修行回と言ったな?あれは嘘だ(すいません)
今回は豪華?三本立て!
・アリシア、口が滑る
・杉田君、どこぞの主人公?
・るゐさん、やっぱお前人外だから
こちらになります!
それではCALL21、どうぞ!
「それでは早速修行を始めたいと思います!」
「いえ~い!」[いえーい]
「お、おー…」
現在我が家では四人の男女が集まっている
アリシアやリナは既にここに住む気満々だったのでもう我が家気分でいます
両親の方にも連絡したので問題はないですよ?結構すんなりOK貰いました。それでいいのかパパママさんたち
ただ杉田君は少し居心地が悪そう
昨日あの後に杉田君の荷物を運びここに泊まらせることにしました
八雲さんの話で再確認しましたが、次のサイレンは約十日ほどです
正直言って時間が足りません。なので
「ちょっとでもタイムロスを無くしたいから今日からしばらく止まっていってね?」
「…いいのか?一応男女なんだけど…」
「別に気にしなくていいさ。ただちゃんとルールは守ってね?」
「そこはもう全力で守らせていただきます!」
ルールとはこの家での決まりですよ
流石にそこをしっかりしないといろいろハプニングが起きかねないからね
…杉田君がラッキースケベ補正なければだけどさ
因みに何で最後杉田君が勢いよく返事したかというと…アリシアに睨まれたからです
そんなに見られたくないかアリシア?まぁ私もすきこのんで見せびらかそうとは思わないけどさ?私達は淑女?です!
「んじゃ―杉田君、まずこれに触ってみて」
「これは」
私はリビングのテーブルの上に置いてあるシートの上に手を乗せるよう促した
実はこれ、アリシアが作った不思議アイテムの一つです
「これに触れてPSIを送るイメージをするだけでその人の得手不得手が分かるシートなのですよ。アリシアの話ではね」
「なんかどっかで見たことが…」
「文句あんの?」
「ありません」
ホントアリシアなんでそこまで杉田君を邪険にしてんのさ…見ているこっちが申し訳なくなってくるわこれ
…仕方ない
「アリシア」
「なにー」
「ちょっと部屋に戻ってて。話し進まないから」
「…え?…な、なんで…」
「時間無いって言ってるでしょ?もし時間が無くて杉田君がまともにPSIを覚えられず、その結果サイレンで杉田君が死んじゃったらどうすんのさ?せっかく助けた命を無駄にしたくないし、死なせたくないの。そうちょっかいかけてるとこっちも黙ってられないんですよ」
「………」
私の話に苦虫を噛み潰したような表情になって俯いてしまう
でもしょうがないじゃん、実際にこうやってタイムロスしてるし…杉田君の何が気にいらないのかは知らないけど時と場合は選んでほしい
因みにリナはまたもや熟睡ルート。サイレン関係しそうな話になると見計らったように寝るなこの子…
「わかったアリシア?だから―」
「……………あんな薬作らなきゃよかった」
私が注意する中…アリシアは小さく呟く
それは今現在の静まり返ったリビングにははっきりと聞こえる声で…私はそれを聞こえてしまった
……………………………………………………
「………杉田君」
「は、はい!」
「ちょっとシートの方やってて、コーヒーの時と似たようにすればいいから」
「え、えと…はい、わかりました…」
「少し席外すから、すぐ戻ってくるよ…」
杉田side
どうも、自分杉田って言います
何やらこのSSでは優遇されていてありがたい話です
…これ以上メタイ話はあれ何で話は戻りますが、こっからはオレ視点で話を進めるみたいで
とりあえず現在は藤堂さんの家に泊まることになり、PSIの修行に取り掛かる最中でした
オレのPSIの特性を調べるためにどこかの忍ぶ気ゼロな忍者もやってたようなことをやることに
まぁあっちは手のひらサイズの紙でこっちはボード板みたいなシートなんですがね
そんなこんなで話してたんですが…
藤堂さんの近くにいた女の子、アリシアさんがやけにオレに突っかかってきます
何かオレやったかな?と思っても全く心当たりがなく、謝るにも謝れない状況なんだよね…せめて何に対して怒って…いや、気にいらないのか聞きたいんだけど…
そんなこんなでつっかかってくるアリシアさんに業を煮やしたのかアリシアさんに注意を始めた藤堂さん
あの藤堂さんがボケを忘れて注意するなんて…それほどまでに今後のサイレンは危険なのだろうか?…考えただけで胃が痛い
アリシアさんも流石に予想外だったのか呆気に取られた表情をし、次第に曇らせていきました
藤堂さんが時間がない、死なせたくないとアリシアさんに言い聞かせていきます
…正直死なせたくないって言葉は結構嬉しかったりする。そこまで気にかけてくれるなんて…
…うし!命を助けてもらった恩人達だ…必ず恩返しをしよう!
PSIを覚えたら彼女たちを守れるようにも頑張ろう…流石にいつまでも守られてばかりじゃ格好もつかないしな
そう思った俺だったけど…次のアリシアさんの言葉で場の雰囲気が変わった
「……………あんな薬作らなきゃよかった」
…何を思ってそう言ったかはわからない。ただそれを聞いた藤堂さんの顔から…藤堂さんの綺麗な水色の瞳から…光が失われた
オレはそれを見た瞬間、背筋が凍るような錯覚に襲われた
何も映さずその輝きを失った瞳は…どこまでも深く、引き込まれそうになる…闇
アリシアさんも自分の失言に気づき顔をあげ、藤堂さんの瞳を見て固まってしまう
よく見るとアリシアさんは徐々に体を震え始めていた
俺はまだそこまで震える程ではないけど…この様子を見ると、アリシアさんが藤堂さんの何か触れてはいけないものに触れてしまったこと、その理由を知った上でやってしまった…って感じの反応っぽい
オレはそれが何か気になったけど…今聞くべきことではない気がした
なにより…藤堂さん自身から聞くべきだとも
藤堂さんは少し指示をオレに出し、リビングから出ていってしまった
……………
いや藤堂さん…流石にこの雰囲気で自分のこと優先にするとか無理だから…
アリシアさんは堪えられなくなったのか顔を俯かせて…涙を流している
…罪悪感がやばい。オレのせいかはわかんないけどとにかく罪悪感ハンパないッス…
そうこう考えていると
………ズゥゥゥン
「うぉ!?」
急に家が揺れるような音が聞こえた
最初は地震かと思ったが…でもこの響き…そしてこのタイミングだったとしたら発生源は多分藤堂さんだよなぁ…あの人ならやれそうだし
ただ何をしたらこんな揺れるようなことを…
そんな中でも未だ涙を流し続けているアリシアさん。声を我慢している姿が余計痛々しい…
………そういえば
「遅くなったけど…ありがとな?アリシアさん」
「……え?」
オレの言葉に信じられないものを見たような表情でこっちに顔を向けてくるアリシアさん
正直その悲痛な顔はオレの心にグサグサ刺さってくるので良心が痛いです
「さっきので思い出した…わけじゃないんだけどさ?言うタイミングがなかったから遅くなった、改めて言うよ…ありがとう、アリシアさん」
「…なんで?」
「いやさ、結果から見れば俺が助かったのは藤堂さんが薬をくれたってのもあるけど…その薬を作ってくれたアリシアさんのおかげでもあるしさ?今こうやって生きて…また母さんや友人たちの声を聞いてさ、生きててホントよかったって思ったんだ。俺からしたら薬をくれた藤堂さんも薬を作ってくれたアリシアさんも同じく命の恩人だから………だから、ありがとう…俺を助けてくれてありがとうな、アリシアさん」
藤堂さんにはお礼を言った。でもアリシアさんにはまだだった…あれから会ってないってのもあったけどそれは言い訳だ。藤堂さんに聞けば会わせてくれたりもしただろう…それなのに俺はすぐにお礼を言わないでなぁなぁにしていた。もしかしたらそれがアリシアさんにとっては不愉快だったのかもしれない
自分が作った薬なのに藤堂さんばかりお礼言って…って
「アリシアさんがなんで俺のこと邪険にしてるかは…オレそこまで頭回らないからまだわかんないけど…不満や憤りなんかは俺が全部受け止めるさ。少なくともオレに非がなくたってアリシアさんが納得してないなら甘んじて受け入れる…まぁそんな感じだな。あんまり言葉数多いわけじゃないからまだ言い表したいことあるのに話せないけど…そこはまぁ…察してくれ」
「…私が一方的に嫌ってただけでも?」
「嫌いならそのままでいいさ。でも俺は少なくともアリシアさんを嫌うことはないから」
「…まさかM?」
「いやそれアリシアさんでしょ…藤堂さんに叩かれて良い顔してたし…」
「それはるゐだからだもん!他の人に同じことされても嫌なだけだし!」
「そ、そうすか」
あ…なんとなくわかってきたかもしれない。ようは…
「…もしかしてやきもちか?オレと藤堂さんがいた時ばっかだった気がするし」
俺がそう聞くと、効果音があったとしたら「ギクゥ!?」って感じの雰囲気になった…って
「え…まさか…マジ?」
「…何さ…悪いかこんにゃろー!いいじゃんか独り占めしたって~!私の一番の親友だもん!好きなんだもん!誰かに取られるなんかやーだー!!!」
「………」
まさかの開き直りに呆気に取られてます。まさかビンゴだったとは…
なんか見た目の割に精神年齢低いような…(逆です。高過ぎる方です)
ただ…
「……くく…はははは!」
「なにさ!急に笑い出してキモイぞ!!」
「キモイって…はは…なんだ、てっきり何か恨まれてるのかと思ってたから少し安心したわ」
「え…不安?」
「オレが気づかないうちにアリシアさんを傷つけるようなことしたんじゃないかってずっと思ってたんだ…だからオレはなんでも許すって言ってたようなもんだったし…あ、今でもそれは変わらないぜ?」
「…紛らわしいことやってごめん…」
「オレは別に構わないよ、気にしてないから」
ホントよかったわ。流石に恨まれるようなことやっちゃってたら母さんに合わす顔なくなるよ
…そこ、オレはマザコンじゃないからな?親思いって言ってくれ
「それはそうと…オレが藤堂さんを取るとか何でそんな結論になったんだ?特に何かあったわけじゃないはずだぞ?どこでそう思ったんだ?」
「え」
「ん?」
「……無自覚?」
「なにが?」
オレは思ったままに言ってみたんだけど…
アリシアさんは落ち着きはしたが今度は頭に手を当ててため息を出している。表情コロコロ変化するなぁ…情緒不安定なのか?
「両者ともにこれって…いやまだ決まったことじゃないし…でも一番有力だし…」
「なんの話だそれ」
「気にしないで………後、さっきはごめんなさい」
「は?」
「薬作んなきゃよかったって…ようは死んでればよかったって言ったようなもんだから…言いすぎた、ごめんなさい…」
……あぁ
「確かに今考えるとそう取れるな」
「え、気づかなかったの!?それに怒ってるゐは出てったんじゃん!」
「いや、アリシアさんはオレにとっては恩人だからそこまで悪意あるとは思ってなかった。また冗談かなぁって。藤堂さんに関してはあの人冗談は好きでも悪い冗談は嫌いそうだし…」
「…えぇ…」
呆れた表情でこちらを見てくるアリシアさん
いやマジで気づいてなかったんだって。もう少し物事を深く考えた方がいいかね俺は?
「とりあえず、オレは全然気にしてないからアリシアさんは気にやまんでいいぞ?」
「…お人よしって言われない?」
「バイトの人にはよくよく言われる。でも悪いことじゃないからいいだろ?」
「………似てる」
「ん?誰にだ?」
「…気にしないで。ホントにごめんね?」
「オレはいいから藤堂さんに謝ってきたら?このまま距離を置くとかしたくないだろ?」
「あ、うん!じゃあちょっと行ってくるよ!」
そういってリビングから出て藤堂さんの部屋に向かおうと扉に近付いて…そこで一旦止まった
なんだろ?と思いながらアリシアさんを見てると
「…えと…改めて、これからよろしくね?望君」
アリシアさんがオレの名前を言って微笑んできた
「…ああ、よろしく、アリシアさん」
自然とオレも似たような返事をしていた
なんかやっと友達になれた感じがするわ…
アリシアさんもやっといつもぐらいまで元気になったみたいでよかったよ
アリシアさんが言い終えた後再び足を進め藤堂さんの部屋に向かう
それにしても…誰に似てるんだ?気になるな…
さてと、俺は俺でこっちを進めて置くか………そういや藤堂さんすぐ戻るって言ってたけど…
それなりに時間たったと思ったんだが、大丈夫かな?
「メディィィィィイイイイイイックッ!!?」
…大丈夫じゃなさそうだ
オレはアリシアさんの悲鳴にも似たその声を聞いて近くにあらかじめ(オレがPSIの扱いにミスって怪我した時のために)用意してあった救急箱を持ち部屋に向かうのだった…
sideend
私は自分の部屋まで来ていた
私の部屋は一階で、リビングからもそこそこ離れている
そんな私は
ドガァア!!!
部屋の壁に思いっきり頭を打ち付けた
ライズ無しの全力の頭突きは部屋の壁を凹ませる程の威力だった。生身でこれとか人間やめてる?私…
…正直冗談を口にするほど感情がまとまらない。さっきから嫌な感情ばかりが心の中で渦巻いている
私はさっきのアリシアの言葉に…思ってはいけないことを頭に浮かべてしまった
アリシアだってきっと本気じゃない、何やら溜めこんでたようだったからそれが漏れてしまったんだろう
それでも私はあの時…杉田君が、友人が死んでればいいと言ったも同然の言葉に対して…
私は、アリシアに殺意を覚えてしまった
大切な友人に、一番の親友に、私は…殺そうと思ってしまった
大切な友人を貶されたために大切な友人を殺そうと思ってしまった…
なんだこれ…
なんだこの感情…
嫌だ…
こんな感情いらない…
こんな汚い感情いらない
こんなの私じゃない
こんな感情忘れたい
忘れて
忘れて
忘れてよ…
…しばらく頭を打ち付けた壁に寄りかかって項垂れていた
何も考えないようにして冷静を保とうと試みる
次第に頭が鮮明になり落ち着いてくる……それでもなお、私の心に蠢く感情は未だに晴れそうにない。そして何より…
『貴方はよくても…身近の人はそれで納得するんですか?』
あの晩、撃子さんに言われた言葉を私はこのタイミングで思い出していた
思い出してから私は…自分にある疑問を抱いていた
私は親しい友人が貶されて…その相手が親しい友人であるにもかかわらず殺そうと考えてしまった…
私は他人なんかどうでもいい、身近の友人たちと仲良くのんびり過ごせたら万々歳だ
でも…その友人達が仲が悪かったら?
私は…どっちの味方をすればいいんだろう…
どっちの味方でもありたい、でもどちらかを選ぶことになった時…
私は…どうすればいいんだろう…
私は…
「選べなさそうだなぁ、うん私にゃ無理だわ」
結論、無理
はいシリアス終わり、ここからは明るく楽しく健やかにをモットーに話そうか
正直言ってそこまで深く考えても仕方ないわけで…何か起きた時に考えよう。うん、そうしよう
どちらか選ぶとか私はそんなの選ぶ気なんてさらさらない
どんな卑怯な手やえげつない手を使ってでも全部掻っ攫う気満々ですが何か?って感じ
確かに二択に迫られる時は来るだろうけど、だからといって素直にどっちかを選ぶとか私のすることじゃないし
なんで私は…友人たちが仲悪かったら私が何とかしようと思う
前世のあの時の私はむやみやたらに全部をどうにかしようとしてたからなぁ…今は私の決めた範囲で…手を伸ばせる範囲で何とかしようと考えている
人一人じゃ限界はあるからね
コンコン
「…るゐ、今いい?」
頭を冷やしていると部屋の扉の前に誰かが来た。この声はアリシアかな?
そう言えば結構時間たってたわ…自分が原因でタイムロスしちゃうとか笑えねー
「あー…ごめん、少し時間くいすぎちゃってたわ」
「…扉越しでいいかな?」
「んー?」
「…さっきはごめん、るゐが嫌になること言っちゃって…」
「あー…それはもう気にしないで、私も整理ついたから。それより杉田君に謝りなよ?」
「あ、うん。
…おや?アリシアって杉田君のこと名前読みだったっけ?
「…仲良くやれる?」
「大丈夫、もう変に突っかかったりはしないから」
「そか…ならよかった」
早めにわだかまりが解けて良かったよ。これから長い付き合いになる予感がするし…あんまり仲悪いままってのはるゐさん嫌です泣いてしまいます
「さて…と、それじゃあもう戻らなきゃ…早く特訓しなきゃね」
「うん」
これ以上時間をかけるのもあれですもんね
そう思って私は部屋から出てアリシアと一緒にリビングに向かおう…としたんだけど
「………」
なんかアリシアがこっちを見て青ざめている
え?どうした?
「アリシ」
「メディィィィィイイイイイイックッ!!?」
いきなり叫んで慌てだすアリシア
ちょ!?マジどうしたし!?
そう思ってた私は…そこで頭に冷たい感触があるのに気づいた
?…なんだろ……………あ
「さっきの頭突きで頭から血が出てるやんけ」
「そんな落ち着いて言ってる暇ないからぁ!!!」
よかった…私はまだ人間やめてなかったわ
その後叫び声に駆けつけてきた杉田君がアリシアと一緒に持ってきた救急箱を使って手当てしてくれました
その時の二人はとても自然体で、これといった衝突もなかった
君ら一気に仲良くなったなぁ…私がいない間に何があったし
それにしても怪我してる私より焦ってるって…なんで怪我した本人より焦ってんのさ
「「人外が怪我したから…」」
「表出ろ」
ホント仲良くなったなこの二人、息ぴったりじゃねぇかこんにゃろー
私はただアリシアと杉田君を和解させたかっただけなんや、主にアリシア
なんかいつの間にかこうなってた
仕方ないね、その場での思いつきだから…
るゐさんの心の変化をこれからもちょくちょく出す予定
大抵が友人に関係した時になるかも…
次回は修行回…かっ飛ばしてサイレン行くかも
修行回「!?」
それではここまで読んでくれた皆様に感謝を!