シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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第62話 起動、ジャガーノートMk-Ⅱ!!

木々が生い茂る森の中に不自然に入った亀裂の様な巨大な洞窟の入り口があった。

そこに数体のオーガが見張りの様に佇んでいたが、突如オーガの一体が首から血を噴き出し地面に倒れ込み息絶える。それを見た他のオーガは直ぐに警戒態勢に入ったが先程のオーガと同じように首を切られ、あるオーガは射出された杭で脳天を貫かれて即死したり、頭をねじ切られたりした。

見張りが全滅したことを確認すると景色が少し歪み、銀色の身体を持った改造人間、ジュドが現れる。

 

周囲に敵がいないのを確認して耳に手を当てマシンナーに無線を送る。

 

『マシンナー、見張りの排除を完了した』

 

「わかったジュド、他にはいるか?」

 

『いや、入り口付近にはいない。それにいたとしてもアンタならどうとでもなるだろ?』

 

「言うじゃないか…待機していてくれ」

 

『おう…』

 

マシンナーとの通信を切りジュドは周囲を警戒しながらマシンナー達を待つ事にした。

ジュドとの通信を切ったマシンナーは隣にいるアインズに現状を伝える。

 

「マシンナーさんどうでした?」

 

「予定通りジュドが見張りを殲滅しました、後は合流するだけです」

 

それを聞いたアインズは背後に控えてるハムスケ達を呼ぶ。

呼ばれたハムスケ、イアイはマシンナーとアインズの後ろに佇む。

 

「わかりました、ハムスケ」

 

「ここに!」

 

「イアイ」

 

「あいよぉ!!」

 

それぞれの主に呼ばれた二体は威勢よく返事をし2人の後を付いて行く。

そしてその傍らにはシズも控えていた。

 

「シズ、行こうか?」

 

「了…解……」

 

 

 

 

洞窟の中の最奥に、報告に上がっていた「東の巨人」と「西の魔蛇」、そしてその配下たちのモンスター達であった。大きな体躯を持つ妖巨人達の中でも一際巨大な身体と大剣を持った妖巨人…『東の巨人』グが檄を飛ばす。

 

「良いかお前等ぁ!明日他の奴らを集めてあの邪魔な「滅びの塔」の連中の縄張りに攻め込む!従わない奴は殺して良い!!俺達で叩き潰すぞ!!」

 

それを聞いて妖巨人達は雄たけびを上げるがたった一体、それに反対する者がいた。

 

「おいグよ本気で言ってるのか!そんな簡単に倒せる奴では無いのだぞ!?」

 

蛇の胴体に老人の上半身の姿をしたナーガと呼ばれるモンスターにして『西の魔蛇』名を、リュラリュース・スペニア・アイ・インダルンと言う。リュラリュースの意見を聞いたぐグはフン!とそれを鼻で笑い怒号を上げる。

 

「うるせぇ!!俺の力があれば何も問題は無いんだよ!!」

 

それを聞いたリュラリュースは何度目かわからないグの知恵の無さに呆れる。

 

(クソ、滅びの建物の者達の戦力も把握してないのに……何故こうも愚かなんじゃ…!)

 

元々この二体は敵対関係にあったのだがここ最近までは目立った争いは無かった、その理由はハムスケ…即ち『森の賢王』の存在だった。二体とも森の賢王の事は詳しくは知らなかったがだからこそ二体ともこの大魔獣に警戒をして迂闊に争う事は出来なかった。もしも双方争い疲弊すれば森の賢王は好機とばかりに襲ってくるかもしれないと考えたのだ。

しかしもう理由はもう一つある…。

 

(知恵は無いに等しいが力と再生能力のあるこやつを滅びの建物の主にぶつけるしかない…こいつを言いくるめれば…)

 

リュラリュースが策を練っていると、洞窟内から別の声が響き渡る。

 

「はん!相変わらず知恵の無さが丸わかりする声だなぁ…?」

 

「何だぁ…!テメェ…!!」

 

声の主に反応してグは声の方角に顔を向けるが声の主を見て驚愕する。

それはリュラリュースも同じだった。しかも心なしか身体は震え冷や汗が流れている。

 

「ま、まさか…帰って来たのか!!?」

 

「白い暴君!?」

 

白い暴君、今はイアイと名の付いた大魔獣が姿を現した。それを見てリュラリュースは恐怖の表情を浮かべかつての記憶を思い出す。この二体が争わず、森の賢王の事を詳しく調べようとしなかったのは目の前の白い暴君の存在があったからだ。

 

(森で奴の姿を見たという報告を受けてまさかと思っていたが本当に戻ってきていたとは…!)

 

嘗て、森の賢王の事を調べる為にグとリュラリュースはそれぞれの手下を差し向けたがそこで一つ問題が生じた。

森の賢王を調べようとした矢先イアイの縄張りに偶々踏み込んでしまった為手下は全滅、しかしそれだけにとどまらず己の縄張りに土足で踏み込んで来た事に腹を立てたイアイが両名の縄張りに侵入、それによってリュラリュースは瀕死の重傷を負い命からがら逃げ、グは再生能力で死にはしなかったがイアイのサンドバッグにされ気のすむまで嬲られ続けた。更に後日調べると森の賢王は白い暴君と一対一で何度もぶつかり合い、尚且つ互角の力を持つと知り、自分達では敵わないと悟り現在まで森の賢王の縄張りに踏み入れようとしなかったのだ。

 

「白いの?こやつらでござるか?」

 

その後ろからハムスケが現れた。突如現れた存在にグとリュラリュースは困惑するがリュラリュースはその姿を一目見て白い暴君と同等の存在だと瞬時に察知した。

 

(な、なんじゃこの魔物は…!白い暴君にシモベはいなかった筈、まさか森の賢王か!?)

 

「ああ、そうじゃあハム…おっと久しぶりじゃなあ間抜けと蛇、紹介しよう、儂の隣にいるのが南の大魔獣『森の賢王』じゃあ…」

 

(やはり森の賢王…!!ま、まさかあの2体が手を組んだというのか?まさか森の賢王が一時消えたのはこちらの動きを察知して白い暴君と手を組むためか…?)

 

リュラリュースがこの状況が果てしなくマズイと察知するがグはイアイの言葉に顔を真っ赤にして武器であるグレートソードを抜き襲い掛かった。

 

「間抜けだと?テメェ!!!」

 

「な!グ!よせ!!」

 

リュラリュースの静止に耳を貸さずグレートソードを振り下ろすがイアイはそれを鼻で笑って回避して右前脚でグの頭部を殴打し首を弾き飛ばす。

 

「はん!」

 

「ぐ!」

 

「武技を使うまでもねぇ…」

 

(あの力…む、昔よりも上がっておる、マズいこうなったらダメもとで透明になって逃げるか…)

 

リュラリュースがそう考えるとイアイとハムスケの後ろから別の声が聞こえた。

声の後、マシンナーとアインズ、シズが現れる。

 

「おい、はしゃぎ過ぎだぞイアイ?」

 

「ああ、頭すんません」

 

突如現れたその者達を訝しげに見つめるが先程の自分達に向けられた威圧感が嘘の様にその存在の前には素直に頭を下げて詫びるイアイの姿に困惑する。

 

(誰じゃこいつら…?)

 

困惑しているリュラリュース達にイアイとハムスケは声を上げる。

 

「おい、おどれら頭を下げて跪きな?」

 

「我々の主の御前でござる!!」

 

「主…?主だと?」

 

その言葉を聞いてリュラリュースはイアイとハムスケが同時に現れた以上に驚愕する。

かの大魔獣2体が下僕として仕える存在……彼女の中で思い当たるのは一つしかなかった。

 

(あの二体が仕える存在じゃと!……まさか!『滅びの建物』の…!?)

 

「なんだぁお前…?」

 

「ふむ失礼した我が名はアインズ・ウール・ゴウンという。隣にいるのはマシンナーだ」

 

「どうも」

 

「ハハハハ!!彼奴が仕える程の者がどのような奴かと思っていたが、臆病者の名を持つものが主だったか!ここでお前を頭から食ってやるぞスケルトン!」

 

(どう考えても目の前の奴らが只者じゃないと気づかんのか!?こやつここまで愚かだったとは!)

 

「何を言ってるんだコイツ?」

 

「……さぁ?」

 

「こやつらは長き名前は勇気なき証と見なすんじゃよ…」

 

グの浅はかな考えと答えにリュラリュースは呆れを超えて怒りがこみ上げる。

かの二大魔獣すら従う程の存在が弱い筈がある筈が無い。リュラリュースはこの妖巨人と手を組んでしまった事を激しく後悔していた。一方のマシンナー達もグに呆れ果てていた。

 

「ヤレヤレ…イアイの話通り間抜けだな…」

 

「それで、お前はどう思っているのだ?」

 

リュラユースの言葉を聞き、アインズは「あのナーガは利用価値がありそうだな」と答える。そしてマシンナーは傍らに控えてるシズをちらりと見て、指示を出す。

 

「そうか…お前はまだ話がわかりそうだな」

 

「シズ」

 

マシンナーの指示を聞きシズはゆっくりと二体の前に出る。

そしてマシンナーから命じられた「試験運用」の合図が出る。

 

「……」

 

「実験開始だ、存分にやれ」

 

「了…解…」

 

グとリュラユースの前に立つシズ、それを見たグはグレートソードを持ち威圧しながらシズの前に出る。

 

「あぁ?なんだ小娘?食われてぇのか?」

 

グの威圧もどこ吹く風の如く、何時ものポーカーフェイスのままに待機状態になっているジャガーノートを取り出し、起動させる。

 

「ジャ…ガー……ノー…ト…」

 

『YesMaster』

 

シズの声を受け、機械的な音声を出しながら数多の装甲がシズを包み込む、それは徐々に形になって行きジャガーノートを纏ったシズが現れた。

 

「東の巨人、西の魔蛇…光栄に思え」

 

旧ジャガーノートが迷彩色のカラーリングだったに対し、新型のジャガーノートはシズの髪色と同じ赤金のカラーリングに変更されていた。変わったのは色だけでなく、二足歩行の重戦車の如き威容だった旧ジャガーノートであったが新ジャガーノートはマッシブなフォルムはそのままだが余分な重装甲を取り外されて少しスリムになっている。背部に装備されていたレールキャノンは全距離に対応できるように伸縮自在になっており、破壊力は勿論貫通力も強化されている。各部にゴテゴテと装着されていた武装も内蔵式に変更されゴテゴテとしていた外見からすっきりとしていた。

 

「ジャガーノートMk-2の最初の犠牲者になった事をな!!」

 

「……」

 

赤金の装甲を纏ったシズは全身から煙を排出させ「ズシン、ズシン」と力強くグに迫る。

それを見たリュラリュースは狼狽するがグは構うことなく突っ込んで行った。

 

「な、なんじゃあれ…「んなのこけおどしだ!!テメェから食い殺してやる!!」ま、待てグよ!!」

 

「おうらぁ!!」

 

グはグレートソードを力任せに振り下ろし、シズをジャガーノートごと叩き割ろうとする。

しかしシズはその攻撃を左手で難なく受け止めた。

 

「……」

 

「は…?」

 

自身の剛力に余程自信があったのか、ぽかんとするグだったがシズはそれを見逃さず右腕を回転弾倉付きの杭打機の様な形態に変形させる。

 

「…〈衝撃・形態〉(インパクト・モード)

 

右腕を大きく振りかぶり、そのままグの腹部に叩き込んだ。

 

「打ち抜く……!」

 

グの腹部に勢いよく叩き込まれた杭は弾倉の火薬を作動させてその破壊力を更に倍増させる。

シズの攻撃をまともに受けたグの上半身は血肉や贓物をまき散らしながら粉々に吹き飛んだ。

 

「なっ…!なっ…!?」

 

それを見てリュラリュースは驚愕するが、シズは捕獲ネットをリュラリュースに放ち動きを封じる。リュラリュースは抜け出そうともがくが、捕獲ネットは特殊な素材で出来ておりもがけばもがくほどリュラユースの身体に傷をつけて行く。グの能力である再生能力により下半身から上半身が生えてグレートソードを握り再び立ち上がる

 

「ぐっ…うう…」

 

「油断したぁ…だがそれが切り札だろう!?それで俺を殺しきれないなら俺が勝ったも『うる…さ…い…』あ?」

 

グの声を遮るシズ、その声には冷たい殺意で溢れていた。

シズは左手から鞭の様なものを出す。しかしそれはよく見ると蠍の尾の様に尖っており蛇の様に意思を持っているかのようにうねりっている。

 

「黙れ…」

 

「…テイル……アナライ…ズ…起動…」

 

「高…圧濃……硫酸…付加……」

 

「あ?」

 

そしてグを捕捉しそのまま勢いよく射出する。射出された鞭はグの脳天に突き刺さりグは悲鳴を上げた。

 

「射…出……」

 

「がああああああああああ!!」

 

更に鞭が禍々しい紫色に発光するとグは頭から徐々に溶かされていった。

リュラリュースはそれを見て驚愕し恐怖する。

 

(あ、あのグが溶かされている…!あ、あれでは再生が出来ん…!)

 

「が…タズケ……あ…嗚呼…溶け…あ……」

 

どろどろに溶けていき最後にはグが装備していた大剣のみが残った。

シズはそれを確認してマシンナーにグの撃破を報告する。

 

「……撃…破……完…了…」

 

「やれやれ…練習相手にもならなかったか」

 

「うーわ…えげつねぇのう」

 

「こ、怖いでゴザル…」

 

グが予想よりも早く撃破され、「もう少し粘ってくれればデータ取れたんだがなぁ…」と落胆するマシンナー、シズの攻撃を見てその凶悪さにたじろぐイアイと恐怖するハムスケ。ネットで囚われているリュラユースにアインズとマシンナーが近づく。

 

「さてと…西の魔蛇に問う…」

 

「な、なんじゃ…?」

 

「我々の傘下に入ってもらう、拒否すればここで殺す」

 

「わ、わかった!お主たちの傘下に入る!だから殺さないでくれ!!」

 

一応戦力として頼りにしていたグを目の前で滅びの建物の主のシモベにあっけなく惨殺されたのを見てリュラリュースはすぐに命乞いをして降伏をする。

 

「賢くて助かる、さっきのグみたいな輩じゃなくて良かった…」

 

「シズ、ネットを解除してやれ」

 

「ん…」

 

シズはリュラユースを捕縛していたネットを解除する。そして残りの妖巨人達をマシンナーが撃破するため動き出そうとする。しかし

 

「……」

 

「では…残りを潰すとしようか…シズ?」

 

「…お待ち…下さい…」

 

「……メイド…と……して…全て…掃除…す…る……」

 

「…わかった、頼むぞシズ」

 

「ん…」

 

シズはそう言うと、妖巨人達を始末するべくジャガーノートの武装を展開させる。

空中に自動拳銃の銃口の様な見た目をした武装が六つ現れる

 

「目標…捕捉…機銃端末(ピストルビット)……発射…」

 

六つの銃口から放たれる徹甲弾で妖巨人を蜂の巣にし、再生している隙に装填されている弾丸を酸属性の圧縮硫酸弾に変更し妖巨人達に発射しグと同じように溶解させる。

 

「フム…あれが改良型のジャガーノートの力か?」

 

「まだまだあるぞ?楽しみにしておけ」

 

「そうしよう…」

 

その後、マシンナーとアインズは洞窟を去る。リュラリュースは近くにいたハムスケとイアイに自分はどうなるのかを聞く。

 

「わ、儂は一体どうなるんじゃ…?」

 

「心配すんな蛇、頭は自分の傘下に入った物は悪いようにはせん、お前は運がええ…」

 

「ならええんじゃが…」

 

イアイの言葉に偽りは無いが、それでもまだ一抹の不安は残る。イアイもそれを察したのかリュラリュースに助言をした。

 

「ああそれとなんか情報を持ってたら話しておいた方が良いぞ?例えば…なんかやばそうな物とか」

 

「情報か…それなりにあるが、役に立つのか?」

 

「少なくとも知っている事全部話せばとりあえずは大丈夫じゃ…」

 

その後、洞窟内にアウラが派遣されてリュラリュースは彼女が困惑するほど従順に従い素直に聞かれたことを話していき、大森林の支配に多少なりとも貢献する事になる

 

 

 

 

洞窟を出てナザリックに帰還した後「機械の楽園」司令部にいるジュドに今回の働きを労う。ジュドは見張りの始末以外に今回の件でカルネ村、建造途中のダミーナザリックに近づこうとしていた「東の巨人」と「西の魔蛇」の配下を己の手でまたは仕掛けた罠で人知れず始末していた。

 

「ジュド、ご苦労だったな…」

 

「気にするな、新参はまず己を認めてもらわんといかん」

 

「それに、お前やアインズの信頼を得なければならない…」

 

「シズの件なら…」

 

「お前は良いかもしれないが、他の奴らも同じというわけでは無いだろ?お前やアインズが釘を指してくれたから表向きはまだ何も無いが…いつ闇討ちされるかもわからん」

 

先日の一件もありナザリックのシモベ達はジュドを信用していなかった。マシンナーのシモベとして仕える身になったので表向き手を出すことは無いが、それでも棘のある視線は感じていた。その為己の身の安全を守るためにアインズとマシンナーから任された仕事をこなして実績を積み上げて認めさせるしか無いと考えた。

 

「……何か怪しい動きがあれば俺に言え、それに仕事の時は極力側に置かせる」

 

マシンナーも勿論それに危機感を抱いており万が一の事も考えてジュドの身の安全を守るために打てる限りの手は打っておこうと考えていた。

 

「感謝する…」

 

ジュドはマシンナーの言葉に感謝の言葉を述べる。この数日間でジュドはマシンナーを「話の分かる相手でありそこまで悪い奴では無い」という認識をしている。

 

「気にするな、お前はこの異世界で初めて本格的に接触できた同胞だ、それに自分の身内は最後まで面倒みるのが俺の性分だナザリックの皆の信頼を得るのはまだかかるだろうが、何かあれば遠慮なく頼ってくれ……すまん、アインズと少し話をしなければならん、席を外す」」

 

マシンナーが言い終わる前にアインズからの〈メッセージ〉が届き、部屋から退出した。

 

「……思ったより悪い奴じゃなさそうだな」

 

マシンナーを見送った後、ジュドは一人でにそう呟いた。

 

 

 

 

 

マシンナーが円卓の扉を開くと、そこにはアインズが座って待っていた。

 

「マシンナーさん、急に呼んですいません」

 

「構いませんどうしました?」

 

マシンナーが席に着くとアインズは早速呼んだ理由を話し始める。

 

「はい、実は今日冒険者ギルドに顔を出したのですがその時組合の人に呼ばれて組合長と話をしたんです」

 

「一体どんな?」

 

「はい、なんでも『八本指』の討滅に協力してほしいと…」

 

『八本指』…王国に巣食う裏の組織で様々な悪事に手を染めている。マキナの調査により、その詳細が詳しく判明しており。当初は自分達の邪魔になるので潰そうと考えていたがデミウルゴスの提案により自分達に貢がせるという案が上がりデミウルゴスに計画を一任させた。

 

「八本指?例の闇組織ですか?」

 

「はい、マシンナーさんにもいずれ声を掛けると言っていました」

 

「そう言えば、蒼の薔薇とか言う冒険者チームが連中の麻薬の製造場所を潰しまくってるって聞いてますね…」

 

「はい、丁度デミウルゴスの『ゲヘナ計画』もこの機に乗じて開始しようと考えています」

 

「わかりました、主要メンバーの居場所を突き止めさせます」

 

「頼めますか?」

 

「お任せを」

 

「ありがとうございます」

 

アインズの話が淡った後はマシンナーも一つ要件を話した。

先日話したスレイン法国の件である。

 

「あ、後スレイン法国に潜伏してる部隊からの報告なのですが今日にも漆黒聖典の復活の儀式やるらしいです」

 

「わかりました、では打ち合わせ通りに…」

 

「わかりました」

 

 

 

 

スレイン法国の神殿の一つに多数の神官が集い魔法陣の周りに立つ。その神官達の中で高位の人物だとわかる豪華なつくりの服を着た人物がこれから儀式を行う事を宣言する。

 

「…これより蘇生の儀を取り計らう…」

 

それを聞いた神官たちは準備が完了していることを確認する。

 

「うむ、では始める…」

 

呪文を唱え始め、魔法陣には膨大な魔力が溢れ、光を発していた。

その儀式を覗いている小型の虫の様な物が天井で監視している。その小型の昆虫型ドローンを使役していた機械系異形種…マキナの潜入部隊が、部隊長に儀式の経過を報告する。

 

(魔力が予定値に達しました…)

 

(うむ、やれ)

 

(はっ…)

 

隊長の指示を受けて偽隊員は小さなスイッチを押す。その瞬間、神殿の辺り一面が爆音と共に吹き飛び神殿は後跡形も無く崩壊した。すると爆発を聞いたスレイン法国の神官や兵士たちが一斉に集まり出してその惨状を見て崩れ落ちる。

 

「なんだ!」

 

「なにがあった…!!」

 

「な、神殿が…」

 

「崩壊してる…」

 

「これでは蘇生の儀式は当分出来んぞ!」

 

「漆黒聖典の蘇生が遅れればどれだけの被害が!!」

 

「嗚呼…神よ、どうすれば良いのですか!!」

 

あまりの出来事に狼狽している者や崩れ落ちて放心する者、神に無意味な祈りを捧げている。

隊員は成功した報告を部隊長に報告する。

 

(成功です、神殿は周囲の建造物を巻き込んで崩壊しました)

 

(ご苦労、戻れ)

 

(了解…)

 

隊員は姿を不可視化させてその場を離れる。

その後報告を受けたマシンナーがアインズに報告をした。

 

「モモンガさん、神殿の爆破を完了しました」

 

「そうですか、我々の事を知られるのを延ばせましたね…」

 

「ですがまだ問題はあります」

 

「ええ、番外次席ですね?」

 

「はい、マシンナーさんのお陰で部屋の場所は特定できましたが…」

 

「はい、それ以上はわかってませんね。調べようにも一度バレかけましたし…」

 

一度番外次席が守護している部屋の内部に超小型のドローンを入れてある程度録画する事は成功したが番外次席がドローンの方に振り返ったので速攻で退散をした。

 

「ですね、やはり油断できない相手です…」

 

「連中に対する『嫌がらせ』のネタはまだまだあります、ちょいちょいしかけてやりますよ」

 

それを聞いたアインズは内心苦笑する。マシンナーが言う『嫌がらせ』はどれも質の悪いものばかりであり、ユグドラシル時代でも敵対ギルドに「るし☆ふぁー」と共に嫌がらせをして苦しめていた。

 

(敵対関係とは言え流石に同情するなぁ…)

 

この「嫌がらせ」の数々がスレイン法国を内外から徐々に滅ぼしていく要因の一つになるのはまだ先である

 




詳細解説:ジャガーノートMk‐Ⅱ
ジュドの攻撃で中破したジャガーノートを今までの戦闘データを元に修理とアップデートを兼ねて改修、全身に装着されていた重装甲を外してウィークポイント部分に重点的に装着、機体の大幅な軽量化を果たす。機体の駆動系も新調され運動性、機動性も上昇。出力も強化され全体的にパワーアップをしている。シズの戦闘スタイルとスキルに合わせて装備も変更されている。迷彩色からシズの髪色に合わせた赤金のカラーリングに変更されている
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