異譚・恋姫†夢想~幼児と共に紡ぐ外史~   作:3Khoi

2 / 2
新しいユーザーでの初投稿!!


プロローグ
旅立ち


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―作られた外史―

 ―それは新しい物語の始まり―

 ―終端を迎えた物語も、望まれれば再び突端が開かれて新生する―

 ―物語は己の世界では無限大―

 ―そして閉じられた外史の行き先は、ひとえに貴方の心次第―

 ―さぁ、外史の突端を開きましょう―

 

 

 

 

 

 ―一人の幼児が織り成す不思議な外史へ―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第1話 「旅立ち」

 

 ―幽州・桃花村―

 

 ここは大陸の中でも一番平和な土地。

 飢饉も無く、人々が互いを助け合い生活していた。

 しかし、そんな土地は招かれざる者たちまで引き寄せてしまう。

 

 賊1

 「ひひひ・・・・・・あそこの村は大層平和らしいからな

 ・・・・・・いい女と食い物が手に入るぜ」

 賊2

 「他の連中も何でここ狙わねぇのかな~・・・・・・勿体ない」

 

 桃花村の村の近くに、50~60人ほどの賊の集団が迫っていた。

 ここに来る前もいくつもの村を襲い、壊滅的被害を出してきた賊だった。

 その勢いに乗って桃花村を飲み込もうと企んでいた。

 

 ???

 「あの~・・・・・・?」

 

 そんな賊の集団に声を掛ける一人の人物がいた。

 その人物は背中に布で包まれた長物を2本担ぎ、腰にも布で包まれた物を携え、頭まで被った

 外套で顔を分からず、声からして女性なのは明白だった。

 

 賊1

 「何だ~? 俺たちを見て誰だか分からないのか?」

 ???

 「えぇっと・・・・・・山賊ですか?」

 賊2

 「そうだ! 俺たちは山賊・・・・・・これからあの村を襲いに行くんだよ。

 ここにいたら危ないぜ~」

 

 そう言うと周りの男たちは笑い出した。

 

 賊1

 「あははは! どうだい・・・・・・ここで俺たちに身売りするなら命だけは

 助けてやってもいいぜ?」

 ???

 「身売り・・・・・ですか?」

 賊1

 「あぁ・・・・・・決めるなら今の内だぜ?」

 ???

 「・・・・・・分かりました」

 賊3

 「そうか・・・・・・じゃあ、俺とお楽しみと行こうじゃねぇか・・・・・・

 へへへ・・・・・・」

 

 一人の男が女性に近づき、肩に触れようとした時、

 

 ボトッ

 

 何かが落ちる音が周りに広がった。

 近づこうとした男は立ち止まり伸ばしていた自分の腕を見た。

 

 賊3

 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!! 俺の・・・・・俺の腕がぁぁぁーーー!!!」

 

 そこには肘から先が無く大量の血を流した賊が喚いていた。

 女性は布に包まれていたであろう血の付いた剣を喚いていた賊に戸惑い無く心臓に突き刺し殺

 した。

 

 ???

 「身売りもしませんし、村を襲うのも絶対にさせない・・・・・・はぁ~。

 こんな事しにここに来たわけじゃないに・・・・・・」

 賊1

 「て、テメェ! い、一体何なんだ!? こんな事をして唯で済むと思うなよ!」

 ???

 「貴方たちこそ私の村に手を出そうとしたんですからただで済むと思っているんですか?」

 

 そういうと女性は背負っていた長物の布を外すとそこから出てきたのは桃色をした刀身を持った

 大太刀と、緑を基調とし桃色の線が入った長方形の穴が開いた箱の様な物が出てきた。

 

 ???

 「折角の旅の前に水を差すような人に・・・・・・」

 

 大太刀を左に持ち、右手に穴が開いた箱を賊に向け

 

 ???

 「慈悲なんていらないよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―1刻後―

 

 そこには積み重なっている男たちの死体の山に腰を下ろしている外套を纏った女性がいた。

 

 ???

 「ふぅ~・・・・・・私と――くんの噂聞いて誰も手を出さなかったのにかなり遠い所から

 来たのかな・・・・・・この人たち・・・・・・」

 

 一人で呟いていると、

 

 ザッ

 

 足音が女性の後ろ鳴り、振り向くとそこには牛、馬、鷲、猿を連れた5歳くらいの幼児が

 立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―数日前―

 

 この桃花村の村の近くにある森には、村人の中で有名な幼児が住んでいる。

 1年前にフラッと姿を現して森の中で一番大きな木の下を寝床にして、森の中にある山菜や動物

 を狩りながら生活している。

 

 ???

 「・・・・・・」

 

 その幼児は今日もその木の下で、自分が連れている猿と戯れていると

 

 ???

 「か~ず~と~く~ん!!」

 

 一人の少女が近づいてきた。

 

 一刀

 「・・・・・・桃香お姉ちゃん、元気そう」

 桃香

 「今日も元気一杯だよ! 一刀くんは?」

 一刀

 「・・・・・・元気」

 桃香

 「うん♪ 一刀くんも元気でなりよりだよ!」

 

 そして村の中でも一人の英雄的存在がいる。

 名を劉備――――――桃花村で生まれ、ずっとこの村で生活してきた少女。

 中山靖王・劉勝の血を引き継いでおり、劉備自身もその劉勝に憧れを持ち武の道を極めて来た。

 そのせいがあってか、村を襲おうとする賊をすべて返り討ちにさせ撃退しており、村人から英雄

 視されていいる。

 

 桃香

 「あのね、一刀くん・・・・・・話しておきたいことがあるの」

 一刀

 「・・・・・・? 何?」

 桃香

 「私ね・・・・・・今の世の中がどうしてもおかしいって思うの・・・・・・私たちの村は

 安全だけど、他の村は賊に襲われていたり、重税を苦しんでいたり、大陸の色んな所で

 泣いているような感じがするの」

 一刀

 「・・・・・・」

 桃香

 「だからね・・・・・・私、思ったんだ。桃花村だけじゃない・・・・・・

 もっと沢山の人に幸せに生活して欲しいって・・・・・・」

 一刀

 「・・・・・・」

 桃香

 「この村から出ようと思うの・・・・・・世の中は見てどうやって変えていけるか

 探してみたいの!」

 一刀

 「・・・・・・良いと思う」

 桃香

 「え?」

 一刀

 「桃香お姉ちゃんは自分のしたいようにやれば良いと思う・・・・・・

 それが一番お姉ちゃんらしいって・・・・・・思う」

 桃香

 「そうかな・・・・・・そうだと良いかな? それでね、お願いって言うのかな・・・

 そのね、実は一刀くんにも・・・・・・その・・・・・・えーと・・・・・・」

 

 桃香は胸の前で手をモジモジさせながら言葉に詰まっていた。

 

 桃香

 「(本当は巻き込みたくなんか無い・・・・・・でも、一刀くんは私が・・・・・・

 守ってあげないと・・・・・また一人になっちゃう)」

 

 実は桃香と一緒に話しているからこそ良いが、それ以外の人だと一刀は話しが

 全く出来ないほどの人見知りを持っている。

 その為、村人の殆どの人は一刀に関わろうとしない――――――しようと思っても出来ない

 

 一刀

 「・・・・・・どうしたの、桃香お姉ちゃん?」

 桃香

 「えっと・・・・・・その・・・・・・私の旅に一刀くんもついて行って欲しいの!!」

 一刀

 「・・・・・・ぇ?」

 桃香

 「本当は一刀くんを危ないことに巻き込みたくないんだよ? でも、私がいなくなっちゃうと

 ・・・・・一刀くんはまた一人になっちゃう・・・・・・そのなの私は嫌なの・・・・・・」

 一刀

 「・・・・・・」

 桃香

 「どうかな?」

 一刀

 「・・・・・・」

 

 一刀は何も喋らずに桃香の方をジッと見ていた。

 この森に住み始めた頃からずっと自分の面倒を見てくれていた桃香。

 桃花村が賊に襲われそうになった時に桃香だけが戦ってるのを見て、一刀は何故か助けたと思

 い隠して持っていた武器を使い賊を完膚なきまで叩き潰した。

 何故、そこまでして桃香を助けたいと思った自分に一刀はずっと疑問に思っていた。

 しかし、先ほどの桃香の言葉を聞いてある確信を得た。

 

 一刀

 「(・・・・・・僕、桃香お姉ちゃんこと・・・・・・好き。だから・・・・・・)」

 

 心の中である決心をした一刀は、不安そうに見つめる桃香に

 

 一刀

 「・・・・・・行く」

 桃香

 「へ?」

 一刀

 「桃香お姉ちゃんと一緒に旅する」

 桃香

 「・・・・・・良いの? 危ないんだよ?」

 一刀

 「大丈夫。危ないことは馴れてる・・・・・・それに・・・・・・」

 桃香

 「それに?」

 一刀

 「僕より強い人・・・・・・そんなにいない」

 桃香

 「(クスッ)そうだね・・・・・・はぁ~。何か悩んでいたのが馬鹿みたい」

 一刀

 「桃香お姉ちゃんは悩まないほうが良い・・・・・・悩んでいるお姉ちゃん

 ・・・・・・何か変・・・・・・」

 桃香

 「むぅ~! それはそれでちょっと傷つくなぁ~・・・・・・

 でも、これからも宜しくね、一刀くん!」

 一刀

 「うん!」

 桃香

 「あ! そうだ! これからずっと一緒にいるなら、姉弟の契りしなくちゃ!」

 一刀

 「姉弟の契り?」

 桃香

 「うん! 血は繋がっていなくても姉弟になる為の儀式みたいなものかな?

 でもお酒少し飲むだけだから、難しくないよ」

 

 その後、二人は桃花村にある一番大きな桃の木の下で契りを交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―現在―

 

 桃香

 「あ~、一刀くん! 何してたの? 待ち合わせ過ぎてるよ」

 一刀

 「ごめんなさい・・・・・・森のみんなにお別れしてた」

 桃香

 「あぁ~、なら仕方ないね。準備万端?」

 一刀

 「(コクッ)」

 桃香

 「じゃあ・・・・・・行こっか?」

 一刀

 「・・・・・・・うん!」

 桃香

 「私たちの目指す未来に向けて出~発!!」

 

 一刀は黒い馬・黒流星、桃香は赤い牛・闘星牛の背中に乗り進みだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―これは一つの可能性―

 ―一人の幼児が、後に大徳と呼ばれる少女と共に歩み始めた―

 ―そこから紡がれる物語の結末を知る者は誰もいない―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。