今回のBルートはクリア後のお話です!
「───茅場の言う通り、ここは俺の世界じゃないのかなぁ…」
そんな事を呟きながら俺は窓の外を見る
俺達はついに、地獄のデスゲーム、ソードアート・オンラインをクリアしたんだ
正確に言えば"俺が"だけど
まあ、細かい事は気にしないでおこう
俺は75層のコロシアムにてヒースクリフとデュエルする事になった
しかし、ヒースクリフはこのゲームを開発した茅場晶彦本人だった
デュエルからラスボス戦へと移行し、長い激闘の末、俺は勝利した
そして、ソードアート・オンラインがクリアされ、俺達は元の生活に戻ることになった訳だが
「やっぱり俺は虚しく変わらない空を見てるだけか…」
他のソードアート・オンライン、通称SAOを脱出したプレイヤーは、今頃リハビリ生活を強いられているところだろう
しかし、俺は元から体を動かせないのでリハビリどころじゃない
「──こんな事ならクリアしなきゃよかったかな…」
俺がそう言った時、その言葉を否定するようにある2人が入ってくる
「レイ…だよな?」
「だよな?じゃなくて、ですよね?って聞かないとダメだよ!歳上なんだから!」
そう、この2人こそ信頼できる唯一のプレイヤー
キリトとアスナだ
「おう廃人ネトゲーマー、俺に何の用だ?」
「酷い言われようだな…俺そんなに廃人じゃないんだけど…」
「でも、ネトゲーマーのところは否定しないんだね」
「あの、マジで何の用?」
「あー、えーっと……レイの所為で内容忘れたじゃないか!」
「俺の所為なのか!?」
キリトと俺がそんな会話をしていたがアスナがしっかり憶えていた様で
「レイ君と一緒に外を散歩でもしようと思って…」
「俺を外に…か?別に構わないけど、お前らリハビリはいいのか?それに車椅子に誰が乗っけるんだよ?」
「リハビリはなんとか大丈夫だ、それに乗せるのは俺だが?アスナが良かったか?」
「え!?わ、私無理だよ!?」
「知ってるから落ち着け、キリトなのは分かってたから」
俺は動かせない体をキリトに支えてもらい、というか運んで貰い、なんとか車椅子に座る
「で?具体的に何処に行くんだ?」
「考えてない」
「──────は?」
俺は予想外の答えに少し戸惑った
「いや、考えておけよ!?」
「でも、目的無く辺りをブラブラするのも悪くはないと思うぞ?」
「いや、そうかもしんないけどさ…」
俺は車椅子に座りながらかつ、キリトに押してもらいながら病院の外に出る
「外に出たのは何年振りだろうなぁ…」
「ずっとSAOの中に居たからね、やっぱり外の空気は新鮮だね」
「都会よりも田舎の方が新鮮だとは思うが…まぁ、同意はする」
突然キリトが口を開く
「まさかSAOをクリアした英雄が、現実世界で事故に遭っていたなんて、誰が想像しただろうな?」
「───あの事故のお陰で、お前達に会えたってのもあるけどな」
「レイ君って意外にロマンチックなところあるね」
「うっせ!」
俺達は暫く外で話した
他愛のない話から、SAOの中の時の話
日が暮れるまでずっと話した
「もう日も暮れるな…」
「そろそろ戻ろっか」
キリトとアスナはベンチに腰掛けていたが、サッと立ち上がった
「リハビリ生活って長そうなイメージあったけど、お前ら見てると意外に短いのかと思ってしまう」
「「そう(か)?」」
「相変わらず夫婦並みのハモり方しやがって…それより、戻るんだろ?」
俺の言葉に2人は軽く頷く
帰りはアスナが車椅子を押してくれた
アスナはやっぱりいい子やわ
───────────────────────
気づけば
俺の病室まで着いた
この2人と話をしながらだと時間の流れが早く感じる
俺は2人に声を掛けた
「なぁ……いや、やっぱりいいや」
「な、何だよ?して欲しい事があったのか?」
「………」
アスナは何か考えている
考え事をしているアスナにキリトは声を掛けた
「あ、アスナ?どうかしたのか?」
「そういえば…」
アスナは徐ろに俺の手を握る
俺は驚きもしない
何せ、触られた感覚がないんだからな
「ど、どうした?急に俺の手なんか握って…」
「
「そういやそうだったな」
「き、キリトまで…」
アスナに続いてキリトも俺の手を握る
「お、俺の手なんか握ったって意味なんかないぞ?触られた感覚なんて無いし…握り返す事だって出来ないんだし…」
「それでも、レイ君はゲームクリア…言い換えれば命の恩人でもある人なんだから」
「俺らはレイに色々助けられたしな」
「………」
俺は自分の体を恨みたい
手だけでも動いて欲しい
感覚が無くたっていい
2人の手を握り返してやりたい
「ありがとう」それだけでも伝えたい
そんな些細な願いが叶ったのか
それとも偶然か
いや、この世に偶然なんてない
いつか起こる事だったんだ
そう、俺の手が─動かせないはずの手が動かせたんだ
「れ、レイ君…手…」
「動かせないんじゃ…?」
「きっと…きっと、偶然さ……神様ってのが、俺に与えてくれたチャンスなんだ…例え今この時だけだとしても…」
俺はアスナとキリトの手を握り返す
触った感覚なんて無くてもいい
今は2人の手を握り返したいだけなんだ
2人も俺の手を握り返してくる
「れ、レイ君、大丈夫?」
アスナが慌てている
さっきから目が熱い
なんか頬に水が垂れたような感覚だ
「俺、泣いてんのか…大の大人が…情けねえ…なぁ〜…」
キリトとアスナはアタフタしている
でも、俺はこれだけは伝えたかった
「───2人とも…」
「な、何だ?何か他にして欲しいのか!?言ってくれ!?出来る範囲ならやるぞ!?」
「そ、そうだよ!?遠慮無く言って!?」
「い、いやそうじゃ…無くて…聞いて欲しいんだ──たった一言だけどさ…」
「…何だ?」
「…何かな?」
「ありがとう」
くぅ〜疲れたw
いや、そんな疲れて無いですけどw
これにてエンディングルートのかBルート終了です!
Aルートのほうが短い!
そんな事は気にしちゃいかんな