『リリなの』の世界、その可能性の一つを書いてみた。   作:帆金 焔

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俺達がジュエルシードに関わるのも『可能性』の一つである。

 大きさは大体、牛と同程度。

 身体は『影』のような‥‥ん~‥‥‥何とも言えん感じだ。

 ユラユラ揺れている赤いのは目らしく、それが俺達を自身の視界に捉える。

 最初は微動だにせず、俺を見るだけのような感じだったのがそれも五分と経たず、身体の一部を触手のように伸ばし、貫かんと尖ったそれが俺達に襲いかかってきた。

 

「マジかっ!?クソッタレ!!」

 

 魔力による障壁を張る。

 一撃目が防がれたと理解するや、化物は触手の数を増やして連打攻撃に切り替えてきた。

 

「こ、琥珀さんっ!?」

「ぐっ‥‥!?おい、ユーノ君!こんな状況だけど、事情説明頼む!」

 

「は、はい!」

 

 って、はっ?!ちょっと待て!

 ユーノ君。君、普通に喋れるんかい!?

 

 ユーノ君の説明によるとこうだ。

 まず、目の前のアレは『生物』ではなく『思念体』。『ジュエルシード』なるものの魔力が暴走し、生み出されたものだという。

 次に『ジュエルシード』。

 ユーノ君は遺跡発掘を生業とする『スクライア』という一族の出であり、ジュエルシードを発掘したのもユーノ君とのこと。

 しかし、発掘したジュエルシードを移送中に事故に遭遇、その事故でジュエルシードはバラまかれ、数にして21個全てがここ、海鳴市に落ちてしまったらしい。

 今、目の前に居るアレは落ちたジュエルシードの一つ。

 外見がどんな感じなのか分からないけど、一個だけであんな危ないものが出来る程の危険物だってことは分かった。

 ユーノ君の話を聞いて即座に判断。

 危険極まりない!こんな事になのはちゃんを関わらせられるか!?

 

「俺が時間を稼ぐ!その間になのはちゃん達は逃げろっ!!」

「そ、そんな‥‥!琥珀さんはどうするんですかっ!?」

「んなもん、どうにかするっきゃないでしょ!?早くしろ!!」

 

 ぶっちゃけ、俺一人でどうにかできるわけがないのは百も承知。しかし、こんな時に子供を守らずして何が大人か!?

 

「‥‥そ、そうだ!ユーノ君、私にも力を貸してほ「馬鹿かっ!?!」こ、琥珀さん‥‥?」

「関わらそうとするユーノ君も馬鹿だけど、関わろうとするなのはちゃんも馬鹿だな!あんな危険なものに君みたいな小学生を関わらせられるか!大人ってのは子供を守ってなんぼなんだ!君ら子供は守られてり「い、嫌ですっ!!」

 

 な、なのはちゃん‥‥?

 

「子供だって、守られるだけが嫌になる時だってあるんです!それに琥珀さんは『あの時』、私を守ってくれた!」

 

 あ、あの時?あの時って‥‥‥‥あぁ、なのはちゃんと初めて会った時か。

 

「だから、私だって琥珀さんを守ります!」

 

 なのはちゃんはユーノ君を見て、

 

「ユーノ君、私の力も必要なんだよね?!お願い!私は何をすれば良いのか教えて!!」

 

 ユーノ君は首にかけていた赤い宝石を外すと、それをなのはちゃんに差し出しながら言った。

 

「琥珀さんも聞いてください!ジュエルシードはデバイスによる封印じゃなきゃ止めることは出来ないんです!」

 

 なのはちゃんはユーノ君が持っていた宝石を受け取る。

 

「‥‥‥琥珀さん!あとちょっとだけ、我慢してください!」

 

 了──

 

「──解!」

 

 

 

 

 

 

 なのはside

 

「‥‥‥アリサちゃん、すずかちゃん。危ないから二人は下がってて」

「ちょっ‥‥!?なのは、あんた本気?!下手したら死んじゃうかもしれないのよ!?」

 

 そんなの分かってる。事実、私の体はちょっと震えていた。‥‥‥でも、私は嫌だった。琥珀さんは私達を守ってくれるのに、私は何も出来ないなんて‥‥。

 琥珀さんは昔、ある事情から一人ぼっちだった私の心を守ってくれた‥‥。

 ‥‥だから今度は!私が琥珀さんを助ける番なんだ!

 

「ユーノ君!」

 

 名前を叫ぶ私を見て、ユーノ君が頷く。

 

「なのは、今から僕が言うことを復唱して。そうすれば、君も魔法が使えるようになるから」

「分かった!」

 

 待ってて、琥珀さん!

 

「それじゃあ、いくよ‥‥!──我 使命を受けし者なり」

 

 我 使命を受けし者なり──

 

「契約の元 その力を解き放て」

 

 契約の元 その力を解き放て──

 

「風は空に」

 

 風は空に──

 

「星は天に」

 

 星は天に──

 

「不屈の魂はこの胸に」

 

 不屈の魂はこの胸に──

 

「この手に魔法を」

 

 この手に魔法を──

 

「なのは、その子の名前は『レイジングハート』だ、叫んで!」

 

 お願い、私に力を貸して!

 

「レイジングハート!!」

 

 その瞬間、私は眩い光に包まれた──。

 

 

 

 

 

 

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