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俺はその後、美鈴と行動を共にし、あっという間に一週間が過ぎ去った。現在の時刻は午前十一時。バトルロイヤル戦争は、午後一時から行われるとの事だ。俺と美鈴は、戦争に備えて宿で休息を取っていた。
俺はふと、左腕にある腕時計を見る。
「生き残っている人は、あと六十人。確かに、この一週間で二人しか死んでないな。」
「そんなの。だから、今日この街で戦争が行われるのよ。それも、とても厳しいルールでね。」
「厳しいルール?」
俺は美鈴の方を向く。厳しいルールとは、どんなルールなんだろうか。
「戦争中に街から出れば、即死刑。十分以上戦闘を中断すれば、即死刑。つまり、絶対に戦い続けなければならないという事よ。」
「うっひゃー!そりゃ厳しいな!ま、俺は逃げる気なんてはなっからないけど。」
「私もよ!」
俺と美鈴は顔を合わせ、ニヤリと笑みを浮かべる。今日、このデスゲームが終わる。恐らく、最後の一人になるまで戦争は終わらないだろう。
「でもさ、たったの六十人なら、ほんの数十分で終わるんじゃないのか?」
「どうだろう。今生き残っているって事は、そこそこ強い人が多いだろうし、結構しぶとい人もいると思うわよ。」
美鈴の言葉を聞き、俺は顔をしかめる。確かにそうだ。今生き残っている人達は、恐らく戦い慣れている。そんな人達を倒すには、一筋縄ではいかないだろう。
「それに最近、あの殺人鬼勝也が倒されたって聞いたしね。あの人、この一年で五百人近くもの人を殺したのよね。そんな人を倒すなんて、凄いな。」
その言葉を聞き、俺はドヤ顔をかます。その表情のまま、美鈴の方を向く。
「そいつを倒したの、俺なんだぜ‼︎」
そう。俺は勝也に襲われ、返り討ちにしてやった。結構手強いかったが、何とか倒す事ができたのだ。しかし、美鈴はちっとも驚かない。それどろか、口を押さえて下を向き、くすくすと笑い出す。次第にそれは、大笑いへと発展していった。
「アッハハハハ‼︎もう、優君ったら!カッコつけたいのは分かるけど、嘘が下手すぎるよ‼︎」
これなは、さすがの俺も少しムッとする。
「嘘じゃねぇよ!本当に倒したんだ‼︎」
「またまた!そんなに褒めて欲しいの?」
美鈴がこれ程言っても、俺は表情を変えない。この一週間の付き合いで、俺がポーカーフェイスが苦手だという事は美鈴は分かっている。だから、俺が嘘を付いていないという事はすぐに分かった。
「え……本当に⁉︎」
「本当だって!」
真顔だった美鈴の表情が、次第に笑顔になっていく。
「すっごーい‼︎優君って、強かったんだ!」
美鈴は手の平を合わせ、輝いた表情で言う。
「まぁな!ま、俺だけの力じゃないけど。
「え?」
「もう一人、仲間がいたんだ。九日程前まで、一緒に行動してたんだけど。」
「そうなんだ……なら、その人も強いのね!」
「あぁ!とっても強い人さ!」
俺達は一通り会話を済ませると、外に出る事にした。時刻は正午。戦争開始まで、あと一時間だ。外に出ると、俺は一人の男性に声をかけられる。後ろを向く。その人を見て、俺は笑みを浮かべる。
「何だ、お前かよ!久しぶりだな、太一!」
「優こそ!まだ生きてやがったか!」
その声の主は、太一だった。俺と太一は腕を組み、互いに顔を見合わせる。恐らく、この世界で一番付き合いの長い友人だろう。すると太一は、美鈴の方を向く。
「そういや優、この女性は誰だ?」
「あぁ、一年前に知り合った、美鈴さんだよ。最近、再会したばかりなんだ。」
俺は美鈴に、太一の事を説明する。
「ほら、さっき言った人だよ。俺と一緒に勝也を倒した人。」
「あぁ!あなたが!」
美鈴は太一と目を合わせ、手の平を合わせる。
「太一さんって、あの殺人鬼勝也を倒したんですよね⁉︎凄いです!」
美鈴の言葉を聞き、太一の表情は輝き出す。拳で胸をどんと叩くと、太一は上を見上げ、男らしい表情になる。
「当たり前だろ‼︎俺の前ではあんな殺人鬼、足元にも及ばねぇぜ‼︎」
よく言うよ。勝也を追い詰めたのは俺なのに。心の中でそんな事を呟きつつも、俺はその感情を抑え込んだ。
しばらく経つと、一人の男性が大理石の上に立ち上がった。その男性は大声で、こう言った。
「全員注目ー‼︎」
俺達はーーいや、この街の人全員が、その男性の方に目をやった。男性は話し出す。
「俺の名は翔太。この戦争の主催者だ!」
その名前を聞き、美鈴は驚いた表情になる。
「どうした?」
「翔太……聞いた事ある。勝也まではいかないけど、百人もの人を倒したって言われていて、勝也の次に強い人とも言われているわ。」
「つまり……優勝候補か。」
俺達は、再び翔太の方へと目をやる。翔太は続ける。
「まだ十二時半だが、六十人全員が集まったので、早速、戦争を始めさせてもらう。準備はいいか⁉︎」
その声を聞き、街中がざわつき始める。そのざわつきの中、翔太は思い切り手を叩く。
「それでは、始めぇー‼︎」
その合図で、翔太は大理石から飛び降り、剣を抜く。そして、一秒もかからぬ内に、一人の女性を殺害した。それを機に、次第に街の人々が、戦闘を開始し始める。
「優、美鈴!俺達も戦うぞ‼︎剣を武器を抜け‼︎」
「お、おう‼︎」
「分かったわ‼︎」
太一の声で、俺と太一は刀を、美鈴は剣を抜く。すると、俺は一人の男性に襲われる。
「このガキが、とっとと死ね‼︎」
男性は思い切り、斧を俺の方へと振り下ろす。俺はその攻撃を素早く避け、男性の後ろに回る。そして、刀で背中を貫いた。
「死ぬのは、あんたの方だよ‼︎」
男性は倒れ、男性の斧は消えていった。つまり、死んだのだ。
ついに、最後の戦いが始まった。このデスゲームも、いよいよクライマックスだ。俺は刀一本を手に、戦場を駆け抜ける。
「うぉぉぉ‼︎」
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