職員室はガラスの破片が飛び散り殺気が充満する。
「すまねぇな。俺のマスターがアンタを先に殺せと言ってるんでね」
獰猛な笑みを浮かべ矛先を藤村に向けるランサーに対してアーチャーは藤村を庇う様に前に出る。
「させると思うか?」
「さぁな。それはテメェ次第だ」
コンマ数秒の静寂から刹那、ランサーは赤槍を携え突進する。
「藤ねぇ!捕まれ!」
「ほいさ!」
アーチャーは藤村を抱き上げランサーの攻撃を回避し、そのまま窓ガラスを片足で蹴破り校庭に飛び出る。
「ちょっと士郎!窓ガラスいくらすると思うの!」
「すまん藤ねぇ自分で割った分は直すから許してくれ」
「良し、許す!」
互いに着いたガラスの破片を払う中、ランサーが二人の前に立ちはだかる。
「逃げ出すとは根性ねぇな。まぁこっちとしてはココの方が思う存分やれるから助かるが」
「だけどアナタはダメ」
「何がだよ?」
「窓ガラス割っちゃってタダで済むと思ってるの!」
「別に良いじゃねぇか今は戦争中だから良いだろ?」
「甘い、その考えは甘過ぎる!うちの近所の犬だってそんな事しないわ」
「…今、なんつった?」
青タイツの雰囲気が変わり、槍に紅き光を纏う。
「だから近所の犬だってそんな事しないわ」
「そうかい…なら、いっちょ痛い目に会おうか」
大河へ睨みを入れる。
「おい弓兵。守るなら今の内だぜ」
「問題無い。お前では藤ねぇに指一本触れられ無い。なぜなら貴様は…」
「へっ!知らねぇぜ!」
ダンッ!と空中へと飛び、槍を構える。
「行くぜ!”刺し穿つ死棘の槍”!」
「…幸運Eだからだ」
瞬間、大河へ差し迫る槍は突如ランサーへと矛先を変える。
「え、ちょっえええええ⁉︎」
藤村の心臓が突き刺さる結果は因果逆転の更なる因果逆転によりランサーの心臓に突き刺さる結果となった。
「ぐはっ‼︎」
(ぶはぁwww愉悦wwwwww)
心臓を突かれたランサーは地に伏せる。彼のスキルは戦闘続行A、そのスキルのおかげで彼は辛うじて息をしていた。
「ぐ…し、心臓が止まるかと思ったぜ…」
「はっはっはっ!笑わせるではない狗!止まる所か突き刺さっているではないか!」
「「「⁉︎」」」
3人を見下ろす様に屋上に出で立つは英雄王、ギルガメッシュ。王の財宝から武器達を藤村に向けて放射するが武器の全部が藤村を避けるかの様にあらゆる方向に散って行く。
「小癪な。やはり我自らが手を下すとしよう」
屋上から優雅に飛び降り藤村の前に着地する。
「誰も援軍を呼んでねぇぞ」
「勘違いするな狗。それよりも傷を治せ。汚い肉が更に汚くなるなど目に余る」
財宝の一つである傷薬をランサーに渡す。ちなみに薬は塗り薬である。
「さて虎、感謝しろ。王である我の手で死ねる事を」
「すまないが、そこまでにしてもらおう英雄王」
藤村を後ろに下がらせ自らギルガメッシュに対峙するアーチャー。だが王の獲物は藤村、そこに水を差され苛立ちを露わにする。
「どけ雑種。貴様などには用は無いわ!」
片腕を横に振り王の財宝を展開。そしてアーチャーに向け放射され土煙が舞い上がる。
「次は貴様だ虎」
赤き眼を藤村に向けるギルガメッシュ。しかし彼は藤村に武器の放射は効かないことは十分承知済みである。なので三歩、いや三億三千三百三十三万歩譲って自ら手を加える事にしたギルガメッシュは財宝から取り出した一つの剣を手に携える。
「終わりだ「貴様がな」…⁉︎」
土煙を割いて捻れた矢が飛び出し、それに反応したギルガメッシュは手に持った剣で受け止め様とする。
「”壊れた幻想”」
剣と矢が触れ合い金属音が木霊すると同時に矢は姿を壊し爆発する。
「おのれぇぇぇ‼︎」
激情を露わにしながら財宝を土煙に紛れたアーチャーに放射、それらを二つの黄金の斬撃が土煙と共に払い退ける。
土煙が晴れアーチャーの姿が月光に照らされる。
その両手には双剣の如くにエクスカリバーが握られていた。