俺の清姫が女子力高い系男の娘だったのだが・・・ 作:金欠生首
P.S UA三桁は驚いた。
「ここがマs…○○さんの産まれ育った町なのですね」
ー降りた所と比べたら何もない町だけどねー
「私は好きですよ。なんというか…のんびりしてて」
ーははっ。それじゃ、行こうか二人ともー
カルデアを去って数日。
俺達は無事に日本に戻り、電車を乗り継ぎ、故郷へと帰ってきたのだった。
この時に知ったことなんだが、カルデアを去る前にダヴィンチ女史が色々と手をまわしたらしく、通帳には見たことのない額が入っていた上に、二人には分厚い封筒が渡されていた。
…不安になって二人にも口座とカードを作ってもらった。
ダヴィンチ女史にはしばらく頭が上がりそうにないな。
ーところで二人とも、お腹空いてない?ー
「そうですね。実は少しだけ」
「私も少し…」
ーまぁ、お昼時だし何処か食べに行こっかー
俺の問いかけに恥ずかしそうに頷いた二人を連れて、久々に故郷の飯屋へと向かうことにした。
「蕎麦処…
「蕎麦ですか。いいですね」
ー蕎麦以外もあるし。昔から良く来てるんだよ…流石に恋人と来るには華が無いとは思うけどねー
「そんなことないですよ」
「えぇ。趣のあるいいお店だと思いますよ」
『蕎麦処 天世』、子供の頃から来ているこの店に来たのは純粋に懐かしい味が食べたくなったのと…故郷に帰ってくる時は最初にここで食事をするのがルーティンになっていたからだ。
ーとりあえずは入ろうか。おやっさん、座敷は空いてるかい?ー
「らっしゃい。見ての通り、座敷どころか何処でも空いてるよ。好きなところに座りな」
ーだってさ。何処がいい?ー
二人が決めた場所に座ってメニューを眺めている二人を眺めているとおやっさんがお冷やを持ってきた。
「あいよ。注文が決まったら呼んどくれ、べっぴんさん達」
ーえぇ。どうもありがとうー
「ふふっ」
「姉さん…わかりますけど」
俺が声を作って礼を言えば、二人が笑っていた。
「○○さんったら、悪い人ですね」
「店主さん、気付いてないですよ」
ーだろうね。ま、ちょっとした茶目っ気だよー
二人がメニューを決めている間、久々に訪れた天世を見渡していた。
世界からすればどれだけ経っているのか分からないけど…俺からすれば二年振りのこの店はなんとなく懐かしかった。
「○○さん。決まりましたよ」
ーそう? 水姫は?ー
「私も決まりましたよ」
ー了解。おやっさん、注文ー
「あいよ。ご注文は」
「私は親子丼と掛け蕎麦の小盛を」
「私は天丼と掛け蕎麦の小盛で」
「親子と天が一つと掛け蕎麦の小が二つ。黒髪のお前さんは?」
ーざる蕎麦の大盛。薬味葱多め。とりあえずはそれだけー
「あいよ。時間かかるが構わないかい?」
ーえぇ。冷えるだろうから二人のを先にしてくれるとありがたいねー
「承知。ちょいとお待ちを」
まだ気付いて無さそうだな…おやっさん。
「ところで、この後はどうするつもりですか?」
ーとりあえずは家に行こうと思うんだけど…どうかな?ー
「まぁ! それは楽しみです。ご両親に挨拶するのは当然ですものね!」
「姉さん、落ち着いてください。それに…ご両親じゃないでしょ」
「あ…そうでした。ごめんなさい、○○さん」
ー気にしてないから構わないよ。それにしても姉さん呼びが板についてきたね、清姫ー
「…色々と仕方ないと割りきらないといけないですから」
「ごめんね。本来なら私が二番なのに」
「…この身体なので色々と面倒事が予想されるのは目に見えてますからね。仕方なくですよ」
ー…ま、一緒に寝れる可能性は上がるけどねー
「!!…えへへ。一緒に同じ布団で」
…ちょろい。まぁ、嬉しいのは一緒なんだけどね。
水着の方…もとい水姫もそんな顔しないのどうせ寝静まったらこっちに来るつもりでしょ。
「はいよ。掛け蕎麦二つお待ち。飯モノはもう少しお待ちを」
「ありがとうございます。では、お先に」
「いただきます」
ーはいよー
二人が美味しそうに食べるのを眺めていると、思い出の場所に新しい思い出が増えた気がした。
故郷が何処かは明言はしない。
なんなら蕎麦も書いてる時に食べたくなったから書いたので元ネタもなにもございません。