俺とフィリアは、この謎のエリアの中枢らしき所へ向かっていた。フィリアによると、怪しいところが沢山あるらしい。そこを1つ1つ調べれば、何かが分かると思った。今は1つ目の怪しい所へ向かっている最中だ。しかし、突然フィリアが呆れた感じに言った。
「ねぇ、その手の紋章については触れないの?」
「え?紋章?そんな物何処に…ってうわぁ!?」
「ワザとだよね!?絶対にワザとだよね!?」
俺の右手には謎の紋章が浮かんでいた。フィリアには色々とツッコミを入れられてしまったが、この際気にしない。
「その紋章と同じ物を見たことがある。しかも、それは今向かってる所にもある。というか、そこに向かってる。」
「そ、そうだったのか!?なんで、早く教えてくれなかったんだよ〜!」
「……レイって相手にすると疲れるね…フレンドの人が可哀想。」
「ど、どういう事だよそれ!!?」
くそ、ワザとだという事がバレてる上に、ここまで追い打ちをかけてくるなんて、フィリアは中々策士だな。
「もうすぐ着くから、その紋章で何とかしてよ。今のところはレイしか頼れないし。」
「ハイハイ、お任せあれ。」
次の瞬間。途轍も無い殺気が俺の後ろから感じ取れた。ゲームだとしても、殺気だけは感じられるのか。更に索敵スキルにも反応がある。
反応は約4人。数こそ少ないが囲まれている事には変わり無い。
「紅の剣聖、動くな、そして振り返るな。動くとこの女のHPがあっという間に無くなるぞ。」
「……………」
俺は剣を抜こうと考えたが、フィリアの命が危険に晒している時点で
無闇に動けない。フィリアは死なせるわけにはいかないからな。俺は仕方なく謎の声に従う。
「良い子だ。」
「は、離して!」
「ヘッドォ〜、この女どうします〜?良い体してるし〜…悲鳴を響かせながら腕とかちょん切って殺すっていうのも〜」
「お前はどうせすぐに殺すだろう。」
「フィリアにだけは何もするな。お前達の目的は俺だろう。ラフィンコフィン」
「話が早くて助かるぜ、紅の剣聖よ。おい、ソイツを離せ。」
「良いんですか〜?」
「構わん、そいつには興味なんてない。」
ゆっくりと足音が近づいてくる。まるで死神が近づいてくるようだ。何故か恐怖の感情はない。あるのはフィリアへの心配だけだった。こいつらはすぐには俺を殺そうとはしないだろう。何かしらの目的があるはずだ。
「あの時は世話になったな。仲間を何人も殺してくれてよ。」
「……!!」
「あの時のお前の様子、少しだけ見させてもらった。やっぱり、俺達と同じだったと確信したぞ。」
「黙れ!!!俺をお前達と一緒にするな!!!好き好んで殺しなんて、巫山戯るなよ!!」
「あいつも言ってたろ?『人を殺した時点で同じ』だってよ…?」
「…五月蝿い…五月蝿い…!」
「今日は見逃してやるよ。今度見つけた時は、俺達と同じになってる事を祈るぜ…オイお前ら、行くぞ」
あいつはラフィンコフィンのリーダー、PoHだろう。姿は見てないが、「ヘッド」と呼ばれていたからそうとしか思えない。まさか、あいつがここに飛ばされて来てるなんて思ってなかった。そんな事よりだ。
「フィリア!無事か!?」
「う、うん…大丈夫。レイは?」
「心配してくれるのか?フィリアは優しいな。」
「べ、別にそんなんじゃ……ねぇ、私はレイがあいつらと同じなんて思ってないよ。自分の方が危険なのに、私の心配するし。そんな奴があいつらと同じな訳ないよ。」
「…フィリア。そうか、フィリアがそう言ってくれるならそうだな。さぁ、邪魔が入ったけどさっさと行こうぜ。」
「…うん…!」
俺はフィリアには笑顔を向けているが、道中は複雑な気持ちがずっと漂っていた。