東京レイヴンズ~俺の名は土御門夜光~   作:ぶるーちーづ

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いやぁお久しぶりです。作者生きておりました。

いや、死にながら生きております。ほんとにお待たせしました。まぁ悲しいですがまたお待たせすることになると思いますが。



時間的にも感覚的にも全然書くことが出来ずにこんなことに…………おそらく下手になって面白くないとの感想が寄せられるのが目に見えているため今回の話は修正しまくると思われます。



鈴鹿編は最終話です。


閉話

 

 

 

 

 

 

 

 土御門春虎、旧土御門夜光は失念していた。

 

 何を?

 

 それは“女”と言う生き物の恐ろしさをである。脳みその構造が違うのではないかと思うほどにその頭は回り、顔を使い分ける。

 彼は前世で一度、女の本性を見破る、と言う呪術を作ることを試みたが、悲しいかなそれは失敗に終わった。

 

 これによって彼が得た教訓の一つが

 『女怖い飛車丸怖い』である。

 

 さて、なぜ今こういった話になっているのかというと、、、

 

 

 

 「はぁ~~~~」

 

 そこにはテーブルに突っ伏す春虎の姿があった。

 

 場所は都内の某ファストフード店。時間が微妙なため、お昼時なら満席の店も奇妙に空いている。

 

 「ったく、情け無いわねぇ。天下の土御門夜光がこんなんだってしったら、夜光信者どもも信仰なくすんじゃないの?」

 

 テーブル席の向かいでそう言ったのは、全身をゴスロリファッションで包んだ鈴鹿だった。

 

 そう、彼は冬児の策略にはまり、鈴鹿と買い物に来ていたのであった。

 

 既に労基法制定のギリギリの時間を付き合わされている。

 

 

 集合は、渋谷駅だった。そこで、23件回った後、予想通りも予想通り。その足で原宿へ向かうこととなった。

 

 ここで、大半の時間を過ごすこととなったのだが、春虎が一つ驚いたことは町中に防瘴戎衣を着て歩いているひとがいたことだろう。

 

 

 しかし、よく『視て』みれば、呪的な措置は全くされていなかったため、単なるファッションとして着られているということになる。

 春虎は、ファッションと言う言葉の恐ろしさに戦慄を覚えた。

 

 

鈴鹿の買い物は続いた。

 決してウィンドウショッピングで終わらないところが彼女のすごいところだろうか。

 

 春虎も負けじと式神に荷物を持たせ持ち帰らせつつ、自分も治癒符を乱用しながら荷物持ちを全うするという才能の無駄遣いをしながら付き合っていた。

 

 式を遠隔操作しながら、というのは大変高度なわざではあるのだが、彼の前では児戯にもひとしいようだ。

 

 

 その途中で純粋な疑問として

 

 「鈴鹿、お前金は大丈夫なのか?」

 

 というものが沸いてきた。春虎は、今回の買い物において鈴鹿のものには一銭も払っていなかった。無論、最初は出そうとしたのだか、彼女から直々に「いらない」をいただいたので、素直に言葉にあまえることにしたのだ。

 

 返答は

 

 「あたしを誰だと思ってるの?」

 

 だ。

 

 思い返せば彼女は、御霊部部長の娘、十二神将ととんでもない肩書をもっている。

 十二神将の給料はやはりそれなりだったようだが、それよりも、呪術界のイメージアップとして広告に出されていた時の収入が尋常ではなかったそうだ。

 

 「アンタが良ければあたしが養ってあげるよ?」

 

 と春虎にいっていたことからもまちがいはないだろう。

 

 

 

 「ところで」

 

 コホンと一つ咳払いをしてから、少し間をおいて鈴鹿がきりだした。

 

 春虎もぐでぇっとした体勢を少し戻し、鈴鹿と向き合った。

 

 

 「まさか、気付いてないわけじゃないでしょうね?」

 

 鈴鹿の言葉は意図的にあいまいにされているようだ。

 

 「あぁ、その……そっとしておいてあげられないか?」

 

 急に姿勢の低くなった春虎がそう言う。

 

 「はぁ、やっぱりアンタの関係者だったのね」

 

 「その、なんかごめん」

 

 そういって二人は、少し離れた所にある気を探る。

 

 

 今回の買い物、彼らにずっとついて回る存在があったのだ。それも隠形して。

 

 世間一般にみれば、その隠形はプロの陰陽師にも引けを取らないレベルのものであったが、相手が悪かった。元陰陽の頭、そして陰陽一種資格保有者は伊達ではない。

 

 

 「でも、却下」

 

 「え……」

 

 「そこ!隠形ぬるすぎっ!」

 

 

 鈴鹿が大きな柱に向かって指さし、それをクイッと横に曲げた。

 

 すると何かに引っ張られたように黒一色に身を包み、サングラスを掛けた長髪の男が現れた。

 

 

 

 

 

 春虎は“彼女”がついてきていることを知っていた。

 ちなみにどうしてかコンの霊気が近くに感じられないのは分からなかったが。

 

 

 「あわわわわわっ」

 

 予想外のことだったのだろうか、柱から姿を現した少年ーー夏目はただ慌てるばかりであった。

 

 「はぁ」

 

 そして、その春虎の溜息とともに、今回の企みは実を結ぶことなく幕を閉じたのだった。

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 「ふぅ~~~~ん」

 

 

 妙に上機嫌な(ブラック)鈴鹿は、ニヤリと口を歪ませながら春虎の話を聞いていた。

 隣には一応夏目がいるものの今回のことに関しては全く使い物になっていない。

 

 こころここにあらず、と行った様子で放心したまま、ポテトを口に運んでいた。

 

 「……あ、ぽてとおいし」ポケー

 

 

 一通り春虎が話し終えると、鈴鹿が切り出した。

 

 「で、あたしにどうして欲しいの?」

 

 相変わらず口元をニヤリととさせたままそう言う。

 

 「そ、それは……」

 

 「それは?」

 

 「出来れば内緒にして頂けたら…嬉しいかなぁ…と、、」

 

 内心、というか、内服に冷や汗ダラダラの春虎は故意に目をそらしながらそう言った。

 

 

 彼の考えではこうだろう

 

 『却下。なんであたしがアンタなんかに従わなくちゃいけないワケ?』

 

 

 しかしながら、彼女の返答は彼の予想を覆すものだった。

 

 

 「良いわよ」

 

 「……え?」

 

 「だから、良いっていってんのよ。何度も言わせんなっつーの」

 

 

 ところが、だ。

 

 その先を聞いて彼は不覚にも“安心”した。やはり、大連寺鈴鹿である、と。

 

 

 

 

 

 「ただし、条件があるわ」

 

 

 「じょ、条件……?」

 

 

 恐る恐ると行った様子で春虎が聞く。

 

 

 「そう、条件」

 

 

 「それは一体……?」

 

 

 

 「アタシをあんたと同じ部屋に住まわせなさいっ」

 

 

 

    世界が凍った。

 

 

 

 「……………んんんん!!?」

 

 

 

 「なっなっなっなっなにをっ!?」

 

 余りの衝撃に夏目すらも目を覚ました。

 

 「待て待て待て!そんなん無理に決まってるだろ?」

 

 「はぁ?逆らうワケ」

 

 「いやいや、そう言うことじゃなくて!俺は寮、それも男子寮だぞ?ルールからして無理だろ!」

 

 言っていることは至極まっとうなのだが、いかんせん言うタイミングと状況が悪かった。

 

 

 「へぇ………ルールからして無理ねぇ」

 

 そう呟いて、鈴鹿は視線を夏目に向けた。

 

 ビクッと体を縮こませる夏目。そう“彼”は男子寮に住んでいる。

 

 春虎も自らがはめられたことに先程よりも口元の歪みが深くなった鈴鹿の顔を見て理解した。

 

 しかし、夏目の場合は特例だ。彼女は、竜の陰の気と女性としての陰の気を混ぜ合わせることで陽の気を帯びさせている。ある意味陰陽師にとってこれ以上ないほどの乙種呪術だ。

 

 対して、鈴鹿は呪術界に収まらないほどの有名人。全く状況が異なる。

 

 

 「な、夏目は……ほら!俺は夏目の式神だし、近くに居なきゃダメなんだよ!」

 

 

 「そ、そうです!式神と主が近くに居るのは当然のことなんですよ!」

 

 

 良い言い訳を思い付いたのか、2人して口数が増える。

 

 それを聞いた鈴鹿がさっきまでの黒い顔が嘘のようにポカーンとした顔を浮かべる。

 どうしてか、春虎はその顔が黒い顔よりも底知れなく恐ろしく感じた。

 

 果たしてその感覚は、正しかった。

 

 

 

鈴鹿は、首を傾げたまま目線を春虎に合わせて言った。

 

 

 「え?春虎先輩の式神はひーー」

 

 

 「ーーうわああああ、うおほん。す、鈴鹿さん、分かりました。分かりましたから俺もにできる最大限のことをしますから!」

 

 

 ニヤリ。

 

 そして、ニコリ。

 

 身を乗り出した春虎が姿勢を戻したあと、鈴鹿の表情はそんな風に変わっていった。

 

 そして徐に右手を上げるとそこには手に収まるくらいの長方形の機械と思われるものが握られていた。

 

 爪の綺麗に切りそろえられた親指がその機械の上の一つのボタンを押した。

 

 

 『うわああああ、うおほん。す、鈴鹿さん、分かりました。分かりましたから俺もにできる最大限のことをしますから!』

 

 

 そこから流れたのは、先程の春虎の発言。

 

 そして、それが終わると大切そうにその機械を懐にしまい、今日一番の笑顔でこう言った。

 

 

 「おにいちゃん、今日は本当にありがとうございましたっ!!」

 

 

 その“ありがとうございました”にどんな意味が含まれているのかは、言わずもがなだった。

 

 

 鈴鹿は、もう終わったとばかりに春虎たちに背を向け出口に歩いていった。

 

 しかし、10歩ほど歩いたところで、何かを思い出したか、もしくは、思い付いたかのような素振りを見せると、小走りで春虎の元に寄ってきた。

 

 

 そして、春虎にしか聞こえないように耳元に口を寄せ、止めをさした。

 

 

 

 

 

 

 

 「もし、約束破ったら…………

 

  

 

 

 

 ちんこもいじゃうからっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 春虎の受難は終わらないようだった。

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 その日の晩、飛車丸(幼女)が細長い木箱を持って春虎の前に現れた。

 

 

 

 

 「はははは春虎様っ!ここ、これをっ」

 

 

 「ん?これは?」

 

 

 受け取ったはいいものの、ハテナマークを頭の上に浮かべる春虎。

 

 「角行鬼のやつめが置いていきました。おそらくアレかと」

 

 急にどもりのなくなった飛車丸がそう言う。

 

 どうやらそれだけで伝わったようで、春虎も目を輝かせ始めた。

 

 

 「おおお!アレか!あいつには礼を言わないとなあ」

 

 

 そうして、なんのためらいもなく箱開け中に入っていたものを取り出した。

 

 「おお、久し振りだなぁ」

 

 どこかうっとりとしたような目をしながら、それを見つめる春虎。

 

 その目線の先には一本の木刀があった。

 

 

 すると急に真面目な顔になって

 

 

 「思い……思い出したっ!!!目覚めろ、サラ○ィガ!!」

 

 

 と叫びだした。

 

 

 

 しばしの間を開けてじとぉーとした視線が諸……春虎を貫いていることに気付く。 

 

 

 「何をやってるのですか?」

 

 

 とは、飛車丸の談

 

 「あ、あのぉ、飛車丸さん?コン状態なのに、どもってませんよ?や、やめて、そんな目で見ないでっ」

 

 

 「一体、なにをされているのですか……」

 

 

 「い、いや、なんか前世を思い出した気がして……」

 

 「前世って、夜光様の時のことをですか?」

 

 「あ、あはは、そんな感じかなぁ」

 

 

 

 居づらくなった春虎が何とかにごそうとし始める。

 

 するとドッドッドッという音が響き、春虎の部屋の前で止まったかと思うと、乱雑な音と共に扉が開かれた。

 

 

 「春虎!!なにをおもいだしたんだいっ!!」

 

 

 出てきたのは夏目だ。その目は何かを期待するような、それでいて怖がっているような、そんな曖昧さを醸し出していた。

 

 

 「い、いや、なんでもないんです。ごめんなさいっ!」

 

 これ以上心を抉られるのが嫌だったのか華麗な土下座を決める春虎。

 

 それを見てどこか安心したような表情を見せると

 

 「そ、それなら良いんだけど………それはいったいなんだい?」

 

 と、春虎の右手に握られた木刀を指差していった。

 

 

 「あ、あぁこれか?ちょっとな。なんていうか、呪具?みたいものだ」

 

 

 「へぇ、そんなものが。まぁいいや。ここの壁薄いんだから叫ぶと聞こえるの忘れないでね?」

 

 

 

 

 “思い出した”と言うフレーズに惹かれたものの自分の早とちりだったと気付くとそそくさと逃げていくように帰った夏目。

 

 

そのため春虎が持っていた木刀には興味を示さなかった。

 

 

 もし、不思議がってよく『視て』いたならば気付いたであろう。

 

 

 

 春虎のもつ木刀が“木気”ではなく“金気”を帯びていたことに。

 

 

 

 その不可解な現象に。

 

 

 

 

 






伏線ですか?伏線なんですかねぇ。伏線だといいなぁ。




感想待ってます。リアビリで唐突に短編を書くかもしれませんが温かい目で見守って下さい。

書くなら空戦か青春ラリアットかアクセルワールドかなぁ……

次の話書き始めてはいますが、一応オリジナルです
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