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その言葉を聞き、俺達は凍りついた。この男ーー宮田敬太が、この世界を創り出した張本人。つまり、このデスゲームの主犯者だ。俺は我慢できなくなり、敬太に言う。
「お前は最初、この腕時計の音声で、裏切りと殺人を行う、俺達の本性を見るのが楽しみだって言ってたな?で、どうだった?その本性を見た感想は?」
数秒の間を置き、敬太は次第に笑顔になる。大人の男性らしい笑顔に。
「いやぁ、最高だったよ!特に、人々が死んでいく時のあの絶望に満ちた表情はね!」
満足気に言う敬太に、俺は更に問いただす。
「なら、その人々が死んでいく時の気持ちは理解したか?どんな想いで戦ってきたのか、理解したか?」
「そんなもの、理解する価値もない。《本性》と《絶望》。それが見られれば、それで十分さ。」
次の瞬間、俺は立ち上がり、叫んだ。
「ふざけんな‼︎死んでいった人達の中には、小さな子供もいた!心の優しい人もいた!何の罪もない人達ばかりだ‼︎現実世界では、そんな人達の帰りを、今もなお待ち続けている人だっているんだぞ‼︎お前は、その人達の気持ちを踏みにじったんだ‼︎」
しばらくの間、敬太は黙り込む。広場中が静寂に包まれる。俺は静かな声で、再び口を開く。
「今生き残っている俺達と、今まで死んでいった全ての人を、この世界から解放しろ。《神》のお前になら、できるはずだろ?」
黙り込んでいた敬太は顔を上げ、口を開いた。
「それは……無理だ。最初に言ったろう。これはデスゲーム。死んだ者は生き返らない。最後の一人になるまで戦ってもらう。」
「てんめぇ……‼︎」
俺は拳を握り締め、敬太を睨む。その間に、翔太が割り込んでくる。
「どうでもいいけどさぁ、お前は神だって言ったな?なら、お前を倒せば俺が神だってわけだ‼︎ハハッ‼︎こいつはいいぜ‼︎俺がお前をぶっ殺して、神になってやらぁー‼︎」
翔太はそう言い、敬太に突っ込んでいく。ただ敬太だけに目をやり、突っ走っていく。腰から剣を抜く。翔太は強い。この戦争で、俺を含めた数人で束になって戦っても倒せなかった。そんな奴に勝てる奴はそういない。だがーー。
「……愚かな」
敬太はそう言い、その場に佇んでいる。このままでは、翔太にあっさりと倒されてしまう。
「口程にもねぇな!死ね‼︎」
大きく剣を振り上げ、そのまま勢いよく敬太の方へと剣を振り下ろす。次の瞬間、俺達は目を疑った。翔太も目を見開き、それを見ている。そこには、翔太の剣を腕で受け止める敬太の姿があった。
「な……に⁉︎む、無傷だと⁉︎バカな‼︎俺の攻撃をまともに受けて……」
翔太がぶつぶつと呟く中、敬太は素早く剣を抜き、翔太に切り掛かる。翔太は剣で攻撃を受け止めるが、あまりのショックで、剣を落としてしまった。
「……っ‼︎」
翔太は息を詰まらせ、落ちた剣を見る。そして、そのまま視線を敬太の方へと上げる。直後、敬太の剣が翔太の心臓を貫いた。翔太は倒れ込み、やがて死亡した。
「神に歯向かう者は、死するのみだ……さぁ!これで、残るは十名となった。このデスゲーム、俺も入れさせてもらう。もし、俺が最後まで生き残った場合には、現実世界から、新たな千人をこの世界に閉じ込めさせてもらう。つまり、今現実世界にいる千人の命は、君達にかかっているのだ。」
敬太はそう言い、剣を下に垂れ下ろす。すると、生き残っている十人の内の数名が、口々に言葉を発し出す。
「なんだよ、それ」
「ふざけんなよ」
「もうこれ以上、死人は出したくねぇ‼︎」
「俺たちが止めないと‼︎」
「殺し合いなんて、やってる場合じゃねぇ‼︎」
剣や斧を手に、一斉に敬太に飛びかかる。その数、七名。
「フン……愚か者どもが‼︎」
敬太は剣手に、その七人に向かっていく。さすがに七人を相手にするのはきついだろう。俺はそう思った。だが、敬太は一人の攻撃を受ける事なく、次々と殺していく。その動きは、俊速そのものだった。
「ひ……ひぃ‼︎」
残った一人の男性が座り込み、後ろに下がる。
「貴様もここで終わりだ。潔く死ぬがいい。」
敬太は地を蹴り、その男性に切り掛かる。男性は抵抗する間もなく、死んでいった。
「これで残るは君達三人だな。」
敬太はそう言い、その三人を睨む。その三人とは、俺、美鈴、太一。俺達は目を合わせる。
「こいつを、ぶっ倒すぞ!」
「えぇ‼︎」
「おう!」
俺達はそう叫び、敬太に向かって走っていく。今、最後の戦いが始まる。
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