急に閑話を挟んで申し訳ございません。
さて、今回ですがはじめて心理描写 を書きました。おそらく、意味不明なてんや、文が変なところなどあるとおもいます。その都度、アドバイスしてくださると助かります。本当に下手くそで申し訳ない
毎度のことでございますが、誤字脱字等は、あらかじめ謝罪しておきます。申し訳ございません
節分
節分、それは、2月3日に行われる年中行事である。その歴史は古く、奈良時代に中国から伝わったものがその起源とされている。日本では神道の大祓の儀式と結び付いて12月の大晦日に行われていたらしい。
多少の変化はありつつも、昔からの風習、災厄をもたらす鬼を退治して一年の無病息災と幸福を願う行事であるという認識に関してはあまり変化はない。
平安時代に移り、それは、陰陽道も関わってくることもあったため、ここ、陰陽塾でも毎年の儀式として節分には、ある儀式のようなものが行われていた。
そして、現在春虎たちのクラスでも節分についての説明を担任である、大友から受けていた。例によって、春虎はうとうとしていて、それを見る夏目もハラハライライラと気持ちを昂らせていた。
「そもそもの由来は、イザナギが死者の國の悪鬼を桃の実を使って退散させるというものなんや」
そこで一度区切ると、大友は春虎の方を向き、影で他人には見せられないような悪い顔でニヤリと笑うと声をあげた。
「じゃあ、春虎クン、何で桃の実なんか説明をしてくれへんか?」
クラスの生徒全員がその隠しきれていなかった悪い笑みを見て春虎を憐れむような視線を向ける。現に、春虎はまだ起きていない。すると、春虎の周りで少し霊気が乱れたかと思うと、すくりと顔をあげ、その場で立ち、なんにもなかったかのように喋りだした
「えー古来より、桃というのは、魔除けのおまじないにされるなど霊的に力があるものとされてきました。儀式等で用いられる弓、これ自体にも、除災など儀式で重要な意味は有りますが、それに桃を使った桃弓は、弓の霊力に桃の呪力さらに加えることで魔除けの呪力をさらに高めるなど。豆まきの伝わってきた古代中国では、桃は、悪霊や邪気、鬼などの嫌うものとされていました」
大友の思い通りとはいかず予想以上にスラスラとしかも質問に求めていないことまで話始める。無論、春虎の嫌がらせにたいする報復だった。見分けずらいが、僅かにいつもだるそうにしているその目を見開いているところを見るに、十分に乙種呪術といえるだろう。
春虎が、一区切りしたところで話が終わったと思ったのか、大友は割って入ろうとした。たが、ここで春虎の報復は、終わらなかった。
「ほなーーーー」
「ーーーーさらに、この豆まきの起源である、追難が行われるようになった理由には陰陽道の考えが関わってきます。ちなみに追難というのは、『鬼やらい』などと言われ災禍を追い払うことをいみしています」
さらに、邪魔され大友はさらに顔をにじませる。また、夏目や京子、天馬たちも知らなかったのか、驚いた顔をしている。それを確認した春虎は、心でクスリと笑うとさらに続けた。
「立春に豆まきが行われるようになったのは、室町時代の中期といわれています。立春に行うことには、理由があって、季節の変わり目には、陰と陽が対立して邪気を生じ災禍をもたらすということから、それを運んでくる悪霊、鬼などを払う儀式がひつようとされたのです。そこに桃の種をもちいていたのは、桃仁、桃の種の核の代理品として使われてたのではないかと言われています。漢方でもその薬効が認められている桃仁は、桃人とも呼ばれ、桃から誕生する人、つまり、桃太郎がイメージされます。桃太郎と言えば鬼退治が有名ですね」
ほら、話が繋がりましたよ?と言わんばかりの顔をして話を終える春虎。何も言わずに席に座ると、どこからともなく拍手があがる。それは、水面に落ちた滴によって作られた波のように広がり、瞬く間に教室が拍手の爆音に包まれた。
これは、春虎の知識に拍手というより、大友撃退おめでとうの拍手であり、そこからも、大友の扱われかたが見てとれるようである。実際に大友は、教壇でうなだれている 。
そこでチャイムがなり、授業は終わりや と呟くと大友は出ていってしまった。
さて、毎年恒例の節分の行事というのは、豆配りである。豆といっても食べる方ではなく、投げるほうである。陰陽塾の塾生は、各々で呪術によって作られた桃の種を型どったものを東京の人々に配りにいくのだ。その行動そのままに『配豆式』と呼ばれている。
東京にいったい何人いると思っている、 と考えるかもしれないが二三年生や、教師陣、卒業生であるプロたちの協力のもと達成される。塾生はそれぞれ二三人のペアを組んで配りにまわるのだがここで問題が生じていた。きっかけは冬児の台詞だった
「で、春虎。お前は誰と行くんだ?」
ピクリと動く影が3つ、黒髪と金髪と狐耳だ。春虎は少し考えたように見せると冬児にむかいあった
「んーー冬児は、決まったのか?」
「ああ、いや、俺は参加しないんだ。鬼は外ってのが、あんまりな……」
その一言で察する。冬児は、鬼の生成りだ。例え外にやるのが災厄をもたらす悪鬼でも、いい気分にはならないだろう
「じゃあ…………天馬は?」
「ん?ぼく?僕なら…………ひぃっ!」
天馬を突き刺す3つの矢。それ自体には実体がない、しかし、天馬は動けない。のしかかるのは恐怖、それは、すでに視線と表現するのは生ぬるく、呪術と言っても過言ではなかった。
「ん、どうしたんだ天馬、行けるのか?」
「ご、ごめん春虎くん、やっぱり無理みたい…………あはは」
席が離れている天馬の額に流れる滝のような汗を見られない春虎は、残念そうな顔をするとまた考え始める。窓の外をぼんやりと眺めながら顎に肘をつけるのは春虎の癖だった。
すると、何処からか不機嫌オーラがそれも真っ黒なオーラが溢れだす。その出所を見つけるのにさほど苦労はしなかった。
「……な、夏目」
「ヤア、春虎。春虎は僕のなんだい?」
その質問に、どこかで黄色い歓声があがる。だが、春虎にそれを気にする余裕はない。というか、ここまで怒らせる覚えがない
「…………式神です」
「ナンダ、分カってっるじゃナイカ」
なら何で自分を真っ先に誘わない?というのは、口には出さなかった。ただ春虎を真っ正面に見据えるその目が変わりに物語っていた。断れば、惨事が起こるとも。
仕方なしに受け入れようとすると、後ろから助けが入った。
「恐れながら春虎様、このような些末事、コン一人がいれば十分でございまする」
ただ、その助けはその場をもっと悪くするものだったが。
だいたい彼女らが、なぜここまで競いあっているのかというと、1日中二人っきりという状況に強制的になれるからである。歴代に、この行事でカップルになるものも少なくなく、配りに行ったまま帰ってこないなんて事もあるそうだ。陰陽塾では珍しい『そういう』行事としての認識が塾生にはあったのだ。
だからこそのこの戦い
「コン君は護法だろ?主の決定に口を出すんじゃないよ」
もう少しでオッケーだったのに、という心の声がその顔から漏れだしている。
「いえいえ、主の道しるべとなるべく意見を申すのも立派な護法の務めでございまする」
「そうかい、でも、春虎の主は僕なんだ、話に入ってこないでくれないかな?だいたい式神を一人に数えるなんて良いわけがないだろう!」
「おや、それでしたら夏目殿の式神である春虎様も数えられないことになってしまいますが……いかがいたしましょう?」
最後のはコンが春虎に向けて言った言葉だ。文字だけ辿れば意見を求めているようにしか聞こえないが、その右手が名刀搗割の柄に手をかけている現状では、物騒な意味としか取りようがなかった。
自分が男のふりをしていということを忘れている夏目は、このあと、男色の疑いがかけられるのだが、それはまた別のお話。
あからさまにヒートアップしていく中で、ただ一人京子だけが、漁夫の利を狙っていた。
つまり、今回の戦いにおいては、春虎にうんと言わせたものが勝ちなのだ。それにどんな手段を用いようとも。
わざわざ隠形まで使って周りの目を騙しながら春虎に近づき、耳元でそっと呟く
「なんでも言うこと聞くって言ったよね?」
春虎は、ビクッと体を揺らす。この約束は、リボンの事と京子のことに気づけなかったということで謝罪のために春虎が約束したものだった。
「こんなことでいいのか?」
だが、春虎は、今回の事の重要さをわかっていなかった。故に、こんなことに……と思ってしまうのは当然だった
「いいから、私と行くって宣言しなさい」
「……はいはい、わかりましたよーっと」
未だにガヤガヤと言葉という呪術を用いて、呪術戦を繰り広げている二人に向かってそーっと声をかける
「あのぉ~」
「何?」
「何でごさいまするか?」
「俺、京子と行くから」
二人の時が止まる。自然と視線は春虎の後ろ、満足そうにその大きな胸を張っている京子のもとへ向かう。
夏目はさらに「胸……胸なのか……フフフ」
などと検討違いなことを呟いてさらに負のオーラをにじませる。それは、もはや障気といっても差し支えないだろう。その影響か、天馬はいつの間にか気を失っている。
コンに至っては、実体化を解き隠形をし始めたので、春虎にすらその感情も居場所も分からなくなったが、正体不明の悪寒が止むことはなかった。
目が次元の彼方へ行ってしまっている夏目に事情を、大事なところは省いて、説明し、なんとか納得させると、京子が春虎の手を引っ張りどこかへ行ってしまった。
夏目も追いかけんとするが、大量の女の子に阻まれる。夏目は、正体が何であれ塾内では、天才美少年の人気者なのだ。ラブレターが毎日届くレベルでモテモテなのだ。その人物に相手がいないと分かって女子勢が止まる理由はなかった。意図して邪魔して居るわけではない分、夏目も強引に退ける事ができず潔く、とはいっても、手に爪が食い込み、歯をギシギシ言わせ、唇から血をだしながら、諦めたのだった。
一方、春虎たちは、すでに先生に報告を済ませ、担当地域を聞くと、そこまでの交通費と地図を受けとるとさっさと町へ繰り出していた。電車を何本か乗り継ぎ降り立ったのは、西東京市のある町だった。ここが春虎たちの担当であり、徒歩で周りながら種を配っていくことになる。
塾でも目標は東京全土であり、そのせいでそれぞれの担当区画もかなり広くなっている。故に、時間も多くとられていて、二三年生は、現場に直行し、一年生のみが、説明を受けてから行動開始なのだったが、そのなかでも二人の担当は、飛び抜けて広かった。
それは、ひとえに、京子がこっそり「広くて遠いとこおねがいします」と頼んだせいであった。こういう人は毎年いるらしい。
一般人が呪術と関わることはほとんどない、が豆まきを知らない人というのはあまりいないと思われる。
この行事の目的として、掲げられるのは、呪術的な意味合いだけではなく、こういった企画を通じて陰陽塾との関わりを、さらには、呪術に対するただしい認識を求めることにもあった。
そのため、家を一つ一つまわる。交流をする。サボるような人間は、塾にはいなかった。
倉橋京子は浮かれていた。
思いの外作戦が上手くいき、あっという間に二人っきりだ。平日の午前中ということもあり町は人が少ない。さっきから、残念ながら二人の間に会話はなかったが、並んで二人で歩ける事だけで喜べるくらい京子は乙女で春虎にホの字だった。
(やった♪んふふっ)
歩行者用の歩道のない細い道を歩く。車道側をさりげなく歩く春虎の気遣いが嬉しい。自動車一台がギリギリ通れるくらいの道だ。こんなところに車が来たら…………。
こういう時に限って車はやってくる。
それもファミリー用の大きなタイプだ。必然的に春虎が京子の方によってくる。既に、いっぱいいっぱいの京子は動けない。
…………………………ピト ビクッ
互いの指先が触れる。二人してビクッとなる。人気のない道で指が触れるというのは、手を繋ぐという行為に等しいのだ。
「い、今のはあれだ、不可抗力ってやつだ」
「そそそそ、そうよね、不可抗力よね、仕方ないわ、道が狭いのが悪いのよ」
再び訪れる沈黙。隣を見ると自分とおんなじように顔を真っ赤にした春虎がいる。それを見て、自分と同じだと分かってまた嬉しくなる。だから、一歩頑張ってしまった。
そう、自分の小指をわざと春虎の小指に絡ませた。
(……少しは気付け…バカとら)
また跳ねる春虎のからだ。その歩みは止まっており、顔はこちらを向いてる。
(うぅ~恥ずかしくて見れない)
京子は顔を伏せて、それでも小指を繋いだまま隣に立っていた。
「き、京子?ど、どうしたんだ急に」
どもっている上に、声が裏返っている。おそらく、その顔も真っ赤にしていることだろう。
「………………手……」
「え……なに?」
「………………手…………つなぎたい」
「……は?」
言ってしまった。言ってしまった。言ってしまった。え、何言ってるの私!?ほら、春虎も変な声出してるじゃん。変に思われない?なんか、慣れてるとか思われない?
「手を繋ぎたいって言ってるの!」
「え?なんで…………」
「え、えっとそれは…………いいじゃない、なんでも」
まわりから見たらしおらしく見えたろうその声としぐさは、最近ずっと近くにいて、その気の強いところを目の当たりにしてきた春虎にとっては、その、何倍も弱々しく、そして、可愛く女らしく見えた。保護したくなるようなそんな愛らしさを春虎は、感じてしまった。
「ま、まぁそうだな、手を……つなぐだけだしな」
「そ、そうよ!つなぐだけよ」
そう言って、顔を上げた京子と春虎の、目が合いまたお互い顔を赤くする。
「……ん」
口を開けずそっぽを向いたまま京子が春虎に向けて手を出す。少しは悩んだそぶりを見せつつも、その手を京子のものへと向けていく。
30センチ、15センチ、10センチ、5センチ、ああ、重なっちゃうーーーーー
……………………………………コホン
可愛らしいこえ、いや、咳だ。だが、そこはなとなく、わざとらしさを感じる。感電したように体を震わせ瞬間移動したかのような早さで道の両脇に別れた二人は、、その声の感じから思い出す。彼らが二人っきりでなかったことを。
春虎は、忘れていた。コンが、実体化を解き隠形までしていたのを
京子も浮かれて、失念していた。春虎には、ライバルが四六時中張り付いていることを
そんな中、春虎が辛うじて声をあげる
「……こ、コンさん?」
「えぇ、私め、土御門春虎様の忠実なるち護法たるコンめでございます」
宙に浮いたまま正座の姿勢を保ち、目蓋を閉じ、やけに白々しく答えるコン。そこには、わずかながら怒気が含まれているのを春虎は、感じ取っていた。かれこれ、長いつきあいだったのだ。
「お、おどかすなよ、急に!」
「……それは大変失礼いたしました。時間の方が随分と遅くなっていましたのでつたえておいたほうがよいかとおもいまして。……それとも」
そこで一度口を閉ざして間を開ける。今まで閉じていた目をギロリと開けると半眼になる
「春虎様といたしましては、このまま最後まで黙っていた方がよろしゅうございましたでしょうか?」
「えっ?い、いや、その……」
「コンは常にお側に居るわけですが、そのこと、あとになってから思い起こされた方がよろしゅうございましたでしょうか?」
「い、いや、そんなことは……てか、なんか、雰囲気……」
飛車丸じゃね?と思いつつ声に出すのは避ける。まだ、道の隅っこで顔を赤くしている京子に聞かれるのは不味い。しかし、今のコンのその圧力は飛車丸の状態での圧力となんら変わらないものを発していた。
今も、恥ずかしさで限界を迎えている京子に「常に私が仕えておりますゆえ、絶対に二人っきりになどさせませんので、以後お忘れにないように」などと追い討ちをかけている。狐が肉食の動物で有ることを再認識させられた。
そして、一通り京子を言葉で叩くと春虎のもとに来て
「以前のように、常に実体化しているわけではございませぬ。ですが、常にお側に居るということは変わりませぬので。そういうことをしたいのでしたら、一声掛けてからなさいませ」
掛けられるものなら、と雰囲気で伝えてくるコン、というより、もはや飛車丸。夜光に使えていたときは、その姿常に表しており、存在を感じられていた。故に、見落としてしまったのだ 。
ある程度物心をつけてから、記憶を取り戻したため、春虎の中には夜光としての感情と年相応の春虎としての思春期の感情が両方とも遍在している。今回はそれが、裏目に出て、春虎が強く現れ過ぎてしまった。
「とはいえ……」
二人に忠告を終え、二人に聞こえるように大きく声をはってコンが話し出した。
「時間が迫っております。妙な疑いをかけられたいのなら構いませんが、そうでないなら急いだ方がよろしいかと」
ふたりして時計と確認する。そして、その経過時間に圧倒される二人
「う、うそ、こんなに?」
「いや、5分ぐらいにしか感じなかったぜ」
「それは、お楽しみだったようで……ところで春虎様、今夜は、星が綺麗になりますでしょうね」
「え、コンさん?それ、どういうこと……」
「さぁ?」
「え、なにそれ、こわいんだけど、え
、まって、待ってくださ~い!」
という、春虎の叫びもむなしく、走り出す二人。
辛うじて、集合時間に間に合うものの、全学年において最後のペアであり、お互いに顔を赤くして帰ってきた様子に全体がざわめきだつ。
「ヤァ、春虎。オソカッタネ?」
「な、夏目?こんな遅い時間までどうしたんだ?」
「うん?イイヨ春虎は気にしないで、それより、コン報告を」
「え、なにお前らグルだったのか?てか、お前らあんなに仲悪かったじゃん、なんでそんなに意気投合してんの?なんでそんな黒いオーラだしてんの?コン、お前俺の護法だろ?」
春虎の声は届かない
「春虎」
そんな中でも春虎の聞き覚えのある声が後ろからした。特徴的なヘアバンドを着けた強面の青年、冬児だ。いつもは、その目をギラギラと輝かせ元ヤン根性丸出しの彼がなぜか、菩薩もビックリの悟り顔をしていた。そして、一言
「…………骨が……残るといいな」
その日の夜、男子寮のある部屋から、一晩中叫び声が聞こえ、怨霊がいるとの噂がされたらしい。
翌日、春虎は、学校に来なかった。
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