Legend of Galaxy~光満ちたその先に~ 作:takanist
私は見てしまった、礼堂君が負けてしまうところを・・・
私は先程まで礼堂君たちが戦っていたところに来ている
「礼堂君・・・」
目の前に礼堂君が倒れている
体中が傷だらけになっている
礼堂君のすぐ傍に膝をつく
「なんで礼堂君がこんな目に遭わなきゃいけないの?」
――――――――――――――――――――
目を覚ますと、目の前に委員長がいた
「・・・委員長?」
「礼堂君!!」
委員長の目には涙が溜まっていた
「大丈夫!?」
「体中痛いけど、なんとかね・・・」
「なんであんな無茶するの!?」
「無茶?」
「相手が逃げたなら、そのままでいいじゃない!」
「・・・」
確かに無茶だったかも知れない
でも僕には勝てる自信があった。あったのに・・・
「自分のことも大事にしてよ!
君が傷つくと心配する人もいるんだよ!」
「ごめん」
この一言しか言えなかった
僕は徐に立ち上がった
「どこに行くの?」
「ちょっと一人にして・・・」
僕はフラフラと歩き出した
僕は暗い自室でうずくまっていた
《ミチル?》
「・・・」
《負けたのが悔しいのか?
それとも、委員長に怒られて落ち込んでるのか?》
「どっちもかな」
確かに負けたのは悔しかった
《君は自分の力を過信していた、それが敗因だ》
「分かってるよ・・・」
《分かっているならいい》
でも、どちらかと言えば委員長の言葉の方が胸に刺さっていた
普段ニコニコしている委員長にあんな顔をさせてしまった
そのことがたまらなく悔しかった
気付けば昼休みだった
それまでの記憶は曖昧だ
「礼堂君!一緒にご飯食べない?」
「・・・ごめん、今日は一人にしてくれ」
委員長に冷たい言葉を投げて僕は屋上に向かった
「おい!ミチル!」
「・・・アスカ先生?」
僕を呼び止めたのは担任のアスカ先生だった
「今から飯か?」
「そうですけど・・・」
「俺も一緒していいか?」
「・・・あの・・」
「どうした、誰かと予定があるのか?」
「ないですけど・・・」
「じゃあいいじゃないか」
流される形でアスカ先生と一緒にお昼を食べることになった
「ミチル、最近明るくなったよな」
「そうですか?」
「よくヤナセと話してるじゃないか」
「そうですけど・・・」
アスカ先生はコンビニのサンドウィッチを食べながら僕に話しかける
「表情も少し柔らかくなったし」
(そうなのかな?)
「でも今日は、前みたいに暗かったな
なにがあった?」
「別に・・・」
あんなこと話せるわけがない
「ちょっと俺の話を聞いてくれないか?」
――――――――――――――――――――――――
俺は高校生の時、野球部だったんだ。ポジションはピッチャー
投球に関しては誰にも負けない自信があった
だから俺は変化球なんて投げなず、いつも直球勝負だった
敬遠なんて以ての外、卑怯者のやることだと思ってた
最初はそれでもよかった
でも直球しか投げれない俺は段々打たれてしまうようになった
その結果が控え投手だ・・・
それまでは、負けなしだった
俺は調子に乗ってたんだよ
誰も俺に勝てないし、このチームを引っ張てるのは俺だってな
――――――――――――――――――――――――
先生はどこか懐かしむ顔をしながら話してくれた
「先生は、なんでその話を僕に?」
「その時の俺に似てたからかな、雰囲気が」
「?」
「誰にも負けない自信があるもので負けた。そんな感じの」
「っ!」
当たってる
「これは当時の監督に言われた言葉なんだけどな」
{なんでピッチャーのマウンドが高くなってるか考えたことあるか?
ピッチャーは孤独だって言うが、俺はそう思わねぇ
高くなっているのは、仲間にその背中がよく見えるためだ
チームのみんなの声援が一番届く場所なんだ}
「野球は9人でやるスポーツだ。絶対に独りの力じゃ勝てない
仲間の応援や、その存在があって試合が成り立つんだ
それってどんなことでも一緒じゃないか?」
「・・・」
「お前がどんなことで悩んでるかなんて分からない
でもお前の傍にはヤナセや片野がいる。俺もいる
自分一人で立ち向かおうとするな」
そう、僕はたった一人で戦ってるつもりでいた
でも僕には、ギンガや桃耶、委員長、そして父さんがいる
僕は調子に乗って、みんなの存在を無視して戦っていたんだ
気付くと僕は泣いていた
「俺は監督にそう言われた時に、心を打たれた
俺もこんな人になりたいと思って教師を目指したんだ」
「ありがとうございます」
「ん?」
「自分の間違いに気づきましたよ」
「それならいいさ
でも自分で決めた道なら絶対に諦めるなよ!」
「はい!!」
僕は校舎の方に駆けていく。ドアの前で振り返り
「先生、ありがとうございました!!」
僕はお辞儀をして校舎に戻った
「がんばれよ、後輩」