「よし!これで先に進めるぞ!」
「やっとだね!」
俺達は休憩を済ませ、先程の遺跡塔攻略の為に動き回った。結果、キーアイテムを手に入れ、バステアゲート遺跡塔の先に進む事が出来た。キーアイテムを手に入れる時にボスが居たんだが、大した敵ではなかった。
「この先は多分ボスだ。準備は…」
俺の言葉を遮る様にアナウンスが流れる。そのアナウンスはとても恐ろしいモノだった。
『ホロウエリア全域のペインアブソーバレベルを3に変更致しました。』
何を言い出すかと思えばペインアブソーバレベルをLV3に変更したと言い出した。
「ね、ねぇ、レイ。ペインアブソーバレベルって?」
「フィリアは知らないのか?このゲーム、いや、フルダイブゲーム全般にある設定の様なものだ。確か0〜10までのレベルが存在していて、低くなればなる程、現実世界での痛みに近くなる。SAOでは大体10か9だったはずだ。だからちょっとした違和感しか感じない。だが、LV3ともなれば、LV0程の痛みとは言わないが、現実世界でも影響が出るかもしれないほどの痛みを感じる。って所だな。」
「そ、それじゃ、モンスターから攻撃を受けたら…!」
「途轍もない痛みを感じるだろうな。」
「な、なんでそんなに冷静なの!?ゲームなのに痛みを感じるなんて…」
「俺は頭以外攻撃を受けようと痛いだけだ。どうせ動かないんだ。影響なんてないさ。だからこそ俺はフィリアを守れる。
「……………」
「大丈夫。無理はしない。俺だって影響が無いだけで痛いモノは痛い。攻撃を受ける気は無いさ。」
「約束して。絶対に無理はしないって。」
「おう。約束だ。」
俺とフィリアは階段を登って行く。エリアボスを倒す為に。
───────────────────────
「アイツがエリアボスか…」
「ドラゴン…?」
「ドラゴンというかワイバーンに近いな。だが、尻尾が剣になってる。気をつけないとな。」
俺達はボスを目の当たりにした。尻尾が剣になっているワイバーン。刃竜ゾーディアス。奴を倒せば次のエリアに行く事が出来る。
「行くぞ!!!」
「うん!」
ペインアブソーバレベルがLV3になった為、フィリアはかなり後方に下がってもらっている。そして当然、俺が前衛だ。
「はぁっ!!」
俺はゾーディアスに斬りかかるが、空を飛んでいるだけあって攻撃が当てにくい。簡単に避けられる。
「チッ!ちょこまかと!」
俺が振り向いた瞬間だった。ゾーディアスの尻尾の剣が俺を捉えた。避けようとしたが間に合わず─
「─っ!!?」
感じた事も無い痛みが俺を襲う。左腕を手の甲から肩にかけて切られた。幸い深くなく、かなり大きな切り傷の様なものになった。
「(なんだよコレ…!痛いってモンじゃねーぞ…!?)」
俺はフラつきながら立ち上がる。そこにまたしてもゾーディアスの尻尾の剣が俺を狙う。
「喰らってたまるかァッ!!!!」
俺は右手で剣を握り締め、ゾーディアスの尻尾の剣を弾く。
「─────!!!!!!」
ゾーディアスはバランスを崩し、床に落ち暴れている。絶好のチャンスだ。
「フィリア!!一気に決めるぞッ!!!!」
「う、うん!!!!」
俺とフィリアはゾーディアスに躊躇なく斬りかかる。幾度となく斬る。ソードスキルも発動し、起き上がる隙を与えない様に絶え間無く攻撃する。
「これで…終わりだッ!!!カラミティ…ディザスタァァァァァ!!!!!!」
俺はゾーディアスに向かって走り出し、両手剣の奥義技、カラミティディザスターを放つ。
「────────!!!!!!!!」
ゾーディアスは咆哮を響かせながら、ポリゴン片となった。
「や、やったのか…?」
俺は膝をつく。倒した事への安堵と、左腕に受けた痛みに耐えれなかったからだ。
「レイ!!!!」
フィリアが慌てて駆け寄る。
「無理しないって約束したのに!!」
「いやぁ、悪かった。俺も避けれると思ったんだが。」
「言い訳禁止!」
「はい…」
俺はそこからフィリアに説教された。まさか、アスナ以外に説教されるとは思ってなかった。アスナの説教程の恐ろしいモノは無いと思ったが、フィリアの説教も中々恐ろしかった。あれは二度と体験したくはない。
───────────────────────
「分かった!?」
「こ、心得た…」
「……ホントに無茶はしないでね…レイが居なくなるなんて考えたくないから…」
「ん?何か言ったか?」
「な、何でもないよ!!早く次のエリアに行こっ!!」
「ひ、引っ張るなって!!」
俺達は次のエリアに向かった。本当の気持ちを隠しながら。