クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 ~宇宙の騎士~ 作:せっちー(暴)
ではどうぞ
ここはアルゼナル、この世界で唯一ドラゴンという生物と戦うための場所。
この世界では、マナという力が社会の基盤となっている。そしてその世界の女性の中に、そのマナを使うことが出来ないそんな女性をノーマと、社会とは不適合で野蛮だとされ、このアルゼナルへと収容される。彼女たちは生まれ落ち死ぬまで人間として扱われることはない、ドラゴンを倒し、殺され、倒す、を繰り返す。それが彼女たちの日常だ。
さて、このアルゼナルは本島とはかけ離れた島を要塞化した場所。
現在の時刻を述べるなら真夜中アルゼナルの管制室では勤務交代をしたばかりの少女がレーダーの確認をしていた。
「はぁ~あ、今日も平常道理イジョ~無しっと」
淡々と語る少女は眠い目をこすりながら確認を取った。気を抜いた一瞬だった。けたたましいアラートが鳴り響いた。少女の眠い目が一気に開かれる。
「え、え?え?!なに、次元ゲートが突然開いた?!」
コンソールを操作しながら、現状を確認していた。すると、管制室の扉が開かれた後義手を填めた指揮官らしき女性が入ってくる。そのあとを続いて管制担当が入ってくる。
「状況は」
「急に次元ゲートが開きました!!」
「予兆も観測できないなんて、こんな事初めてです」
すると、遅れて。寝る途中だったのか、眼鏡をかけた女性がパジャマ姿で入ってきた。
「いったい何ですか?!」
「ゲートが開いた時刻は?」
「次元ゲートが開いてから30分近くが経過していますが、いまだにドラゴンが現れた形跡は見られません」
「ドラゴンが現れていない?なぜだ」
映像に写し出されている次元ゲート、それを見ているとレーダーを見ていた少女が「なっ、なにこれ!?」と、声が発せられた。
「どうした。状況報告」
モニターが緑の光に包まれる。それを見ていた全員が目を瞑る。
「高エネルギー反応がゲート内部より確認こちらの世界に現出します」
モニターを埋め尽くす緑の光が弱まる。それは、ゲートを抜けてきたことを意味していた。
レーダーを確認していた少女はすぐにその光の道筋を計測した。
「なにこれ?!」
驚く声が広がる。それは、緑の流星にあった。計器が反応しきれていないのだ。
反応したとしても、それは残光にしか過ぎず、計測といった計測は行われていないに等しかった。しかし、それは一変した。
緑の流星はゆっくりとではあるが、星の引力に引かれ落ちていたそして光は消滅した。
「落下ポイントの算出、完了しました」
「よし、警戒態勢をイエローへ、第一部隊を捜索隊とし、第二部隊をアルゼナル周辺警戒に当たらせろ」
「了解、第一第二部隊出撃準備!第一第二部隊出撃準備!」
警戒アラームが鳴るとアルゼナルは機能がすべて起動する。要塞としての機能を。
カタパルトデッキには、パラメイルという機体が横一列に並び、搭乗者を待っていた。
そこに第一部隊と第二部隊の搭乗員が集まると、深夜に叩き起こされた理由について説明される。
「ゲートが開いたんなら、ドラゴンが出たんでしょ?」
「今回はそうじゃないみたいね」
第一部隊副隊長のヒルダという少女と、隊長のサリアは各々口にする。
「なんであろうが、私のやることは変わらない。ドラゴンを倒すだけ」
「あんじゅはかわらないなー」
「アンジュちゃんらしくていいんじゃない」
上から、アンジュ、ヴィヴィアン、エルシャとそれぞれが口にする。
すると、放送で任務の内容が説明される。その内容に、第一部隊の面々は驚愕の顔をする。
「どういうことだよ。捜索任務って」
「第二部隊にやらせればいいのに」
と残りのメンバー、ロザリーとクリスは任務内容に不満を申し立てた。それは隊長であるサリアも同じだった。
「指令、捜索任務は本来捜索隊の編成によって始められるはずです」
「ですが、第一部隊の全員に招集がかかるなんていったい」
サリアはモニター通信で指令に意見具申した。それに納得したのか司令官、ジルは口を開きこういった。
「今回次元ゲートから出現した物体は海に落下したことが判明している。その物体が何だったのか未だ不明だ。よってこの任務は第一部隊が適任だと判断した」
「その落下物がドラゴンだという事を考慮に入れ、発見し敵と判断した場合、即座に抹殺せよ」
「「「了解」」」
第一部隊のメンバーは復唱し、機体パラメイルへと登場し、出撃した。
捜索を開始してはや3時間近くが経過していた。第一部隊は落下したと予測された地点より半径100kmを捜索していた。すると、ヴィヴィアンが何かを感じとった。
「なんか、あっちのほう。ふしぎなにおいがする」
ヴィヴィアンはパラメイルを左へと向けその方角へと向かった。それを追うようにアンジュとエルシャは機体を向けた。
「ヴィヴィアンってホント不思議よね。あたしがロストしたときだって「まだ生きてる」って、言ってたんでしょ?」
「あの子にしか感じれないモノが、あるんじゃないかしら」
『あった、あった~。アンジュ、エルシャ見つけたよ~』
通信越しに聞こえるヴィヴィアンの声その声が大きかったのか不意を突かれヴィルキスが傾く、すぐに操縦桿を戻し体勢を立て直すと、目標地点で滑空しているヴィヴィアンのもとへと急いだ。
管制室では今、第一部隊のエルシャから通信が入り目標物の発見が報告された。どうやら、ドラゴンの類ではなかったらしいがその報告を聞いて管制室の一同は驚きを隠せない。
なんせ、緑の流星が消えた地点付近で見つかったのは、見たこともないパイロットスーツにも見える服を着た人間だったからだ、ヘルメットを着けているらしく顔を確認できていないらしい。ジルはその人間を回収し次第帰投するように指示し、救護班をカタパルトへと集めるように指示した。
そして、自分もその回収した人間の顔を確認するべく、カタパルトへと向かうのだった。
第一部隊が帰投してきたそれと同時に救護班がストレッチャーを運び回収された人間を上に乗せた。それをアルゼナルメンバーが囲んでいると、ジルがやってきた。
「どれ、確認してみようじゃないか」
整備班のメイが、ストレッチャーに乗る人物がつけているヘルメットの解除に取り掛かる。
そして、数分の後ヘルメットからプシュっと空気が抜けるような音が響いた。
そしてヘルメットを掴むとゆっくりと、引き抜かれた。
そこで一同が目にしたものは、驚きのものだった。
「え・・・・・、男?!」
ヘルメットを取ったメイも直接の回収したヴィヴィアンも「お~、おとこだ~」と、驚いている様子だ。そこに割って入るように白衣を着た女性マギーが「はいはい、ごめんなさいねー」と、割って入ると、ペンライトを取り出しストレッチャーの男の目を開きペンライトを揺らし、首元に指を当て、脈を測る。
「かなり衰弱してるね。早く医務室に運んで」
ミギーの指示でストレッチャーを医務室へと移動させる。
「助かるか?」
「さあね、助かるかは彼奴次第なんじゃない?」
ジルとマギーはそんな話をしていると、後ろの方では第一部隊の面々は、口笛を吹きながらヒルダが口を開き
「大捕物だったじゃん。痛姫様」
「ここでクイズです。わたしがみつけものってな~んだ。せいかいは、おとこでした~」
「クイズになってない」
「でもなんで、あんな処に」
「男・・・・映画の中の人じゃない。本物の男・・・・・」
「ふーん、まあたしには関係ないね。あ~あ、ドラゴンだったら稼げたのに」
「・・・・・・・・・・・」
それぞれが、口を開き様々な事を口にする。そんな中で、一人アンジュだけが何も言わず、その場を後にするのだった。
医務室
ここには医療用のベッドが並び何時でも収容できる。そのひとつにはいま、一人の人間が拘束されている。それは、第一部隊が回収してきた人間でそれも男だった。
カタパルトの騒動を抜けやっとのことでたどり付き、着ている服?を脱がせそして、筋骨隆々の腕に点滴用の注射器を刺す。そのときの、マギーの顔はまるで実験動物を見つけたときのようだったとそれを少女は目にしていた。
「んっ・・・・・」
すると、男に反応が現れる。しかし、マギーは他の作業に取り掛かっていた為気づかない。
青年の瞳はゆっくりと開かれそして、周りを見渡し白衣の人物を見つけると、呼吸を整え、口を開いた「すまない」と、
司令官室にてジルはメイの報告を聞いていた。それは、医務室にて血液サンプルを回収すると同時に、その際脱がしたパイロットスーツ?の調査の結果だった。
「結果からして、どうだったんだ」
「それが、密閉性の高いパイロットスーツって事だけしかわかってないんだ」
「なに?それはどういうことだ」
何もわからなかった。これでは、調査報告にすらなっていない、
「すいません」
「いいさ。わかった」
すると、固定回線から電子音が鳴り響き。ジルはボタンを押すと映像が映し出される。
そして報告を聞き、その場にいたジルとメイは司令官室を後にし、医療室へと向かう。
そして、かの人物へと話をするために、
男性、いや青年魁稲ユウマは、今この目の前にいる女医に話をとうし、リーダーとの面会を依頼した。指揮官が来る間時間が空くらしく、ユウマは申し訳なさそうに口を開くと、
「すまないが、食料を恵んではくれないか?」
と、女医マギーに頼み込んだ。マギーは今ここを放れるわけには行かず。どうするか考えていたところ、そこをアンジュの筆頭侍女だというモモカが、通り過ぎようとしていた。
マギーは彼女を引きとめ、食堂に食料をとってきてくれと、依頼した。
事情を聞いたモモカは、食堂まで食料を持ってきたわざわざ調理を施して。
彼は黙々と食べ進めた。それも速いスピードで、モモカが調理し運んできた料理は驚く間も与えてくれない程に完食して行った。
「で、この状況か」
「ええ」
ジルが到着する頃にはモモカが食べ終えた食器を片付け出ていくところだった。
「ごちそうさま」と、両の手のひらを合わせ食事を済ませたことを確認したところで、ジルは横のイスへと腰を下ろすと、
「で、あんたはいったい何者なんだ?」
まだ名も知らない青年に質問をする。
「俺の名前は、魁稲ユウマ」
「私は、このアルゼナルの司令官のジルだ」
お互いに自己紹介を済ませ、本題へと話を進めていく
「いったいどこから来たんだ。まさか、あんな重装備で魚を釣りに来たわけじゃないんだろMr.」
「すまないが、名前のこと意外何も解らないんだ」
「記憶喪失だとでも言うつもりかい」
疑いの目をユウマに向ける。しかし、その鋭い眼光をまっすぐにユウマは見据えていた。
ジルはその目から真意を探ろうとしたが無理だった。
「そうかい、だったら魁稲ユウマだったか?あんたを独房へと移す。話したくなったら出してやるよ」
マギーがジルに耳打ちをする。
「一時的な記憶障害みたいだし、そのうち戻るわ」
ぽんぽんと、ジルの肩をたたくと独房へ護送するために警備を呼ぼうと通信しようとしたとき、警報が鳴り響いた。
「ち、こんな時に、運がよかったな。ユウマあんたはしばらくここに拘束する」
そういい捨て、ジルは医務室を後にした。彼女が出て行くと、ユウマは何が起こったのかと、マギーに聞くと。
「敵が来たのさ。ドラゴンがね」
「ドラ・・・ゴン?」
はっ、何かのピースがはまったかのような顔をする。そして、チラリとマギーを見る。どうやら気づかれてはいないらしい、彼は拘束されている手首を確認するとその上に手を気づかれない様にそっと置き拘束を解除する。
そしてベットから音もなくマギーの近くに移動すると、台の上にあるメスを取ると同時に彼女をホールドし、
「な、なにを・・・・」
「すまない、助けてもらったのに、こんな事をして」
マギーには見えないが、もしかしたら本当に申し訳ない顔をしているんだろう。
「ここから、外に出られるルートを教えてくれ。早く!俺にはやるべきことがある」
ユウマは、メスを首筋に押し当てる。マギーは、外への経路を喋る。それを聞いたユウマはホールドを解き、メスをその場に捨てると、「すまない」といい医務室を後に外へカタパルトデッキへと走っていった。
「何だと?!逃げられた?!」
『ごめん、油断した。まさか拘束を解くとは思わなかった』
通信により事態を理解したジルは警備班に通信を開くと医務室から脱走した逃亡者を拘束するように、指示を出した。
その後、ユウマはマギーから聞いた順路でカタパルト付近まで着々と進んでいた。
「警備が厳しくなった。当たり前か、だけど、こんな事をしている暇はない。正直女の子を殴るのは気が引けるがそんなこといってられないか」
ユウマは覚悟を決め一点突破を図った。それに気づいた警備班のヘルメットを被った少女が警防を振りかざすが遅すぎた。ユウマは、それをすり抜ける。
あるときは、払いのけ、警棒を持つ手を、ひねり足を払った。ユウマはその行動を止まることなく行い確実に外へと続くカタパルトへと、
「よし」
ユウマにしか聞き取れない声と同時に「止まれ」と銃を持った少女が銃口をこちらに向けるが関係ない。彼は、自分の身体能力をフルに使いジグザグに照準に捕らえられないように移動する。
「打つな、兆弾したらどうする!」
「すいません」
銃が意味を成さず、ユウマはその隙を逃さずにさらに進みカタパルトの舳先まで到達した。
カタパルトにいる整備班と警備班の少女は思ったその場で止まるだろうと、しかし、それは淡くも打ち砕かれた。ユウマは止まることなくカタパルトから飛び降りた。
すると緑の光が、カタパルトが覆いつくし、その光は流線をえがきどこかへ飛んでく。
その場にいる全員が唖然とした。いったい何が起こったのかわからないまま
ユウマは、カタパルトから飛び降りた。体を浮遊感が襲う。そしてユウマは右手からクリスタルを取り出すと、叫ぶ。この世界で始めての変身そしてこの世界での初陣、ゆけ!宇宙の騎士
テックセッタァァァァ!
テッカマン
はい、どうでしたでしょうか。まあ、1話としてはなんだか味気なく感じたんじゃないでしょうか?ちなみにあとがきですが・・・、書いた文章自体うる覚えです。
ぬるっと進めて生きたいと思います。
感想や、アドバイスがありましたら、どうぞご遠慮なさらずにください