新世紀エヴァンゲリオン ~正義の味方は何を成すのか?~ 作:satokun
「まさか、これを使うことになるとはな・・・」
男が苦笑しながら呟かれたその言葉・・・。
言葉を漏らしたは一人の男は、腰まで伸ばした漆黒の髪を風に靡かせていた。
下半身はボロボロの袴で、上半身は口のところまで紅い包帯を纏った姿で、その真紅の双眸で前を見据える。
「さて、この状態でいられるのも然程長くはないのでな・・・。この一撃で終わらせて貰うぞ―――『
見据える先に存在するのは異形の存在。
どの生物にも分類しないソレ。まるで人類の『業』を現すかのような禍々しさを秘めており、この世全ての『悪』を示すかのようだ。
「さらばだ・・・」
男は全身から噴き出す漆黒の魔力を右腕に収束させると、漆黒の魔力は刀状に形を成した。
「―――
その言葉と共に右手に握る漆黒の刀を振り下ろした。
世界を埋め尽くされるかと思わされるほどの斬撃。
全てを無に還す漆黒の刃は容赦なく異形を呑み込み無へと還した。
断末魔さえ上げることなく、消え去った異形・・・。
漆黒の斬撃が消え去り、大地には一直線に伸びた斬撃跡が残っていた。
「どうやら、これで終わったようだな・・・」
そう呟いたと同時に、まるで魔法が解けたかのように男の風貌が
長かった漆黒の髪は邪魔にならない程度に切られたダークブラウンに戻り、真紅の双眸は黒いものへと戻っていた。上半身に纏っていた紅い包帯はなくなり、素肌を晒していた。
「ふぅ・・・」
小さく息を吐く男は天を仰ぎ見る。
「果てして、これまで多くを斬り捨ててきた俺は何処に逝くのだろうな・・・。地獄か、あるいは何もない虚無か・・・。どちらにしてもいい場所ではないのは確かだがな」
そう呟いて小さく苦笑する。
男はこれまで出会ってきた者達の顔を思い浮かべる。
「くくくっ・・・我ながら笑えるな」
何故か苦笑いを漏らす男。
理由は単純明快。思い浮かべる者達のその殆どが女性だということだ。
「俺は正義の味方になれたのだろうか・・・。それともただの殺戮者だったのだろうか・・・」
全身の力が抜け落ちていくような、自身の存在が無くなっていくような感覚を自覚しながらも男は一人呟き続ける。
「多くの者を救うために、より少数を斬り捨ててきた・・・。それでも救えなかった・・・護れなかったものが多くあった・・・。それでも俺は―――」
僅かに残った力を総動員して、右腕を掲げる。
そして、何かを掴もうとする仕草をする男は―――その存在を完全に消した。
気が付けば、あともう少しで今年も終わりですね・・・w
エヴァの連載を報告してから三ヶ月ほど経ってしまいましたが、ようやく連載を始められることが出来ました。
もう一つの作品もあるので、更新はかなり遅くなると思いますが、完結目指して頑張ります。