シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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5ヶ月も音沙汰なしですみません!(汗)



第57話 森林調査開始

ナザリック地下大墳墓第六階層「機械の楽園」中央司令室。

 

「アルティマ、準備は?」

 

斬艦刀を研ぎながら隣に控えているアルティマに問いかける。

その問いかけにアルティマとシズは即座に返答した。

 

「できております!」

 

「捜索隊の人数……全員…集…合…」

 

斬艦刀を研ぎ終わり、大剣から刀の形態に戻し鞘に納める。

そして席を立ちあがり、控えている2人に指示を出す。

 

「ならばよし、行くか」

 

「「は!(は…)」」

 

中央司令室を出て「機械の楽園」の外に出る。

目の前には万に匹敵する「マキナ」の捜索隊、そして先頭には隊長達が跪いて待機している。

 

「全員集合しているな、よろしい」

 

「立て」

 

ザ‼、と一斉に立ち上がり敬礼をする。

マシンナーは満足そうに排気口から煙を排出する。

そしてアルティマにアイコンタクトをし、アルティマは大きな声量で軍団に指示を出した。

 

「総員傾聴‼」

 

それに続くようにマシンナーは今回の捜索の目的を話す。

 

「これからトブの大森林で捜索を行う!調査内容は捜索作戦のしおりに描かれている通りナノメタルの痕跡の調査、もう一つは金属生命体の手がかりの調査だ」

 

「お前達には大森林での探索と調査、そして警護を担当してもらう何かあったら逐一報告するようについでにおやつは300円までだぞ?」

 

「質問はあるか?」

 

マシンナーの言葉にイアイが勢いよく手を上げた。

マシンナーはイアイの質問を聞く。

 

「うぃ」

 

「なんだイアイ?」

 

「先生ー、お好み焼きはおやつに入るんですかい?」

 

「……」

 

イアイの質問にマシンナーはゆっくりと近づいてピコピコハンマーでピコ!と頭を叩く。

 

「アタ!」

 

「バーカ、そこはせめてもんじゃ焼きかパンケーキ辺りにしろい!他はいないか?」

 

その問いかけに誰も答えなかったのでそれを質問をしなくても大丈夫とマシンナーは捉えた。

 

「じゃあ気を取り直して…全員、出撃だ!!」

 

「「「「「はっ!!」」」」」

 

 

 

 

現在トブの大森林をトロンべ(馬)に跨り疾走している。

周りにはアルティマを始めとした七大隊長、その次にはそれぞれの兵団からの高Lvモンスターで固められている。上空にはソニックが空中戦力を率いていた。

 

(やれやれ、目立たないように極力数は抑えたが、それでも十分圧倒されるな…)

 

まだ俺たちの事を知られる訳にはいかないので千単位にしたがそれでもその迫力に圧倒されてしまう。

我ながらよくここまで大きくしたものだ(課金だけど)。

そして周りの圧もすさまじい、まあ理由はわかるけど…。

 

(普段の護衛がアルティマ達だけっていう反動もあるのか、にしても…)

 

実はトロンべに乗っている前にはシズが乗っている。

 

「シズ、揺れないか?」

 

「…大丈……夫」

 

本来ならバイク(サイドカー)の形態にして共に行く予定だったのだが、直前でトロンべが駄々をこねたので仕方なくこの状態になった。

 

「悪いな、トロンべの奴が土壇場で駄々こねやがったらよ…」

 

「ん…」

 

『おいトロンべ、今回は馬じゃなくてバイクの方だ!』

 

『ヒヒーン‼』

 

『何?今日はバイクになりたく無いだと?我儘言うんじゃない!』

 

結局、根負けして馬のままで来ちまったんだよなあ、困った奴だ全く。(けど情けない事にシズと一緒に乗れる事に喜んでいる自分もいる…)

 

(なあなあアルの兄貴、シズ姐さん頭の傍に着かせといてええんか?)

 

(良いんだよ、マシンナー様が良かれと思ってるなら)

 

(でもそういうのってあかんのちゃう?)

 

(君獣の癖に勘が悪いなぁ、シズがマシンナーと同乗しているの見て何か察せないの?)

 

(えぇ?……まさかの惚の字って奴でっか?)

 

(……他の者には絶対言わない様に)

 

(マジかぁ~)

 

(どうしたでござるか?)

 

(なんでもねぇよ…)

 

そうこう考えている間に、目的の地点に到着、俺は全員に指示を出す。

 

「ここだ、止まれ!」

 

目的の地点に到着した俺はアルティマにテント地点の設立と捜索隊の招集を命令した。

 

「アルティマ、テントの設置をしろ、拠点の完成後に捜索を始めろ」

 

「は!総員作業開始!」

 

アルティマの命令によりマキナの隊員達が一斉に作業を開始する。

 

「どれ位かかりそうだ?」

 

「そうですね、この人員とスピードなら15分位です…」

 

「そうか、なら俺も用意しておくか」

 

「お館様それはなんでござるか?」

 

「何か入ってんのか?」

 

「まあ見てな」

 

俺はアイテムボックスから大き目の黄色い箱を取り出し箱を開ける。

するとスズメバチ型の機械系異形種が現れた。

 

「『ビーハウス』起動」

 

「おわ!?」

 

「蜂ぃ!?」

 

このアイテムは俺が製作した『蜂小屋(ビーハウス)』、小型の蜂型ドローンを大量に散布することができる。

ドローンの用途は捜索、小型の体を活かした追跡、後は暗殺にも使用できる。(後蜂らしく花から蜜を採取する事も可能)毒の効果はオオスズメバチの5百倍の設定で描かれているのだが、現実世界はともかくこの世界だとどれほど有効かは知らない。

 

今回はこいつらに捜索と周囲に敵対する者がいないかを見張るのを命令する。

一斉に飛んで行ったビーハウスの蜂型ドローン達が一斉に飛び立つ。

全員戻ってくると良いが…。

 

「さて、何か収穫があると良いが…」

 

「マシンナー…様……」

 

一人用意された椅子に座っていると、シズが飲み物をトレーに載せて持ってきていた。

 

「ん?どうした?」

 

「……飲み…物」

 

「ああ、ありがとう、選んでくれたのか?」

 

「ん……」

 

「ありがとよ、喜んで頂く」

 

俺はトレイに載ってあった飲み物に手を取り、一口飲んだ。

 

「うまい、ありがとうシズ」

 

「ん…」

 

俺はシズに礼を言う。

照れなのかシズは少し頬を赤らめながらも一礼する。

可愛いなぁ…。

 

「「「「「……」」」」」

 

なんだか周りを見渡すと何故かじっ、と俺たちの方を見ていた。

それはもう食い入るような眼で…。

 

「……なんだよ?」

 

俺が話しかけると、見ていた奴らは「申し訳ありません!」と言って作業に戻っていった。

何だったんだ一体…。

 

「…上手く……行った」

 

マシンナーから少し離れて

 

「やったね!(ちょっとタイミングが悪かったのは黙ってていよう)」

 

そう考えながらもアルティマはソニックに<メッセージ>を送った。

 

〈ソニック、そっちは?〉

 

〈空中からは何も今の所何もない、木々と林位だ〉

 

〈こっちも今のところはないよ、ゴルドも同じ反応だった〉

 

〈やはり完全に消滅してるのでは?〉

 

〈あの金属を消滅させるなら最低でも第八位階の魔法かもしくはそれに匹敵する威力の物が必要だよ?昔ならともかく、この世界の存在で破壊できるのはこの辺りにはまず存在しないと思うけど…〉

 

一方、他の場所で捜索をしていた兵士達は金属探知機を使用しながら目的の物を探している。

しかし他の隊同様にあまり反応が無い。

 

「何か反応あったか?」

 

「イヤ、金属反応どころか生命体の反応も無い」

 

「おまけにドッグも反応無し」

 

それぞれの捜索隊に貸し出されている探索能力のスキルを持つ『サーチ・ドッグ』も何も反応しない。

 

「…!待て」

 

その時『サーチ・ドッグ』を連れていた兵士が『サーチ・ドッグ』が反応した事を告げる。

他の兵士たちも持っていた金属探知機が同様に反応したのを確認する。

 

「どうした?」

 

「一瞬だけだが反応があった、2時の方角だ」

 

「行くぞ」

 

反応が現れた方角に捜索隊は進むとそれに従ってドンドン反応が強くなっていく事を確認する。

 

「どんどん反応が強くなっている…!」

 

「近いぞ」

 

そして進んでいくと、輝く純銀の歪な形の金属の塊が数個置いてあった。

 

「こいつは…」

 

「バレット・ローグ団長に連絡だ」

 

即座に直属の上司であるバレット・ローグに報告、報告からすぐにバレット・ローグが転移してきた。

 

「これか?」

 

「は!」

 

バレット・ローグはアイテム鑑定スキルでその金属を調べる、するとバレット・ローグは歓喜の声を上げる。

そして金属の正体がわかった他の隊員も声を上げた。

 

「間違いない、形は歪だがナノメタルだ…!」

 

「おぉ!」

 

「団長、早速マシンナー様に…」

 

「ちょっと待ったぁ~!?」

 

「!?」

 

謎の声に全員が一斉に振り向き、装備しているライフルを向ける。

すると一体のドリアードが叫びながらコチラに向かってくる。

 

「何者だ!」

 

「それはこっちの台詞だよ!いきなり出てきたと思ったらそれを持ち去ろうとするなんて…わ!」

 

「手を上げろ、足を打ち抜くぞ!?」

 

銃を向け警告する隊員を制し、バレット・ローグはそのドリアードに歩み寄る。

 

「やめろ…少し待て、お前、これが何処にあったのか知ってるか?」

 

「え?…それは…」

 

口ごもるドリアードを見て、バレット・ローグは「何か知っているな?」と確信する。

それを聞き出すために極力言葉に鋭さを抑えながらドリアードに質問をする。

 

「何かあったのか?」

 

「いや…その…ってああ!」

 

「ん?」

 

「思い出した!それどころじゃないんだよ!あの魔樹が目覚めちゃうんだよ!!」

 

質問の回答が出る前に予想もしてなかった単語が出てきて、バレット・ローグは首を傾げる。

ドリアードの様子に周りにいた隊員たちは若干呆れながら「こいつ何ってんだ?」と口を開く。

 

「魔樹?」

 

「何言ってるんだお前…」

 

ローグ達が聞き出そうとしてもぎゃあぎゃあ騒ぐドリアードを見てこれでは辣があかないと踏んだバレット・ローグはマシンナーに報告を入れる。

 

「マシンナー様」

 

 

 

 

バレット・ローグから『メッセージ』が着たのでメッセージにでる。

すると嬉しい報告と変な報告が同時に来た。

 

「ナノメタルを見つけた?そうか、よくやったぞ。…え?変なドリアードがわめいている?……念の為連れてきてくれ」

 

『メッセージ』を切り、隣にいたアルティマにそれを伝える。

 

「ナノメタルが見つかったそうだ」

 

「本当ですか?」

 

「だが、それについて知っているドリアードが変な事口走っていてな?」

 

そしてしばらく経っているとバレット・ローグと他の隊員達を引き連れ帰還してきた。

後ろには例のドリアードもいる。

 

「連れてきたか?」

 

「は、こちらに」

 

俺は立ち上がり、ドリアードの方に向かう。

 

「こんにちは初めまして、俺の名はマシン…「大変なんだよ!もうすぐこの世界を滅ぼす魔樹が目を覚ますんだよ!世界を滅ぼす魔樹が!いつか復活するとは思ってたけど遂に来た!あの人達はもういないし!」ナー……」

 

あ、だめだこりゃ。俺が話しかける前に怒涛の勢いでマシンガントークを始めるドリアード君。

この勢いだとそう簡単には止まらんだろうなこれ…。

 

「おい、少し静かにしろ」

 

後ろに居たバレットが静かにするように注意するがドリアード君は一向に静かにならない。

 

「ああ、うん、なんか訳ありなのはわかったから一旦落ち着いてくれ、終始マシンガントークじゃあこっちも聞けんよ?」

 

「あのねえ!こんな大変なときに落ちつけるわけないじゃないかバカなのかキミ!もうすぐ魔樹が目覚めるん……」

 

ガチャチャ‼‼‼

 

「ひっ…!」

 

このままでは何も進展できない為バレット・ローグと俺はなんとかなだめようとするが、ドリアード君は全然治まらない、更にヒートアップしそうになったが突如マキナのみんなが一斉にドリアード君に銃口を向け、強制的に黙らせた。レーザーポインターの赤い点々が体中に無数浮かんでいる、後ろに居るバレットローグがドリアード君の頭にショットガンを押し付けていた。

 

「おい、勘違いするなよドリアード?こっちはお前が生きてようが死んでようが情報は抜き取れる…」

 

「マシンナー様のお言葉が聞こえなかったのか…?無礼者が…!」

 

「テメェの本体に焼夷弾ばら撒くぞ?」

 

『グゥウウウウ…』

 

「我が倦族の苗床にしてやろうか?」

 

「いいえ、ファラリスの牡牛に叩き込むのはどうでしょう?」

 

隊長達がやたら怖い事言ってるし、てか苗床ってあんた…。

そう思ってるとアルティマがドリアード君に近づいていく。

 

「……次マシンナー様に舐めた口叩いたら、死んだ方が一兆倍マシな事するよ?」

 

話している内容はともかくドリアード君がビビっているので脅しているのは確かだ。

俺はアイテムボックスからピコピコハンマーを取り出してアルティマの頭を小突く。

 

「止めんか阿呆」

 

「おう!」

 

「お前ら客をビビらせてんじゃねぇよ全く…ああ~悪かったな、正直に話してくれればお前の命は保証するからゆっくり話してくれ?…な?」

 

「う…は、はい」

 

話を聞くとこのドリアード…じゃなくてピニスン君は先程の事もあり、こちらが知りたいことを(少し怯えながら)ペラペラ話してくれた。昔この辺りで世界を滅ぼす力を持つザイトルクワエと言う魔樹の一部が出現し、これをプレイヤーと思われるもの達が撃退したらしい。

 

「ザイトルクワエ…ねぇ…」

 

そういえば法国も「滅びの竜王」とか呼ばれる存在を探しにこの森をさまよってたらしいし、もしかしたらその「ザイトルクワエ」と関係あるかもしれない。それにしてもそこまでヤバい木だともはや怪獣だろ怪獣…。

 

(あれ、それビオランテじゃね?)

 

「なあそれビオランテだろ?」

 

「え?いやザイトルクワエ…」

 

「ビオランテだろ?」

 

「ざ、ザイトルクワエ…」

 

「ビオランテ」

 

「ザ、ザイトル…」

 

暫くアホな問答を繰り返しているとその内飽きて来たのでソニックに上空に飛んでその魔樹らしきものがあるか探すように伝える。

 

「まあいいや、ソニック、上空に飛んでそれらしき物を探してくれるか?」

 

「はっ!おい数名ついてこい」

 

ソニックが数名を連れて上空に飛んでいくのを見届けた後、もう一度ピニスンに質問をする。

 

「で、その魔樹はそいつらが一度撃退したんだな?」

 

「うん、撃退寸前まで行ったんだけど…」

 

「ん?」

 

今まですらすらと喋っていたのに少し言いづらそうな顔をするピニスン。なんだか様子がおかしい。

するとピニスンは思ってもいなかった事を語り始めた。

 

「突然、なんか君たちみたいな全身鉄の化け物が現れて…全員やられた…」

 

「何?それは本当か?」

 

こいつは予想だにしてなかった、ピニスンが言っていた奴らは恐らくプレイヤーの可能性が高い。

そいつらを倒したとなると確実に高レベルのモンスターの可能性がある。

 

「う、うん、確かに金属の化け物だったよ…なんか自分の体の破片を飛ばして攻撃してた」

 

「破片を?なあその破片が刺さったら金属にならなかったか?」

 

「!?……どうしてそれを?」

 

(やっぱりか…)

 

さっきのピニスンの言葉を聞いてまさかとは思ったがどうやら予想が当たったらしい。

 

「その金属についてはよく知っている、あれには生物を侵食して同じ金属に変化させる性質がある……ってまさか」

 

「ピニスン、全員やられたって聞いたが全員金属化しているのか?」

 

「……」

 

そう質問をした後ピニスンは沈黙した。

その反応を見て俺の考えは正解だと理解した。

 

(当たりか…しかもプレイヤーをぶっ殺しているって事は確実にナノメタルで構成されている高レベルのモンスターだな、厄介だ)

 

するとソニックからメッセージが着た、なんかヤな予感がする…。

 

〈マシンナー様お伝えしたいことが〉

 

〈どうした?見つけたのか?〉

 

〈は、それらしき樹を発見しました、ですが悪いニュースが…〉

 

〈…なんだ?〉

 

〈今動き出そうとしています〉

 

だと思ったヨ!?

 

「(マジか)お前ら一旦避難するぞ、ピニスンお前も来い」

 

「え?ちょちょっと待ってよぉ!」

 

噂のビオラ…ザイトルクワエが目覚めて大暴れしそうなので一旦俺は皆に撤退を命じ、ピニスンを掴んでその場から離れる。その間にも後ろから何やら大きな雄叫びが聞こえてきた。

 

 

 

 

ザイトルクワエから一旦避難した俺達はザイトルクワエをどうするかと話し合いを始める。

さっき奴のレベルを測定するとレベル80と思ったよりも低かったのは驚いたが、この世界からすれば十分世界を滅ぼす存在だろう。さてどう処理しようか…。

 

「さて、どうするべきか…」

 

「ん?どうしたソニック?」

 

「『ツァーリ・ボンバ』で吹き飛ばすというのは?」

 

「いや、カルネ村を巻き込む可能性があるから却下だ、それに放射能汚染の問題もある…」

 

ゲームの設定がそのままこの世界に反映するのが判明したから周囲に尋常じゃない量の放射能をばら撒いてしまうかもしれない。それは流石にマズい。

 

「ローグ」

 

「サテライトキャノ…」

 

「却下‼」

 

「ゴルディオンクラッ…」

 

「却下‼‼」

 

「絶対零度砲…」

 

「却下!そういうの類の考えは即却下だ‼‼‼‼」

 

なんでこうも大火力で殲滅しようとするんだよ!一体誰に似たんだ!…って100%俺か…。

頭を押さえているとディアヴォロスが手を上げているのに気づく。

 

「ディアヴォロス何か考えはあるのか?」

 

「は、一旦奴を行動不能にし私の細胞を移植させて眷属に変化させるというのは如何でしょう

?私の細胞ならば自己増殖も可能なので戦力を増やす事が出来ますし、姿形、大きさも変更できるのでかさばることもありません…」

 

「ほう…?」

 

殲滅しか考えていなかったからこの案は寝耳に水だ。

コイツの元にしたモデルがアレだったことをすっかり忘れていた。

しかしそれを聞いたピニスンは猛抗議する。

 

「え?ちょ、ちょっと待って!あの魔樹を増やすつもり!?そんなの絶対世界が滅ぶよ!!?」

 

「心配するな、Lv80のモンスターならマキナにも大勢いる…」

 

加えてナザリックには更にうようよいる。それに格下の奴がディアヴォロスに眷属にされれば完全に支配下にはいるのだ。

 

「それに彼の細胞に侵食されればマシンナー様以外の者は完全に彼の支配下に入ります。彼の支配下に入ればあの魔樹は彼が死んだ時に自動的に消滅致します、ですので貴方が心配するような事はありません」

 

そしてアンヘルが彼の不安を取り除くように声をかける。

まだ多少不安げな顔をしているが、先程よりは薄まっていた。

 

「まあ戦力以外にも素材でも活かせそうだしな、植物と金属のハイブリット素材…加工すれば売れるか?その前に奴を行動不能にしなければならんが、油断もしくはよっぽどの事がまず負けはしない」

 

「マシンナー様、高威力の火器の使用は二次災害で大規模な火災を発生させる可能性があります。ここは出来る限り少数で攻めた方がよろしいかと」

 

アルティマの言う通り周りの被害と俺達が目立つ可能性も高いので俺もその案を提案しようと思っていたが手間が省けた。そうなると俺と隊長達、後Lv90台の機械系異形種で挑むか…。

 




解説:ビーハウス

マシンナーが開発した小型の蜂型機械系異業種を大量に展開させるアイテム。
小さいサイズを活かした偵察と暗殺を得意としている。
毒の効力はオオスズメバチの百倍を持つ…という設定。
他の蜂たちをまとめる女王が存在している。
後蜂蜜を取ってくるのが得意。

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