はい、ども。アクセルワールドのメタトロンは絶対に能登ちゃんだろうと確信しています。
まぁなんでこんなことを言ったかというと、他作のほうでアクセルワールドネタを使ったからなのですが……。何でも無いです。
今回もこの言葉から入りましょう。
ごめんなさい
本当は、題を神童にしたかったんです。そうしていない理由はお察しの通りです。
早く喋らせるように頑張りたいです。
また、たくさんのご意見を待っています
「どんな奴がいるんだろうなぁ」
「春虎!キョロキョロしないで」
心底楽しそうにまわりを見渡す春虎を叱ったのは、夏目だ。しかし、その声をいつものように張り上げられていないのは周りにたくさんの人がいるためであろう。
まあ、朝から既に怒った春虎をまた怒るということに、気が乗らないのも事実ではあろうが。
春虎と冬児は、内緒の特訓のせいで他のみんなをまたせてしまったのだ。朝、春虎の部屋から二人で出てくる所を夏目に見られたときの目は、少し心を痛めた。
ここは、陰陽塾の地下にある呪練場、そこで新入生の入学式は行われている。普段は、甲種呪術の実技に使用される場所であり、スタジアムのような作りでアリーナを囲むように観覧席が並んでいる。
春虎と冬児は、途中入塾のため、入学式はこれが初めてであるが、塾生が一度に集まるのもこれが最初の行事だ。他の学年との交流がほとんど無く、顔を見るのが初めての人がほとんどであるので、興奮するのも仕方の無いことかもしれない。
なにせ、春虎にとって、呪術界にとって、彼らは紛れもない金の卵だ。自分の作った夜光塾のなれの果てである、陰陽塾。それが、少なからず役割を果たしていることを確認できて嬉しかったのだ。
アリーナには、前方に新入生が、後方右手に3年が左手に2年が並んでいる。春虎は夏目と冬児に挟まれたところで、入学式を眺めていた。いまも、丁度講師の一人が新入生へ訓示を垂れているところだ。
「今年の新入生、妙にそわそわしてるね。僕の時も自覚してないだけで、あんなだったのかな?」
夏目がぼそりとこぼす。
春虎は改めて新入生を見渡してみる。すると確かに一部のーーー特に最前列付近の生徒たちが落ち着かない様子を見せている。
ついでに霊力を感じるように知覚範囲を広げていく
(………ん?この感じ…どこかで…)
すると、覚えのある霊力をつかんだ。一人一人毛色の違う霊力を持つ中で、なんとなく程度で感じられるものでは、さすがの春虎でも持ち主の特定には至らなかった。
その、どこか懐かしい感じがした霊力は、すぐに頭から離れていった。対策をしていればと後悔することなど全く知らずに……。
「なぁ、夏目。なんか三年少なくねぇか?」
春虎の興味はそちらにそれてしまった。しかし、見て分かる程度には、二年生と三年生の人数の違いがあるのだ。
それには、既に構えていたかのように夏目がスラスラと答えた。
「前にも話した通り、二年生になると、実技が増えてくるんだ。そのせいで、資質の差が如実に出てくる。だから、二年生になると退学者が一気に増えてくるんだよ。才能が無い人はどんどん辞めていっちゃうみたいだね」
それを聞いた春虎は困惑の表情を浮かべた。夏目はそれを危機感をもった、と解釈したが、そうではなかった。
(才能がない、ね。才能が無い生徒がここに入ってこれる訳はないんだけど………。)
本人の意思以上に才能の有無が実力を決める。
故に排他的と言われる呪術業界だ。どの業界にも少なからず言えることだか、それらに比べても飛び抜けてその面が強い。なにせ、見鬼の才が無ければ、赤子同様の扱いになるのだ。
「ましてや、陰陽塾の実技のレベルは高い。そんな講義を受け脱落することなく残ってきたのが今の三年。進級したばかりの二年とは比べものにならないさ。まぁセミプロのようなものだと考えていいと思うよ」
夏目はそういった。が、またしても、心の中で春虎は首を傾げた。
確かに、彼らはそれなりに実力を備えているのかもしれないが、全てに才能があった訳ではない、いや、それぞれに才能はあるが、それは統一したひとつのものではないというべきか。
春虎はあの中には二つの人間が居ると考えている。
一つはそのまま、そもそも才能があったもの。
そして、もう一方は、自分にあった才能を見出した者。
才能は多岐にわたる。陰陽師にとって忘れてはいけないことの一つである。
と、突然拍手が起こる。春虎たちも話は聞いていなかったものの、周りが拍手をしていると自然と手が動く。アリーナを確認すると、どうやら講師の話が終わったらしい。
祭壇の講師が下がると、今度は塾長の倉橋美代がその姿を現した。その風貌と同じような温和な声で話し始める。
「初めまして、皆さん。陰陽塾塾長の倉橋美代ですーーーー」
新入生に向けての言葉が送られる。
その上品でお淑やかな様子と同じようにはいかず、かなり茶目っ気の持ち主であることを春虎は昔から知っている。
むしろ、久しぶりに出会って、あのやんちゃだった子がしっかりとしたお嬢様になっていて驚いたほどだ。
「ーーーー以上で、私からの挨拶は終わらせていただきます。新入生の皆さん。また、新たな学年を迎えた皆さん。自分を信じ、あなた方を信じる講師の皆さんを信じ、自らの力を伸ばすよう精進なさって下さい」
そう締めくくって、一礼すると、再び会場が拍手の渦に飲まれる。
苦しい式の硬い雰囲気が少し抜け、ところどころに私語が飛び始めたとき
「あら、いけない。一つ発表することがあったのを忘れていましたわ」
後ろに下がろうとしていた美代がまたマイクの元まで歩いて戻ってきてそう言った。
会場が一度緩んだ雰囲気を元に戻すのは難しい。困惑や疑問の私語によってなおのこと会場が暑くなっていく。特に新入生の最前列付近は、もはや半分叫び声のようになっている。
ざわざわざわざわ、どんどん大きくなるそれらを気にせずに美代は、言葉を続けた。
「実は、今年度の新入生には、一人が変わった経歴を持った方を受け入れることとなりました。既に陰陽師の資格を取得されているのですが、幾つかの事情となにより、本人の強い希望もあったので、特待生として当塾への入塾を許可することになったんです」
その、癖の強そうな事情臭のぷんぷんする話に盛り上がっていた会場が静まる。どの生徒もこれから話されるであろうその生徒のことが気になるのであろう。
ただ、最前列付近の生徒たちはなおのこと興奮した様子を隠せていない。
うそっーーーーやっぱりーーーーほんものっ!?ーーー
などと言う声が飛び交っているのがかろうじて春虎の元まで聞こえた。もっとも、そこまで聞こえる時点で相当の声量で叫んでいる、ということに他ならないが。
そして、壇上の塾長がにっこりと笑い、告げた。
「せっかくですので、ご本人からも一言挨拶をいただこうかしら。ここに居る皆さんなら多分彼女のことはご存じでしょうけどーーー」
だんだんと、春虎の脳内でピースがはまり始める。思い出されるのは、先程感じた霊力。懐かしいと感じた自らの感覚。意識することなく春虎の頰がヒクヒクと動き始めている。
「ーーーーー一応ご紹介しますね。現在、最年少の国家一級陰陽師で神童と呼ばれているーーー」
それによって、春虎の脳内のピースは完成し、一つの絵を描いた。いや、彼だけでない夏目と冬児の脳内でも同じような絵が完成したことだろう
「大蓮寺鈴鹿さんです」
ありがとうございます
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