シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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第63話 お誘い

「東の巨人」と「西の魔蛇」の問題を解決して数日後、マシンナーはエンリ達に問題の解決が出来たことを報告する為にカルネ村に向かう。エンリの居場所を聞くために村長に話しかけた。

 

「村長、急に来てすまない。エンリとンフィーレアは何処にいるかな?」

 

「これはマシンナー様、エンリ達なら今工房におりますよ?」

 

「そうか、ありがとう」

 

マシンナーは工房に続く道を歩いていき、工房につく。

 

「ついたな、さてと…」

 

扉をノックしようと手を出すが一瞬手を止める。

 

(……もし中で2人が良い雰囲気だったらどうしよう)

 

そう思った後、マシンナーは小型の虫型ドローンを扉の隙間にいれ工房に潜入させる。

 

(そうだ、これは俺がお邪魔虫にならない為にも仕方のない事なんだ)

 

ドローンを介してみた映像には研究をしているンフィーレアとそれを見ているエンリの姿があった。

マシンナーは安堵して今度こそ扉を叩く。

 

「……只世間話してるだけだな、ヨシっ」

 

「すまない、マシンナーだ開けてくれないか?」

 

「おはようございますマシンナー様、どうしたのですか?」

 

扉を叩いた後、ンフィーレアが扉を開けて出迎えてくれた。

マシンナーは問題が解決したことを二人に伝える。

 

「ああ、例の「東の巨人」と「西の魔蛇」の件片付いたぞ?」

 

「本当ですか!」

 

「良かった、ありがとうございます!」

 

それを聞いた二人はマシンナーに感謝の言葉を述べる。

しかしマシンナーは今回の事を踏まえて同じような事があればまた報告するように話す。

 

「だが、もしかしたらまたここら辺を狙ってくる者もいるかもしれん。何かあればすぐに言ってくれ」

 

「わかりました!」

 

その後マシンナーは以前エンリに上げたアイテム《古代の機械胸像》の事について尋ねる。

 

「そう言えばエンリ、古代の機械胸像はまだ持ってるか?」

 

「あ、はい持っております、どうぞ」

 

マシンナーに聞かれて、エンリは取り出しそれを差し出す。

マシンナーは手に取り、調べるように眺める。

 

(……ふむ条件は満たしてるな、安心した)

 

その後マシンナーはエンリに返してある事を告げる。

 

「エンリ、もしもの事態になったらもう一度これを使え、手順は一度目と同じだ」

 

「え?何か効果があるのですか?」

 

「ああ、もう一度モンスターを呼ぶことができる。まあ使ってみてのお楽しみだな」

 

「そうなんですか…」

 

その後エンリが畑の仕事で工房から離れてンフィーレアと二人になる。

ンフィーレアの研究を見ていたマシンナーはンフィーレアに声を掛ける

 

「…なあンフィーレア」

 

「なんでしょうか?」

 

「エンリとの関係はどうだ?」

 

それを聞いて、ンフィーレアは誰の目からもわかるくらいに動揺する。

マシンナーはそれを見て進展してないと確信した。

 

「え!?……あ、その…」

 

(あ、これ進んでないパターンだ…)

 

何かアドバイスしようと思ったが恋愛経験の無いマシンナーはその面の的確なアドバイスはできない。

なのでマシンナーは自分なりに考えた答えた。

 

「…焦らず堅実にエンリの好感度を上げていけ、ンフィーレアは人当たりが良いからその方が確実だ」

 

「勿論そのつもりですけど…エンリに頼られる存在にもなりたいんです」

 

「でも、力ならエンリの方が強くて…彼女ゴブリンに腕相撲で勝つんですよ、僕なんて一捻りですよ」

 

ンフィーレアの思いを真摯に聞いていたが、エンリの腕力の事を聞くと少々狼狽してしまう。

が、すぐに持ちこたえてなんとか言葉をひねり出す。

 

「え?なにそれ怖…」

 

「だからどうすれば良いのかなと思って…」

 

「ンフィーレア、頼られるのは力だけじゃない。そうだな…例えばお前は頭が良い。それに知識もたくさんある、それを活かしていけばエンリからも頼られると思うぞ?実際に俺とアインズはお前の才能を頼りにしてる」

 

「マシンナー様…」

 

こう言ったマシンナーだったが、一つ心配な点もあった。

それはエンリにあった。

 

「まあでも最大の問題はエンリの鈍感さだな…」

 

「あ…」

 

マシンナーの言う通り最大の難関はエンリの鈍感さだ。

その鈍感さにマシンナーは「彼奴はハーレム系ラノベの主人公かよ…」と突っ込んでしまう位には。

 

「……俺が思うに下手に口説くよりストレートに告白したほうが良いと思う」

 

「やっぱりそう思いますか…」

 

2人で話し込んでいるとンフィーレアの様子を見に工房に来たエンリに声を掛けられ慌てるンフィーレア

 

「何話してるの?」

 

「え?ああいやなんでもないよエンリ!」

 

「?変なの…」

 

(頑張れンフィーレア、俺も頑張ろう!)

 

 

 

 

カルネ村を出た後マシンナーはダミーのナザリックを建造しているアウラの下に建造状況を聞きに向かって行った。アウラはマシンナーを出迎える。

 

「あ、マシンナー様!お待ちしておりました!」

 

「待たせたなアウラ、ダミーのナザリックの建造はどうなってる?」

 

「はい、このままいけばもう少しで完成です!」

 

アウラの言う通り、ダミーのナザリックはおよそ8割近く完成しており、完全に完成するにはあと少しの時間で充分だろう。

 

「そうか、あの後魔物やモンスターは来たか?」

 

「いえありません、あのリュラリュースって奴が上手く抑えてて…」

 

「そうか、やはり生かしておいて正解だったな」

 

仮にも西の魔蛇と呼ばれ恐れられ、大森林の大物の一体として君臨していたリュラユース。戦闘力は兎も角統率力はグに比べれば遥かに高かった。

 

「それでアウラ、西の魔蛇の事だがお前に素直に従ってるか?…」

 

「彼奴ですか?なんか…思ったよりも大人しいんですよね、しかも気持ち悪いくらい従順で正直気味悪い位なんですよ…」

 

アウラの言う通り、リュラリュースは彼女が困惑するほど従順で指示には大人しく素直に聞いた。

元々リュラリュースのシモベだった魔物たちもリュラリュースが入念に釘を刺しておいた(反逆せし者は殺害したが)お陰で配下の魔獣たちも懸命に働いている。

 

「ほう、賢い奴だとは思っていたが…(よっぽどグの死に方に恐怖を抱いたんだろうなまあ気持ちわかるけど)」

 

リュラリュースがそこまで素直になったの事にマシンナーはグの死にざまを思い返し、リュラリュースに少し同情する。

 

「……どうします?マシンナー様のご意志とならば殺しますけど?」

 

アウラの物騒な質問に「おいおい」と思いつつ怪しい動きがあれば報告する様に指示を出す。

 

「いやまだ良い…だがもしも反逆の意志ありと見ればすぐに報告してくれ」

 

「わかりました!」

 

「それと差し入れを用意してきた、休憩時間になったら働いてるもの達と共にでも食べてくれ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

ナザリックに戻り、『機械の楽園』の執務室で事務処理をしている。

隣にはシズもいる。不意にマシンナーはシズにジャガーノートの使い心地について聞いてみる事にした。

 

「シズ、ジャガーノートの使い心地どうだった?」

 

「前よ…り……小回りが…利…く」

 

そう言うと端末形態のジャガーノートをマシンナーに見せる。

ジャガーノートも答えるように光り輝く。それを聞いて内心少し安堵する。

 

「そうか、改良前の特徴だった重装甲を減らしたからな、機動力や運動性も上がっている」

 

「非常…事態の……近接…にも…対応でき…る…」

 

「これからも定期的にアップデートする予定だ、そうすればジャガーノートは益々強くなる。格上相手でもそう簡単にはやられん位にな」

 

それを聞いてシズは少し考え込んでマシンナーに話す。

 

「…マシン…ナー……様…相手…でも…?」

 

「!……シズの冗談を聞けるとは思わなかった」

 

意外な事を言ったシズに一瞬驚きながらもフと笑みを浮かべて答える。

 

「……ごめ…ん…」

 

「いや、良い新鮮だった」

 

「……」

 

そう言われたシズは照れているのか少し頬を染めている。

マシンナーは少し間を置いてシズに話しかける。

 

「なあ…シズ…」

 

「…?」

 

「その…飲みに行かないか、ジャガーノートの初陣と初勝利祝いに…」

 

頭を掻きながら少しぎこちなさそうにシズを誘うマシンナー。

 

 

「ん…」

 

(よっしゃ念願のシズと一緒に飲みに行ける!)

 

内心、お祭り状態なのだがおくびにも出していなかった…。

 

 

 

 

マシンナーはシズを連れて副料理長が経営しているバーに入る、副料理長2人に頭を下げて席に案内される。マシンナーは副料理長にバーボンを注文をした。

 

「副料理長、いつものバーボンで」

 

「畏まりました…」

 

「シズ、お前は?」

 

シズは少し考えて、マシンナーと同じバーボンを注文する。

 

「同…じ……の…」

 

「良いのか?アルコールの度数高いぞ?」

 

「大丈……夫…」

 

マシンナーは少々不安だったがシズは大丈夫と言ったので注文をした。

 

「わかった、副料理長頼む」

 

「畏まりました」

 

しばらく経った後、副料理長がバーボンの入ったグラスを二つ持ってきて、マシンナーとシズに渡す。

マシンナーとシズはお互い注文したバーボンを手に取る。

 

「乾杯」

 

「ん…」

 

互いのグラスを軽くぶつけ、バーボンを飲み始めた。

 

 

 

 

「うぃ~……」

 

「やっぱ酔ってる…」

 

最初は問題無く普通に飲んでいたが次第に飲むにつれて徐々に酔っていきバーボン一杯飲みほした後は完全にシズは酔いきっていた。「やっぱり止めれば良かった」と後悔するマシンナーだったが後の祭りである。シズは酔って頬を少し赤くしながらマシンナーに尋ねた。

 

「マシ…ンナー……様…」

 

「ん?」

 

「博士…は……今…何処に……いる…の……?」

 

それはシズの創造主であり、マシンナーがシズを嫁に欲しいと何度も頼み込んだ人物だ。

今でもその時の事はよく覚えている。そして嫁にすることを許してくれた日の事も。

 

「……あの人はこの世界とは違う世界にいる、会うのは困難だと思う」

 

マシンナーは少し考えてからシズに話す。言葉を少々ごまかしながらも嘘は付いていない。

シズも自分の返事を予想していたのかやはりと言いたげな少々悲しそうな目をしていた。

 

「……」

 

「…会いたいか?」

 

「ん……会って…話が…した…い…色々…」

 

「そうか…そうだよな…」

 

シズの話を聞いてマシンナーはアルティマ達の事を思った、もしもあの時ユグドラシルの最終日に気付かないままだったらアルティマ達もこういう思いをしたんだろうなと感じた。

 

「…一…番……話したい…のは……マシ……」

 

「シズ…?」

 

言葉を言い終える前にシズはカウンターに目を閉じて突っ伏していた。そして静かに寝息を立てる。

それを見て完全に寝たのを確認した。

 

「…」

 

「寝ちまったか…」

 

頭を掻きながらどうしようかと考え、無難にプレアデスの部屋に一度送るという選択肢を取った。

マシンナーはシズを抱きかかえて席を立つ。

 

(プレアデスの部屋に運ぼう、道はわかるし)

 

マシンナーは立ち上がりシズを抱きかかえる。

 

「すまない副料理長、失礼する」

 

「は、またのご来店を…」

 

副料理長に礼を言った後プレアデスの部屋に着き、小型のサブアームでノックしようとしたがシズが目を覚ます。

 

「着いたな、さてと…」

 

「ん……」

 

「シズ?起きたのか?」

 

しかし酔いは醒めて無いのか寝ぼけまなこのままでマシンナーの顔をじっと見つめる。

 

「……」

 

「シズ?(可愛い)」

 

そんなシズに内心ほっこりしているとシズはマシンナーの首に手をまわした。

その行動は予想だにしていなかったので少々臆する。

 

「お、おい…」

 

「……」

 

そんなマシンナーをよそにシズは徐々に顔を近づけるそして…

 

"チュ"

 

「……!?!?!?」

 

フェイスガード越しに何かが当たる感触、そしてシズは顔を離して満面の笑みを浮かべながらこう言った。

 

「……大好き」

 

そう言ってシズはまた眠りに着いた。そこにルプスレギナが現れる。

 

「あれ~マシンナー様じゃないっすか?こんな所でなにやってるんで…ってシズちゃん腕に抱えてる!もしかしてアレっすか?お持ち帰りっすか!!?」

 

冗談交じりにマシンナー達に話しかけるが、マシンナーは全く答えなかった。それどころかルプスレギナに視線も向けていない。

 

「……」

 

不思議に思ったルプスレギナは何度か呼びかけるが一向に反応がない。

目の前で手を振っても同様だった。

 

「マシンナー様?マシンナー様?お~い…」

 

ルプスレギナは少し考えた後、はっと口を塞いだ。

 

「し、死んでる…!!」

 

その後ルプスレギナは「マシンナー様が大往生しちゃったす~!!」と叫びながら走り回った為、ナザリックが一時騒然となりこその一分後フリーズ状態から回復したマシンナーがその惨状を見て「え?何これは…」と唖然となってしまったという…。

 

「で?なんでフリーズしたんですか?」

 

「いったら自爆しそうなんで言いたくないです」

 

その後アインズに理由を問われたら「自爆すると思うんで言いたくないです」の一点張りで通した。

(因みにシズは眠る前の記憶しかなかったらしい)

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