第零章
苛立ち
もう3月も終わろうとしているのに冗談抜きでトンカチで地面を叩けばいい感じでたたき割れるんじゃないかと思えるほど寒い朝、俺は目覚ましによってたたき起こされた。
「あ~あつまんね。」
最近は何時も起きるたびに思ってしまう。
なぜかって?そりゃ簡単な話だ。まずここは糞田舎であることだ。そして文字どうりなにもない。流石に隣の家から何百mもある。とかそんなレベルではないがやはり来月から高校生になる人が生活するにはあまりにも不便であり、遊びや学問においても刺激も機会も少なすぎるところだからだ。
そして理由はもう一つある、俺は他人との交流が
あまりにも少なすぎる。一応友人はいるのだが遊び場はないし互いの家は遠すぎて行くだけでも一苦労だ。そして俺は勉強はそれなりにできるもののブサメンでコミュ障であり、その上近所の人はおばさんおばあちゃんばかりで一人っ子というこの最悪の環境も手伝って彼女を作るが愚か同世代の異性との交流すらほぼないとう有り様である。しかも親は家業を継げよとうるさいし、ましてや都会に行くなんて絶対に許してくれない。実際に都会に出たいといった瞬間外に放り出されたし人の話を聞かない人だしもうどうしようもない。もう春休みだがどうせ家業修行で終わるんだろうな。
「(´ヘ`;)はぁ~」
ほんと俺の人生つまんない。
しかしそんなことを愚痴っても無駄であるのはよくわかっているのでそのことを考えるのを止め俺は朝食を食べ仕方なく学校に向かった。
どうでもいいが今日は離任式で本当に最後の登校になる。雨も降ってるし俺は急いだ。
田舎ではバスが遅れてくるのは当たり前でそのぶん余計に待たなければならない。今日はおまけに無駄に急いだためさらに余計に待たなければならなくなった。
「くっそおおおお!」
心の中で叫んでみる。
しかしいくら叫んでもバスは早く来てくれるわけないので仕方なくしゃがんで待つことにした。
ズルズル
しばらくすると何か音がした。今まで聞いたことが無いような音だった。
その方をみた次の瞬間バスがこっちに突っ込んできた!
ドン!
俺はバスにひかれた。直撃、助かる術はない。そして俺は意識を失った。
僕は何をしていたのであろうか
何も思い出すことができない。
ふと目を明けるとそこには見たことがないが景色がそこには広がっていた。
どこらへんから説明すれば良いのかわからないが一応状況説明の努力はしてみよう。
まず最初に気づいたことは僕は空中に浮かんでいることだった。
それだけでも頭が爆発しそうだったのにさらに周りを見渡すとそこにはまるで異世界の景色だっだ。
キャンディを溶かして作ったソフトクリームのような色をした雲。
その切れ目からはセピア色の空が覗いている。
「おい、小僧」
誰かに話かけられた。僕は緊張と恐怖のあまり絶叫してしまった。
「うあああああああ!!!!!」
「!?」
そこにはおっさんがいた。年は三十代くらいだろうか、短髪で大柄、帽子?らしきものを被っていて 目の傷が特徴的だっだ。
「な...なん..でしょうか?」
「いやお前ビビりすぎだろう(笑)」
いやいやそんなこと言われてもこんな変な見知らぬ人に話かけられたら驚くだろう。しかもこの意味不明な世界で。
「お前さ、今困ってるだろう」
「え‥あ、はい。」
「まあ普通はこんなところには人は来ないよな」
いやさ...マジ...お前誰だよ‥と思うが一つはっきり判ることがある。この人ただもんじゃない。だが、それはあくまでも直感であり、肝心の具体的にはどの点がただものではないかはわからなかった。ほんとこの人怖いしこの意味不明な状況もあってこちらからは何も聞き出すことはできなかった。
「あ、そういえばまだ俺が誰だか言ってなかったな(笑)。」
「とは言っても言うつもりはなかったが.......
一応、俺は神だ。」
いやさ‥マジでこいつ何言ってんだ?頭大丈夫か?
「しかし、ここにきたってことはお前もただもんじゃねーな。よし決めたぞ。お前俺と契約しろ。そして俺に夢見させろ!」
どう考えても本当にヤバい人です。本当にありがとうござました。
てかそんなことはどうでもいい。こいつ今なんて言った?契約?夢見させろ?
自称神様は話を続ける
「いやまあ 普通そんなこといわれても困るよな」
自覚あったのかこいつ。
「よし、最低限の説明だけはしてやる
まずはお前はこのままだとここから出られない。しかし、俺はそんな可哀想なお前をここから出してやろうというのだ。」
だったら早く出してくれ。
「だか、お前は今のままの世界に戻るのはもったいない。お前には素質がある。俺には判るぜ。お前の過去と願望、それが素質の条件だ。他にもここにお前がいることもその証左なんだよ。だからさ、俺と契約してくれ!」
「見返りにお前が俺が指定する世界で契約を遂行するかわりに俺はお前の願いをいくらでも叶えてやる。全てな!だからさ頼むぜ。お願い。」
僕はこいつの話を飲むか否かと考え始めたが、ここで原因を探してもわからないことはわからないままであり。自分が誰なのかすらわからない状態である以上、もはやその話に乗るしか選択肢はなかった。
「分かりました。あなたと契約しましょう。では私が遂行すべきこととは?教えていただきたい。」「それはいずれわかることだ。いまそれを話す必要性はない」
そりゃちょっと困る。
「お前は俺が指定した世界に戻ったらそのまま暮らせばいい。契約遂行の内容は時代と″彼ら″が教えてくれるだろう。大丈夫!お前の願いはちゃんと解ってるからさ!」
ちょ、おま‥
「ふぅ。話が長くなってしまったな、よし!お前をもとに戻してやるとするか。夢..ちゃんと見させろよ。」
自称神様がそういった次の瞬間ものすごい衝撃が走り僕は意識を失った。
第一章
出会い
気付くと俺は記憶が戻っていた。そして謎の記憶が頭の中に追加されていた。で、その記憶と今の状況を照らしあわせるとこういうことになる。
俺は新東京いきの新幹線で寝てた。しかも寂しく独りで、ということになるらしい。
そして謎の記憶の追憶を進めてみるといろいろとわかってきた。
俺は高橋凌という名前らしい、中二になってからは広島に住んでいたのらしいのだが、高校に進学するときに家の都合上‥‥というより親父に新東京に無理矢理呼び出されたらしいのだ。
今まで仕事仕事でカーチャンが死んだときもこっちには構ってこなかったようなのに今更なぜ俺を呼んだのだろか。もう自分自身のことなのに実感がわかずにどこか他人事のように感じる。大丈夫か?俺。そして午後4時過ぎなのに雲のせいで空は暗い。なんか嫌な予感しかしない。
新東京に着いた。言い忘れていたが新東京とはある事件とその後起きた地震により日本全国‥特に東京が壊滅的被害を受け、そのときに臨時の首都がここに置かれそのまま日本の首都となった都市だ。
とはいっても都心の位置が少し西にずれただけあり基本的には東京と変わらない。都市規模は向こうの東京と変わらない。というかほとんど変わってない。
そして10年前の事件ついてだが‥‥詳しいことは今でもわからないがある空間が現実世界とつながり、そのとき謎のエネルギーが拡散した。それからだ、怪物が現れるようになったのは。
怪物はまず東京に現れ、街中を荒らし回った。東京に現れた怪物はすぐ退治できたそうだが、その後被害は怪物の出現範囲の拡大により全国に広がり全国全ての怪物の退治が完了するまでに日本は国内総生産の一割と50万人の命を失ったのだった。一応これが10年前の事件の概要だが、なぜか東京は被害が他より異常に大きかったらしい。
その後もモンスターは現れたが今は仮想空間という空間をモンスターの発生場所と現実世界のあいだに作りそこで対処できるようになった。それ以降、現実世界では大きな被害は出ていない。
以上俺の頭に入っていた謎の記憶より。
しかし、こうしてみるとあのオッサンは意外と俺の願望を分かっていたようだ。やっぱあの人怖い。
新幹線から降り駅から出ると空は曇っていたが 奥の方は少し光が照らしていた。
俺は親父のよこした資料をもとに目的地に向かった。今回の目的地‥‥それは新東京、そして日本の防衛の最重要拠点である新日本防衛本部だ。はっきり言ってネーミングセンスは全く感じらんないがこの施設と新東京は日本の最先端技術を駆使して建設したものであり、様々な有事に備える世界最先端のハイテク都市なのだ。おかげさまで政府の懐がずいぶん寒くなり俺たち国民はいろいろ大変な目にあったのだが仕方ない。
親父は政府のお偉いさんらしい。だかなぜ親父は俺をここに呼んだのか疑問は尽きないがこういう時は考えても無駄である。まず親父は基本的に何を考えているのかわからないし、わからないことを考え続けるのは精神衛生上よろしくない。とにかく今は資料の書かれているようにするしかない。俺は足を進めた。
‥‥実はこのとき俺はもう高橋凌になっていた。前の自分はもう他人だ。関係ない。記憶ももう入れ替わっていた。
新日本防衛本部を含む政府の施設がある中心部は許可がないと入れないのだが先ほどの資料の中に許可状があったので問題なく入れた。
中心部から防衛本部のビルの入り、そのまま入口で待機していると黒スーツの男二人となぜかよくしっている人物がいた。
「よ!お久しぶり!」
こいつの名前は伊藤希美で
小学生の時の1つ上の先輩、小学生時代から美少女だったけどやっぱりますます美人になっていた。
でも俺はこの人はかなり苦手である。隠し事をしてもすぐにバレてしまうからだ。
「お‥お久しぶりです」
「元気にしてた?」
「はい」
「急にいなくなるもん、ほんとびっくりしたんだから」
こいつは一度喋りだすと基本的に止まらない。
俺は話を適当に受け流しながらなぜこいつがここにいるのか聞き出そうとした。
「先輩」
「ん?」
漆黒の瞳がこっちを観ている。何もかもが吸い寄せて覗かれてしまうような瞳、正直とても華麗だと思う。でもずっと目を合わせられない。何か大切なものをとられそう気がした。
「なんでここにいるのですか?」
「いちゃいけないわけ?」
「いや、そういうことでは‥」
「まあ、いいわ、うっかりいつもの返しが出たわ、
ここ政府関係者以外立ち入り禁止だし、ふつうはそう言いたくなるよね」
いい加減俺の質問に答えろ。話が長いんだよ。
「単刀直入に言うと、あたしもここで働いてるの。」
うん見れば分かる。
「いや こんな政府の中枢にアルバイトなんてないですよね。掃除作業員の格好じゃないですし」
「失敬な! 正規の国家公務員よ!とにかく政府は今変な防衛システム採用してちょー人手不足なってて、
必要な人材は未成年だろうと採用してるのよ!
あなただってそうよ!」
「えっ?」
もう少し考えてみれば分かる話だった。親父が俺を呼んだ理由はそれしかない。
要は今から仮想空間に行って兵士としてあのモンスターを倒して来いと言うことだ。
確かに俺は小学生時代に兵士になるための英才教育を受けている。常識や科学が通じないあのモンスターと戦う術は一応持っている。しかし、俺はカーチャンが死んだ時に素質が無いとされ英才教育から外されたのだ。なのに今更なぜ?
「あなたがお父さんのことを嫌っているのは解ってる。でもね、今ほんとヤバい状況なの。あなたがいないと東京が大変なことになるの。だからお願い。あなたの力が必要なの。」
少しこいつに腹が立ってきた。こいつに罪はないしそもそも悪いのは親父だ。でも少しだけ、腹が立ってしまった。俺は感情を殺して考えることに徹した。
しかしいくら考えてもあの糞親父の真意がわからずもうこいつの依頼に応えるしかなかった。
「いいさ。やってやる。案内してくれ!あの糞親父を見返してやる!」
「うん、それじゃあ案内するね。無理なお願いに応じてくれてありがとう!」
もうやるしかない。俺はかくごを決めた。
希美は早足で歩き始めた。俺は慌ててついて行く、慣れてないからだろうか、通路は少し暗いように感じた。
その後希美から説明を受けた。今回の怪物はかなり強いらしく、俺も強いけどなるべく単独行動は避けるようにとのことだった。
「あなたのお父さんから。これで戦えって。」
と刀と銃を受け取った。俺は一応剣士だ 一応。
はっきりいって準備は不十分だがもう時間がらしく俺は急いで通路を駆け抜け仮想空間に入った。
仮想空間、そうはいっても風景は現実世界と変わらない。
そしてものすごい音、すでに他の奴ら応戦しているらしい。
単独行動はさけろと言われたが、なぜだろう、
俺は今、一人だ。この状況はヤバい。
最後に本格的な武器を手に持ってからもう五年はたつ。
体はより強靭になっているとはいえ、武器を使うときの感覚が回復してない。俺はとにかく不安だった。とにかく早く今戦っている奴らと合流しないと‥‥
ドン!
大きな物音がしたのを聞いた次の瞬間、大きなパンチが飛んできた!
ドドドドン!
俺はギリギリかわしたがその代わりパンチを食らったビルが一撃で崩れた。
「!!!」
どうやら最悪のタイミングで会ってしまったらしい、人類を‥特に日本を集中的に攻撃してくる目的は一切不明の人類の敵‥怪物に!
砂埃が晴れてきた、怪物の姿が見えてくる。背の高さは3m以上はある。人型であるが、角があり緑色の肌に盛り上がった筋肉。その姿は正に異形の化け物でとても人間には見えない。
でもそこまで恐怖は感じなかった。意外となんとかなりそうな気がしてきた。
さて、いっちょやりますか!
何時でも奴を仕留められるように俺は刀を構えた。