ソードアート・オンライン 導きの剣   作:零ちゃん

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第6話 謎の影

「あれ…?いつの間にか寝ちまってたか。」

 

俺はホロウエリア管理区で目を覚ました。どうやらいつの間にか眠っていたようだった。そんな時俺は肩に違和感を感じ、肩に目をやった。

 

「………これは起こす訳にはいかないな。」

 

俺の肩に凭れ掛かりながら眠るフィリアがそこに居た。俺は優しく頭を撫でてやった。

 

「……(や、疚しい気持ちは無い!多分…いや絶対!頭撫でてるだけだし、大丈夫…大丈夫…)」

 

と、俺は謎の葛藤に悩まされつつ、フィリアの頭を撫でる。ゲームの中とは言え、感触はある。フィリアの髪はフワフワでサラサラで、兎に角触り心地が良い。俺が撫で回していると、フィリアが目を覚ました。

 

「…レイ、頭を撫でるのは良いけど…出来ればもっと優しくして欲しい…かな?」

「………ごめん。」

 

フィリアはどうやら俺が頭を撫でている途中で目を覚ましたらしい。普通に恥ずかしかった。

 

「そう言えば、キリトとアスナ、遅いね。」

「確かにそうだな。まぁ、居なくてもホロウエリアを進められる事にかわりはないし。行こうぜ。今日は次のエリアだな。確か…」

 

 

───────────────────────

 

〜バステアゲートに続く橋梁〜

 

「もう、レイが転移用の石に触れてないから歩いて来ないといけなかったじゃん!」

「そ、そんな事言ったってよ…」

 

俺達はバステアゲートに続く橋梁であるここから一番近いところに転移し歩いて来た。原因は転移用の石に触れていなかったからだ。これのお陰でレベリングが出来たと言えば良いように聞こえるが、本当はただの遠回りでしかなかった。

 

「よし、これでいつでもここに転移出来る。」

「じゃあ、今度こそ新エリア攻略だね!」

「だな!」

 

と、元気良く行くのだが、封印されている道の前に黒い影が立っていた。

 

「なんだ…?アレ…見た感じは人なんだけど。」

「最初に来た時は居なかったよね。エリアボスを倒した事によって湧いたのかな?」

 

だが、俺は違うと断定出来た。何故なら、その黒い影は俺と同じ形の"ある物"を持っていたからだ。

 

「……フィリア、下がってろ。アイツは、嫌な予感がする。」

「で、でも。」

「大丈夫さ、"偽物"にヤられるほど弱くは無いさ。」

 

黒い影は剣を構えた。そう、俺と同じ剣を。気付けば周りの雑魚敵も居なくなっている。それに気付いた時、謎のアナウンスが聞こえる。

 

「これより、ホロウエリア実装テスト、中間シークエンスを行います。」

「…ホロウエリア実装テスト…?まさか、ここを本当に実装するつもりなのか!?」

「尚、このシークエンスは結果からホロウエリアを実装するかの検討などを行う為のものです。」

「た、倒したらどうなるの?」

「知るかよそんな事…ただ、アイツは俺達の力を見たいってところだろうな。」

「それでは、開始します。」

 

そのアナウンスと共に黒い影は俺に向かって走ってくる。俺も前に走り出す。俺は剣を振り下ろすが、黒い影は下から斬り上げて俺の剣を弾く。俺は剣を弾かれ、後ろに退がった、のが間違いだった。良く聞くジェット機のエンジンの様な音が聞こえた。そう、黒い影がソードスキル、ヴォーパル・ストライクを使ってきたのだ。

 

「マジかよ…!?」

「レイ!危ない!!!」

 

フィリアの警告も虚しく、ヴォーパル・ストライクで距離を詰められた。黒い影がとった行動はそのままスター・Q・プロミネンスに繋げてきたのだ。当然避けられる筈もなく。

 

「うぐっぅ!!」

 

俺はまともに食らってしまい、後ろに吹き飛ばされる。更には俺のHPがごっそりと持っていかれる。まだ半分は切っていないが、イエローに近いのは確かだ。

 

「おいおい、そのまんまじゃねーか…俺と…」

 

俺はゆっくりと立ち上がる。その瞬間も黒い影は俺を目掛けて走ってくる。

 

「………いいぜ、相手してやる。」

 

俺は黒い影が振り下ろして来た剣を少しだけ後ろに退がって避け、その黒い影の剣を上から剣で叩きつけ支えにし、影の後ろに回る。

 

「これは読めたかァ!?この偽物がァァァァァ!」

 

俺は振り返り様に斬りつけ、そのままソードスキルを繋げる。ヴォーパル・ストライク、ヴァーチカル・アーク、ホリゾンタルスクエアと繋げ、トドメに両手剣ソードスキルのアバランシュを叩き込んだ。黒い影はポリゴン片となって空に消えていった。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…偽物が出るにはまだ早かったな…」

「レイ!!大丈夫?!」

 

フィリアが慌てて寄ってくる。

 

「大丈夫さ、まさか俺の影が出てくるなんてな、予想外だ。中間シークエンスって言ってたし、まだ後に残ってそうだから注意はしておこう。」

「そうだね…」

「なんでそんな暗い顔すんだよ。勝ったんだから良いだろ?」

「……下手すれば死んでたかもしれないんだよ!!?なんでそんなに…!」

 

俺はフィリアの頭に手を優しく乗せる。

 

「前に言わなかったか?フィリアをここから出すまでは必ず守るって。フィリアは俺の影と戦って勝てるかも!って思ったか?」

「そ、それは…」

「別に怒ってないぞ?フィリアの言う通り、気を抜けば死んでたかもしれないな。でも、俺が死んだら誰がフィリアを守るんだ?キリトか?アスナか?今ここに居ないやつがフィリアを守れるはずが無いんだよ。だから、フィリアが生きている限り俺は死ぬ気は無いよ。」

 

俺はそう言ってフィリアの頭を優しく撫でる。

 

「だから心配しないでいい。俺にはゲームクリアまでフィリアを守るっていうクエストがあるからな!」

「……何そのクエスト…」

 

フィリアは俯いて泣きそうだった。だけど、顔を上げた時の笑顔はとても優しい笑顔だった。

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