東京レイヴンズ~俺の名は土御門夜光~   作:ぶるーちーづ

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……え?

って思いました。なんかありがとうございます。日間に載ってるみたいです。ほんと驚きました。

感想ありがとうございます
ポジティブな感想は支えに、ダメ出しは、糧にさせてもらいます。

そのなかで、参考にと、逃奏劇リアクターズというのを勧められたんですが、一輝くんと小鳩ちゃんがコラボっててビックリしました。

気になるなら確認してください笑笑




逃争

 

 

 

 

術比べが行われた翌日、教室では、春虎の周りに人だかりができていた。

 

無論、話題は昨日の術比べ。クラス、もしくは、学年でもトップレベルを誇る倉橋京子をつい先日まで素人だった人間が勝利、しかも、鮮やかな呪術戦においてだ。

 

ともに、呪術を極めんとする生徒にとってそれは、格好の獲物であり、多大なる興味の対象者になるのは、避けられるものではなかった。

 

よくみると、他のクラス、おそらく、術比べを見ていたであろう生徒すら混じっている。さらに、その割合を、白い色が大半を閉めていることに、彼の主である、土御門夏目は、イライラしていた。

 

いや、それだけじゃない。何も言えない自分にもイライラしているのだ。

 

本当なら言いたい。僕たちは代々続く陰陽道の名家土御門家の人間だ。そんなことやってる暇があったら、少しでも呪術を学んだらどうか、と。

 

でも、言えない。あの呪術戦を見た後では何も言えなくなってしまった。

 

春虎は、初心者だったはずだ。北斗の時だって呪術を学んだ跡はなかった。

 

なのに、あの呪術戦は、素人じゃない。

確実に私より上だ。北斗を使えばどうにかなるかもしれないけど……。

 

鈴鹿も話し合いで納得させたとかいってたけど、たぶんそれも…………。

 

うぅーイライラする。バカ虎のくせにバカ虎のくせに

 

 

 

 

 

 

「ちょっといいかしら」

 

夏目が心中穏やかでない時、春虎に、一際聞こえる声がかかった。周りの生徒たちも、その声の主が誰だかわかると、道を開けるように、避けた。

 

「倉橋、どうした?」

「ちょっと来て」

「夏目くんも」

 

そう言って京子は、夏目の方に目配せして、春虎の手を掴むと教室を出ていった。

 

 

 

 

陰陽塾非常階段踊り場、そこに3人の姿はあった。

 

「ごめんなさい、夏目くん」

 

唐突に頭を下げる夏目。状況がよくわからない夏目は、春虎を見やり、ポカーンとしている。春虎は、肩をすくめただけだった。

 

「あたしは昔、ある男の子と約束したの、それも土御門家の庭で。仮にも倉橋なんだから、土御門家に行っててもふしぎじゃないでしょ?」

 

「あたしは、この塾にはいって、夏目くんのことを知って、その相手が夏目くんだとおもった。だから、聞いてみた。でも、夏目くんは、覚えてなかった」

 

「そのせいで、夏目くんにきつく当たったり、いちゃもんつけたりしちゃったの、ホントにごめんなさい」

 

そう言ってもう一度頭を下げる京子。ようやく事情を察した夏目が続いて口を開いた。

 

「そ、そうなんだ。わた、僕も不思議に思ってたんだ。そう言うことならきにしないでくれ」

 

頭を上げた京子の顔がパァと明るくなる。そして、春虎を見る。その視線に気づいた春虎は、二人してむかいあうようになると

 

「な、大丈夫だったろ?」

「うん」

 

と、笑顔で会話する。

 

チクり、夏目の胸に何か刺さったような感触がする。仲良さそうに話す二人を見ると、自分でも制御できない感情が動き出しそうになる。

 

堪えきれなくなって、走り出す。去り際に見た春虎の顔は困惑していた。当然だ。急に走り出したんだから。

 

背中ごしに、夏目!と、呼ぶ声がする。でも、追いかけて来てくれない、式神のくせに………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つ……みか……ん

 

土御門君!!

 

その問いかけにハッとする。いつの間にか、来たこともないようなところに走ってきていた。声の先を探るように後ろを見ると、灰色のスーツを着た男の人が息を切らせながら走ってきていた。

 

「なんですか」

 

今まで聞いたことがないくらい暗い声が響く。その状態に男は顔をくらませる

 

「何って、時間ですよ?」

 

無理して何もないような顔をつくって言った。夏目も男の顔をちゃんと認識すると、呪捜部の人、先日の襲撃の件で話をしている人だと分かり。謝罪した。

 

「ごめんなさい、もうそんな時間ですか。すぐにいきます」

 

そう言って、今まで走ってきた道を戻るために振り返り、歩き出そうとすると目の前をその男が塞いできた。

 

「いえ、もうその必要はありません。御身のためです。時期が早いのは重々承知しておりますが、もう始めてしまいましょう」

 

「あ、あなた、何をいっ……」

 

夏目は、覚えがあった。そのしゃべり方その雰囲気に。自分を崇めるようなそんな態度を取る人たちに。先日襲われたばかりだ。

 

「まさか、あなたもーーーー」

 

「眩め、封、閉ざせ。急急如律令(オーダー)」

男が素早く呪符を抜き、呪文を唱える。

ギリギリで正体を掴んだ夏目の呟きが終わる前に、かのじょの意識は、即座に沈んでいった。

 

「そうです、もう時間です。御身が甦る、時間です」

 

うっすらと冷笑を浮かべながら彼はそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

春虎はたちは、別に、追いかけたくなくて追いかけていない訳ではなかった。追いかけられなかったのだ。

 

「夏目!」

 

春虎がそう叫んだあと突如として、階段の壁が爆発した。

 

「なっ、なんなの!?」

 

突然のことに 京子は、動揺を隠せない。かく言う春虎も、内心穏やかではなかった。

 

走り去った夏目の表情と、今自分に向けられている禍々しい敵意によって。

 

京子がそれに目を向け、ひぃっと声を漏らす。

 

そこには、大きく蠢くものがあった。勤勉な京子は、その正体を知っていた。春虎も、感じる霊力とその見た目から、それがなんなのか既に見極めていた。

 

「……蠱毒」

 

その呟きは京子からだった。古代から禁呪とされてきた呪詛だ。無論、現代もその危険性から禁呪指定されている。分類では、『呪詛式』と呼ばれるなかの、式神に当たる。

 

使用可能になるのは、陰陽Ⅰ種の資格でも持っていないといけないだろう。

 

二人の脳裏にいろいろな疑問が生じる。陰陽塾は、結界に守られているはずだ、なんで?そして、だれが?

 

 

「白桜!黒楓!」

 

京子が自ら専用にカスタマイズされた護法を呼び出し自らも護符で防御を固める。疑問より先に冷静になり手を打てるやはり、優秀な陰陽師の卵に他ならなかった。

 

春虎は、護符を一枚取りだし、状況を確認していた。すぐさま消し飛ばすこともできるが、それでは、咄嗟に作ったせいで、薄くなっている京子の結界が耐えられない

 

春虎は、自らの護法を呼んだ。

 

「コン!倉橋を任せていいか!?」

「し、しかし、私めは、春虎様をお守りすると言う使命が……」

「悪い、命令だ。倉橋を守れ!」

 

しぶしぶと言った顔で頷くと、春虎の投げた火行符によって、出来た道を伝って京子の元に行き、素早く印を結ぶと護符の結界にの内側にさらに、結界が張られた。

 

この時、さらりとコンは結界をすり抜けるという妙技を使ったのだが乱戦状態故に京子が気づくことはなかった。

 

京子の安全と、蠱毒に覆われているせいで、視界が悪いことが確認できたところで春虎も、呪力を体に巡らせる。そして、唱える。

 

「ノウマク・サラバ・タタギャテイビャク・サラバ・ボッケイビャク・サラバタ・タラタ・センダ・マカロシャダ・ケン・ギャキギャキ・サラバ・ビギンナン・ウンタラタ・カンマン!」

 

途端に、蠱毒から火が燃え盛り。そのまま燃やし尽くした。

 

不動明王の火界咒で、金剛手最勝根本大陀羅尼である。

 

迸る呪力に思わず目を覆っていた京子には、急に終わったようにしかみえなかった。回りを見ると、そこには、ほぉと一息ついた、春虎がいた。

 

「ねえ、やっぱりこれって」

「夜光信者だな、間違いない。そして、夏目が危ない」

「じゃあ、早くいかなきゃ!」

「ダメだ。倉橋は、この事を先生に伝えてくれ」

「春虎は?」

「俺は、勿論夏目のところに向かう。なんたって、俺はアイツのシキガミだからな」

 

言い終わると童子に走り出す春虎。その背中を少し羨ましそうに眺めると、自分の仕事をするために京子は、職員室へ向かった。

 

 

 

 

 

春虎は、走っていた。夏目のもとへ、迷わず、最短距離で、まるで、位置がわかっているように。

 

いや、実際に春虎には、わかっていた。これは、ひとえに、授業中仕組んでいた結界のお陰である。

 

 

シキガミとその主は少なからず霊的なパスで繋がっている。それは、霊力を込めればシキガミがそれだけ大きな呪を操れることからも理解はできる。

 

それは、仮にも契約をした、春虎と夏目も例外ではない。春虎とコンほどの繋がりではないものの、わずかではあるが存在はしているのだ。春虎が作っていたのはそれを利用するものだった。

 

理論は簡単で、夏目が攻撃的な呪術を受けると、その霊的なパスを通じて春虎に伝えると言うもの。何かあったとき、まさに今のような状況のために朝登校中に忍ばせておいたのだ。

 

そして、蠱毒を始末しているとき、その反応があった。つまり、春虎は、蠱毒がきたから、夏目が危ないと推測したのではなく。夏目が襲われているから夜光信者の仕業だと断定したのだ。

 

そして、いまは、その信号を逆手に逆から送られてきている方をたどり、夏目のもとへ、向かっているのである。本当は、夏目へ向けられた呪術を弾いたりする結界を展開する、ぐらいにしたかったのだが、いかんせん時間が足りなかった。

 

走っているうちに、見覚えがある道を辿っていることに気づく

 

(この道は…………呪練場か!)

 

 

そして、呪練場につき、一秒の躊躇いもなしに、その扉を開けた。

 

その先は

 

 

身体中に呪符を張られ、意識を失って寝転がっている夏目と隣に佇む一人の男がいた。

 





飛車丸角行鬼(笑)との戦いは、楽しみです。

そのあとの展開、また、感想で先読みされてました。

読者の中に優秀な星詠みがいらっしゃる……。
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