そこまでにしとけよ藤村   作:ワラスペ

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お待たせしました。
ようやく本編です。



そこまでにしとけってマジで

無限に広がる荒野。そこは無数の剣が墓標の様に突き刺さり空には曇天混じりの夕焼けと巨大な歯車が浮かぶ世界。

その果てしない世界に金色の鎧を身に纏った男、ギルガメッシュと赤い外套を身に纏った男、アーチャーが戦っていた。

 

「その首何故付いている?」

 

金色の波紋、王の財宝から長身の太刀を取り出したギルガメッシュ。

その姿が残像へと変わり、アーチャーの横へ回り込み太刀を振り下ろし、夫婦剣と長太刀が交わり金属音を鳴らす。

斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。斬る。防ぐ。

だがアーチャーの手にするは所詮贋作、ギルガメッシュの攻撃に押し負け刀身にヒビが生じ砕け散る。

アーチャーは小細工程度に干将・莫耶をギルガメッシュに投げ捨て間合いを取る。

 

「投影、開始ーーー是、射殺す百頭」

 

投影するは巨大な斧剣。左腕を前に出し掲げる様に構える。

更に空を埋め尽くさんと言わんばかりに投影したのは勝利すべき黄金の剣。

 

「いくぞ英雄王ーーー武器の貯蔵は充分か」

「はっはっはっ‼︎面白い、面白いぞ雑種!」

 

斧剣を手に駆け出したアーチャー。

狙いを定め九つの斬撃を繰り出し、輝く無数の剣が降り注ぐ。

一撃が必殺、一瞬が絶命。

たが、それら全ての攻撃が黒き暴風によって霧散する。

王が手にしていたのは黒く、剣と呼ぶには歪な物だった。

 

「褒美だ贋作者。我が持ち得る最強で貴様を捻じ伏せよう」

「投影、開始」

 

対してアーチャーの手には青い柄に金色の鍔で装束された西洋剣。

かつてアーサー王が手にしていた最強の剣。

天地を乖離した剣が黒き暴風を纏いながら荒れ狂い、勝利の剣が光の奔流を促す。

 

「行くぞーーー”天地乖離す開闢の星”」

「ーーー”約束された勝利の剣”」

 

さて、ここで止めて悪いが何故彼等が戦っているのか?つか神造兵器投影してるやんとツッコミ所満載だが、事の発端は第四次聖杯戦争が終わった少し後まで遡る。

 

 

 

 

時は数年前、正義の味方を志す少年がまだ幼い頃。

少年は魔術の鍛錬を見て貰っていた。

 

「(あぁ今日はいい天気だ。曇りは無いし庭の木々が喜んでいる…)」

「爺さん見て見て!」

 

庭を眺める切嗣の気を引こうと士郎が”剣”を手にし飛び跳ねている。

 

「(なのに士郎、君はどうして…)」

「行くよ爺さん!ーーー”転輪する勝利の剣”」

 

灼熱を帯びた熱線が庭を蹂躙する。

 

「(そんなにもガラティーンをしているのだろうか…)」

「凄いだろ爺さん⁉︎」

「士郎、そんな物投影したら頭がパンクするから止めなさいって言っただろう?」

「そんな事無いよ?」

 

キョトンと首を傾げる士郎。

 

「でも、神造兵器を投影なんてそんな」

「なんか理解出来ちゃった」

「…士郎は天才だな」

「へへっ。褒めてもカリバーしか出ないぞ爺さん」

「(でも士郎から溢れ出る魔力は一体どこから…)」

「これも桜から貰った水筒のおかげだよ」

 

士郎が持っていたのは虎を彷彿する水筒、聖杯だった。

 

「使っても使っても次の日には満杯になってるんだぜ爺さん。これで俺が正義の味方になってやるよ」

「そっか。ああ…安心した」

 

夏の日差しの中、衛宮切嗣はそっと瞳を閉じた。

 




なお、話の終盤辺りはプリヤのドライと関わってくるのでネタバレになるかもしれません。
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