シズ・デルタに恋をしたナザリックの機動兵器   作:t-eureca

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前半デミウルゴス視点あります。

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第7話 悪魔の思いと隊長達

それは狂喜であった。

 

第七階層守護者のデミウルゴス、「ナザリック一の知恵者」と呼ばれる彼の胸の中の感情は計り知れない「狂喜」

で満たされていた。

 

ナザリックの主にして、至高の御方の纏め役であるモモンガを残し、何処かへ去っていた至高の41人。その内の一人である、マシンナーが意識を取り戻した。マシンナーが意識不明という事態を聞いたとき、多くのものが騒然となった。普段冷静な彼も大量の冷や汗をかくほどの衝撃であったのだ。そのマシンナーが意識を取り戻したと聞いた彼は心の中で狂喜乱舞した。そして彼は、来るであろう招集の命令を心待ちにしていた。玉座の間ではモモンガとマシンナーが会談を行っているであろう。今の自分は、その場に乱入し兼ねないほどの高ぶりを感じていたからであった。

 

暫くして、玉座の間へと緊急招集が行われた。

デミウルゴス以外のシモベ達もその理由は簡単に理解出来た。

 

そして守護者各位と、シモベ達は玉座の間に一堂に会する。

 

玉座には、死の支配者と漆黒の機械神が待っていた……。

 

それを目にしたデミウルゴスは視界が滲んでいくのを感じた。しかし無様な姿を晒す訳にはいかない……。

他のシモベ達も同様の思いだった。

 

「面を上げよ」

 

シモベ達全てが寸分の狂い無く同時に面を上げる。訓練された訳ではない。忠誠心がなせるワザだ。

 

「皆、よく集まってくれた。今日は皆に集まってもらったのは他でもなく、我が友であるマシンナーさんの意識が回復された」

 

シモベ達は一つ、黙したままであったが、その場の空気が明らかに変わった。理由は言うまでも無い事であった。皆、胸に込み上げる熱い思いを抑えていたのだから。

 

「さて、何故彼が一時期ナザリックから消えたのか、気になるだろう? マシンナーさん、すまないが、皆に話してくれないか?」

「無論だ、我が友よ」

 

マシンナーが立ち上がり一歩前へと進み出る。静かな重低音の足音と共に、その精悍な御身体が圧倒的な覇気を生み出し、それに圧倒されそうになる。

 

「その体勢ではきついだろう、立ち上がってくれ」

 

マシンナーの命令にシモベ達は先ほどと同じように同時に立ち上がった。

 

その言葉だけで、彼が本物のマシンナーだと、シモベ達は確認した。否、至高の41人の特有のオーラを放っている彼を、偽物だと判断する愚か者などいない。

雄々しくも他を圧倒する鉄の意思を具現化したような容姿に相応しい重低音での声が響く。

 

「皆、久しいな。先ほど目覚めた至高の41人の一人、マシンナーだ。これから俺が一時期ナザリックから姿を消したその理由を話そうと思う……」

 

至高の御方が、直々にお語りになった内容はこうだ……。

 

「俺はナザリックとは別の場所で、ワールドアイテムを得る為の資金を調達する為にある仕事をしており、その資金を調達していた……」

「しかし、その場所に敵が襲撃してきた為、俺はその迎撃に出た……」

「勿論、そこにシモベは配置してあった、実力も十分にある者たちだった」

「しかし、敵はそれ以上の者達で構成されていたため、俺が直接その者たちの迎撃に出たが、連日のようにそいつらは襲撃してきた為、俺は予想以上の苦戦をしてしまった」

 

そのくだりで至高の御方の至高の場所に襲撃するという愚か者の所業に、我々が例えようのない怒りを感じたのは当然だ。一切の救いようの無い愚者は、シモベ全ての殺意を一身に浴びる。

 

「そして最近になって、ようやくそいつらを殲滅させることに成功し、俺はナザリックに帰還をしたのだが、蓄積されたダメージが予想以上のものだったため、意識を失い、転移したナザリックの外に落下し、そこで幸運にもセバスに保護されたのだ……」

 

(……)

 

デミウルゴスは己の涙腺が緩んでいくのを感じた。主の危機を助ける事が出来なかった無念からなのか、それとも、そのような状態になりながらもナザリックに帰還しようとした、マシンナーの決意に胸を打たれたのか……。

おそらくは両方だろうと結論付け、至高の御方を前にして、込み上げる感情を抑える。

 

そしてマシンナーがシモベ達の前で正座をしたのだ。

 

(な……!)

 

「勝手な判断をして、皆に迷惑をかけただけでなく、余計な心配までかけてしまった。本当に……すまなかった」

 

そのまま深々と頭を下げ、謝罪をするマシンナーを前に、玉座の間に集ったシモベ達がざわめく。何をもって迷惑とするか…!

 

「皆が許してくれるなら、この醜態をこれからの働きで払拭させてほしい……」

 

あくまで汚名となされるのか……。そのようなこと我々は一切思っていないというのに……。

 

「もうナザリックから消えるような真似は決してしない!! そしてモモンガさんとナザリックの皆の為に、この力を振るう事を俺はここに誓う!!」

「最後に……、こんなことを言う資格は無いかもしれないが……俺がいない間、ナザリックとモモンガさんを守ってくれて、本当にありがとう」

「俺からは以上だ……」

 

……ああ、これは効く、どんな攻撃よりも……。

 

周囲を見れば、涙をこらえているものや、嗚咽を隠そうともしない者もいる、だがこれは仕方がない。そう思いデミウルゴスはこらえきれず頬を伝う涙を懐から取り出したハンカチでそっと拭った。

 

そしてマシンナーは再び椅子に戻った。

 

「では、皆に問う。マシンナーさんの復帰に異存は無いか? 私は、再び彼を迎えいれたい。この場に異を唱える者がいるならば、理由を聞こう」

 

そんな者が居る筈も無い。仮にそのような愚か者が居たならば、私は堪え切れずに一切の容赦なく無慈悲にこの場で殺してしまうだろう。

 

それは他の守護者達も同じ反応だ。

 

友人であるコキュートスも、周囲を見渡している、ハルバードを持っている手の力がいつも以上に強くなっているのが見えた。

 

「無いようですよ? マシンナーさん」

「それを聞いて安心した。では皆、これからよろしく頼む!」

「では最後に守護者達よ、最後にお前たちに確認したい事がある」

 

最後に守護者各位の思いを伝えた後、モモンガとマシンナーは円卓に転移していった。

 

 

 

 

ナザリック地下大墳墓第六階層<マキナ>拠点「マシーネ・パラディス」最上階司令室

 

豪華絢爛な玉座の間とは違う、近未来的なデザインと、数々のコンピュータや巨大なモニターが付けられた司令室。その部屋に相応しい椅子にマシンナー様は座っていた。

 

「やっべえ……あと少しだよ、緊張するなぁ……」

 

現在至高の四十一人の一人である俺は、絶賛緊張中であった。

玉座の間の時はモモンガさんがいてくれたが、今回は俺一人なのだ。

 

「そうだ、素数を数えよう……2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31 37 41 43 47……ってこんなんで落ち着けるかぁ!」

 

緊張のあまり、素数を数えるが、全く効果がないぞチクショウ……、あ、鎮静化された。

そういやこれがあったな、なんだかんだで便利だな、うん。

 

(あっちではボロを出さずにやれたんだ、なら今回のも上手くいく筈…)

 

鎮静化されたことにより、一気に冷静になった俺、そうだよ、自分が精魂込めて生み出したNPCと会うんだ、それは言わば自分の子供達と会うようなものだ、ここで無様なところを見せたら、父親の威厳()が崩れ去ってしまうことになる、いやそんなの元からないけど。

 

「……失礼します」

 

「ん……?」

 

一人で考え込んでいる間に一人、来たようだ。

 

視界に入った人物を俺はよく知っている。

 

髪は真紅のような赤と、髪の両サイドに赤い髪飾りがある。背丈はシャルティア程で人間そっくりの顔、少女のような顔と翠の瞳。

上半身は胸の部分に黒い装甲のようなパーツで覆っており、腕の部分は二の腕部分の肌が露出しており、左側の二の腕から下は黒地に赤の籠手が左右対照についていた。下半身は腰の部分にも甲冑のような装甲と袴のような衣装で覆われていた。

 

「アルティマ……」

 

アルティマ・レイ・フォース

 

自分が最初に生み出したNPCであり、役職は「フェツルム・レギオー司令官補佐官」である。

設定上では、フェツルム・レギオーの司令官である自分の補佐と参謀役も設定しているのだが、設定の中に「主であるマシンナーを傷つけたものに対しては、阿修羅すら凌駕する怒りをそのものにたたきつける」という設定がある。しかもブチギレたら、主である俺が制止しない限り、怒りが収まらないという設定までつけてしまったのだ。

単純なスキルビルドも、十分高いため、この世界では隠れ武闘派みたいなポジションになるだろう。まあそれは俺がちゃんと手綱を引いておけば大丈夫だと思う…多分。

あと、これだけは言っておく、アルティマは見た目は完全に女の子みたいだが、れっきとした「男」だ。

俺がアルティマの初お披露目をした時に、ぶんぶく茶釜さんに「男」と伝えたら、茶釜さんに「中々良い趣味してるじゃない…」と称賛されるがペロロンチーノさんには「マシンナーさん、そっちの性的嗜好があったの!」と盛大に誤解されたのだ。

見た目は人間みたいだがこいつには変形能力があり、本気状態の姿は別にある。

 

「マシンナー様、よくぞお戻り下さいました! アルは…アルはこの時を心待ちにしてました!」

「ああ……心配をかけてすまなかったな、元気そうで安心したぞアルティマ」

 

そう言った後に、アルティマは翠の目から液体を流している、なんだろう? ウォッシャー液かな?

 

「勿体ないお言葉! そのお言葉だけで、元気が出ます!」

「大袈裟だな、全く……」

 

苦笑いしながら俺はアルティマの頭を撫でていたのだが、何故か撫でている間、アルティマは口を開けたまま絶句している。何故だ?

 

「アルティマ?」

「あ、い、いえ、何でもありません、光栄です!」

「お、おう」

 

なんか人間みたいだな、俺と同じ機械系なんだが、こいつは感情豊かだ。

そんな事をしている間にもう一人来ていた。

 

「一番を狙っていたが、アルティマに先を越された……」

「バレット・ローグ……」

 

使い込まれたマントをなびかせながらカーキ色のロボットが立っていた。

無骨そうに見えるが、実用的な増加装甲であるチョバムアーマーを肩や足に装着している。右肩は血のような赤で染められており、左肩にはナイフを装備していた。ヘルメット状の頭部には狙撃用のバイザーが装備されている。

顔はバイザー状の目をしているが、その奥から二つの眼が光っていた。

 

「御帰還お待ちにしておりました、総司令官(コマンダー)マシンナー様」

「ああ、いま帰ったぞローグ」

 

バレット・ローグ

 

俺の軍団(フェツルム・レギオー)の部隊の一つ、機人兵団の隊長で、プロの兵士というコンセプトで制作したのだ。アルティマはアンドロイド寄りのデザインで制作したが、ローグはリアルロボット寄りのデザインで制作した。その身体の各部分にリアルロボット系のアニメ要素を詰め込んである。(ガンダムやボトムズ等…)性格はクールな一匹狼という感じにしているが、命令は聞いてくれそうだ。

 

「モモンガさんからは、この頃敵は攻め込んできていないと聞いたが、暇だったか?」

「ええ、この頃は部下たちを鍛えていました」

 

さすがはプロだな、平時でも、抜かりなしだ。

 

「そうか、ご苦労だったな」

「勿体ないお言葉…」

「うぉぉぉぉお!!」

 

ビシッと敬礼をする姿に素直にカッコいいとおもった。

その後に後ろから大きな声が聞こえてくる。

 

「よくぞ御帰還されました、マシンナー様!!」

「お、おう……」

 

トリコロールのカラーで塗られたスーパーロボットが猛烈な勢いで入ってきた。マッシブな体格と重厚な装甲と背中の翼からヒロイックな印象を受ける。身体をトリコロールカラーに染めており、更にヒロイックな部分が強調されていた。その大きな声とマッシブな体格のお陰で何とも言えない迫力がある。

 

「ゴルドソウル! 御方の前で何をやっている、マシンナー様が戸惑っておられるぞ!」

「え? …あ! も、申し訳ありません! すぐに自害を!!」

「やめんか!!」

 

アルティマの叱責で自分がとんでもない事をしたと思ったのか、ゴルドソウルは右腕を光らせ、自分の頭に叩き込もうとしたため、マシンナーはすぐにやめさせる。

 

「誰が自害をしろなどと言った? 拳を下ろせ、ゴルドソウル」

「し! しかし私は!!」

「俺は気にしておらん、だからやめろ。むしろ元気そうで安心した」

「も、勿体ないお言葉!!」

 

ゴルドソウル

 

軍団の部隊の一つ、特機兵団の隊長で、往年のスーパーロボのようなデザインで製作をした。スキルビルドは前衛向きに調整しており、スキルによる恩恵により、単純火力なら、ナザリックのNPCの中でも上位に食い込むほどの威力を生み出せる程。ちなみに名前がゴルドなのに身体の色がトリコロールカラーなのは理由がある。こいつはある一定のダメージを負うと、色がゴールドカラーに変わり攻撃力を倍増させる<ハイパー化>のスキルがあり、この状態でこいつの最強のスキルも使えば、ワールドチャンピオンにも大ダメージを与える事すら可能なのだ。

 

「全ク……騒ガシイゾ、ゴルド」

「ドランザー」

 

銀色の龍のような外見をしており、コキュートスと同じぐらいの背丈。肩には大型キャノン砲がついていて、手足も大きく、小さな生き物くらいなら軽く握り潰せるだろう。その他にもミサイルポッドや、レールガン等の武装を装備していた。

 

「来たか、ドランザー」

「御帰還オ待チニシテオリマシタ、マシンナー様……」

 

ドランザー

 

機獣兵団の隊長で、特撮物のロボット怪獣をモチーフに制作したNPC。圧倒的な火力で蹂躙するスタイルと、野獣のような荒々しい動きで戦う二つのスタイルがあり、知能も高い究極の機械獣という設定のNPCだ。また、こいつのスキルの中には<拘束解除>というものがあり、簡単に言えばリミッターを解除するようなもので、攻撃力を上げる反面、防御力が著しく減少してしまうデメリットがある。

 

「よく来てくれたな…」

「オ呼ビトアラバ即座二……」

 

ゴシュー、と身体の隙間から排気する、ドランザー、すごい迫力だ、「グルル…」って唸ってるし。

 

「この頃は獲物がいなくて退屈だったか?」

「イエ、コノ「機械の楽園」……ヒイテハナザリックヲ守護スルノハ我々ノ役目デス、退屈等…」

 

コキュートスみたいな喋り方だな、でもカッコいいからOK。

 

「遅れて申し訳ありません」

「ソニック・スレイヤー…」

 

戦闘機からそのまま人型に変形したような身体に茶色のカラーリングが施されている。身体の装甲は流線形の物が付けられており、隙間からはフレームが覗いていた。両肩には飛行機のエンジンのようなパーツが装備されており、右手にはガトリングが装備されている。背中には翼が装備されている。頭部は流線形をしており、その顔には黄色の目がブン、と光っていた。

 

「哨戒任務御苦労だったな」

「勿体なきお言葉……」

 

ソニック・スレイヤー

 

軍団最後の部隊、機動兵団の隊長、某ロボット生命体をモチーフにしている。モチーフがモチーフなだけに、勿論戦闘機に変形する。戦闘機らしく戦い方も一撃離脱(ヒット&アウェイ)のスタイルで、ユグドラシル時代には、軍団の切り込み隊長をさせていた。

ちなみに哨戒任務というのは、俺がこいつの設定の中に「戦闘や、任務以外では哨戒が主な任務」と設定したのだが、こっちの世界では本当にしてるらしいな、第六階層って結構広い筈だが…。

 

「そうかいつも御苦労だな」

「勿体なきお言葉、そのお言葉だけで報われます」

 

シャキッと敬礼をするソニック・スレイヤー、スマートなスタイルが素敵ですよ。

そう思っているとアルティマから質問が来る。

 

「マシンナー様、ディアヴォルスとアンヘルは?」

「彼らは領域守護者故に呼んでいない、勿論後で会いに行く」

「わかりました」

 

質問が終わるとアルティマは各隊長達に「全員整列!」と言い、一斉に跪いた。

 

ザッ!!

 

「<マキナ>司令官補佐アルティマ以下各兵団隊長、全員揃いました!!」

 

うんヤバイみんなカッコよすぎて泣きそう……。




各隊長格の外見イメージ

アルティマ・レイ・フォース
外見は機巧童子ultimoのウルティモのようなイメージ。

バレット・ローグ
ボトムズのスコープドッグ、ガンダムのジムスナイパー、パトレイバーのヘルダイバーを合わせたような感じ。

ゴルドソウル
勇者ロボシリーズのガオガイガーのようなイメージ

ドランザー
歴代メカゴジラのいいとこどりです。

ソニック・スレイヤー
遊戯王のダーク・ダイブ・ボンバーを更に戦闘機のようにした感じです。
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