「実は主の指示で、土御門家のお方を探しておりました。失礼ですが、お時間をいただけないでしょうか」
黒服のシキガミにそう伝えられ、3人はその後ろに着いていった。
「春虎、だいじょうぶなの?ほんとに」
「まぁ、土御門って言うぐらいだからな、呪術関連なんだろ、なら大丈夫だ。俺が役立たずだってわかったら帰るだろ」
北斗は心配そうな顔をする。対照的に冬児は、とてつもなく悪い笑みを浮かべていた。
「おい、ヤンキーがその顔すんな、凄み増してんぞ」
その言葉の通り、3人+1人の周りは綺麗にコースが出来上がっていた。
「これは面白くなりそうだ」
春虎の忠告にたいしての返答だった。
連れてこられたのは、フランクフルトの屋台だった。正確にはその脇にいた少女のもと。プラチナブロンドに染めた髪にツインテール、そして、ゴスロリファッション。一回引いて、その顔を見、陰陽師としての実力が分かると、思い出したように言った
「あぁ、十二神将の!」
のは、北斗の方だった。
(ほう、この子が主か、呪的に大分いじられてるな、それゆえのこの実力といったところか)
春虎は冷静に『視て』十二神将足る所以を看破する
「そうよ、私は、大連寺鈴鹿、それで、土御門は?」
そういいながら、冬児を見る。見かけの男らしさは、よほど冬至の方が雰囲気がある。ということだろう
「生憎、俺はただの一般人。土御門は、こっちの方だ」
「え、あんた?」
鈴鹿が、ぱちくりと瞬きをする。呪力を押さえてるから、分からないんです。決して見た目弱そうとかじゃありません
「それで、なんのようなんだ?」
「簡単よ、実験に付き合ってもらいたいの」
「なんのだ?」
「魂の呪術、こう言えばわかる?土御門で天才陰陽師なら、わかるかもね」
「うーん」
わざとわからないふりをする春虎、おおよそ検討はついていた
(泰山府君祭か、なつかしいな)
「私は、土御門夜光の…………」
すると、いきなり自分の話がされ始めたので、そっと、耳を閉じた。
(おれは、そんな大したことねぇよ)
その間、鈴鹿の話を右から左へ受け流していた春虎は、霊気の把握を怠ってしまっていた。
「ソコマデダ!大連寺鈴鹿。陰陽法に基ヅキ、貴様ノ身柄ヲ拘束スル」
だから、その唐突な機械の声を聞き逃してしまった。
(しまった、反応がおくれーーーー)
「なめんなぁ!!」
春虎よりも鈴鹿の対応が先だった。水行符を投じたと思うと、そこから大量の水が発生。呪捜官の作っていた結界を破壊し外に流れ込んできた
春虎は、これを好機と思い、すぐさま隠行を開始、前世から得たその類いまれなる呪力操作を用いて、北斗と冬児に近づき、二人の首根っこを掴むと全力で走り出した。
二人は、春虎の隠行の上手さ故に、どうやって自分が動いてるのかわからず、冬児までもが困惑の表情をしていた。
「はぁはぁはぁはぁ」
禹歩を使いたいところだったが流石に怪しまれるので、走るしかなく、流石に疲れたようすだった。
「それで、どうするんだ?春虎」
「まず、夏目に報告するしかないな、生憎親たちは一人もいないし」
「そうだな、ならそれはまかせる」
「冬児たちも今日は帰った方がいい」
そうして、別れた後、春虎は鈴鹿から漏れ出る微かな霊気を辿っていた。無論、予め止めるためだ。彼女は、泰山府君祭を成功させるためには、土御門の呪力が必要と勘違いしている。その時点で成功する見込みは少ないだろう。止めなければ、色々無駄にしてしまう。そうして、探り当てると、奇妙なステップを踏み始める。すると、次の瞬間、春虎の姿が消えた。
鈴鹿は、追ってくる呪捜官たちを払っていた、十二神将たる自分にとって物足りない存在であった。だが、今は時間が惜しい、ので、かくし球を一つ切ることにした
「術式解放!こいっ土蜘蛛!」
現れたのは、大きな金属の塊、それがみるみるうちに姿を変え、多きな蜘蛛を形作った。みるみるうちに、呪捜官たちを凪ぎ払った。
「さて、私たち土御門のほうにーーー」
「まぁ待て」
動こうとして何者かに遮られた。