東京レイヴンズ~俺の名は土御門夜光~   作:ぶるーちーづ

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すみません、どうしてもこの下りだけはやりたかった。京子との術比べは、実はまだかいてません。その先の……はかいてるんですけど。なんか京子を天才にしたい

このままだと、一瞬でおわってしまう。泣


再開

 

「はい、この飛車丸、何人たりとも春虎様に害を加えるものは、許しませぬ」

「はは、任せたよ」

 

飛車丸のこの忠誠はずっと前からだ。これから寝るまで、二人は昔話に勤しむのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、春虎は、ある呪術の構成に取り掛かっていた。頭のなかで、しかも、授業中。初日こそ、もしかしたら、時代が移り変わるにつれ進歩していると思ったが、所詮は、帝国式の真似事だった。自分の作った土台をもとに、稀に嘘を教えているーーーそれも、教師が気づかずにーーーことがあり、授業を受けるということを放棄したのだった。

 

唯一、大友陣、彼からは、やはり呪術の真髄に少なからず近づいている気配がした。

 

 

そして、他人から見たら、ただボーッとしてるようにしか見えない春虎が構成しているのは、とある結界だった。

 

それがいかにすごいものであろうと、他人から人間の脳のなかがわかるはずもなく

 

「なにボーッとしてんねん、ほら転校生!!春のつく方!!」

 

大友からの怒号か飛ぶ、が……

 

「……………………」

 

ついつい熱中してしまっている春虎は、気づかない。後ろで隠行している飛車丸ーーー姿はコン、が春虎様。春虎様とドモリながら呼び掛けるが、それでも気づかない。

 

 

 

この時点で、怒りが押さえられなくなったものが一人

 

「先生、授業を、すすめてください!」

 

倉橋家ご令嬢。倉橋京子その人だ。

 

「そーはゆーてもなぁ、一応ぼくの授業やし、ぼく先生やし」

 

大友は、あくまでも春虎を擁護する立場にいる、その事がさらに京子を、イライラさせる。

 

「なんで、大友先生は、この転校生を庇うんですか。てゆーか、なんなんですか、この転校生は。時期違いに入ってきたと思ったら、授業は真面目に受けないし、やる気がないんでしょ。それに、話聞いてないのだってどうせ、ここの授業についていけないからでしょうし、わざわざそんなのに構ってもしかないですよ!」

 

はぁはぁ、と長セリフを終えた京子が、息をきらせながら春虎をにらむ。大友とその他の生徒は、京子のキレっぷりに圧倒され、声が出せなかった。

その静かになった教室だからこそ、その声はよく響いた

 

「あはははははは」

 

声の源は、京子の目線の先、春虎だった。

 

京子の話の途中で結界の構成を終えた春虎は、今にも飛び出しそうなコンを抑え、その言葉を聞き入っていた。立場としては、春虎出はなく、陰陽術の先輩夜光として、そのせいで言動まで影響が出る

 

「いいねいいね、その陰陽術にたいする熱意。そういうの好きだよ、俺は」

 

その言葉を聞いた京子は、羞恥と憤怒で顔を真っ赤にする。陰陽術初心者のはずの春虎から、上から目線で物を言われたのだ。

 

「なによその言いぐさ!言っとくけどね、あんたよりあたしの方が先輩なのよ?それなのに、なんで、実力も才能も低い貴方からそんなこと言われなきゃいけないのよ!!」

 

こんなことを言われてしまっては、我慢できるはずがない、

 

「コン!!」

 

式神の方が。それなので、やらかすまえにその、名前を呼んで動きを止めた。

 

果たして、飛車丸の方は、京子の首もとに、刀を添えていた。

 

「春虎様っ!この者はこの者は!!」

 

感情が昂りすぎて、全身の毛を立たせたコンが春虎の方すら向かずに、已然として刀を向けたまま言った。

 

「いいんだよ、ほら、こっち戻ってきな」

 

その優しい声音に、懐柔され、ゆらゆらと弱々しい姿で春虎のところまで飛んでいき、その膝元にちょこんと座った。春虎は、その頭をなでなでする。飛車丸の顔が優しく、そして、ふにょ~んとしていく。

 

少し和やかな空気になったところで、大友が口を挟んだ

 

「こら驚いたな。持っとるかもしれんとは疑っとったけど、まさか、ほんまに持っとるとはなぁ」

 

思ったよりも好印象。そもそも、護法を持っていると言うのは陰陽師としてのひとつのステータスであるのだ。

だが、これには、すぐに反発が起きる

 

「先生、その言い方だと、春虎がもともと実力者のように聞こえますが」

「ん?だから、そーゆうてんや」

「は?そんなわけないじゃないですか、授業にもついてこれてないんですよ?」

「いんや、そんなこともないで、実はな、春虎クン、入試の成績、ごっつええねん。もしかしたら、君らより上かもな」

「そんなことが…………」

 

大友の発する言葉に呆気に取られる京子だが、何か思い出したようにハッとすると続けた

 

「それは、夏目くんに、試験の内容でも教えてもらったんじゃないですか?」

 

京子が勝ち誇ったように言う。が、それを聞いても大友の顔が変わらなかったことに疑問を抱く

 

「残念やったな。京子クン。問題は変えとるんや、むしろ、難しくしとる。当然やな、編入試験なんやから。それでも、君らより点数高いんや、つまりは、そーゆーこっちゃ」

 

 

聞いて俯いた京子は、何かを呟いていた。隣の席の女子生徒は聞いていた

「認めない認めない認めない認めない認めない認めない」

呪詛かとも思えるような、呟きの果てにとうとう叫んだ

 

「あたしは、認めません!」

 

大友がそのボサボサの頭をかきながら、めんどくさそうにする

 

「せやかてなぁ、まぁ、確かに異例の編入てゆー建前疑問があるんは確かなことやけど」

「したら、京子クン。どしたら、春虎クンのこと認めてくれるんや?」

 

大友の問いに、もともと考えてたとものだとも言わんばかりの早さで答える

 

「術比べよ!術比べをしましょう!」

 

 

大友は、術比べかぁと言うと、

 

「ほな、呪練場を放課後とっとくさかい、そこでええな」

「ええ機会や.興味ある生徒も、見にきてくれ」

 

と、そこで授業終わりのチャイムがなる。ほな、今日はこれでおわり、と大友が教室から出ていくと、春虎の目の前に京子がやって来て、言った。

 

「今日の放課後、逃げるんじゃないわよ!」

 

「約束なんだからっ!」

 

 

 

おう、と答えた春虎は、既に記憶の旅に出ていた。

 

京子の、最後のセリフを聞いてからどんどん遡っていく。その先に、あるひとつの記憶。幼い頃、土御門本家の屋敷、その庭での、約束。

 

 

『約束なんだからねっ』

 

 

 

春虎は、唐突に思い出す。

 

次にあったらリボンを渡す。

 

次に会ったら

 

次に会ったら

 

次って、今じゃね?もしかして、それでこいつは、こんな怒ってるのか?

 

春虎は、勝手にそう結論付け、慌てて教室を飛び出す

 

「悪い、倉橋、夏目、冬児。大事な用事を思い出した。放課後には、戻るから安心してくれ」

 

 

その行動の早さに誰も追い付けない。

春虎が教室を出て、廊下の曲がり角を曲がり、その姿が見えなくなった頃にやっと「はぁー?」という声が教室に響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春虎は、焦っていた。リボンはあのあと探しだし、自分の部屋に大切に保管してあったはず。その場所も覚えている。あとは、時間との戦いだ。

 

走りながら、陰陽塾を出ると、隠行を開始、そして、土御門の家が、ある方へ繋がる霊脈を探す。が

 

(くそっ近くにない!)

 

残念ながら、走って行ける範囲に土御門家のある方に繋がる霊脈はなかった。霊脈は、流動的なものであり、常に同じところに存在しているわけではない。故に、わざわざ探す必要があるのだ。

 

少し行った先に一つだけ見つける、走っていっていては、時間がかかりすぎる。そのため、まず、自らの護法の名前をよんだ

 

「飛車丸!」

「ここにっ」

 

走っている春虎の右側の虚空から突然と姿を現す

 

「烏羽織は、どうした?」

「はっ今朝のうちにとってきております」

「そうか、良かった、いまどこに?」

「春虎様のお部屋に厳重に封印しております」

「ならまず、寮にいこう」

 

二人は隠行したまま、走り出した。

 

 

都会のなかをダッシュしながら、隠行のお陰で、誰もが無意識に道を開けてくれるので誰にもぶつかることなく進んでいく。

 

そして、部屋につくとすぐさまコンが飛車丸の姿となり封をとく。

 

現れた大きな三本足の烏に、懐かしい感じを覚えるが、そんな暇はない。羽織ると同時に隠行を開始、誰にも認識されない烏が、部屋から飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

空が若干赤くなり始めた頃

 

 

土御門夏目は唸っていた

 

「あのバカ虎ぁ!行きなり出ていったと思ったら、主になにも伝えずにぃ」

 

授業をサボったことより、自分になにも伝えずに行ったことが。そして、何より、授業ごとに聞かれる「春虎クンはどうした?」という質問が、自分ではなく冬児にされるというのがなおのこと夏目を不機嫌にした。それは、彼女一人ではなく

 

「なんなのよ!あいつ。約束っていったじゃない!!」

 

京子も同様であった。既に本日の授業は終わり、放課後を迎えている。呪練場には、噂を聞き付け面白半分できた、学年問わずの生徒たちが、周りの見物席に、準備を終え、呪符を携えた京子と、審判を勤める大友が、その中心に立っていた。

 

二人がここに出てきて、約15分が経過していた。先程の二人だけでなく、他の生徒たちも「なんだ?」「怖じ気づいたのか?」などと、野次を飛ばしはじめていた。それに反発して「春虎はくる!」と夏目がまたさらに機嫌を悪くしていた。

 

 

 

「もう、なんなのよ、あいつは!?」

 

 

京子が、そう叫んだ瞬間だった。ドタンっと音をたてて呪練場の扉が開いた。入ってきたのは、少年だった。彼は肩で息をしながらこういった

 

 

 

 

「すまん、待たせた」

 

 

春虎だった。

 

 

 

 

 

見物席から、呪練場におりた春虎を確認すると、大友が問うた。

 

「ほな、準備ええな、閉じるでぇ~」

 

なんともやる気のない声を発しながら、呪文を唱える。その後、呪練場と見物席を、隔てるように結界が展開される。

 

春虎の見る限り十二神将クラスが作ったものだ、春虎も安心できる。

 

 

 

春虎は、傍らで誰にも見えないように隠行している飛車丸と烏羽織に、絶対に姿を現すな、と厳命すると、京子に向き合った。

 

 

兎歩と隠行、烏羽織での飛行による高速移動という無駄な呪術の使用により、長遠距離をとんでもないスピードでいどうしたのだ。お陰で目的のものは取ってこれた。しかし、時間がなかったので、烏羽織を寮においていく時間がなかったのだ。バレたら色々不味い。

 

 

「悪いな、少し遅れたみたいだな」

「そうよ!なに考えてるの、いきなり出ていったと思ったら……まぁいいわ。早く始めましょう、大友先生」

「はいはい、じゃ注意事項だけ確認しとくで」

 

「あとに残るような呪詛、および死につながるような呪術は禁止、でも、ハッタリとかにはつこうてええで、ぼくもそーゆうん好きやし」

「気絶、等動かなくなったらその時点で僕が止める」

 

「ほんで、最後に、こんだけたくさんの人が見てんねんからすぐに終わるようなことにはならんよう」

 

そういって、大友はニヤリ

 

京子もニヤリ

 

春虎は、変化なし。そして、追加注文

 

「せんせー、護法は許可していいですよ」

 

その言葉にギョッとしたのは、大友と京子

 

「あ、いや、俺は使いませんよ、まぁ、使いたくないなら使わなくていい。まぁ、結局はつかうことになるだろうがな」

 

「っ!!バカにしてぇ!!」

 

京子のボルテージも限界、見かねた大友が間にはいる

 

「待ち待ち、そーゆうんは、術比べでな。護法は認めたるわ。ほな、始めるで 」

 

 

「開始っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 




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