東京レイヴンズ~俺の名は土御門夜光~   作:ぶるーちーづ

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新章開幕です。

短いのは申し訳ないです、、、。



見て分かると思われますが一応オリジナルです。

初の試み故至らないことが多いと思われます。そのため、気になったところ見てみたい話、アイデア等々どしどし送って下さい。

是非とも参考にさせて頂きます。(これは書き手として良いんだろうか……)


The spirit of wisteria
再月


 

 

 

 

 

 

 

 全てのものに始まりがあるように、全ての教えにも始まりがある。

 

 

 そう、それは土御門夜光、現土御門春虎も例外ではない。彼にもかつて“師”と呼ぶ存在がいた。

 

 

 その名は…………。

 

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 五月、桃色の桜が姿を隠し、藤の花が顔を出し始める頃。

 

 新入生たちが新たな生活に慣れ初めだれ始める頃。

 

 

 その月の始まりにはゴールデンウィークなる自称最も過ごしやすい季節だぜ、という5日間が存在している。

 

 

 そんな素晴らしい天候の朝。

 

 

 

 「ふぁああぁ」

 

 

 カーテンの隙間から顔を覗かせる日差しに起こされた彼ーー土御門春虎は大きな欠伸と共にぐっと背筋を伸ばす。

 

 

 そして、するりと起き上がると洗面所へ向かい洗顔歯磨きをすませると、トボトボと歩き始めた。

 

 

 向かった先はキッチンだ。

 

 そして、皿に手を動かし始める。それまでの迷いのない動きから彼がその生活を経験するのが初めてではないことが想像できる。

 

 

 全ての作業を終えたのか出来た料理を皿に盛り付けると、キッチンの前にあったテーブルに運んだ。

 

 

 「よしっ」

 

 

 そうして、そう一言呟くとまたどこかへと歩き始めた。

 

 

 

 

 

 そのテーブルには二人分の朝食が用意してあった。

 

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 あの『夏目変装バレ事件』から約一週間、授業が終わると春虎の携帯電話に一通のメールが届いていた。

 

 送り先は鈴鹿。

 

 内容は

 

 『放課後一人集合』

 

 

 とだけ。

 

 

 これは霊気を辿れとでも言うのだろうか

 

 「おいおい、流石におれでも………」

 

 

 そう春虎が言いかけた瞬間、ヒラヒラと一匹の蝶が目の前に現れた。

 

 

 いや、正確には蝶ではなかった。“蝶の式神”だった。その見覚えのある式に何かを感じ取ったのか、春虎はその蝶を追い掛けるように歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なかなかに粋な真似すんじゃねぇか」

 

 

 そう言うのは春虎だ。相手は無論蝶の送り主。

 

 

 「ふんっこちとら退屈なのよ、大体そこらの教職員よりもアタシの方がデキるっつーの」

 

 

 いかにも私不機嫌ですオーラを出しながら、不機嫌であると伝える相手は、初めて会ったときはゴスロリ・ファッションであった服装が陰陽塾の女子用制服に変わっている鈴鹿であった。

 

 

 贔屓目にみても美少女の枠を超えている彼女が着ると制服ではなく、一つのファッションのように見えてくる。

 

 美人は何でも似合うというのは全くの真実のようだ。

 

 

 

 

 「で、なんなんだ?わざわざ愚痴を言うためにこんな洒落た方法で呼び出したのか?」

 

 

 どこかからかうように言う春虎。しかし、次の鈴鹿のセリフを聞くとその表情は一転した。

 

 「あれー先輩。そんなこと言っちゃっていいんですかぁ?」

 

 先程までとは異なる、明らかに意識して出している甘ったるい声で言う鈴鹿。しかし、見逃してはならない。その口元は相も変わらずひどく歪んでいた。

 

 

 「何でも……してくれるんですよね?」

 

 「」

 

 「あれーどうしちゃったんですか?」

 

 

 黙っている春虎が怒っているのかと思った鈴鹿はさらに煽りをかける。

 

 しばしの空白の後、その脆弱を破ったのは鈴鹿の一言だった。

 

 

 

 「あたしに呪術を教えて下さい」

 

 

 衝撃だった。春虎が見たのは礼儀正しく腰を折った鈴鹿の姿だった。

 

 その声色は真剣さを帯びていた。これが嘘なら素晴らしい乙種だと思うほどに。

 

 

 「いいぜ、教えてやろう」

 

 

 だからこそ彼も真剣に答えた。

 

 

 「ほんと……?」

 

 「あぁ、構わないよ。卵を孵化させるのも俺の仕事の一つだ」

 

 

 現段階、鈴鹿しかしらない真実、土御門春虎こそが夜光の生まれ変わりであるということ。そして、その記憶を既に受け継いでいるということ。

 

 

だからこそ見せる顔、土御門夜光としての顔だ。

 

 顔は同じなのに声は同じなのに全く別人のように感じられる。

 鈴鹿はこれまで一度しか見てはいないないがこの春虎もすきだった。

 

 

 それからの流は自然なものだった。

 

 

 

 「よろしく、お願いします」

 

 

 そういって彼女はまた深く腰を折ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 とは言っても彼女も一筋縄ではいかなかった。

 

 

 学生という本分がある以上平日の放課後に教えると言うわけにもいかない。

 それは2,3時間で教えられるような内容を扱うわけではないといった意味でもそうであるし、夏目達に見られないようにといったの意味もある。

 

 

 

 

 そのため教えるのは土曜日となった。

 

 

 毎週土曜日。その一日を使って行われる。ゆえに、前日の夜に寮を出て鈴鹿の住むマンションで一夜を過ごす。

 

 つまりは、前述したような状況になるわけである。

 

 

 

 無論反抗は起こった。

 

 が、抑えられた。

 

 夏目にそもそも勝ち目はなかったのだが。

 

 

 

 そうして、禍根の残る鈴鹿への授業が始まったのだった。

 

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 かこんかこんかこん

 

 

 

 と木とアスファルトのぶつかり合う音が雑踏の中で奇妙に響く。

 

 

 

 その音源を辿ってみれば女が一人。

 

 

 藤色で麻模様の着物を着た大和撫子を体現したような美女だ。

 

 艶やかな黒髪に、それを引き立てるかという白い肌。そして、体型が隠れる着物でさえもよく分かってしまうようなプロポーション。それは町を歩けば10人が10人美しいと言うだろう。

 

 しかし、その雑踏の中で彼女に見とれるものはいなかった。

 いや、見ているものさえいなかった。

 

 道は人で溢れかえっている、しかし、群集は彼女を避けるようにして歩く、無意識に。

 

 これはあることをしたとき特有の現象だ。

 

 ーーー隠形術

 

 

 群集の中ではむしろ使わない方が霊気を紛らわすことができ、使わないことが多いとされるそれを、彼女は群集のなかでつかっていた。

 

 それはひとえに、彼女の目的が『逃げる』ことではなく『探す』ことにあるために他ならない

 

 また、霊視官に感づかれていないことからも相当の実力者と想像できる。

 

 

 

 「あらぁ、ここでもないみたいやなぁ」

 

 

 美女がつぶやく。

 

 やはり、誰かを探しているようだった。

 

 

 「まったく夜光ちゃんたら、どこにいるんやろか」 

 

 

 その“夜光”という存在を探しているらしい彼女は、人並みからすこし外れると奇妙なステップを踏み始めた。それも尋常ならざる早さで。明らかに人間に可能な早さではない。

 

 

 

 「今度はおるとええんやけど……」

 

 

 そう呟くと彼女は、まるで元からそこに居なかったかのように地面に吸い込まれるように姿を消した。

 

 

 

 ステップを踏み始めてから消えるまで、その早さは春虎が同じ現象を生みだすのに掛かる時間のほぼ半分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 藤の花開く五月。

 

 

 いまだ、春虎達の知らぬ所で新たな物語が幕を開けようとしていた。

 

 

 

 





感想待ってます。


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