諸事情により執筆。
変な言い方ですが、ホントに執筆しなきゃ生きてられないような状態に陥るってユー珍しい状態でした。
おかけで文がへんなとこあると思いますが、その時は言って下さい
「はぁ」
少しのためらいも見られないため息が春虎の口から漏れる。
一応は、“彼女”たちの説教は落ち着いて皆各々の方向へ歩いて行ったが、なぜが鈴鹿だけがそこに留まっていた。
「なによ」
ため息が自分に向けられていたものだと察したのか少し不機嫌な声で鈴鹿が言う。
「お前なんでここに居るんだよ、クラスは?」
春虎がそう言うとなお機嫌が悪くなったようで、ツインテールにした綺麗な金髪を揺らしながら叫びだした
「はぁ??あたしがあんなのと仲良く出来るわけないじゃん、実力が違いすぎんのよ!」
「いや、そういうの関係ないだろ」
「あるし!それに、教室だとあんたの話を聞きたいってうるさいんだよね」
「お前それ、自業自得だろうが!」
さらっと述べられた鈴鹿の暴露を春虎は聞き逃すことなく反応した。対する鈴鹿は「ってへ」とでも言いたげに舌を出して誤魔化した。
「でも、なんでここに来たんだ?実力的には来る必要なんてないだろ?」
空気が変わり少しまじめな話になると二人の表情も変わる。
春虎がそう問いかけると、鈴鹿は心なしか表情が沈んでいるように見える。そして、少し俯いたままでポツリポツリと話し出した。
「罰則よ、罰則。あたしがあんな行動を取ったのは、家庭環境に問題があるーとか言って、屈辱だわ!アマチュアと一緒にされるなんて!」
「……………気の毒なこった」
「あんたには言われたくないわね?ほんとならあたしは今ごろ、この世にいないはずだったのよ!それが誰かさんのおかげで………惨めなもんよ」
自嘲の笑みを浮かべながらそう言う鈴鹿。それは、余裕から来るものではなくても、半ばやけっぱちで、ふとした本音がもれたもののようだった。
一瞬、春虎は真剣な声で
「よかったな、その誰かさんがいてくれて」
「…………っ………」
カァと紅潮する鈴鹿の頬。そのまま何も言えずに俯いてしまう
「………………ぁりがと」
「ん、なんか言ったか?」
「べ、別に何も言ってないわよ馬鹿!」
鬱蒼とした雰囲気が晴れて、また会話が斎戒する。
「それで、その罰則はいつまでなんだ?」
「……3年。卒業するまでよ」
「そうか、でもまぁ、それだけで済んでよかったじゃんか」
「……はぁ?アンタバカァ?それだけで済むわけないじゃない」
本気で馬鹿にしているような目を向けながら春虎を毒突く。
それから、
「どうせあんたの担任辺りがチクるに決まってるし、せっかくだから教えてあげるわ」
と言って、突然右手で自分の前髪を書き上げた。
鈴鹿の額が丸見えになる。そして、春虎はそのちょうど真ん中あたりに“印”を見つける。
長さ1センチほどの線分が交わったような×印。
そして、それを見た春虎は“納得したような”顔を浮かべた。
「…………なによ、その顔は」
不審に思った鈴鹿が思わず問いかける。
「いや、さっきからお前の霊気に違和感があってな。原因が分かってスッキリした顔だ」
と、春虎はなんともなしに答えた。
「で、これは?」
と、再び春虎は。誰がやったのかと聞いているのだろう。おそらくどんな呪術、封印なのかは「視て」分かっているに違いない。
「陰陽庁長官よ、これをやったのは」
「へー」
字面にするとバカにしているように聞こえるが、春虎は真に感心していた。
(よく出来た封印だ。これが今の最高峰の技か)
「もうちょっとよく見ていいか?」
「…………別に、いいケド」
気持ち顔を前に出しながら鈴鹿は言った。だが、ある意味その行動は無意味に終わる。
ズイッと春虎が顔を寄せてきたからだ。
額と額の距離、およそ10㎝
春虎からしてみれば封印を「視て」いるだけだが、鈴鹿からはそうはいかない。
彼の顔が目の前にあるのだ。それも相手から近づいてきて
(これじゃあまるでホントにキ、キキキキスされてるみたいじゃないっ!)
と、心の中は大変な乙女モードになっていた鈴鹿であった。
近年否定された物心二元論。そう、それはすなわち、心が身体に影響を及ぼすことがあるということだ。
つまりは、鈴鹿の顔は、赤いインクをぶちまけたように真っ赤になっていた。
それはもう耳まで。
しかし、春虎は気付かない。どこからか、ガコンっという音が響く。
それでも、春虎に反応はなかった。
だが、その鈴鹿の乙女モードは唐突に終わりを告げる。春虎の一言によって。
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
「グギギギキガァァァア」
ある少年と少女を見守る影が一つ。
いや、その姿は見守ると形容するのが難しいほど荒ぶっていた。
彼の、いや、彼女の名前を土御門夏目という。
実は、彼女がこの状態になっているのは訳がある。先程の説教に夏目は参加していないのだ。いや、参加できなかった、と言うべきか。
あの夏、鈴鹿は、土御門の屋敷にやってきた。そして、自分はその時に姿を見られている。
いつもの制服姿ならよかったが、あの時の服装は
(白のワンピースです。春虎君のタメにわざわざしたオシャレが裏目に………)
夏目は、男として振る舞わなければならない。しかし、鈴鹿は、女としての自分を見ている。
しきたりを重んじる夏目の真面目な性格は、夏目が女であるとバレるわけにはいかないという行動を選ばせたのだった。
最大限隠形をしながら、見守る。
が、抑えきれない右手が呪符ケースに伸びているのは言うまでもない。
ギリギリ聞こえた「封印」と言う言葉から、鈴鹿が何らかの形で呪術を制限されていると推測した夏目。
(いまなら、敵うかもしれない)
かたや封印をうけた神童。かたや天才。その実力差は、いかほどか。
不謹慎なことを考えつつ夏目はいざと言うときに備えて待っていた。
そして、最初に戻る。
今まさにその状態だった。
かろうじて声が届くという距離にいる夏目は、鈴鹿の叫び声や笑い声など大きい声なら聞こえるが、ふたりの表情がまじめになってからの声は全く聞こえなくなる。
まして、鈴鹿には、前科がある。今こそ耐えられるほどにはなったが、頭からへばりついて消えないイヤな映像。
春虎が鈴鹿に近づいていく。
プチン、そうなにかが切れ“かける”瞬間だった。
「っっっ!!」
ものすごい勢いで後ろに引っ張られる。いや、引っ張られ続けている。
ある程度それが続くと、そのまま手加減なしに壁に叩きつけられた。
それほどのスピードが出ているわけではなかったが、さすがに人がぶつかっただけはあって「ガコンっ」という音が響く。
「な、一体なにが……」
打ち所がよかったのか、はたまた、そうなるようにぶつけられたのか、奇跡的に体に怪我を負うことのなかった夏目は、まわりを見渡しながらそう言った。
「ふん、夏目殿が悪いのです」
どこからか聞こえる幼い声。
すこしフラフラした状態で漸く夏目の目に入ったのは、真っ白な狐耳に尻尾。
コンだった。
「な、コン!?何をするんだ!」
「それはこっちのセリフです。主を守るのは護法の役目ですので」
「でもコン。今春虎が、き、キスを………」
「それは、勘違いですので悪しからず。あれは、春虎様が鈴鹿殿の額に施された封印をみていただけでございまする」
「え…………」
途端に力が抜けたように座り込む夏目。
「全くいつもいつも、少しは確認してから叩けばよいものを」
夏目を諫めているようで、実際に他の女子に手を出したら暴力を振るうことを辞さないと発現するコン。
辛くも、他の連中と違うのは、護法であるといったことがあったからだ。
「うぅぅだってぇ、春虎くんが他のおん…………嫌なんだもんっ」
「それは、分かりますが。それでは春虎様の主としてあまりにも情けなさ過ぎるではありませんか」
幼女が高校生くらいの少女に説教するという謎の光景が広がっていた。
いや、実年齢で言えば[飛車丸により規制]であるが、他者からは見た目からしか判断出来ないため、ただのカオスだ。
それから、ちょっとの間コンによる説教は続いた。
鈴鹿との絡みが終わったら新章にいくかも
ちょっとオリジナルにしたいようなしたくないよぅな……