シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器 作:t-eureca
リアルの方で色々あって筆が中々進まなかったので遅れてしまいました。
今年最後の投稿です、来年もよろしくお願いします(=゚ω゚)ノ
ナザリック地下大墳墓第六階層にある『機械の楽園』の執務室でマシンナー様は一人溜息を付いていた。
「ああ~…」
溜息を付きながら机に突っ伏している。原因は昨夜のシズと飲んだ時の事だ…。
「確かに聞こえたんだよな…大好きって…」
…された後、シズは小さくそう言ったのだ。
小さくてもはっきりと言ったので聞き間違いではない。
「あれもしかして俺に…いやいや早とちり過ぎだ別の奴の可…能…性…」
そう言うと不意に想像してしまう、自分では無い奴と談笑するシズ、自分では無い奴と戯れているシズ、自分では無い奴とイチャコラしてるシ…
「イヤああああああああ!!」
マシンナーは絶叫しながら頭を抱えて空を仰ぐ。
その時ドアをノックする音が聞えた。
『マシンナー様、アルティマです』
アルティマの声を聞き、仕事モードに頭を切り替えたマシンナーはアルティマに入るよう促す。
「ん?アルティマか?入れ」
「失礼します、マシンナー様こちらの書類なのですがお目を通して頂けませんか?」
「わかった、えっと…」
書類を受け取り、中身を確認するマシンナー。しかしふとアルティマの視線に気付き声ををかける。
「……」
「なんだ?」
「いえ、その…体調の方は大丈夫でしょうか?」
「え?あー…」
その質問を聞き、何故自分を見ていたのかマシンナーはわかった。
先日、わずかな時間に自分がフリーズした事だ
(シズにチューされてフリーズしてましたなんて口が裂けても言えねぇよ色んな意味で…)
原因が原因なので頭を抑えるマシンナー、それでも心配かけさせまいと声を掛ける。
「あまり御無理はなさらないでください、マシンナー様が倒れたら…」
「大丈夫だ、すまぬな心配かけて…」
その時ドアをノックする音が聞えたので入るように促す。
「入れ」
昨日の事を思い出し、一瞬臆するがいつも通りの口調で声を掛けるマシンナー。
「ッ…シズ」
「……」
「あ、その酔いは大丈夫なのか…?」
「ん…職務…に……支障…無…し」
「そうか、なら良いんだが」
「ん…」
どうやら昨日の事は覚えていない事を悟り内心安堵するマシンナー、そして今日すべきことを思い出しアルティマとシズに指示を出す
冒険者ギルドの扉を開け受付嬢に話しかけるレイブン
その隣に一人の青年を連れていた。
「失礼する」
「あ、レイヴンさん。どうなさいましたか?」
「冒険者登録してほしい奴がいるんだ、ジロー」
マシンナーに促されると青年はフードを取り鋭い目をした銀髪の青年が前に出る。
「……」
「コイツを冒険者登録してほしい、黒鋼所属で頼む」
「わかりました、少々お待ちください」
そして暫くしてジローに冒険者のプレートが贈呈され、黒鋼に所属しているのも登録された。
組合を出てマシンナー扮するレイブンとジュド扮するレイブンはエ・ランテルの街に出ていた。
「どうした?」
「いや子供の頃昔冒険者になろうと思っていた時期があってな…」
街を懐かし気に見渡しながらかつて人間だった頃の事を話すジュド。
それを聞いたマシンナーは興味ありげに聞く。
「ほう?」
「まあ身体を機械にしてからはもう諦めてたがな…」
「なら昔の夢を叶えられたって事か?」
「そうだな…だが、今は研究所と奴を止めたいがな…」
「そうか…」
その後ジュドはマシンナーにある事を御願いする。
「少し回っても良いか?街の様子が見たい」
「わかった、迷うなよ?」
「子供か…」
マシンナーの軽口に突っ込みながらジュドはエ・ランテルを散策する事にした。
昔子供のころに養父に連れられてこの街に改台に来ていたのを思い出す。
「あまり変わってないな…エ・ランテルは」
「あっ!」
そう歩いてると不意に誰かとぶつかってしまい、前を見ると金髪の少女がぶつかって尻もちをついており、恐らく買い出しで買ってきた物を散乱させていた。
「悪い、大丈夫か?」
ジュドは少女に手を延ばして起き上がらせる。少女は魔術詠唱者が使う杖の様なものを握っており。服装もそれらしい格好だった。
「平気…そっちは?」
「生憎身体は頑丈でね…それより拾うのを手伝おう」
「ありがとう…」
ジュドは落ちたものを拾い少女に渡していく。
「ああ、走る時は気を付けろよ?」
「そこまで子供じゃない」
「む…悪かった…」
「…なら良い」
ありがとうと礼を言うと少女は足早に去っていった。
「もしこの身体になってなかったら俺はどんな冒険者になってたんだろうな…」
そう呟くがすぐに考えを切り替え、自分のやることについて改めて決意を固める。
暫く歩いた後マシンナーと合流をした。
(もう昔の事だ、今は養父さんの研究所を探し出さないと)
「おう、どうだった?」
「良くも悪くもあまり変わってないな王国は…」
「まあ相当腐敗してるらしいけどな」
「そうか…」
「そう言えば今のお前の冒険者の階級はアダマンタイト級だったか?」
「ああ、そうだ」
「冒険者になって半年も経ってないのにと言いたいが、お前の戦闘力なら納得だ」
「実際はそれより強いけどな」
少しドヤ顔をして言うマシンナーに溜息をするが、実際そうだから何とも言えない。
「全く…」
「近いうちに依頼が来るだろう、記念すべきお前のデビュー戦だ」
「楽しみにしておく、それよりだ…」
「ん?」
「本当はシズと来たかったんじゃないか?」
そう言った後マシンナーはジュドの頭を拳骨で小突く。
ジュドは頭を抑えながら苦悶の声を上げる。
「痛ってぇな…」
「変な事聞くんじゃねぇ!」
目を赤くし全身から煙を排出させながら凄むマシンナーに若干引きながらも講義をする。
「本気で殴るなよ…」
「心配するな、本気でやったらお前の頭潰してる」
「取り合えず帰るぞ、書類を済まさんとな」
「了解だ…」
その後マシンナーとジュドはエ・ランテルを出た後<転移門>でナザリックに戻り、マシンナーは書類整理に取り掛かるのであった。
「戻った~さて書類片すか…」
机に置かれた書類に目を通そうと手を延ばそうとしたが、扉からノックの音が聞えはいるように動かす。
扉から盆に緑茶と包みで隠された菓子を載せたシズが入室する。
「シズ…」
「休憩…お菓子…持って…来た…」
「そうか、悪いな」
「良い…」
盆の上に乗せられてる菓子の包みを開く。包みを開けるとどら焼きが入っていた。
「どら焼きか?」
「嫌い…だっ…た…?」
「嫌いじゃねぇよ、それにシズが選んできてくれたんだ。ありがとう」
「ん…」
マシンナーは茶を一口付けた後、どら焼きを齧る。不意に昨日の事を思い出しシズをちらりと見る。
「……」
「?…な…に…?」
「あ、いやなんでもない(普通聞けねぇよ…)」
しかし、このままにするわけにも行かないので思い切ってシズに聞いてみる事にした。
「その…シズ、昨日の事なんだが…」
「…昨日…!」
一瞬首を傾げるが、即座に昨晩の事を思い出しマシンナーに頭を下げる。
「その…『ごめ…ん……なさ…い…』え?」
「酔って…寝ちゃっ……た…迷惑…マシンナー様に…かけ…た…」
予想外の反応にマシンナーは少し焦りながらもシズに気にしてない事を伝える。
それと同時に昨日の事を覚えてない事に若干複雑な思いをしながらも安堵していた。
「え?いや全く気にしてないぞ、心配するな」
「ん…」
「ああ、そうだ。どら焼き半分こして食わんか?」
「…良い…の…?」
「ああ、ナイフは…」
マシンナーはナイフを探そうとするが、シズは袖からナイフを出して切り分けた。
それをマシンナーに手渡す。
「ん…」
「ありがとう、じゃあ」
「「いただきます」」
2人でどら焼きを齧り出す、中に入ってる粒あんの甘みが口いっぱいに広がった。
「久しぶりに食べたが美味いな」
「ん…美味…し…い」
お互いどら焼きを食した後、シズはマシンナーに質問をする。
「マシン…ナー様…甘いの……好…き…?」
「嫌いではないな」
シズは少し考えた後マシンナーに話しかける。
「…今度……私の…特製ドリンク…飲…む…?」
「確かいつも飲んでる奴か…?興味あるな」
「!……今度…持ってく…る…」
その言葉を聞いてマシンナーは一瞬キョトンとするがすぐにマシンナーは答える。
「そうか、楽しみにしてる」
「ん…」
シズはいつも通り答えるが内心ガッツポーズをし、マシンナーは内心大喜びした。
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数日後組合いに呼ばれ、レイヴン達は組合長の部屋に呼ばれ事の詳細を聞く。
「謎の…集団ですか?」
「ああ、ここ最近目撃されててね?何度か冒険者を派遣したのだが…」
組合長が言うにはその付近で往来している行商人から怪しい影を目撃したとの報告が多数寄せられてきたので調査として多数の冒険者を送ったのだが、結果は全員未帰還であり組合長は例の改造人間の事を思い出し、万が一の場合に備えてかつて改造人間の集団を撃破したレイブン達黒鋼に依頼をしたのだ。
「それで我々に…?」
「ああ、もしかしたら例の奴等かもしれない。そこでレイブン達に調査を依頼したんだ」
モモン達にも依頼しようとしたのだがモモン達は帝国に先約があり来られなかったらしい。
それもあり、レイブン達が依頼を引き受けたのとてもありがたかった。
「わかりました、準備の完了次第向かいます」
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鬱蒼とした森の中、フードを被った数名の者達が集まり会話をしている。
フードの者の一人が中から目を赤くさせながら問いかける。
『…見つけた…か…?』
『いや…』
『……』
その時奥からもう一人フードを被った者が現れ口を開き報告する。
『反応…してる…』
そう言うとその者は懐から液晶の付いた小さな機械のような物を取り出す。
液晶からは赤い光が場所を示すように点滅していた。
『…強い』
そう言うとフードの者達はその点滅している箇所に飛ぶように移動し始める。
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組合長に依頼されて1日後に問題の森で調査をするレイブン達だが中々反応や手がかりの様なものは見つからずにいた。
「ジナ、何か反応したか?」
「いえ、コチラには何も」
「こっちも無い」
「私…も…」
「めぼしいのはありやせんぜ」
レイブンはドローンを飛ばして捜索範囲を広げるかと考えていた時、ジローが何かを見つけピンセットで掴む。
「ん?」
「どうしたジロー?」
「…肉片だ」
「肉片?獣のか?」
ジローがその肉片を解析する。一分にも満たない間に解析を終えてレイヴンに報告する。
「いや…精巧に作られているがこれは人工的に作られている」
「何?という事は…」
「レイヴン様…例の…」
「可能性は高いな…ん?」
その後レイブンはドローンを幾つか飛ばし違う場所に探索に向かう、しかし探索している途中に倒れている人間がいるのを見つける。
「おい、大丈夫か?」
ジュドがその人物に駆け寄る。見た所服装は神官の様な格好をしており冒険者かと思ったが、冒険者を示すプレートが見当たらない。
「う…ウゥ…」
「…こりゃ酷いな、ポーションを」
レイブンの指示でジナがポーションを渡し、レイブンはそれを飲ませた。
神官はある程度回復したのか途切れ途切れになりながら喋る。
「ぐ!、ハァ…はぁ…貴方達は?」
「冒険者チームの『黒鋼』だ、神官みたいな格好してるけどあんた誰だ?」
「私は「フォーサイト」というワーカーのチームに所属しているロバーデイクというものです。助けていただきありがとうございます…」
「(冒険者のプレートが無いから薄々感じていたが当たりか)ワーカー?何でこんな所に?」
「多分…あなた方と同じ目的かと思います、ここら辺で不可解な事が起こってるのでその調査に…」
通常ワーカーはあまり信用されないが、そんな彼らにまで依頼をしたという事は王国と同じような事態になったからだろうとマシンナーは考えた。
「(やれやれ…人材不足はどの世界でも必定なんだな…)他の奴らは?生き残ってるのはアンタだけか?」
「いえ仲間が3人、やられてはいないと思いますが…」
「…取り合えず森の麓まで連れて行く、もしも仲間を見つけたらアンタの事話しておくよ」
「ありがとう…ございます、どうか…仲間を…」
そう言うと気を失う。レイブンは内心面倒事が増えたと溜息を付くが放ってもおけず抱えて麓まで連れていく事にした。
「……とっとと連れて行くか」
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その後レイブン&マグノリア、ジナ&イアイ&ジローに分けて探索をする事にした。
森の中を探索するレイブンとマグノリアだが今の所反応はない。
「さてと…シズ、何か反応あるか?」
「…反応…無し…」
「フム…」
それから暫く歩いてると、マグノリアが立ち止まり、レイブンに報告する。
「生…命…反応…あり」
「何?」
マグノリアが指示した方角に歩いてみると、そこにワーカーと思われる2人がおりエルフと思われる女性が男を介抱していた。
「(さっきのワーカーの仲間か?)おい、そこのエルフの姉ちゃん。何してる?」
「!?」
すると声を聞き、驚いたのか振り返り弓を構える。
レイブンは両手を上げて敵意が無い事を示す。
「あ~待った待った!敵じゃねぇ、冒険者だ!ほらプレートあるだろ?」
「…アダマンタイト級!?」
「プレートが無いけど、フォーサイトっていうワーカーか?」
「なんで知って…」
警戒する様にレイブン達を見るがレイブンは警戒を解くために理由を話す。
「ロバーデイクって奴を偶々見つけてな、治療して麓まで送った。ポーション渡すから相棒にそれ飲ませて下りろ、ここは危険だ」
理由を聞いて仲間が無事なのを確認した安堵する。
レイブンはポーションを渡して2人に森から出るように伝えたが拒否される。
「ま、待って!もう一人…アルシェがいるのよ!なんとか見つけないと…」
「もう一人?ったく…救助で来た訳じゃねぇってのに…」
厄介事が増えて頭を掻いてるとマグノリアがレイブンに話しかける。
「レイブン…」
「どうした?」
「何かが接近してる…」
「何…?」
そう言うと大きな地響き共に木々をなぎ倒しながらそれは現れた…。
「なんだありゃあ…?」
15mはあるであろう巨体、灰色の皮膚に筋肉質で強靭な四肢、顔には口や鬼の角の様に隆起している部分があるが目と呼べる部分は無い。しかしレイブン達を認識したのか大きく雄叫びを上げた。
「…雄おおオオオオおおおお!!」
「気持ち……悪…い…」
「同感だ」
先陣を切るようにマグノリアがクロスボウから爆破能力のある矢を巨人の顔に向けて射出するが巨人は防御する事もなく顔に矢が刺さり爆発する。
「ん?」
しかし煙が晴れると爆破した部分に金属の光沢が見えていた。さらに爆破した箇所の皮膚が徐々に再生していき完治していく。
「皮膚の下に金属だと?まさかあの化け物…」
そう言ってる最中に巨人はその剛腕をレイブン達に振り下ろす。
「ちっ!兎に角ぶちのめすしかねぇか!!」
剛腕を躱しレイブンは斬艦刀を抜いて巨人にその刃を叩き込む。
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一方、レイブン達と別行動で探索しているジナイーダ達…。
「何も見つからないねぇ…」
「ああ…」
「ふぅ~…ん?」
イアイが立ち上がり、臭いを嗅ぎながら周囲を見渡す。
そして近くに人間がいる事を伝えた。
「どうしたの?」
「人間の臭いがする、血の匂いや」
「何?」
「イアイ、案内頼むよ」
「あいあい」
そう言うとイアイは臭いのする方角に進みだす。
暫く歩いてると血を流しながら倒れている少女の姿があった。
「アレは…」
ジローはその少女を見て驚く、それは昨日街でぶつかった少女だった。
ジローはすぐに駆け寄る。
「おい、しっかりしろ!!」
ジローの声を聞いて少女はうっすらと目を開ける。
「貴方…昨日の…」
「あん?知り合いかよ?」
「昨日初めて会った。ポーションだ、気分がよくなる…」
ジローは少女にポーションを飲ませようとしたが、少女はそれを制し警告する。
「駄目…逃げて…彼奴等が来る…」
「彼奴等?」
するとイアイガ立ち上がり威嚇する様に唸り声を上げる。
「兄ぃ、この前の奴と同じ匂いの奴が結構な数で来とる…」
イアイの言うとおり、茂みの奥から複数の足音が聞こえてきていた。
恐らく、この少女に危害を加えた者達だろう。
「ヤレヤレ…ジロー」
「わかった…」
ジナイーダの言葉を聞いたジローは少女を守るように立ち、拳を構える。
ジナイーダは太刀を構え、イアイは両腕を大きく広げた。
「……」
「……」
「……」
そして黒衣を来た者たちが10人現れ、それぞれ武器を構えている。
「来たな…」
「10人位はいそうだね」
「合体する前にねじ伏せるとしましょうや…」
そして黒衣の者達が一斉に襲い掛かる…。