使えないひみつ道具なんてありはしない(完結)   作:連鎖爆撃

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びんぼうがみのちからってすげー!

出木杉英才は考える。

 

不良君、命は投げ捨てるものじゃないぞ?

 

〈びんぼう紙〉

使用者に付き従うように浮遊する紙の札。これを1日に3度拝むことで、次から次へと災難に遭う。効果は抜群。決して紙から逃れることはできない。

 

目の前に転がるデカゴリラ野郎(※中学生の不良)を見下ろす。

自分は文武両道の天才とはいえ、ケンカという土俵でならコイツは俺より上だ。

 

コイツも、それなりの自負があったらしい。ケンカではそこんじょそこらの子供、とくに俺のような人種にケンカで負けるとは露にも思っていなかったはずだ。

 

だが、その自信はとうの昔に打ち砕かれた。

 

リベンジと称して、人気のないところでの不意打ちを仕掛けてきたっぽいのだが、本当のところはよくわからない。

 

なぜ、あそこまでボコボコにしたのにまた突っかかってくるのか。

 

まぁ、小学生でも少し考えればわかることだ。

どう見てもこの間の処k…もとい戦いは一方的過ぎた。

何かしらのインチキがあったと思うのは当然のことだし、実際そのとおりなわけだから。

 

で、デカゴリラはグローブが怪しいと踏んだのだろう、手ぶらで歩く俺を見つけ、裏道に誘い込み、俺は実際あと一歩というところまで追い詰められる。

 

このゴリラ、あの猫型兵器の存在などは知らないはずだから、一発でひみつ道具のひみつに感づくあたり、洞察力はなかなかのものだ。そんな頭があるなら不良やめろよ。

 

だが、追い込まれるまでが俺の計算だったとはさすがのゴリラ君でもわかるまい。

 

確かに、何も持っていないように見えただろう。だが、ポケットの中まで確認したか?

 

……え?ポケットが膨らんでる様子もなかった?完全に何も持っていなかったって?

 

はは、それでも紙の1枚ぐらい持っているかもしれないじゃないか。

 

たった1枚でその状況をひっくり返してしまうような、「神」みたいな「紙」が。

 

〈びんぼう紙〉(※反転中)

使用者の周囲を高速飛行する紙の札。これを1日に3度拝むことで、有事の際に自動防御&迎撃システムと化す。効果は抜群。

(敵は)決して紙から逃れることはできない。

飛ばねぇ札はただの札だ。

 

……うん、ゴメン。こんなものが飛び出てくると予想できる方がおかしいよね?

 

行き止まりで、誰も見ていないのを確認してすかさずポケットから〈びんぼう紙〉を取り出す。

 

俺の行動の意味を全く理解せず殴りかかってくるゴリラ君。

 

だいたいそこで彼の運命は決まってしまった。

 

ケ○ネス先生の月霊○液ばりに迎撃を開始する〈びんぼう紙〉。ま、俺が操作しているわけじゃないけど。不良くんも面食らいながらも、それを叩き落とそうと躍起になる。

 

対応力の高さと言い、やはり不良にしておくにはもったいないよね?

 

だが、時すでにお寿司。

未来のひみつ道具に矮小な人間がかなうはずもない。目の前に広がる光景は一方的な処刑だった。頑張れ!とつい応援してしまいたくなる光景だったとだけ言うことにしよう。

 

彼は、犠牲になったのだ。俺の実験の犠牲にな。

 

あ、いけね。考え事しちゃって紙止め忘れたわ。

紙様が既に意識のない不良君の服を切り刻んでいた。男を剥いてもサービスになりませんよ?

 

紙をポケットにしまおうとしたが、赤い液体でべっとりと濡れていたので、まずそれを拭き取ることにする。

あれれ、赤インクかな(すっとぼけ)。

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