シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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今年最後の投稿です。来年もよろしくお願いします。

追伸
この話の時系列はは本編より少し先の未来です。そこまで問題ありませんが少しネタバレがあります。


クリスマスの二人

白い雪が一面に広がる景色。しかしその景色に似つかわしくない轟音と悲鳴が周りに木霊していた。

その発生源から二つの軍団が相対していた。

一つはマシンナーの直属の軍団<マキナ>、もう一つは元リ・エスティーゼ王国の貴族派の残党、スレイン法国のタカ派や魔導国に反感を持ったもの達が集まった<反魔導国同盟>……なのだが先日行われた掃討作戦で全体の八割が粛清を受けており、その残党がこの極寒の地まで避難していた。

 

「まだかかるか?」

 

「はい、マシンナー様、連中の抵抗が予想より激しいようで」

 

「全くクリスマス位静かにやってくれもんかねぇ…」

 

そこの丘の上で、マシンナーとアルティマが見物しており周りには護衛のラフトクランズが周りで待機している。

マシンナーとしては用事があるので若干面倒に思っていたが、連中を全滅させるには絶好の機会だったので渋々軍を動かしたのだ。

アルティマは「メッセージ」を前線にいるバレット・ローグに送る。

「メッセージ」を受け取ったバレット・ローグは持っていたライフルを発砲しながらメッセージに出る。

 

<ローグ、そっちの状況は?>

 

<まだこちらの損害は出てないが、数だけは多い。威力の高いのを使おうにも崩落などの危険もあるから使うに使えん>

 

初めすぐに終わるのではないかと予想していたが、残党が予想以上に抵抗しており少々長引いていた。

アルティマは戦況を打破しようとマシンナーに進言をする。

 

「マシンナー様、特機兵団と機獣兵団に突撃命令を出しましょうか?」

 

主の答えをジッと待っていたアルティマだったが、マシンナーから予想外の返答を返される。

 

「いや、生憎今日は時間はかけられん、兵を下がらせろ」

 

その答えがどういう意味かを一瞬で悟り顔を上げる。

 

「え?もしや?」

 

アルティマの疑問に一言で答え、マシンナーは立ち上がった。

 

「俺が出る」

 

「はっ!」

 

アルティマは無線で「マキナ」全体に指令を出す。

その口調は少し焦りが入っていた。

 

『総員退避!マシンナー様が出陣する!繰り返すマシンナー様が出陣する、死にたくなかったら早く退け!』

 

その命令を受けた他の隊長達は、それがどう意味かわかりすぐに各軍団に撤退命令を出す。

兵団は一目散に撤退し始めた。

 

「マジか…」

 

「仕方あるまい今日はナザリックでアインズ魔導王閣下のクリスマス会があるからな、時間をかけるわけには行かん」

 

「ヤレヤレ、奴ラモ運ガ悪イ、大人シクヤラレテオレバ…」

 

「テメェら聞いたな!?退避するぞ!」

 

「空中隊、陸上部隊、撤収だ!」

 

撤退を開始したマキナを見た同盟は困惑する者、命が助かって安堵する者、マキナが逃走したと勘違いして歓喜するもの等様々な反応を示していた。

 

「お、おい、奴ら退いていくぞ?」

 

「やったぞ!今こそ我々の大義を…」

 

同盟の一人がそう言いかけた時、何かがミサイルを発射しながら急降下して着地し煙が巻き上がり、徐々に煙が晴れて行く。同盟の兵士たちが恐る恐る視線を向けると…。

 

「だ…だ…」

 

「大元帥!!?」

 

ナザリック魔導国でのマシンナーの肩書を叫びながら、魔法をマシンナーに向けて放つがマシンナーの装甲によって全て無効化される。

 

「フィンファンネル」

 

背中から何本かの飛翔体を射出し展開させ、兵士たちに向かって発射をした。

 

「な、何か飛んで…ぐわぁ!」

 

「狼狽えるな!迎え撃て!」

 

兵士たちは矢や魔法で撃ち落とそうとするがそれを嘲笑うかの如く回避をし、報復とばかりに兵を射殺する。

その後マシンナーは他の種類の物も射出する。

 

「ファング、リフレクタービット、ソードビット、シザースビット、ファンネルミサイル…行け」

 

射出されたファンネルたちは一斉に襲い掛かり、兵士たちを切り裂き、打ち抜き、寸断し、破裂させた。

連合は一旦拠点に避難を開始するが、マシンナーの指示で拠点の各入口に侵入し惨劇を繰り返させる。

そしてフィンファンネルで拠点一体に結解を張り、完全に閉じ込める。

 

「さて、止めといくか…」

 

マシンナーは再び空中に上がり、静止すると胸の放熱板にエネルギーをチャージさせ、一気に放出した。

 

「ファイヤアァァァ……ブラスターアァァァァァァ!」

 

発射されたマシンナーの上半身が見えなくなるくらいに放出された超高熱の熱線は渦を巻くように拠点に襲い掛かる。そしてすさまじい爆炎と轟音を発しながら辺り一面を吹き飛ばす。

拠点があった周辺は巨大なクレーターとかしており、湯気が立ち昇っている。マシンナーはファンネルを収納しながら地上に着地する。

 

「お疲れ様です!」

 

「逃走したものは?」

 

「今の所確認されておりません、仮にあの拠点を抜け出せてもこの猛吹雪と包囲網は抜けられないものかと…」

 

駆け寄ってきたアルティマが敵の生存率の有無の報告を行う。最も、先程のマシンナーの結界と攻撃で完全に殲滅されている可能性が高いが。僅かなミスで大失態に繋がるのが世の常である事をマシンナーは充分理解している。

捜索する指示を出す。

 

「念の為索敵用のドローンと捕獲用、攻撃用のドローンを散布させておけ、それ以外の残りの者は撤収の準備、ある程度の捜索を終えたらドローンも撤収させろ」

 

「は!」

 

指示を受けたアルティマが他の隊長達にドローン散布の指示と撤収作業の指示を出す。

暫くの時間がたった後、回収部隊が到着し、ナザリックへ帰路を向けた。

 

 

 

 

ナザリックに到着した後、俺はモモンガさんの居る執務室に向かい、扉をノックしてモモンガさんの「入れ」と言う言葉の後扉を開けて入室した。

 

「戻りましたアインズさん」

 

「あ、お帰りなさいマシンナーさんお疲れ様です。で、連中は?」

 

「はい、一人も残さず殲滅しました。事後処理も終えています、敵側の生存者ですが今の所発見したという報告はまだ上がっていません」

 

それを聞いたモモンガさんは満足したように笑って(?)「それは良かった」と言った。

まあ、あの状況で生きててもあの猛吹雪じゃまず助からないだろうが…。

 

「そうですか、ありがとうございます。すみませんね、クリスマスだというのに…」

 

「いえいえ、なにかあったらまた報告します。後今からちょっと出かけてきます。何かあったらご連絡を」

 

「…シズとデートですか?」

 

「Yes」

 

「爆発しろ!!!!!!(楽しんできてください)」

 

アインズさんの答えに俺はサムズアップしながら答えると、アインズさんは何か言ってたが俺は何も気にせず執務室を出て行った。

 

「…いいなぁ」

 

 

 

 

俺は自室の扉の前に到着し扉を開ける。中にはシズが一人俺の部屋に置いてあるクリスマスツリーの飾りを弄っていた。

 

「ただいまシズ、遅くなってすまない」

 

俺の声を聴いてシズはゆっくりと俺の方向に振り向き、小走りで歩きながら俺に抱き着いてくる。

顔を上げて俺の方を見ながら「お帰りなさい」と言うシズに「只今」と返事をしながら頭を撫でた。

 

「…お帰り…お勤め…ご苦労……様……待ってた…よ……?」

 

「遅れてすまないな、それじゃ行こうか?」

 

「ん…」

 

俺はシズを連れてナザリック外に行く。

俺は空中で飛びながら雪が積もった木々が生い茂っていたが結構開けた場所に降り立った。

 

「雪…沢山……積もって…る…」

 

「この前からかなり降っていたからな、カルネ村は除雪作業を朝からしているらしい」

 

さっきアルティマの報告で余りにも積もっていたので除雪作業の手伝いとしてカルネ村を始め除雪車型の機械系異業種の集団を機動兵団から派遣したらしい。

 

「…村総出で雪合戦やってるってルプスレギナ…言ってた……」

 

「村人にゴブリン、古代の機械、守備隊でか?そりゃあ派手な雪合戦だな」

 

興奮のあまり死人が出ないと良いな、割と本気で。

「……」

 

「ん?なんだ?」

 

ジーっとコチラを見てくるシズに気づき、声を掛けるとシズはゆっくりと喋りだし、こう言った。

 

「雪…合戦…やり……たい」

 

「え?」

 

「…駄…目?」

 

俺は断る理由がないため、すぐに承諾する。

 

「良いぜ。どこでやる?」

 

「…ここ」

 

そう言うとシズは至近距離で俺の顔面に雪玉を投げつける。

ダメージなんて負わないが不覚にも不意を突かれてしまった。

 

「ぶっ!」

 

顔に着いた雪を手で拭い、辺りを確認するがシズの姿は見当たらない。

 

「…どこ行った?」

 

「…」

 

レーダーでも使って確認しようと考えたが流石にそれはなんか卑怯なのでそれは使わ…。

 

「うぉ!?」

 

次は後頭部に雪を喰らい、俺は赤外線のセンサーを作動させ周囲を見渡す。

 

(赤外線に切り替えて…)

 

そして森林を見渡しているとシズ位の身長の人型が写ったのを発見した。

俺に気づいたのかそそくさと移動していく。

 

(そうか、木々に溶け込みながら、神出鬼没のゲリラ戦法で来たって事か!)

 

シズの戦法が分かったが、逆転の考えを思いつかなければ今の状況を打開できない。

また新しい雪玉が飛んできたのですぐに回避する。

 

「ぬぅ!くそ…このままジリ貧だぞオイ…」

 

しかし人影が見えたので思い切り投げつける。

 

「りゃぁ!」

 

雪玉はしっかりと命中し倒れたので、俺は小さく拳を握った。

 

「良し!……え?」

 

しかし、次の瞬間間抜けな音と共に空気が抜けていき何故か萎んでいく。よく見るとシズによく似た風船のダミーバルーンだった。

 

「デコイは反則だろ…」

 

そうぼやいた後、センサーに反応が見つかりその方角に視線を向けるとシズが今まさに雪玉を投げようとしていたのを見つける。

 

「…あ」

 

「見つけた!」

 

俺はシズに向けて雪玉を投げ、その雪玉はシズの顔に当たる。

 

「…!?」

 

「良し今度こそ…」

 

追い打ちを考えて次の雪玉を構えるが、シズが一向に立ち上がらない。

 

「…シズ?」

 

力強すぎたか…?一応容赦はしたつもりなんだが…。

俺はシズの方へゆっくりと歩み寄る。

シズの元へたどり着くと俺は倒れているシズを揺さぶった。

 

「おいシズ?……シズ?」

 

「……」

 

あれ?本当に何も反応がしないぞ?まさか当たり所が悪かったのか…!

 

「おい、シz…ゔっ!」

 

俺が言いかけた時、頬に何かが当たる感触がした。

何が起こったのか目を開けると先程まで眠っていたシズはぱっちりと目を開け俺の両頬を掴んでいる。

…どうやら一杯食わされたようだ。

 

「…お返し」

 

俺を見てシズはふ、と笑いながらそう言う。

 

「…それは反則だぞお前」

 

「……勝てば…良かろう……なのだ~…」

 

お前はどこの究極生命体だと突っ込み、シズを抱きかかえる(お姫様抱っこで)。

 

「全く…どうする?まだ続けるか?」

 

「……満足…した」

 

「そうか、俺も久しぶりにやったよ。覚えてる限りじゃあ子供以来かな…?」

 

その時俺はあることを思いついた。そうだ、雪合戦もやったんだから雪だるまも作ろうじゃないかと。

 

「記念に雪だるまでも作るか?まあ晴れたらすぐ解けるが…」

 

「ん…」

 

シズもコクリと頷いたので、早速取り掛かろう。

 

「なら作ろう。材料も大量にあるからな」

 

 

 

 

「やれやれ、我を忘れてこんなデカいの作ってしまうとは…」

 

つい勢いに乗ってしまい、小さな小屋位の大きさの雪だるまが立っていた。

 

「……」

 

まあ、だがシズの指示もあったというのもあるが、我ながら上手くできたと考えている。

しかし、俺は雪だるまを見てあることに気が付いた。

 

(あれ?、シズの言う通り作ったが、これキンカンじゃね?)

 

そう、その雪だるまの見た目は前にパンドラが猫に変身し、シズがその猫の状態のパンドラに着けた名前がキンカンだ。中身パンドラだけど…気に入ってたからなシズ。

 

「…マシンナー」

 

「ん?どうした?」

 

「ちょっと…来て…」

 

「ん?」

 

急にシズが話しかけてきたので俺は視線をシズの方にむけるとシズは俺の腕を掴んで何処か連れて行こうと引っ張る。どこに行くのだろうか?

 

「結構歩いたがどこまで行くんだ?」

 

「もうすぐ着く…多分…」

 

俺はシズに手を引かれながら歩いていると、古い教会がポツンと建っていた。

よほど古いのか苔とか花が生えている。

 

「教会?」

 

「さっき見つけた」

 

俺は赤外線センサーを起動させ、教会内を調べると生命体等は確認されない。

おそらく誰も住んでいないのだろう。

 

「…見たところ誰もいないようだな」

 

「生命反応無し…」

 

「入るか?」

 

「……ん」

 

教会の中に入ると蜘蛛の巣が少し張っていたり、天井に大小の穴が空いていたが意外と綺麗な状態で保っていた。

そして奥には神父さんがよく立つ場所と十字架がある。

 

「へぇ、思ったより広いな…ん?」

 

「……」

 

シズが俺を向いていることに気づいて俺はシズの方を向く。

何かあったのだろうか?

 

「どうした?」

 

「…結……婚…する時…ここで…夫婦になるって…誓うって……聞い…た」

 

「ッ!、うん、まあ、うんそうだな……うん」

 

……まだ色々解決すべき問題はあるが勿論いずれプロポーズするつもりだ。

 

「……」

 

「…」

 

なんだろう、物凄く気まずい雰囲気だ…。

 

「マシン…ナー…」

 

「うぉ!、な、なんだ?」

 

「……練習…しよ?」

 

「え?」

 

「結婚…式…」

 

予想だにしていなかった頼みに、一瞬素っ頓狂な声が出て驚いてしまう。

 

「!?」

 

若干照れくささもあったが俺はその頼みを承諾した。

俺とシズは腕を組んで神父さんがよく立つあの場所に立つ。

 

『汝はこの者を妻にすることを誓いますか?』

 

「誓います」

 

『汝はこの者を夫にすることを誓いますか?』

 

「…誓い…ま…す」

 

少しの間を置いた後俺はシズに接吻する。

そして十数秒経過した後、互いに離れるが俺は照れ隠しにフェイスガードを下ろし、シズはマフラーで口元を隠す。

 

「……(何度かしたが、やっぱり照れちまうなぁ…)」

 

「……(やっぱり…ドキドキ……する)」

 

気恥ずかしさの中で俺はある事を思い出す。

今日シズをデートに誘った理由を。

 

「なぁシズ」

 

「…何?」

 

「これ」

 

「…?」

 

俺はシズに包みを一つ渡す。

シズに開けるよう言うとシズは丁寧に開ける。

中には銃弾型のペンダントが入っていた。

 

「こ…れ…は?」

 

「クリスマスプレゼントだ、今日渡そうと思ってな」

 

「…!」

 

「ありが…と…う…」

 

「いや、喜んでもらえてなによ「私も…ある…」え?」

 

「は…い…」

 

そう言うとシズも懐から包みを出す。開けてみると、シズと同じ迷彩柄の大き目のマフラーが中に入っていた。

俺はそのマフラーを首に巻きシズに礼を言った。

 

「ありがとな…シズ…」

 

「…うん」

 

お礼の言葉ににっこりと笑ったシズはこの雪景色よりも綺麗に見えた。

 

 

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