『リリなの』の世界、その可能性の一つを書いてみた。   作:帆金 焔

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今年も残すところ、あと約20時間。気づけばあっという間な一年だった感じます。


バイト先の末っ子とその友達が魔法に関わるのも『可能性』の一つである。

 ある日のこと。

 

「‥‥ん?あれは‥‥‥‥お~い、なのはちゃ~ん!」

 

 前方より、見知った三人の女の子が歩いてくることに気づいた俺は声をかけた。

 

「あっ、琥珀さん‥‥」

 

 三人の中で真ん中に居た、栗色の髪をツインテールに束ねた女の子、名前は高町 なのはといい、俺の働き先である喫茶『翠屋』を経営している高町家の末っ子だ。

 なのはちゃんの右側に居る金髪の女の子はアリサ・バニングスちゃん。

 左側に居る、紫色の髪にカチューシャを付けている子は月村 すずかちゃんだ。

 アリサちゃんとすずかちゃんは、なのはちゃん経由で知り合った。

 

「学校の帰りだよな?‥‥なのはちゃん、どうした?」

 

 何やら、なのはちゃんからいつもの元気さが見られない。

 

「実は私達、さっき動物さんを拾ったんですけど‥‥」

 

 補足してくれるすずかちゃんも、若干元気が無い。

 なのはちゃんが何かを抱き抱えていたのはちょっと気になっていたけど、まさか動物とは。

 まぁ、拾うっつったら犬か猫だろう。

 

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥んん??」

 

 

 

 

 

 フェレット、っぽい小動物でした。

 

 

 

 

 

「琥珀さん、確か近くに動物病院ってありましたよね?」

 

 アリサちゃんが俺に訊ねた動物病院については俺も知っている。

 ‥‥‥‥‥が。多分‥‥、行っても解決には至らないんじゃないかと思う。

 なのはちゃんが抱き抱えていたフェレットは何かに襲われたのか、全身が傷だらけだった。

 そして、俺はその傷以上に疑問に感じたことがある。

 

(‥‥何でこのフェレットから『魔力』を感じるんだ‥‥?)

 

 そう。微弱ながらではあるけど、フェレットからは確かに魔力が感じられた。

 魔力感知についてはまだ慣れてなく、だが至近距離で集中すれば何とか感じることは出来る。

 俺はアリサちゃんに財布を渡しながら言った。

 

「アリサちゃん、近くの薬局で傷薬と包帯・綿棒と網を買ってきてくれ。この子はちょっと、病院には連れていけない」

「え、えっ?どうしてですか?病院には連れていけないって‥‥」

「まぁ、ちょっとな。ほら、早くして」

 

 

 

 

 場所を移動した俺達。

 人が居るような場所は避け、海鳴公園に来た。

 実際の獣医みたいに、とまではいかないものの、最低限持ち合わせている知識でフェレットの治療をやった。

 

「‥‥‥さて、後は」

 

 ベンチに横たわらせたフェレットに両手を差し向ける。

 背後からは、なのはちゃん達の視線を感じる。これから俺が何をするのか疑問に思っているだろう。

 魔力を分けるだけなんだが、はてさて‥‥成功するかどうか‥‥‥。

 俺は両手に魔力を込める。それにより俺の両手は淡く青い光を纏い、やがてその光はフェレットへと移る。‥‥これで良いはず‥‥‥なんだけど‥‥。

 

「こ、琥珀さん‥‥。今の、何ですか‥‥?」

 

 ‥‥‥‥あっ。そう言えば、なのはちゃん達の前で魔法使っちまった。‥‥‥‥ん?特に問題なくね?

 

「‥‥ん?あぁ。俺さ、魔法使いになったんだわ」

 

 なのはちゃん達は三人して(・◇・)?な顔して──っと、フェレットが起きるみたいだ。

 

「よぉ、気分はどうだい?」

 

《‥‥‥貴方が僕に魔力を分けてくれたんですか?》

 

 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥はっ?

 えっ?ちょっ‥‥‥な、何だこれ‥‥。頭の中に直接声が聞こえてんだけど‥‥。‥‥あ、あぁ。もしかしてこれが『念話』って奴か。

 

《お、おう、そうだ。俺は紺條 琥珀。最近、魔法が使えるようになったばかりでな。とりあえず、成功して良かったわ。君は?》

《僕はユーノ・スクライアといいます。たすけていただき、ありがとうございます》

《気にすんなって。傷は素人知識で治したぐらいだし、ユーノ君を見つけたのは俺じゃなく、な──》

 

 振り返ると、アリサちゃんとすずかちゃんは何ともないんだが、なのはちゃんだけが目を見開いた顔をしていた。

 

「なのはちゃん‥‥?どうした?」

「あ、あれ‥‥?琥珀さん‥‥、今‥‥‥‥その子と‥‥『お話ししてました』‥‥よね‥‥‥?」

 

 何ですと?

 

《‥‥もしかしなくても。これ、なのはちゃんにも聞こえてるのか?》

「っ!?は、はい。しっかり聞こえてます‥‥」

 

 まさかとは思い、よくよく感知してみると‥‥‥マジで驚いた。

 なんと、なのはちゃんにも魔力があるじゃあ~りませんか。

 

《お二人には僕の声が聞こえてるんですよね‥‥?‥‥だったらお願いがあります!僕にあなた達の力を貸してください!》

 

 ふむ‥‥‥。薄々、考えてはいたんだが‥‥。どうやら、ユーノ君の身には何やら面倒なことが起きているらしい。

 

《まずは事情説明を頼む。力を貸す貸さないは、君の話の内容によるけどな》

《ユーノ君。私、高町 なのはっていうの。何があったのか聞かせて。私に出来ることがあるなら力になりたい》

 

 

 

 

 ユーノ君による事情説明を聞く──その時だった。

 

 

 

 

 ドプッ!グチュッ、グリュッ

 

 

 

 

「──えっ?‥‥っ!?きゃあーーー!?」

 

 不気味な音、すずかちゃんの悲鳴。

 その原因は──

 

「うわっ‥‥‥マジか‥‥‥」

 

 

 

 化物だった。

 

 

 

 

 

 

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