“まがいもの”の第四真祖   作:矢野優斗

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ボスラッシュ三回戦後半


愚者の暴君 ⅩⅦ

 

 

 一面闇色の世界に浮かぶ、交差点ごと異空間に隔離されたアスファルトの大地。即席の決闘場(リング)にて“まがいもの”は意識を取り戻した。

 

 目覚めて最初に飛び込んだのは茶目っ気混じりの笑みで覗き込んでくるジャーダの顔だった。

 

「む、目覚めたか。早かったな」

 

「ジャーダ……!?」

 

 瞬間、“まがいもの”は捕食者を前にした草食動物の如く跳ね起き、激痛に絶叫する肉体を無視して距離を取る。余りにも大袈裟な防衛反応にジャーダはくすりと笑い、当の本人は自分のことであるにも関わらず反射的な逃走行動に驚きを隠せなかった。

 

「随分と大仰に逃げるではないか。少しばかり、虐めが過ぎたかな」

 

「おまえ……!」

 

 思わず反論しようとするが、笑みを深めるジャーダの放つ尋常ならざる魔力を前にして言葉を失ってしまう。植え付けられた本能的な恐怖が、“まがいもの”の身体を覆っていた。

 

 “まがいもの”とジャーダの戦い。それはもはや戦闘と呼べるものではなく、蹂躙という表現ですら生温い代物。一方的な虐殺であった。

 

 眷獣による攻撃は軽く放出した魔力で掻き消され、ジャーダの気まぐれで徒手空拳に持ち込むことができても振り翳した拳は一つとして届かない。

 

 逆にジャーダの従える眷獣は“まがいもの”の肉体を一瞬で襤褸屑にし、格闘戦では一歩も動かないままに全身の骨を粉砕してくる。

 

 幾度となく致命傷を負い、再生する度に挑んでは叩きのめされる。古詠以上のハイペースで瀕死と復活を繰り返した“まがいもの”の肉体はあっという間に限界を迎え、意識を失うに至ったのだ。

 

 どう足掻いても勝てない。古詠の時とは違う。勝ち筋だとか、勝算だとかいう次元の話ではなかった。存在としての規格(スケール)が違い過ぎる。立っている次元(ステージ)が違い過ぎる。

 

 一見すると辛うじて戦闘が成り立っているように見えたそれも、その実ジャーダが“まがいもの”を壊してしまわないように手加減していただけだ。彼女の真の実力、その一端を原作知識で知っているからこそ“まがいもの”は正しく理解していた。

 

 手も足も出ず、太刀打ちもできずに捩じ伏せられ実力差を骨身に刻み込まれた。その結果、“まがいもの”の肉体は無意識のうちに折れてしまっていた。大袈裟なほどの勢いでジャーダから距離を取ったのがその証左だ。

 

 意思とは無関係に震えを訴える腕を抑え、“まがいもの”は気丈にジャーダを睨みつつ打開策を模索する。

 

 唯一の有効打になり得る真祖殺しの槍は使えない。ここで薬莢(カートリッジ)を消費してしまえば最後、“原初”を道連れに滅ぶことができなくなる。今更ながら古詠を相手に使ってしまったことを嘆きたくなる。

 

 ジャーダを真っ向から打ち破ることも不可能だ。何をしても遇らわれるどころか一蹴されてしまう。勝ち目を探すだけ時間の無駄だ。

 

 ならば、目指すべきは勝利ではなくこの場の離脱。闇色の世界からの離脱とジャーダからの逃走だ。

 

 だが、それこそどうすればいいというのか。

 

 原作知識も総動員して打開策を探す“まがいもの”。そんな少年を眺め、ジャーダは愉しそうに笑みを深める。

 

「肉体が屈服してもなお、心までは折れぬか。諦めぬというのなら、構わない。幾らでも待ってやろう……だが、無為に待ち続けるのも面白くない。一つ、(ワタシ)の疑問に答えるがいい」

 

「…………」

 

 正直に言えば、問答を交わす余裕すら惜しい。だが答えなかった結果、猶予もなく叩き潰されては敵わない。不承不承ではあるが、“まがいもの”は視線で続きを促した。

 

「貴様は己の全てを賭してアヴローラを、十二番目(ドゥデカトス)を救おうとしているが、何故そこまでする? あれは所詮、殺神兵器の一つに過ぎないというのに」

 

 心底理解できないといった顔でジャーダは疑問を呈した。

 

「暁凪沙はいい。血の繋がった肉親だ。疑問を差し挟む余地はなかろう。だが、十二番目(ドゥデカトス)は違う。“原初”の監視という特殊な役割はあれど、あれは第四真祖の眷獣を封ずるために生み出された人形に過ぎない。貴様が命を擲ってまで救う価値が果たしてあるのか?」

 

「…………じゃない」

 

「ん?」

 

「アヴローラは、殺神兵器なんかじゃない!」

 

 怯えも震えも振り払い、“まがいもの”は全力で否定の叫びを上げた。ジャーダを睨み返す瞳が、内から湧き上がる激情に燃えていた。

 

「楽しいことがあれば笑って、悲しいことがあれば泣く。美味しいものを食べたら喜んで、辛い時は落ち込む。パンケーキとアイスが大好きな、普通の女の子なんだよ」

 

 およそ半年の共同生活の日々を思い返しながら言葉を紡ぐ。蘇る日々の中にいるアヴローラは殺神兵器などという物騒な肩書きからは程遠い、世話の焼ける女の子でしかなかった。

 

「アヴローラはごく普通の幸せを願っていた。みんなが当たり前に送る日々を、羨んでいた……」

 

 下校途中の少女たちを見つめ、新品のセーラー服を宝物のように抱き締めるアヴローラの姿を思い出す。自分には手の届かないありふれた普通の幸福を羨望する、純粋無垢な少女の姿を。

 

「殺神兵器なんかじゃない、誰もが送る当たり前の日々を願うただの女の子なんだよ」

 

 この際だ、と“まがいもの”は畳み掛けるように続ける。

 

「アヴローラだけじゃない、他の“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”たちだってそうだ」

 

「ほう? 眷獣と共に永劫の刻を生き、自らの滅びを願い続けるあれらも、ただの少女だと?」

 

「服の好みにケチつけて、アイス一つで笑顔になるような奴が、冷酷無比な殺神兵器なのかよ?」

 

 疑問に疑問で返されたジャーダは一瞬きょとんと目を丸くし、次いでその内容に腹を抱えて笑い始めた。

 

「くふっ、はははっ……いや確かに、貴様の言う通りだ。だがな、それでも、“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”たちが眷獣を封ずる器として生み出され、悠久の刻を生き、己の終焉を望んでいるのは変わらない」

 

 どんな言葉を並べ立てようと、“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”が創造された理由は変わらない。目覚めた“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”たちが歩んできた足跡もなくならない。

 

 永劫の刻を眷獣と共に生き続け、自らの終焉を望む人造吸血鬼の少女たち。そんな彼女らを、それでも何処にでもいる女の子と呼んで憚らないのかと、ジャーダは無言で問う。

 

 圧力すら伴うジャーダの眼差しを“まがいもの”は真っ向から受け止めて答える。

 

「違うな、間違ってるぞ。滅びを望んでいるんじゃない、望ませたの間違いだろ」

 

 “まがいもの”の指摘にジャーダは初めて沈黙する。何処となく、痛いところを突かれたような反応だ。構わず“まがいもの”は続けた。

 

「彼女たちに兵器としての在り方を強いてきたのは周りの人間だ。ほんの些細な切っ掛け一つで変われたのに、その事実から目を背けて兵器としての生き方を強いてきたのは、他ならない世界(俺たち)なんだよ!」

 

 服一つ、アイス一つだけでも情緒に変化が生まれた。“まがいもの”とヴェルディアナの二人と共に共同生活を送ったアヴローラは、普通の幸福を羨む普通の女の子になった。

 

 他の“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”もきっと、誰かが声を掛けるだけで変わったかもしれない。その可能性を奪い続けたのは彼女たちに殺神兵器として在れと強いてきた世界、周囲の人々だ。

 

 “まがいもの”もそうだった。兵器とまではいかなくとも、“原初”を封印するためにアヴローラを利用しようとしていた。“柩”としての末路を誘導しようとしていた。

 

 だが、もうそれはできない。するつもりもない。

 

「あれこれと言ったけど、答えは単純なんだよ。俺にとって彼女たちは殺神兵器なんかじゃない普通の女の子で、アヴローラは俺たちにとって大切な家族だった。たとえ血が繋がってなくてもな」

 

 そう締め括り、“まがいもの”はすっと立ち上がる。改めて覚悟を示したからか、身体の震えはとっくに止まっていた。

 

「……(ワタシ)を撃ち破る方策は見つけられたか?」

 

 問い掛けるジャーダの声音は心なしか覇気が薄れていた。しかし醸し出す魔力と圧力に翳りはない。

 

 “まがいもの”は両腕を突き出す。その両腕から大量の鮮血が噴き出し、二体の眷獣を現世へと呼び出した。紅蓮を纏う三つ首の番犬と凍気を吐く双頭の魔犬だ。

 

「カルアナの娘の眷獣か。アヴローラの魔力で強化を受けているようだが、そいつらが通用しないことは身をもって知ったはずだろう」

 

 ヴェルディアナから受け継いだ眷獣たちは本来以上のポテンシャルを引き出し、“旧き世代”の眷獣にも迫る力を発揮している。だが、それでもジャーダの軽い魔力放出一つで消し飛ばされてしまう程度でしかない。

 

「分かってるさ。だから──こうするんだよ!」

 

 両手を祈るように、あるいは暴れる力を抑えるように組み合わせる。それと同時、主人の意思を汲んだ二体の眷獣が咆哮と共にその身を構成する魔力を崩し始める。

 

「……まさか」

 

 “まがいもの”の意図するところを察し、ジャーダは愕然と目を見開く。

 

 あり得ない、できるはずがない。そもそも何故知っているのか。思うところは山ほどあるが、一先ず飲み込んでジャーダは冷静に眷獣を呼び出す。

 

「“シウテクトリ”」

 

 ジャーダの足元から噴火の如き勢いで爆炎が噴き出す。凄まじい火柱は、しかし主人の意思に従いその場に留まった。

 

 轟々と燃え盛る火焔を前にしても“まがいもの”は焦らない。魔力を際限なく注ぎ込み、今にも暴れ出しそうな眷獣たちを必死に制御する。

 

 どう足掻いても今のままでは状況を打開できない。ジャーダと“まがいもの”では、立っている次元が違うからだ。

 

 ならば──同じ次元へと足を踏み入れるしかない。

 

 眷獣の合成。ディミトリエ・ヴァトラーが格上の“旧き世代”打倒を成し遂げた掟破りの秘奥。“まがいもの”が辿り着いたのはそこだった。

 

 二体の眷獣がその身を崩し、一体へと融合する。業火と凍気、相反する属性の融合は召喚主である“まがいもの”に凄まじい負担を掛ける。だが、それでもこれ以外に道はないのだ。

 

 荒れ狂う業火と吹き荒ぶ凍気の嵐の中で獣が産声を上げ、その姿がついに露となる。

 

 現れたのは業火と凍気をその身に宿した巨大な狼。周囲一帯から際限なく温度を奪い続け、己が肉体を燃やし続ける神狼。眷獣の合成によって生まれた、“まがいもの”固有の眷獣。その名は──

 

「──“神狼の凍炎(フェンリル)”」

 

 カルアナの血を受け継いだ◼️◼️に相応しい神殺しの狼が、神にも等しい吸血鬼の真祖を喰らわんと咆哮を轟かせた。

 

「神喰らいの大狼。くふっ、これ以上になくお誂えむきな眷獣だな。ならば、その力を(ワタシ)に示してみろ」

 

 待機していた火焔の眷獣が動き出す。噴火の如き火焔の大奔流が荒れ狂い、不敬にも主人を害さんとする獣へと襲い掛かった。

 

「頼む、“神狼の凍炎(フェンリル)”!」

 

 

 ──オオオオオオオオオオオオオン!! 

 

 

 闇色の世界に低い雄叫びを響かせ、迫る火焔に神狼が真正面から突貫する。

 

 大気を灼き焦がし、あらゆる障害を破壊する火焔の大奔流。疾走するだけで周囲を極低温へと落とし込み、奪った熱を燃料に燃え盛る神殺しの狼。

 

 強大無比な眷獣が二体は主人の命を受け、相対する敵へと向かい、そして──激突した。

 

 

 ──瞬間、闇色の世界に激震が走った。

 

 

 火山噴火の具象たる眷獣と神殺しの大狼の真向衝突は、凄まじい衝撃波と焦熱の津波を生み出す。即席の決闘場(リング)となったアスファルトの大地が見る間に砕け散り、空間を実体化させている眷獣が声なき絶叫を上げた。

 

 厄災にも例えられる真祖の眷獣とそれに負けず劣らない眷獣の激突。それは“まがいもの”の目論見通り、空間の実体化を担う眷獣に対して凄まじい負担を強いていた。このまま負荷を掛け続ければ、脱出も不可能ではないはずだ。

 

「いっけえええええええ────!!」

 

 光明を見て取った“まがいもの”が後先を顧みず魔力を注ぎ込む。無茶な魔力供給に皮膚が裂け、全身が赤く染まっていく。それでも“まがいもの”は躊躇うことなく神狼の背を押した。

 

 空間が震えるほどの咆哮を轟かせ、“神狼の凍炎(フェンリル)”が権能の本領を発揮する。

 

 “ガングレクト”と“ガングレティ”が融合して生まれ落ちた“神狼の凍炎(フェンリル)”が秘める権能。それは周囲から熱を奪い、奪った熱を己のエネルギーに昇華するものだ。その結果として周囲の気温を極低温にまで落とし込み、自らの肉体を燃え盛る紅蓮としている。

 

 “神狼の凍炎(フェンリル)”が対峙している“シウテクトリ”は自然災害たる火山噴火の具現。人の身では到底抗いようのないそれは、“神狼の凍炎(フェンリル)”にとってこれ以上になく相性の良い敵だった。

 

「これは、“シウテクトリ”を喰らっているのか……!?」

 

 自らが従える眷獣の魔力が削がれ、相対的に勢いを増す神狼の姿にジャーダは目を剥く。融合によって真祖の眷獣と真っ向勝負しても押し負けなかった怪物が、その力を増して真祖に牙を剥こうとしていた。

 

 火焔の奔流を喰い荒らし、突き進む“神狼の凍炎(フェンリル)”。主人に忠実な神狼は奪い取った熱量(エネルギー)の全てを凶悪な顎に溜め込み、そして一面闇色となった天蓋へと解き放った。

 

「狙いはそっちか……!」

 

 荒れ狂う業火の大奔流。それはもはや熱線といっても過言ではなく、真祖であるジャーダをしてもまともに受ければ只では済まない代物。“シウテクトリ”と“神狼の凍炎(フェンリル)”が衝突した余波で軋みを上げていたところへ、そんなものを叩き込めばどうなるかは想像に難くない。

 

 ジャーダが即座に魔力を流し込んで眷獣を強化する。闇の天蓋がその色をより一層濃くし、何人たりとも逃しはしないと重圧を増す。頭上から伸し掛かるような圧力に“神狼の凍炎(フェンリル)”は小さく唸るが、知ったことかと眩い熱線を吐き続けた。

 

 闇色の空を翔け抜ける一筋の光。それは主人を囚える檻に打ち当たり、そして──

 

 

 ▼

 

 

 一面闇色の世界に一筋の光が差し込んでいた。丁度天頂に位置する箇所に、天窓のように穴が開いている。“神狼の凍炎(フェンリル)”の放った熱線が、ジャーダの眷獣の土手っ腹に穴を開けたのだ。

 

 降り注ぐ光を眺め、ジャーダはほうと感嘆の吐息を零す。

 

「見事だ。“シウテクトリ”を打破し、あまつさえこの空間に穴を穿つとはな。真祖たる(ワタシ)を相手に此処まで食い下がったのは、もはや偉業といっても過言ではないぞ」

 

 だが、とジャーダは対峙する少年を見やる。大偉業を成し遂げた英雄は、全身を血で染め上げ、力なく倒れ伏していた。

 

「ここまでだ。此処が貴様の限界だ、暁古城」

 

「ち、くしょう……」

 

 悔しげに悪態を吐くが、“まがいもの”は倒れ伏したまま起き上がらない。起き上がることができないのだ。

 

 “神狼の凍炎(フェンリル)”の熱線で空間に穴を穿ったまではよかった。だがそこで魔力を使い果たして倒れてしまったのだ。

 

 “神狼の凍炎(フェンリル)”の召喚は解除され、後に残されたのは魔力枯渇に苦しむ“まがいもの”だけ。死力を尽くして切り開いた脱出口から逃げることも叶わない。

 

「電子の女帝、“静寂破り(ペーパーノイズ)”に続いての三連戦。神気による著しい侵食と度重なる再生の繰り返し。止めに掟破りの眷獣合成までしたのだ。魔力が枯渇するのも当然だろう。むしろ、此処まで補給もなしによく戦い抜いたものだぞ」

 

 ジャーダの指摘通り、ただただ限界だった。蓄積した疲労と消耗が臨界を迎えた、それだけの話である。

 

 時間を置けばアヴローラからの供給で魔力は回復する。だが立ち上がれるようになった頃には、折角抉じ開けた穴も修復してしまうだろう。それ以前に、抵抗すらできない“まがいもの”をジャーダが放置する理由もない。

 

 睨み返すことしかできない“まがいもの”の側へとジャーダが徐ろに歩み寄る。

 

「貴様はよく戦い抜いた。今この時に至ってもなお心折れず、諦めることもなかった。誰であろうと貴様の敗北を笑うことはできぬ、笑わせはしないとも」

 

「敢闘賞が欲しいわけじゃ、ないんだよ……!」

 

「くふっ、だろうな。だが、貴様の敗北が覆るわけでもない」

 

 ジャーダが掌を翳すと負の魔力が渦巻き始める。“まがいもの”の意識を完全に断つため、この戦いに決着をつける眷獣を喚び出そうとしているのだ。

 

 “まがいもの”に抵抗する術はもはやない。身動き一つ取れない身体を横たえ、眼前に渦巻く魔力を睨むことしかできなかった。

 

「叶わぬ願いを抱いたまま眠るといい、暁古城──」

 

「くそっ…………?」

 

 襲いくるだろう衝撃に身を固くした“まがいもの”。しかし数秒と経っても衝撃は訪れず、意識の断絶もない。不思議に思ってジャーダの表情を伺う。

 

 止めの一撃を放とうとしていたジャーダは、何があったのか目を見開いて頭上を振り仰いでいた。丁度、天頂に開いた穴を見上げる姿勢だ。

 

 謎に動きを止めていたジャーダはしばらくすると表情を呆れに変え、倒れ伏す“まがいもの”に対して感心やら何やらを込めた眼差しを向ける。

 

「彼女たちにそこまで慕われているとはな。つくづく、貴様には驚かされるよ」

 

「何の話だ──?」

 

 “まがいもの”が疑問の声を上げた直後、闇色の世界が引き裂かれた。

 

 天頂に穿たれた穴を中心に、闇色の世界が巨大な龍の顎に喰い千切られたかのように裂けた。空間そのものが肉体同然であるジャーダの眷獣が断末魔の絶叫を上げ、隔離されていた空間が現実へと戻ろうとする。

 

 だがそれよりも早く、裂け目から眩い雷光が降り注ぐ。雷光は寸分の狂いもなくジャーダを狙っていたが、それを察した本人が回避したことで“まがいもの”の眼前に降り立った。

 

「おまえは──」

 

 眩い雷光を身に纏い、“まがいもの”の窮地に現れたのは見覚えのある少女だった。

 

 美しい金髪を短く切り揃え、白銀の鎧を着込んだ少女。アヴローラと全く同じ顔立ちでありながら、趣味嗜好の違う普通の女の子。

 

「──随分と無様な格好だな、従者よ」

 

「──五番目(ペンプトス)!?」

 

 五番目の“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”たる少女──五番目(ペンプトス)が不敵な笑みと共に馳せ参じた。

 

 

 ▼

 

 

 闇色の世界が完全に崩れ落ち、“まがいもの”たちは現実世界へと帰還する。外は夕暮れ時を過ぎ、西の空に太陽の殆どが沈みかかっている頃合いだった。

 

 群青の薄闇に染まる空の下、五番目(ペンプトス)は青白い雷光を纏わせて立っている。更にいつの間にかもう二人、似たような出立ちの少女が並んでいた。恐らくは三番目(トリトス)四番目(テタルトス)だ。

 

 並び立つ三人の姿に“まがいもの”は驚愕から言葉を失っていた。

 

「お前たち……なんで……!」

 

 どうしてこの場に駆け付けたのかという疑問、ではない。それも気にはなるが、“まがいもの”が言葉すら失うほどに驚愕している理由は他にある。それは五番目(ペンプトス)たちの出立ちにあった。

 

「なんで、そんな傷だらけなんだ!?」

 

 倒れ伏す“まがいもの”の眼前に立つ五番目(ペンプトス)。その姿は満身創痍などという言葉では生温い、“まがいもの”よりも酷い有様だった。

 

 身に纏う白銀の鎧は砕けて罅だらけで、あちこちが赤黒い血で染まっている。再生する余裕もないのか左腕は肘から先がまるで獣に喰い千切られたかのように喪失しており、無傷な場所を探す方が難しい状態だ。

 

 三番目(トリトス)四番目(テタルトス)も、四肢の欠損まではないが似たような格好だ。正直、耐性のないものが見れば気絶しかねないような姿である。

 

 にも関わらず五番目(ペンプトス)は不敵な笑みを崩さない。激痛に苛まれているだろうに、平静を取り繕っている。

 

「一体、誰にそこまで──」

 

「──やれやれ、こんな所まで逃げられるとは思わなかったよ。追い付くのに手間が掛かったじゃないカ」

 

 不意に軽薄な声が響くとジャーダの隣に金色の霧が集まり、一人の青年の姿を形作る。純白の三つ揃え(スリーピース)を着こなした、貴族然とした吸血鬼だ。

 

 第一真祖の名代として絃神島に訪れた吸血鬼──ディミトリエ・ヴァトラーが濃厚な戦闘の気配を纏わせてこの場に現れた。

 

 ヴァトラーは目上たるジャーダに対して恭しく礼をすると、慇懃な口振りで事情を話し始める。

 

「御身の愉しみに水を差す非礼、心よりお詫び申し上げます陛下」

 

「全くだ。手綱はしっかり握っておけと、(ワタシ)は言ったつもりだったがな」

 

「返す言葉もございません。()に手間取り、あまつさえこの場への乱入を許してしまったのですから」

 

()だと? お前が、彼女たちを……!」

 

 ヴァトラーの発言から五番目(ペンプトス)たちが誰に痛め付けられたのか察し、“まがいもの”は牙を剥いて怒りを露にした。

 

「その有様でボクに対して憤りを向けるとは、勇敢なのか命知らずなのか。何方にせよ、面白そうだネ」

 

 向けられる怒気に対してヴァトラーは笑みを深める。“まがいもの”の怒りも微風程度にしか感じていないようで、むしろ獲物を前にした蛇のように舌舐めずりをした。

 

 そっと五番目(ペンプトス)が立ち位置をずらして“まがいもの”を視線から庇う。殆ど反射的な行動だったが、それすらも愉快だと言わんばかりにヴァトラーは口端を吊り上げて──厳かな声が制した。

 

「止めよ、蛇遣い。あれは(ワタシ)の獲物だ。“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”たちも(ワタシ)が貰う。それで、今回の不手際は不問にしてやる」

 

「寛大な御心に感謝いたします、陛下。では、ボクは離れて事の趨勢を見守らせて頂きます」

 

 改めて一礼し、ヴァトラーはこの場から霧化して消え去る。去り際に、倒れ伏す“まがいもの”に意味深な眼差しを残して。

 

「見物の間違いだろうに、あれも喰えぬ男だな。我が血族()たちにも見習わせたいものよ」

 

 やれやれとばかりにジャーダは小さな溜め息を零すのだった。

 

 あわやジャーダに加えヴァトラーまで参戦するかという危機は去った。とはいえ状況が大きく好転したかと言えばそうでもなく、未だ“まがいもの”は魔力欠乏によって立ち上がることもできない始末だ。

 

 時間の余裕もない。ほぼ日が落ちてしまっている以上、儀式開始までの余裕はもはや一刻もない。急がねば本当に手遅れになってしまう。

 

 焦燥に“まがいもの”が歯噛みしていると、五番目(ペンプトス)が口を開いた。

 

「従者よ。お前はまだ、諦めていないか?」

 

「当たり前だ……! 凪沙もアヴローラも、絶対に救ってみせる……!」

 

「そうか……」

 

 僅かな迷いもなく返ってきた答えに五番目(ペンプトス)は満足げに頷いてみせた。

 

 五番目(ペンプトス)が倒れ伏す“まがいもの”に歩み寄りながら、残っている右腕に牙を立てる。自らの血を吸い上げて口内に溜めると、そのまま血の滴る右腕で“まがいもの”の胸ぐらを掴んだ。

 

「え、ちょ、なにを──」

 

 無理矢理に上半身を引き起こされた“まがいもの”は、抵抗する間も無く唇を塞がれて目を点にした。五番目(ペンプトス)が問答無用で唇を重ねたのだ。

 

 突然の接吻に目を白黒させ大混乱に陥る“まがいもの”の唇が五番目(ペンプトス)の舌で抉じ開けられ、魔力を多分に含んだ血が流し込まれる。そこで漸く五番目(ペンプトス)の意図を悟り、“まがいもの”はされるがまま血を嚥下した。

 

 たっぷり数秒ほど、口移しでの吸血が終わる。ぷはっ、と唇が離れると同時に“まがいもの”は自らの足で立ち上がり、僅かに顔を赤くして口元を拭った。

 

「あ、ありがとう。助かった……」

 

「気にするな。ただの先行投資だ。お前には、まだやってもらわねばならないことがある」

 

 少なからず動揺する“まがいもの”に対して五番目(ペンプトス)は平然とした様子だ。何なら揶揄い混じりの笑みを向け、艶っぽく唇を舌で舐めてまでいる。その姿を、三番目(トリトス)四番目(テタルトス)が心なしか白けた目で見ていた。

 

「さてと、動けるようになったのならば往け、従者。此処は我らが引き受ける」

 

「引き受けるって……無茶だ! いくらお前たちでも、ジャーダを相手に勝てるわけがない!」

 

 “焔光の夜伯(カレイドブラッド)”は自らの肉体に封印された第四真祖の眷獣の権能を限定的に行使できる。その力は、下手な“旧き世代”の吸血鬼では太刀打ちできないほどのものだが、相手が第三真祖ともなれば話が別だ。

 

 封印されたままの眷獣の力だけで太刀打ちできる相手ではない。時間稼ぎすらできない可能性が高いだろう。それは、ヴァトラーを相手に三人掛かりで満身創痍に追い詰められていることが証明している。

 

 五番目(ペンプトス)も彼我の実力差は理解しているのだろう。“まがいもの”の指摘を否定することはなかった。

 

「俺も一緒に戦う。そうすれば、きっと──」

 

「──従者よ」

 

 静かでありながら有無を言わさぬ声音が、“まがいもの”の言葉を遮った。

 

「暁凪沙と十二番目(ドゥデカトス)を救うのだろう。こんな所で足を止めていては、また取り零すことになるぞ?」

 

「だからって、ジャーダを相手にどうするつもりだよ?」

 

「単純なことだ。こうすればいい──」

 

 五番目(ペンプトス)の身体から金色の粒子が立ち昇り、末端から形が崩れ始める。両隣に並ぶ三番目(トリトス)四番目(テタルトス)も同様だ。

 

 何が起きているのか、或いは何をしようとしているのか。原作知識で知っていた“まがいもの”は衝撃のあまり目を剥き、焦燥を隠すこともなく声を荒げた。

 

「やめろ! 眷獣の完全解放なんてしたら、(からだ)が崩壊するんだぞ!?」

 

 五番目(ペンプトス)たちの思惑、それは封じられた眷獣の完全解放。権能の限定行使では太刀打ちできないのならば、第四真祖の眷獣本体をぶつけてしまえばいい。そんな単純な理屈だった。

 

 だが、眷獣の完全解放には代償が伴う。封印の器たる“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”、五番目(ペンプトス)たちの肉体の消失という代償が。

 

 必死に止めようとする“まがいもの”に、五番目(ペンプトス)は穏やかに微笑む。

 

「もう遅い。我らの命運は定まった。此処で無為に時を浪費するのが、お前の最善か?」

 

「……なんでだ。なんでそこまでしてくれるんだ、お前たちは」

 

 “まがいもの”には理解できなかった。ヴァトラーに酷く痛め付けられながらもこの場に駆け付け、“まがいもの”の窮地を救うために自らを犠牲にするその心が。所詮は暁古城の“まがいもの”でしかない己に、そこまでの価値があるとは思えなかったのだ。

 

「凪沙の、ためか……?」

 

 原作において少なからず五番目(ペンプトス)たちは凪沙の人柄に対して好意を覚えていた。加えてこの現実において、凪沙と五番目(ペンプトス)たちは“まがいもの”の知らぬところで繋がりを持っている。それが理由なのかと“まがいもの”は問うたのだ。

 

「暁凪沙の願いがないとは言わない。だが、この身を捧げる理由は別にある」

 

 残された右手を胸に当て、五番目(ペンプトス)は滔々と語る。

 

「我らは眷獣と共に永劫の刻を生き、この呪われた運命の終焉を望んできた……だが、十二番目(ドゥデカトス)だけは、今を生きる人々を羨み、お前たちと共に生きる未来を願った」

 

 アヴローラと“まがいもの”の監視に従事していた五番目(ペンプトス)たちは、アヴローラの動向をずっと見ていた。見守っていたともいえる。

 

 アヴローラが当たり前の日常を送る人々を羨む姿も、新品のセーラー服を宝物のように抱き締める姿も、学校に通えるかもしれない喜びにはしゃぐ姿も。全て、総て、その目で見てきたのだ。

 

「自らの滅びを願い続けた我らにとって、十二番目(ドゥデカトス)は唯一の希望だ。だから──」

 

 金色の粒子に包まれながら、五番目(ペンプトス)は今まで見せたこともない優しい表情で、

 

「──我らのアヴローラ(いもうと)を救ってくれ」

 

 大切な末の妹の未来を託したのだった。

 

「────」

 

 初めて見た五番目(ペンプトス)の姉としての顔に“まがいもの”は言葉を失う。五番目(ペンプトス)にこんなにも人間らしい一面があったことに、今の今まで気付くことができなかったのだ。

 

 もっと早くに気付くことができていたのなら、そんな後悔が押し寄せて──ぎりっ、と“まがいもの”は歯を食い縛った。

 

 これ以上、五番目(ペンプトス)たちの覚悟を無駄にするような真似はできない。溢れ出そうになる後悔の感情を飲み込み、“まがいもの”は毅然と顔を上げた。

 

「任せろ……!」

 

 力強く答えて“まがいもの”は走り出す。振り返ることなく、真っ直ぐに──

 

 遠ざかっていく少年の背中を見送り、その背が完全に見えなくなると五番目(ペンプトス)は対峙するジャーダに向き直った。

 

「待たせたな、翡翠の姫君。気を遣わせたか?」

 

「なに、気にすることはない。(ワタシ)も暁古城の言葉に思うことがあったのでな……末期(まつご)のやり取りに水を差すほど不粋ではないとも」

 

 此処まで一切の横槍を入れることなく趨勢を見守っていたジャーダ。走り去っていく“まがいもの”を止めることすらしなかったのは、彼女なりに思うところがあったからだ。五番目(ペンプトス)たちが睨みを利かせていたのもあるが。

 

「永い刻を生きる者ほど、あれは眩しく映るだろうな。貴様もそうだろう、五番目(ペンプトス)?」

 

「……否定はしない」

 

 五番目(ペンプトス)は微かに寂しげな笑みを零し、鎧の下に着込んだ衣服を見やる。いつかのショッピングモールで献上されたそれは、五番目(ペンプトス)が持つ唯一の私物だ。

 

 あれこれと文句を付けて選ばせたそれは、五番目(ペンプトス)の好みに合っていた。だがそれ以上に、誰かが自分のために頭を悩まして服を選んでくれたという事実が、当時は嬉しかったのだ。

 

 他にも脳裏を過るのは“まがいもの”と共に食べたアイスの味。アヴローラが美味しそうに食べる姿を見ていて気になってはいたものの、自ら食べる機会を作ろうとはしなかった。

 

 ほろ苦い甘味の味を思い返して、五番目(ペンプトス)は我知らず微笑みを零した。

 

 立ち昇る金色の粒子が勢いを増す。眷獣の完全解放によって(からだ)が限界を迎えているのだ。間も無く、この肉体は跡形もなく失われ解き放たれた眷獣だけが残る。

 

「最期に言い残すことはあるか?」

 

「そうだな……」

 

 五番目(ペンプトス)は両隣の二人を見やる。三番目(トリトス)四番目(テタルトス)は思ったよりもすっきりとした表情で、何もないとばかりに首を横に振った。

 

 ならば自分は何かあるか。少しだけ悩み、そして──

 

「──あと百年早く、お前に出逢いたかったよ」

 

 決して叶うことのない願いを口にして、五番目(ペンプトス)は眷獣の封印を解き放ったのだった。

 

 

 ▼

 

 

 厄災の化身とも謳われる第四真祖の眷獣たち。“甲殻の銀霧(ナトラ・シネレウス)”と“龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)”、そして”獅子の黄金(レグルス・アウルム)”が遠く離れていく。“宴”の終焉の地へと向かっているのだ。

 

 その姿を見送るジャーダ。彼女の周囲は酷い爆撃でも受けたかのような惨憺たる有様となっていた。しかし当の本人はほぼ無傷で、頃合いを見計らって眷獣たちを追い払い決戦の地へと送り出すくらいには余裕な様子だ。

 

 第四真祖の眷獣とはいえ、主人のいない状態では野生の獣と大差ない。真祖たるジャーダが遅れを取るほどの脅威ではなかった。

 

 だが、それでも敢えて時間稼ぎと足止めに付き合ったのは、五番目(ペンプトス)たちの献身に敬意を払ったからだ。

 

 戦いを終えて一息吐くジャーダの隣に金色の霧が集う。離れた場所から高みの見物を決め込んでいたヴァトラーがわざわざ戻ってきたのだ。

 

「彼女たちを往かせてよろしかったので?」

 

「よい。眷獣たちが誰を選ぶのか、その行く末を(ワタシ)も見てみたい」

 

「なるほど……ご一緒しても?」

 

「構わぬが、どうせ貴様も記憶を失うぞ?」

 

 “焔光の宴”による記憶搾取の呪いは、後に第四真祖に至る者にまで影響を及ぼす。格上の吸血鬼を何人か喰らっていようと、記憶の搾取からは逃れられない。影響を受けないのは同格たる真祖ぐらいなものだ。

 

「そんな無体なことを仰らないで頂きたい。今この時を愉しめるならば充分でしょう?」

 

「まあ、それもそうか。これも吸血鬼の性質(サガ)だな。(ワタシ)血族()の一人くらい連れてくればよかったか……いや、駄目だな。あれに感化されて反発されかねない」

 

「そこまでの男だったのですか、暁古城は?」

 

 真祖の中でも比較的、比較的ではあるが良心のあるジャーダがここまで評価している。気にならない訳がなかった。

 

「そうだな。何せ融合眷獣を使いこなし、我が眷獣を打ち破ったのだからな」

 

「──へえ?」

 

 ヴァトラーがニヤリと頬を吊り上げた。血の従者でしかない身の上で、己の代名詞といっても過言ではない融合眷獣を使いこなしたというのだ。興味を引かれないわけがない。

 

「それはそれは、是非とも手合わせしてみたいものだね、暁古城……」

 

「……“宴”に手出しをするのは許さぬぞ?」

 

「勿論、分かっていますよ。ですが、その後ならば問題ないでしょう」

 

「余計なことを言ったか……」

 

 実現するかも分からない“まがいもの”との闘争を楽しみにしているヴァトラーを見やり、ジャーダは心中で“まがいもの”へ謝罪の言葉を贈るのだった。

 

 

 




リアナ・カルアナの眷獣=スコル、ハティ
ヴェルディアナ・カルアナの眷獣=“ガングレクト”、“ガングレティ”
◼️◼️の眷獣=“神狼の凍炎(フェンリル)
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