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戦争開始から一時間が経過した。数々の戦いで俺も怪我をしたが、傷はそこまで深くはない。まだまだ戦える。現在、生き残っている人の数はあと二十人。もう四十人もの人が死んだのだ。
生き残りの中で、優勝候補はやはり翔太だ。剣一本を巧みに使いこなし、武器を構える人達を次々と殺していく。俺も一人の男性と戦う。その向こうでは、美鈴が必死に戦闘を行っている。
(美鈴さんがピンチだな……この戦闘を早く終わらせよう‼︎)
互いにつばぜり合いになる中で、俺は刀を後ろに投げ捨てる。
「ヘッ!バカか‼︎自分から武器を捨てるとはな‼︎そんなに死にたきゃ、今すぐ殺してやるよ‼︎」
男は剣を思い切り振り下ろす。俺は思い切り後ろに跳ね、その攻撃を避ける。そして、刀を拾い上げ、素早く男の背後に回る。その間、経過した時間は二秒。この素早い動きに、男は付いて来られない。
「死ぬのは……お前の方なんだよ‼︎」
俺はそう言い、男の背中に刀を突き刺す。男は叫びながら、そのままリタイアした。
男との戦闘を終え、俺は美鈴の元に向かう。美鈴は既に、追い込まれていた。
「この女……俺をここまで追い詰めたのは褒めてやろう。だが、貴様の命もここまでだ‼︎」
大男は斧を振り下ろす。美鈴は目を瞑り、身を縮める。
「うぉぉぉぁぁ‼︎」
そこに、すかさず俺が割り込む。俺は刀を振り上げ、大男の攻撃を拒む。
「ゆ、優君……」
「美鈴さん!大丈夫か⁉︎ここは俺に任せるんだ‼︎」
大男はややよろめきながらも、すぐに体勢を立て直す。
「このガキ……邪魔すんじゃねーよ‼︎」
大男は横に斧を振る。その斧の重さに、俺は刀を落としてしまった。
「し、しまった‼︎」
「この女を庇った事を後悔するんだな!死ねぇー……ぐはっ‼︎」
突然大男は、血を吐き腹を抑える。見ると、大男の腹部を、一本の刀が貫いていた。大男は倒れ込む。そこには、太一の姿があった。
「優よぉ……お前だけカッコつけてんじゃねーよ‼︎俺にもカッコつけさせろ‼︎」
太一はそう言い、笑みを浮かべる。
「太一……ありがとう!」
美鈴は立ち上がり、俺と太一に礼を言う。だが俺は、仲間だから助けるのは当たり前、と言い、再び前を向く。
「さぁ、あと少しだ‼︎気合い入れようぜ‼︎」
太一の声を聞き、俺と美鈴は頷く。そして俺達は、最後の戦いへと向かっていく。
残りの人数は十三人。この短時間で、既に七人もの人が死んだ。その死者のほとんどは、翔太との戦闘で死んでいる。
「まずは、あいつから倒すんだ‼︎」
俺はそう叫び、翔太の方へと突っ込んでいく。それを見て、美鈴と太一も俺の後に続く。
「カスが何人集まろうと、俺は倒せないよ‼︎」
翔太は剣を横に振り、後ろにいた別の女性を切り裂いた。女性は何の抵抗もできずに、死んでいった。
そこに、俺が刀を振り上げ、翔太に飛びかかる。翔太は剣を上に上げ、俺の攻撃を阻む。その横から、美鈴と太一が翔太に切り掛かる。
「だから、何人で俺にかかってきても、無駄だって‼︎」
翔太はそう言い、俺を腕で跳ね除ける。俺は地面に倒れ込み、再び立ち上がろうとする。だが、そのほんの数秒の間に、美鈴と太一も同様のやられ方をしていた。強い。俺は、純粋にそう思った。この中で、この男に勝てる奴はいるのだろうか。もしかすると、このままこいつに全滅させられるかもしれない。
「ハハハッ‼︎さぁ、俺に勝てる自信のある奴は、どんどんかかってこい‼︎まぁ、そんな奴はいないだろうけどな‼︎」
翔太はそう言い、俺達を嘲笑う。俺は歯を食いしばる。悔しい。とてつもなく悔しい。だが、翔太の言っている事は本当だ。この中に、翔太を倒せる奴なんて……。
「なら、遠慮なく、君と戦わせてもらうよ。」
一人の男性の声が、広場中に響く。
「あぁ?」
翔太は悪態をつき、後ろを振り向く。そこには、一人の男性が立っていた。
「誰だ、お前?俺に勝てるだって?」
「あぁ。勝てるさ。」
その男性の発言に、翔太は笑い出す。
「ハハハ……いやぁ、お前なかなか面白いな!見所があるぜ!俺に勝てるだって?何この場に及んで変な冗談言ってんだ」
「なら……」
翔太の言葉を遮る様に、男性は静かな声で話し出す。
「なら君は、《神》に勝てると思っているのか?」
その言葉を聞き、その場にいた全員の身体が固まった。こいつ、何を言っているんだ?
「あんたが神?何言ってんだ?」
「そう、俺は神だ。なぜなら……」
男性は一息入れて、こう言った。
「俺の名前は宮田敬太。この世界を創り出し、君達千人もの人間を閉じ込めた、この世界の《神》だ。」
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