東京レイヴンズ~俺の名は土御門夜光~   作:ぶるーちーづ

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お久しぶりです。遅くなって申し訳ございませぬ。



お詫びを兼ねまして、本日は、もうおひとつお送りするつもりでございます。お間違えのないよう。


楽しんで頂けると幸いです。


青春はさせます。






ちなみに、次は、今日の午後いちあたりですぉ


信頼

 

 

 

「黙っててすまなかった」

 

春虎は今、クラスメイトたちに謝罪していた。そのこととは、無論冬児が生成りであったことについてである。

となりには、春虎に追随するように頭を下げている夏目の姿もある。

 

春虎が自分一人で謝ると主張したものの夏目は、主人だから、という理由で突き通したのだ。

 

 

たいして、クラスメイトたちには微妙な空気が流れている。

 

老講師と春虎の活躍により、奇跡的に被害者をゼロに抑えることが出来たものの、ついさっきまでクラスメイトだった人物が生成りだったと知っては、動揺を隠せないのも無理はない話である。

 

「…………………………………………」

「まぁ、なかなか言い出せるようなことでもないし………………」

 

京子が助けを試みるものの、その顔も衝撃で染まっているので、あまり説得力がない。

 

ただ、これは、全員が陰陽塾の塾生で、正しい知識を持ち合わせているためであり、そうでなかったなら、既に、混乱の最中にあったであろうというのは、想像に難くない。

 

そこへ、ひとりの講師が駆け寄ってくる。そして、言った

 

「倉橋塾長が、君をお呼びだ。今すぐ塾長室へ向かってくれ」

 

 

終には、弁明も出来ぬまま、虚しい空気を持ち越しとなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな、夏目くんは学生なのよっ!どうして祓魔局の作戦に無理矢理駆り出されなきゃならないのよ!」

 

「これは、強制ではありませんよ。夏目さんが嫌だと言うなら、私はその旨を祓魔局に伝えます。それと……塾内では、敬語を使いなさい京子さん」

 

 

倉橋塾長から、言い渡されたことにたいし、京子は、自らの祖母に非を上げ、祖母もそれに反論するように、しかし、諭すように話しかける。

 

講師が呼んだのは、夏目一人のつもりだったろうが、室内には、春虎の姿もあった。

 

一番最初に声を上げたりするところを見るに、京子には、夏目たちに対して何か思うところがあるようだ。いや、もしかしたら、春虎に対してかもしれないが真実は不明のままだ。

 

 

塾長の話というのは、鵺を誘き出すのに、良質な陰の気、つまり、土御門の竜を使うというものだった。

祓魔局からは、既に迎えが来ているらしい

 

夏目の顔が、一学生のものから、土御門家次期当主のものへとかわっている。

 

「…………父は。父は、許可を出したんですか?」

 

「祓魔局は、そう言ってるわ」

 

「そう…………ですか。……はい、決めました、祓魔局に出頭します」

 

 

その決定に対して、依然として京子からは反対の声が上がるが、夏目の目は、意志が既に決まっていることを示していた。

 

春虎はそれを察し、短く呟く

 

「夏目」

 

そして、夏目の方を向いてから

 

「分かってるよな?」

 

とだけ。対して、夏目の返答もまた、簡素なものだった。

 

「もちろん。主を守るのは式神の役目だもんね」

 

それで十分。その会話に第三者が入る余地はなかった。

 

そのタイミングで、狙い済ましたかのように塾長の電話が鳴り、受話器を下ろしてから、3人に向けて言った。

 

「冬児さんの意識が戻ったようです」

 

 

「ですが、そのあとすぐ、目を離した隙に居なくなったらしいわ。今何人かで捜しているそうですが…………」

 

 

一瞬沸き立つ3人だったが、あとに続いたセリフを聞いて、その勢いも落ちてしまった。春虎は、あのバカ、などと呟いている。

 

「でも、どうして冬児はそんなことを……」

 

夏目が押さえられなかったのか、呟きを漏らす。その疑問には、塾長の口からすぐに答えが出てきた。

 

 

「実は……彼の封印を弱めました。これまで押さえられていた、鬼の力が出てきているのかもしてません」

 

 

「そんなっ」「なんでっ」という当然の反応が春虎を除いた二人からでる。ただでさえ、危険な状態だったのに、更に危なくするなど凶器の沙汰に思えるのだろう。だが、春虎は、その理由を正確に把握していた。

 

「これは、必要なことなのです。彼、冬児さんがこれから、鬼と戦っていくための」

 

 

有無を言わせぬ、年寄り?の呟きに、二人も名にも言い返せず、ここでもまた、空白の時間が流れる。

それを破ったのは、なんと春虎だった。

 

「…………な、夏目」

 

珍しく、苦しそうなこえ。物理的にではなく、心理的に、言いづらそうな声でその名前を呼んだ。

 

 

 

「分かってる。行ってあげなよ」

 

 

 

 

「悪い」

 

 

 

またもやそれだけ、彼らが交わしたのはそれだけの会話。しかし、それでお互いに全てが伝わっていた。

 

春虎は、夏目が答える前に既に、走り始めていた。

 

友を救うために。

 

 

 

 

その後ろ姿を見て、夏目もまた自らを鼓舞するように呟いた

 

「春虎君は、やっぱり春虎君ですね。私も、頑張ります。任せてください」

 

 

 

 

主と式神、目に見えない強い信頼関係がそこにはあった。

 

 

 

 

 




感想評価文句雑談等なんでもおまちしております。



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