」

 

「良……い」

 

準備を終えた俺はシズを隣に乗せる。

 

「良いかシズ?」

 

「…何時でも…良い」

 

「わかった。さて…行くぞトロンべ!」

 

俺はアクセルを吹かし、サイドカー形態になったトロンべを走らせた。

 

 

 

 

(良し、思ったよりいい感じだ。サイドカーは初めてだが、これなら大丈夫だな)

 

俺たちはアウラのフェンリルと並走する形で走る。初めての騎乗で少し心配だったが大丈夫そうだ。

トロンべも順調に走っている

 

「アウラの報告通り、この辺りには脅威になりそうなのはいなさそうだ」

 

「…何も……いない…」

 

トブの大森林ではイアイとハムスケよりも強い魔獣は居ないのでまず大丈夫だろうが、油断はできない。

ナノメタルと金生命体の件もあるしな。

 

 

その後少し移動していると俺たちは少し開けた場所に着いていた。

見晴らしが良く休憩するには丁度いい。

 

「少しここで休憩するか」

 

「わかりました」

 

「ちょっと待ってろ飲み物出すから」

 

そういうと俺は腹部の装甲を開ける、するとそこに小型の冷蔵庫みたいな空間にコーラがを三本入っておりそれを取り出す。

え?何でついてるかって?……某麦わらの海賊漫画の影響ですよ。

 

「コーラだ、飲むか?」

 

「…!?」」

 

(え?なんで驚いてんの?もしかして腹の冷蔵庫からコーラ出したの不味かった!)

 

自分のやった事にやってまった、と狼狽していると、シズが恐る恐る質問をしてきた。

 

「……マシンナー様、何…それ?」

 

「……俺の腹の部分に緊急時に非常食とか小型の冷蔵庫がつけてあるんだ…」

 

「……」

 

腹の冷蔵庫について説明したのだが、シズは無言でジッと見つめてくる。

 

(罵倒でも良いから何か喋ってくれ、その間が辛い!)

 

しかしシズはマシンナーが持っていたコーラをそっと受け取り、それに口を付ける。

 

「…頂きます」

 

(…どんな構造…なんだろう…?)

 

コーラを飲みながらマシンナーの体の構造を不思議に思い、マシンナーは取り合えず何とかなったのか?と疑問に思いつつ、コーラに口を付ける0。

 

(と、取り合えず何とかなったのか?)

 

「…美味しい」

 

 

 

 

コーラを飲み終えて、この後はどうしようかと考えていた。

 

(さてどうするか…ん?)

 

俺がが考え込んでいる時シズが藪をジッと見つめている事に気づく。

何かいるのか?

 

「シズ、どうした?」

 

「何か…いた」

 

「何?」

 

シズの言葉に俺は斬艦刀の柄を握る。

しかし出てきたのは何の変哲もない野兎だった。

 

「……なんだウサギか」

 

「……」

 

兎だとわかって俺は一瞬安堵するが、シズはウサギに近づいてしゃがみ込む。

 

「?シズ?」

 

「……可愛い」

 

そういうとシズはそっとウサギを抱き上げた。

 

(…そう言えば小動物が好きだったなシズは……ウサギが羨ましい)

 

「…ん」

 

シズは抱き上げている。ウサギの頭を撫でながら愛でている。

俺は内心ウサギを羨ましく思いながらそれを眺めていた。

 

(ウサギになれれば、でもメカウサギじゃ意味ないし…いや待て着ぐるみの中に入るって手も…あら?)

 

そう思っていると、次は木から兎より小さな何かが下りてシズの下で止まる。

 

「次はリスまで来やがった…」

 

「……」

 

シズは兎を右手で抱えながら、リスに腕を差し出す。

リスは何の躊躇も無くシズの手を伝い、肩に乗った。

それを見たシズは肩に乗っているリスを撫でる。

 

「…マシンナー……様」

 

「ん?」

 

「…鳥」

 

シズに言われて辺りを見渡すと鳥が俺の角に数匹止まっている。

木か何かだと思っているのか?ピヨピヨ囀っている。

 

「え?本当だ、いつの間に…」

 

「……」

 

巣でも作られたら溜まったものではないので音か煙でも出して追い払おうかと考えたが、シズがジーっとコチラを見つめているのでそちらに興味が湧いたのでシズに話しかける。

 

「…どうした?」

 

「……面白そう」

 

「え?」

 

意外な質問に面食らい、頬を小さくかいている。

そうしている間になぜか別の鳥が止まりに来た。

 

「……ふふ」

 

「なんで笑ってんだ?」

 

「……おもしろ…い?」

 

「なんだそりゃ?」

 

シズの返答に若干の疑問が生じながらもシズが楽しんでるならば良いかと考える。

そう思った同時に俺はシズにまた来ないかと誘った。

 

「また来るか?暇なときに?お前が良ければだが?」

 

シズは一瞬の間を置いてコクリと頷き

 

「……良い」

 

と言ってくれた。勿論俺の脳内は…。

 

(いよっしゃああああああ!!!)

 

絶賛コロンビア状態であった。

 

「マシンナー……様…?」

 

「ん?いや、なんでもないぞ?」

 

なんとかごまかしたが、その時茂みからガサガサと音がする。

 

「?」

 

「なんだ?」

 

すると茂みからオーガが飛び出してきて俺たちを見た瞬間咆哮を上げる。

それを聞いたウサギやリスが怯えて我先に逃げ出した。

 

「オオオオオオ!」

 

「…」

 

「…」

 

俺は拳をシズは愛用の魔銃を取り出しオーガの顔面と胴体に発砲した。

頭部はシズの魔銃でハチの巣にされ、胴体は俺のロケットパンチで胴体をぶち抜く。

オーガの死体はそのまま勢いよく前のめりになった。

 

 

 

 

その後暫く辺りを周り、終わった後に俺たちはナザリックに転移をする。

シズはこの後、プレアデスの定例会議をするので、ここで降ろす。

 

「すまんなシズ、付き合って貰って」

 

「……良い、必要なら…また…言って…」

 

「あ…」

 

シズが立ち去ろうとしたとき、俺は思わず一瞬だけ手を伸ばしたがすぐに引っ込めた。

 

「はぁ~…まだ仕事以外ではうまく誘えねぇな畜生……」

 

俺はがっくりと肩を落としていると後ろからバイクのエンジン音が聞こえる。

振り向くとトロンべがライトを光らせながら、なんか唸っていた。

 

「ん?」

 

『ブォン、ブォン、ブォン、バーカ』

 

「……」

 

俺にバイク語?なんかわからない。だが何を言ったのかなんとなくわかった。

翻訳すると『なんでそこで二の足踏むんだよ、ばっちり決めろよ。だから彼女と中々進展しないんだよバーカ』と…。

 

「お前今日飯抜きな」

 

『ヒヒーン!?』

 

 

 

 

マキナ司令部『機械の楽園』、その一室でアルティマをはじめとするマキナの隊長達が定例会議をしている。

七大隊長の一人バレット・ローグ率いる潜伏している「機人兵団」からの報告を読み上げていた。

内容は先日判明したナノメタルの事である。

 

「…以上で潜伏している者たちから報告は終了する」

 

報告を終えたバレットは椅子に座る。

その後に他の隊長達は一斉に喋り始めた。

最初にゴルドソウルがバレットに質問をする

 

「ある程度の予想していたがやはり王国はナノメタルでの武器の補強を考えているようだな?」

 

ゴルドソウルの質問にバレットは「ああ」と肯定した。

 

「先程言った調査結果によれば王国は一部の貴族の私兵以外は全部徴用された民、つまり案山子同然の者たちだ。少しでも武器の質を高めて少しでもマシな戦力にしようとしているのだろう」

 

バレットの言う通り、王国の戦力は一部の貴族達の私兵以外は徴用された民兵。

兵としての戦力はナザリックの兵は勿論、帝国の兵にも劣る練度しかない。

だからナノメタルを使って、装備を強化して少しでもマシな戦力に仕立てようとしたのだろう。

 

「…ダガ奴ラハナノメタルの真ノ実態ヲ理解シテイハイナイダロウナ……ヤレヤレ…」

 

排気の様な溜息をつくドランザーの言う通り、ナノメタルの最大の能力はコーティングする事だけではなくその変形性と金属とは思えない増殖能力にある。特定の指令を出せばその指令の通りのものになり、次第にその量を増やしていく事も可能になる。だが使い道を誤れば増殖能力が暴走し山一つをナノメタル化するくらいの勢いで侵食してしまう。

 

「仕方ないよドランザー、ナノメタルをこの世界の人間たちは自然の希少金属だと思っている、だからアレの真の価値を見出していない」

 

ドランザーのボヤキにアルティマは肩をすぼめながら、答える。

だが、ナザリックの者たちにとっても貴重なレアメタルには違いなく、ナザリックの為にも何としてでも真相を確かめなければならない。

 

「だが金属生命体の核も気になる、もしも我々に匹敵する者であれば途轍もない脅威だぞ?」

 

「ディアヴォルス、それ以外にも謎の改造人間共の事もあります」

 

アンヘルの言う通りナノメタルと同じく、金属生命体の核と謎の改造人間の集団の出現。

ナザリック以外で自動人形や機械系の異形種は存在しないと考えていなかった為、報告を聞いたときはアルティマ以外大きく驚いていた。

 

「取り合えず順に解決するしかないよ。まずナノメタルはこの間言ったトブの大森林の大捜索で手がかりを捜索しよう。改造人間は引き続き調査、金属生命体は……ドランザー、もし現れたら手なずけることできない?」

 

アルティマの無茶ぶりにオイオイと思いながらドランザーはできないことを伝える。

 

「…残念ダガ俺ハアウラ殿デハナイカラ無理ダ」

 

「冗談だよ。ゴルド、カルネ村は?」

 

この世界で初めて傘下に加わったカルネ村。

アインズとマシンナーからは住民たちと極力衝突しないように釘を刺されているため、報告はこまめにしている。

 

「大丈夫だ。今のところは至って変わった点はない」

 

「なら良いんだ、明日マシンナー様がお忍びで視察に来るからね。案内頼むよ?」

 

「それは本当か?わかった、任せておけ」

 

「じゃあ今回の会議は終わり、みんな持ち場に戻って良いよ」

 

 

 

 

 

 

「ふむ、やはり書いてあったか…『アインズ・ウール・ゴウン』」

 

古い書斎の様な部屋に謎の改造人間の集団の頭目、「導師」と呼ばれる老人がとある資料を手に取り、読み上げている。

 

「アインズ・ウール・ゴウン……ユグドラシルという世界に存在したというギルドの一つ、ギルドのメンバーの者たち全員が異形の者で構成されているという特徴を持つ。拠点であるナザリック地下大墳墓は難攻不落で、幾重にもの罠が張り巡らされている…か」

 

資料を読み上げて、それを閉じると顎に手を添え考え込む。

 

「となるとアインズ・ウール・ゴウンの名は偽名で、本来は別にあるということか…ギルドのメンバーについても書かれていれば良いが、流石に書かれて無いか…」

 

そう言葉を区切った後、彼は一つの疑問を抱く。

 

「だが何故わざわざギルドの名を?知っているものがいれば狙われる可能性もあるというのに…まさかわざと?」

 

偽名ならば幾らでも思いつくはずなのに、何故かアインズなる人物はギルドの名前を偽名にした。

狙われるリスクもあるというのに…。

その後も彼は暫く考え込むがそれ以上の考えは思いつかず、一旦違う話題に切り替える。

 

「考えても仕方るまい、だがこの資料が事実ならアインズ・ウール・ゴウンとその一党は確実に我が師と同じぷれいやー…つまり我々からすれば神に等しい存在…」

 

自身の一生の中で唯一尊敬し、己の今知っている知識を授けてくれた己の師も「ユグドラシル」なる異世界から来た「ぷれいやー」と呼ばれる存在の一人だった。

ならばそのアインズというぷれいやーも自分の師と同じく神に等しい強大な存在であるのは間違いない。

 

「本来ならば敵対せず恭順を示す方が利口だろう。しかし…」

 

「わが夢は世界の覇権を握ること、ならばアインズ・ウール・ゴウンは邪魔…!圧倒的邪魔……‼」

 

「傍から見れば儂の考えは愚者の考えかもしれん、だが…!」

 

己の野望を邪魔するならば例え至高の神々であろうと挑むのみと彼はそう考えた。

 

「愚者で上等…我、神々に弓引かん……!」

 

そう高らかに宣言した後、彼は高笑いを大きく上げる。その笑い声は部屋全体に轟いた。

 

 

 

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